2004年12月1日
発達障がいの判断基準の不明確さ、新たな差別の危険性を指摘
内閣委員会で質問に立つ
12月1日の内閣委員会で、発達障がい者支援法案の質疑が行われ、法案の提出者、文部科学省、厚生労働省に対して質問しました。
質問では、
発達障がいの判断基準の不明確さ、障がい者施策における位置づけや、さらに新たな差別の危険性などを取り上げました。
質疑応答の要旨は下記の通りです。
この質疑応答の全文は
こちら
をご覧ください。
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質疑応答の全文
■法案の位置付け、新たな差別や権利侵害への懸念
これまで議論されてきた障がい者施策全体の中で、この法案の位置付けを尋ね、法案に対する懸念として、「
これまで光があたらなかった子どもたちの為に作られたという趣旨であっても、(発達障がいの早期発見・早期支援が統合教育のすう勢に反し)それが障がい児に対する差別と同じになるのではないか」と指摘しました。
山井議員
また、自立と社会参加、差別禁止や権利擁護についても重ねて質問しました。
質問に対し、法案の提出者の一人でもある山井和則・衆議院議員
(民主党)(以下、山井議員)
は、「本法案は障がい者基本法の枠内に位置付けられ、改正障がい者基本法の趣旨も及ぶ」と答弁し、法案の成立で「自立と社会参加、発達障がいを理由に差別を受けることの禁止、その権利擁護が一層促進されることを期待している」と述べました。
■『脳機能障がい』の根拠、認定された場合の危険性
塩田部長
次に厚労省に対して、「発達障がいは脳機能の障がいとの関連で、そのような医学的説明がされる場合が多いと承知しているが、『まだ予測であり確定されていない』と聞いた。政令で定める基準は何か。その場合、どんな手順で発達障がいの対象が決定されるのか」と質しました。
塩田幸雄・厚労省社会・援護局障がい保健福祉部長は、「今後、具体的な対象範囲の検討では参考にしながら、障がい者福祉施策との関係、法案の趣旨を踏まえ、専門家、関係者、パブリックコメントなどで広く国民の声も伺って対応したい」と答弁しました。
福島議員
また福島豊・衆議院議員は、「脳の障がいであることは、精神医学、神経科学の研究で機能の異常が指摘されており、それが共通の認識だろう。そうした考え方に基づいて法案を提案した。この法案は障がいを早期に発見し、いかに支援を図るかに力点がある。診断や治療は当然、本人、保護者の意向を十分配慮しなければならない」と答え、本人、保護者の意志を尊重し、早期の発見・対応が大切であると述べました。
私は「脳機能障がいである根拠、原因、判断基準も明確になっていないものを法律で定義付けていいのか」と疑問点を指摘した上で、さらに発達障がいと認定された場合の危険性も指摘しました。
■就学時健診が変わるのか
さらに文科省に対して、「早期発見というのは多分、就学時健診だと思うが、法律の成立によってどう変わるのか」と質しました。
山中審議官
山中伸一・文科省大臣官房審議官
(以下、山中審議官)
は、「発達障がいの診断には、ある程度の期間の観察が必要で、現在の就学時健診だけで発見することは困難だろう。それを踏まえ、早期発見のために保護者の了解を得て、就学前の子どもの状態についての情報の提供を受ける。専門家の判断、意見等も伺い、就学時健診のマニュアル等も見直していきたい」と答えました。
この答弁に対し、「就学時健診が、障がいの有無で進路を決められてしまうという強制力が働いていることも含めて懸念している」と述べました。
■児童・保護者の決定権、「保育」と「教育」の表現の違い
発達障がいの疑いがある場合について、「継続的な相談や早期に医学的、心理学的判定を受けるかどうかの判断も含め、児童、保護者に決定権があると解釈していいか」と尋ね、さらに、「七条には『ともに生活し保育を実施する』とあるが、八条では『障がいの状態に応じ、十分な教育を受けられるようにする』と、保育と(教育とで)表現が違っているがなぜか」と尋ねました。
この問いに対して山井議員は、「児童、保護者の意思が尊重されねばならない。就学時健診、相談、医学的判断等についても、最大限尊重されるものと考えている」と答え、「発達障がい児が一緒に教育を受けるのは当たり前である」との考えを述べました。
■特別支援教育でのガイドラインについて
さらに文科省に対して、「特別支援教育で小中学校での教育支援体制の整備のガイドラインを作っているが、これはLD、ADHD、高機能自閉症の児童生徒のみが対象であり、従来からの障がいを持つ児童生徒は対象外になるのではないか」という懸念を指摘しました。
この点について山中審議官は、障がいのある全ての児童生徒に適切な対応をすると答弁しました。
最後に私は、「障がいのある子どもたちがともに学ぶことができる環境整備には、学校の中で個別のニーズにこたえられるような人的配置も必要であり、その努力もお願いしたい」と述べ、質問を終えました。
この法案は12月3日に可決・成立し、成立にあたっては障がい者個人の尊厳が重んじられるよう附帯決議
(下記参照)
がつけられました。
質問の詳細は
質疑応答の全文
をご覧ください。
【成立法案】
発達障がい者支援法案
(
Word・42KB
) (
PDF・146KB
)
附帯決議
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Word・25KB
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PDF・91KB
)
[神本みえ子の活動記録ダイジェスト]