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ニュース2005年
財政措置は「手放さない」という決意で臨むべき [2005年3月31日(木)]
文教科学委員会で質問に立つ
神本議員
3月31日の文教科学委員会で、義務教育費国庫負担法等改正案の審議が行われ、中山文部科学大臣、下村文部科学大臣政務官、総務省に対して質問しました。

質問ではまず、中山大臣の歴史教科書に関する発言の真意と、それを支持する下村文科政務官に歴史認識について追及しました。
また、改正案については、義務教育費国庫負担制度に対する文科省の責務・姿勢などを質し、30人学級への上限引き下げや、非常勤の教職員の処遇改善、公立小中学校の耐震化についても対応を要請しました。

→質疑応答の全文はこちらをご覧ください。[質疑応答全文]

■中山大臣の歴史教科書に関する発言を質す
下村文科政務官
下村文科政務官
まず、昨年の中山大臣の歴史教科書に関する発言(下記を参照)を下村文科政務官が「支持する」と発言したことを取り上げ、下村政務官の歴史認識を質しました。

下村政務官は、「当時、『強制連行』『従軍慰安婦』は使われておらず、政府は『募集、官あっせん、徴用』と使っている。あったことは事実だが、使われていなかった言葉を使うのは適切ではないし、教科書に『慰安婦』と入れることも適切ではない。そういう意味で発言を支持した」と述べ、歴史的事実と認識しながらも発言を支持する姿勢を改めて表明しました。

さらに私は中山大臣に対し、「(大臣、政務官の認識に)憤りに近いものを感じる。歴史事実を子どもたちに伝えることが、なぜ自虐史観なのか」と追及しました。

中山大臣は、「自虐的な云々という話はしていない。どの国の歴史にも光と影がある。影の部分だけを強調して教えるのは良くない。歴史をちゃんと教えてはいかぬと言っているわけではない。歴史認識、民族の自信と誇りを持ち、子どもたちは歩んでもらいたい」と答え、自虐的という発言は否定しましたが、教科書記述はバランスを欠いていると強調しました。

この答弁に対して私は、「子どもたちには歴史の光と影をきちんと伝えて事実を直視し、これからの和解と友好を進めていくと受け止めさせていただく」と発言しましたが、今後さらにこの問題について深く議論することも述べました。
■30人学級への上限引き下げ、教職員配置を地域に任せるなどの施策を
次に義務教育費国庫負担制度について、「義務教育は子どもたちが社会生活を送る上で必要な基礎的資質を培うもの。財政的保障が必要で、その為に制度がある。国の責務をどうとらえているか」と、この制度に対する大臣の姿勢を質しました。

中山大臣
中山大臣
中山大臣は、「どの地域の学校でも一定水準以上の教育が受けられるように、財源保障を含む教育条件の改善が必要だ。特に優れた教員の確保が不可欠。その為に(国は)必要な財源を手当てする責務を担っている」と述べ、教育水準を維持・向上の為にはこの制度が不可欠という旨の答弁がありました。

また、答弁の中で、学校現場の裁量の幅を拡大したいとの発言があり、これについて私は、「国は『金は出すが余計な口は出さない』ということか」と大臣の考えを問いました。

中山大臣は、「まさにその通りで『金は出すが口は出さない』。現場の学校、市町村が責任持って自分たちの子どもたちは自分たちで育てるという思いで頑張っていただかなければならない」と答えました。

さらに教育水準の向上の施策について、「3月29日の当委員会で鳥居中央教育審議会会長が30人学級を審議の対象にしていると発言した。教育水準の向上には、現行40人学級の上限を30人に設定したり、教職員の配置を地域の実情に任せるなどの『打って出る』施策が必要ではないか」と提案しました。

中山大臣は、「学級編制も真剣に考えなければならない。現行の定数改善計画は平成17年度に完成し、その後については中教審で議論いただきたい。そういう方向(上限が30人)になればいいな、という気持ちは持っている」と答弁しました。

この答弁に対し、「『なればいいな』という弱気ではなく、『そうする』という決意を持って臨むべき。『教育水準の維持向上の為には30人以下学級が必要だ』と、あらゆるところで発言すべきだ」と強く申し入れました。
[非常勤教職員] 実態の把握と、処遇改善を検討すべき
「今学校現場では臨時的任用や非常勤の教職員が増えている。実態をとらえる必要があるのではないか。また、教育活動への影響をどう考えているか」と実態把握の必要性と影響に対する認識を尋ねました。

銭谷文部科学省初等中等教育局長は、「公立小中学校の非常勤講師は16,481人(平成16年度・国庫負担対象)で、2,564人増加している(前年度比)。常勤教職員の配置がまず基本で、非常勤講師を活用することで特色ある教育活動ができる。実情を把握し適切な教員配置を促していきたい」と答え、実態把握に前むきな姿勢を明らかにしました。

さらに非常勤教職員の待遇について、「非常に差別的な待遇を受けているとの訴えを聞いた。教育水準を維持する観点からも、処遇・待遇、学校内の位置付けも議論する必要があるのではないか」と、待遇改善にむけ議論すべきと訴えました。

しかし銭谷局長は、「スクールミーティング等を通じて各学校の実情を把握しながら適切な教職員配置等について考えていきたい」と述べるにとどまりました。
[学校耐震化] 中教審でもこの問題を議論すべき
次に学校施設の耐震化を取り上げ、「(各地域で耐震化改修に)ばらつきがあり、なかなか進まない。老朽化し、改築もままならない中で耐震診断や耐震化改修が進まないことは認識しているが、市町村教育委員会からも『原因は財政事情』との声が上がっている。中教審でも議論の必要があるのではないか」と一層のとりくみをすすめることを要請しました。

銭谷局長は、「学校教育の物的水準を維持向上することは極めて重要。公立学校施設への負担金・補助金の取扱いは、昨年の政府・与党合意で今年秋までに中教審の審議結果を踏まえ決定することになっている。今後の学校施設整備の在り方の報告も踏まえ検討したい」と答えるのみで、具体的な耐震化推進へのとりくみについては言及しませんでした。

最後に私は中山大臣に対し、「学校現場に基づいた教育水準を維持向上させる為には、国が責任持って財政措置をし、手放さないという強い決意で臨むべきだ。大臣の職を賭してやっていただきたい。中教審に丸投げではなく議論の方向を示すべきだ」と強く要請して、質問を終えました。
質問の詳細は質疑応答の全文をご覧ください。
□参考
2004年11月27日大分県別府市で開かれた「教育改革タウンミーティング イン 大分」(内閣府主催)で、中山大臣が「従軍慰安婦や強制連行の記述が減ったことは大変良いことだと思う」と発言。自ら「日本の前途と歴史教育を考える会」の座長を務めていたことも披露した。タウンミーティング直後の記者会見で、「大臣になる前にそういう思いがあったので、教科書を見てだいぶ減ったと感じたということ。今回は検定の責任者になったから、中立的に見ていかないといけないと思っている」と個人的な発言であった旨を述べた。
◇内閣府HP
教育改革 タウンミーティング イン 大分 -考えよう、義務教育-(2004年11月27日)
  
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