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ニュース2006年
いじめによる自殺の連鎖をめぐり文科省の姿勢を質す  [2006年11月24日(金)]
教育基本法に関する特別委員会で質問
神本議員
この日は、最初に民主党の福山哲郎議員が政府法案第16条の教育行政、現行法は第10条になりますが、「不当な支配」をめぐり審議がスタートしました。
伊吹大臣が都道府県知事の政治的思想によっては不当な支配にあたることを例示したこと、タウンミーティングに関する政府側の答弁に誠意が見られないことから議論が紛糾。審議がたびたび中断したため、私の持ち時間が縮小され、残り時間は27日に持ち越されました。

私は、現状を指摘してから質問に入りました。今年になって表面化した北海道、8月以降になって、愛媛、福岡、岐阜、埼玉、大阪、そして山形と異常ともいえるいじめによる自殺の連鎖が起きている。子どもが悩み助けを求めているのに、相談を受けたのに、自殺を止めることができなかった事態に、学校や教育委員会の隠ぺい体質などが指摘されている。大人の誠実さや真摯な態度が求められているにもかかわらず、それに応えることができない学校や社会。そして、いじめによる自殺というのが学校教育にかかわって起きている事実。特効薬はないにしても、何かできることはないのかなど、意見を述べながら文部科学大臣としての考え方を問い質しました。

伊吹大臣
伊吹大臣
伊吹文部科学大臣は「関係者は大人の一人として、教育行政に携わる者の一人として、指摘された誠実さと、その任に当たる人の感性を磨いてもらわないといけないと思う。」として「教育委員会も学校現場の状況をよく把握して、率先垂範しなければいけない、指摘されたことは全くそのとおりだと思う。私自身も文部行政の責任者として、事に当たりたいと思っている」と答弁されています。そして「全国から教育委員会の担当者に来ていただいたときには、再三、いじめが生じた場合の成功事例を各々共有してもらうように努めている。それから、いじめが少ないということが良いのではなくて、いじめがあったけれども、こういう形で食い止めたということを高く評価するように、と申してきた。しかし何より一番大切なことは、できるだけ周りにいる者が早く兆候を見付け、対応すること。表に出ていないが何十倍と未然に防いでくれている学校があるということも、理解をしてやってもらいたい」と述べています。

私は、このいじめ問題に対しては「10年ほど前にも自殺が相次いだ時期があり、そのときも、いじめ問題に苦しんでいる国々、いじめ対策に重要な子ども参加のとりくみなど先進的なとりくみをしているイギリス、NGO、ノルウェーのジャーナリスト、アメリカからの参加を含めた国際会議に出席してきたが、多くのことを学んだ。いじめというのは完全になくなるということではなくて、いじめはいつでもどこでもだれにでも起こり得るという認識をしてきた。これは文科省も10年前のときから示しているが、このいじめが起きたときにそれをどう解決していくのか、あるいはより起きにくくするとりくみをするのが学校であると思う。そういう観点から、文科省は毎年、暴力行為やいじめ、高等学校における不登校、高校中退、児童生徒の自殺者など生徒指導上の諸問題の現状について、調査をされているが、これをどう分析して施策に反映させているのか」説明を求めました。
そして「具体的に、いじめやあるいは校内暴力等があり、前年度比として減っていかないというようなところに対しては、何かそれに対する支援措置、学校や地域的にこういう支援が欲しいというような現場からの声がボトムアップしていくようなシステムはあるのか」を聞きました。

銭谷局長
銭谷局長
これに対し、銭谷・文科省初等中等教育局長は、「いじめの問題は、早く兆候を把握し迅速に対応するということが大事だ。そのため各都道府県では、子どもアンケートなどを実施してその中から問題を見いだして対応していく事例などがある。そういうものを広く紹介するとともに、問題を隠さずに学校、家庭、地域社会連携して対処する必要があるので、そうしたとりくみの事例を、広く共有化できるようにしいている。特に教育相談が大変大事なので、相談機関の整備、更には各学校にスクールカウンセラーの配置、その問題対応のために、こういった問題を抱える学校へ対応できるための教職員の配置についても努めてきた。
スクールカウンセラーを派遣している学校、派遣していない学校での不登校やいじめ、暴力行為の発生件数などをかつて経年で比較したが、スクールカウンセラーの派遣校の方の状態が改善をされているという結果は出ている。」と答弁しました。

これら答弁でも明らかなように、いじめはいつでもどこでもだれにでも起こり得るということから、その解決に向けては、学校・教育委員会と保護者、地域との連絡体制の緊密化はもちろんですが、当事者である子どもたちの声が共有される、反映される学校、地域、社会全体の仕組みをつくりだすことが重要です。と同時に、スクールカウンセラーの配置が大きな影響を与えているので、これら職員の全校配置と常勤化が喫緊の課題になっています。

この日の質問の中で、伊吹文科大臣は、いじめの問題に関し、「これは学校現場の問題もありますが、同時に家庭、大きく言えば、やはり豊穣の中の精神の貧困のような先進国に特有の現象が日本にも病理として今広まっているという中でひとつ考えなければいけない部分もあります。」と述べています。

この発言のその意図するところは何でしょうか。伊吹大臣は、この間教育基本法改正の趣旨を、豊穣の中の精神の貧困やそこでの伝統的な価値観の喪失、規範意識の希薄化などを取り上げています。そして安倍首相は「美しい国、日本」を実現させる、そのためには最重要な法案として掲げています。いじめの問題もまた、未履修と同じように、教育基本法改正と無理やり結び付けようとしているところに政治的な思惑を感じるのは私だけでしょうか。

リンク [質問議事録]  教育基本法に関する特別委員会  [2006年11月24日(金)]
  
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