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DV防止法の改正案骨子がまとまる [2004年2月16日(月)]
参議院・共生社会調査会・DV法見直しプロジェクト・チーム
私が副座長を務める参議院・共生社会調査会の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の見直しに関するプロジェクト・チーム(以下、PT)は、3年前に成立した配偶者暴力(ドメスティック・バイオレンス:DV)防止法の改正案骨子を2月16日(月)までにまとめました。

16日には国民との意見交換会が参議院議員会館内で開かれ、大勢の民間の支援団体や当事者の皆さんが参加されました。

国民との意見交換会で挨拶
国民との意見交換会で挨拶
意見交換会ではまず、PTの南野座長から改正案の骨子が説明されました。
私は挨拶の中で、「このような法改正の具体的な議論で中心的に関わったのは初めてだが、直接当事者の方をはじめ、本当に多くの皆さんの声を聞かせていただき、支えられながら意見反映につとめてきた」とお礼を述べました。
その後、DV法に詳しい戒能民江・お茶の水女子大教授より、「同伴する子どもの年齢は区切らず」「前文には重大な人権侵害であると入れる」など、骨子を条文化する際の要望がありました。

さらにシェルターの関係者を代表する立場から、「改正作業そのものが、当事者参画のモデルであった。今後は、公的財政援助が民間団体にきちんと届くように、基本方針、基本計画にしっかり位置付けてほしい」との要望も出されました。

今後の日程は、3月末を目途に法律条文を決定し、国会に提出する予定で、5月末頃には審議、成立させたいと考えています。

リンク 配偶者暴力防止法  改正案骨子    <HTML>
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■改正案骨子のポイント
今回の改正案骨子は、「保護命令の強化」「被害者の自立支援の明確化」が目玉となっています。

具体的には、
(1)暴力の定義を拡大し、生命身体への危害だけでなく脅迫などの精神的暴力を法の対象とすること。
(2)保護命令の対象に「元配偶者」「子ども」を含めること。退去命令期間を延長し、再度申立を可能にすること。
(3)被害者の自立支援の内容を明確化する。国や市町村の責務を明記し、実施する機関の責務を明確化すること。
(4)新しい財政支援制度は作れなかったが、国にDV施策の基本方針、都道府県に基本計画の策定を義務化することで、民間団体への公的財政措置への道を開いた。
(5)外国人被害者を法の対象として明記すること。
などです。

民主党として盛り込むべき「改正の課題」は、8割方入れることが出来たと考えています。
■民主党での論議
民主党の男女共同参画調査会・法務部門合同会議では、参議院の法制局にも同席していただき、ご質問やご意見に対する回答もしていただきました。

民主党からの質問として、
(1)接近禁止命令の対象とする子どもの年令について、今後検討としているのは何故か。
(2)加害者更生プログラム導入が見送りになった理由に、諸外国とは法制度が違うことが掲げられているがどういうことか。
などがあり、

法制局から(1)については、「子どもの位置付けについて様々な法体系との整合性を図らなければならず、超党派のPT内でも意見が分かれているところである」との回答がありました。
また(2)については、「欧米では加害者がプログラムを受講すると刑罰を免除されるなどの仕組みであり、日本にはそうした免除の仕組みがないため、法体系全体の議論が必要である」との説明がありました。

その他に、民主党からの意見として出されたものは、
「本人が加害者になりそうだからと申し出てきた場合の受け皿を設けるべきではないか」「被害者の安全確保のために、警察には具体的な義務規定をかけるべきではないか」などがありました。

これらへの対応としては、今後の法改正に伴う運用改善事項の検討の際に、加害者更生プログラムの調査研究で受け皿作りの研究実施について検討を求めたいと思います。
また、警察の義務規定については法律に書き込むと、却って現場では臨機応変に対応できなくなる恐れがあるため、運用改善で警察庁に注文を付けていきたいと思います。
■「市民とともにつくりあげる」ことを実感
昨年4月から、衆議院へ転出された小宮山洋子議員の後を継ぐ形でPTの副座長として議論に参加してきました。1年近い議論を経て、ようやく改正案骨子という形で公表することができました。

この改正案は超党派の議員立法であり、最初は各会派の意見の違いや課題意識の温度差などもありましたが、被害当事者、行政、民間での支援の現場、弁護士、学者などの専門家の方々からのヒアリングや意見交換会を精力的に重ねるうちに段々と収れんされていきました。

ヒアリングでは、被害当事者からのすさまじい被害の実態、相談や一時保護、生活再建のプロセスにおける体制の不備や二次被害によるダメージ、また、実際の自立支援を担う民間シェルターからは、「公的な財政支援がほとんどない中でのボランティア活動はもう限界」など、悲鳴に近い声を聞きました。
PTのメンバー全員が「女性に対する暴力は重大な人権侵害であり、これを根絶することは国、自治体、社会全体の責務である。これ以上被害者を出さないために、被害者が尊厳を取り戻し、人間として新たな人生をスタートするために、実効ある法律にしていこう」という思いを共有できたと思います。
まさに「市民とともにつくりあげる」ということを実感してきました。

今回の改正で盛り込めなかった課題については、(1)3年後に見直しをする、(2)運用の改善でとりくむ、(3)国と都道府県に策定を義務化する基本方針・基本計画を実効あるものにするとりくみ、などが決まっています。今後もしっかりととりくんでいきたいと思います。
配偶者暴力防止法  改正案骨子
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1  「配偶者からの暴力」の定義の拡大
「配偶者からの暴力」の定義における「暴力」の内容について、保護命令に関する部分等を除き、身体的暴力のみならずそれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動が含まれるようにすること。なお、これに伴い、前文について所要の改正を行うものとすること。
2  保護命令制度の拡充
(1) 元配偶者からの暴力に係る保護命令の申立て
配偶者からの暴力を受けた後離婚した者が、その配偶者であった者から引き続き暴力を受けるおそれがある場合についても、保護命令の申立てをすることができるようにすること。
(2) 子どもへの接近禁止
被害者に対する保護命令の実効性を減殺させることを防止する観点から、被害者の同伴する子どもへの接近の禁止を命ずることができるようにすること。
(3) 退去命令期間の拡大
退去命令の期間を、現行の2週間から2ヶ月に拡大すること。
(4) 退去命令の再度申立て
当事者双方の事情からみてやむを得ないような場合については、退去命令の再度の申立てをすることができるようにすること。
(5) 保護命令の再度の申立手続の改善
保護命令の再度の申立てをする場合において、配偶者暴力相談支援センター又は警察職員に対し、その後の状況に関して相談等をした事実に係る所定の事項が申立書に記載されているときは、公証人面前宣誓供述書の添付を不要とすること。
(6) 退去住居付近のはいかいの禁止
接近禁止命令及び退去命令が併せて発せられた場合に、被害者と共に生活の本拠としている住居の付近をはいかいすることをも禁止すること。
3  市町村における支援センターの業務の実施
都道府県のほか、市町村においても、配偶者暴力相談支援センターの業務を実施することができるようにすること。
4  被害者の自立支援の明確化等
(1) 国及び地方公共団体の責務
国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務を有することを規定すること。
(2) 基本方針及び基本計画の策定
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関し、政府の基本的な方針を定めることとするとともに、都道府県は基本的な計画を定めることとし、国は都道府県に対しその作成に必要な助言等を行うよう努めるべきことを規定すること。
(3) 福祉事務所による自立の支援
福祉事務所は、法令の定めるところにより、被害者の自立の支援のために必要な措置を講ずるよう努めるべきことを規定すること。
(4) 自立支援に係る市町村の連携協力
被害者の保護のために連携協力に努めるものとされている関係機関として、市町村を明記すること。
(5) 支援センターによる自立支援の明確化及び調整機能の発揮
被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する各種制度の利用等についての情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を配偶者暴力相談支援センターが行うことを、その業務として明記すること。
(6) 自立支援等に係る民間団体との連携
配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間団体との連携に努めるべきことを規定すること。
5  外国人、障がい者等への対応
職務関係者は、その職務を行うに当たり、被害者の国籍、障がいの有無等を問わず、その人権を尊重すべきことを規定すること。
6  警察による援助
警察においては、更なる配偶者からの暴力による生命又は身体への危害の発生防止について被害者から援助を求められたときは、被害者に対し必要な援助を行うよう努めるべきことを規定すること。
7  苦情の適切かつ迅速な処理
被害者の保護に係る関係機関は、その業務の実施に関して被害者から苦情の申出を受けたときは、適切かつ迅速に処理するよう努めるべきことを規定すること。
8  3年後の見直し
改正法の施行後3年を目途とする見直し規定を置くこと。
  
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