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気まぐれ日記
「この国が好き」 [2006年8月21日(月)]
「この国が好き」

先日、新聞の書評欄で、こんな文字が目にとまった。
教育基本法のための政府案が国会に提出され、「愛国心」論議が表舞台に出てきた。「いよいよ、こんな本が出てきたか」と思い、短い紹介文を読んでみたら、「この国は、60年間ひとりも戦場で死んでいない。ぼくたちの国、すごいのです」と書いてあった。

鎌田實さん(著者)ごめんなさい。勝手に誤解して。
すぐに読みたいと思って、新幹線に乗る前に東京駅の書店にかけ込んだ。
「ない!」
焦って探していると、「あきらめない」(鎌田實)という文庫本を見つけた。急いでその本を買って、新幹線に飛び乗った。
とてもいい本だった。

市民の立場に立つ科学者として活動された高木仁三郎さんが亡くなる半年前にインタビューした内容が「丸ごとのぼくをみて」と題して紹介されていた。


高木仁三郎さんのことば

――「現代医療は病気だけを診ていて、私という患者を診ないんですね。私の中におけるがんを診ていて、私という人間を診ていない…」

――「大腸がんが見つかったときは、大腸の専門家が診てくれ、肝臓に転移が始まったときは、肝臓の専門家も加わって診てくれました。いつでも、それぞれの専門家がよく診てくれました。でもね、丸ごとのぼくを診てくれる人はいないんだよなぁ」

――ぼくは現代医療が推し進めてきた、効率よく病んでいる臓器だけを診る医療ではなく、病気をもつ一人の人間全体や、その人がいっしょに生活する家族や地域に心を注ぐ医療をおこなっていきたいと思った。高木先生の市民科学者としての姿を学びながら、市民の側に立つ医療者になりたいと思った。



これは、そのまま教育にもあてはまる。後半に出てくる今井澄先生の話も心にしみた。今井澄先生と参議院でご一緒できたのは1年余りだが、地域医療に生涯をかけてこられた方で、同僚議員の皆さんから尊敬を集めておられた。


数日後、ようやく「この国が好き」を手に入れた。
ご自分の初孫を膝に抱き、この国が起こした戦争のこと、憲法のこと、この国が平和を大切にしてきたことを静かに語りかける、やさしい絵本だった。

今、憲法を、戦争をしないと誓った第9条と「権利より義務を」という憲法に変えようとする動きがとても強まっている。

教育基本法に「国や郷土を愛する態度を養う」ことを書いて、教育を文部科学省の思い通りにしようという改正案が国会で審議されている。
これも、憲法を変えるための準備であることは、まちがいない。

戦後の日本の平和を下支えしてきた憲法、教育基本法が、今変えられようとしている。なぜ変えなければならないのか、どのように変えられようとしているのか。変えられることで、この国のあり方や、私たちのくらしや、子どもたちの教育と未来にどのようにかかわってくるのか。

この本の著者、鎌田實さんのように、自分のことばで、自分の実感として、深く語りかけていけたら、と思う。
  
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