2002年11月7日(木)
「教育基本法見直し」「構造改革特区制度」について文科省の見解を質す
参議院文教科学委員会で質問

10月18日より第155回臨時国会が召集となり、11月7日に文教科学委員会で大臣所信に対する一般質疑が行われました。私は、最近報道でも盛んに取り上げられている教育関連の問題の中から、「教育基本法(以下「教基法」)の見直し」「構造改革特区制度」の二点について、文部科学省の見解を質すため、質問に立ちました。

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まず、昨年の文科大臣諮問以来、中教審にて議論され、11月14日には中間報告が出された「教基法の見直し」について尋ねました。

教基法が準憲法的な性格を持ち、教育憲法的な意味を兼ね有するものとの意見も多いが、教基法と憲法との関係への認識を遠山文科大臣に尋ねました。
大臣は、「憲法制定を受け、教育の基本原則を明示し憲法の精神を広めると共に教育の目的を達成するために制定されたものであり、憲法と関わりの深いものと認識している。」と明確に答弁しました。

また、中間報告素案に盛り込まれている「国を愛する心、規範意識、公共心」などの人間の内面にかかわる事柄は、内心の自由を規定した憲法19条などに抵触するのではないかとの質問に、近藤生涯学習政策局長は「国を愛する心は、偏狭なナショナリズムになってはならないが、自国に愛着を感じる感情は自然なもので大切。学習指導要領にも、国を愛する心について国語・社会・道徳の指導内容として明記され、各学校でもこれに基づき指導が行われており、審議内容が憲法に抵触するとは考えていない。」と答弁しました。
しかし私は、「指導要領は法律ではなく、そこで奨励するのと、法律を変えて国を愛する心や公共心を書き込むのとは全然違うこと。議論の中であちこちに憲法に抵触すると思われる内容が散見される。」と指摘しました。

さらに、「教基法が一般には内容が知られておらず、日本PTA全国協議会の調査でも会員の84%が知らないと答えている。もっと国民的な議論にするための手だてが必要ではないか。」との問いには、「教育改革国民会議、中教審と議論されてきて、今後も一日中教審の開催、パブリックコメントの募集、教育改革関係のフォーラム等を実施し、国民的な議論を深める努力を精一杯していく。」と近藤局長は答弁しました。

「時代の進展に伴う新しい課題で、教基法があるために対応できなかったことがあれば、見直す必要があると思うが、何か事例はあるか」との問いには、「教基法は、教育の根本法であり、教基法に規定されていないから施策に取り組めないという性格のものではない。時代の進展や社会の要請に教育がどのように対応するのかという視点から、この時代にふさわしい新たに追加すべき理念・規定はないか中教審で議論してもらっている。」と答えました。
私は、「制定から50数年たって見直すのは、最初から改正ありきでは。それより、平和で民主的な国家建設のために教基法に謳われている理念が本当に実現されてきたのか、来なかったのは何故なのかを見直すという国民的な議論が必要ではないか。教基法の中身を活かしていく教育改革を進めてほしい。」との意見と要請を表明しました。


次に、今国会に法案としても提出されている構造改革特区について尋ねました。
特区では「その市町村の財政力によって、特区を実施できるところと実施できないところで格差が生じるのではないか」と、文科省に問いました。
遠山文科大臣は、「格差のためよりは、全国的な水準の確保のための制度を前提とした上で、各地域の取り組みの独自性や発想を大事にサポートしていくのが特区構想の基本である。」と答弁しました。

そこで、「一定の水準を確保しながらそれに上乗せする形で、独自性、違いが出てくるのは賛成。全国的な最低基準を、要望の多い30人以下学級へと持っていくべきではないか。」と迫りました。
これには、矢野初等中等局長が「第7次定数改善計画が国としてのナショナルミニマムの基準をねらうものであり、合わせて都道府県の判断で特別な事情がある場合には40人以下学級編成が出来るという特例をつくり、各県の創意工夫や努力ができる制度としている。」との答弁がありました。
私は、「30人以下学級へとナショナルミニマムを引き上げていくことを、遠山大臣が打って出るほどの気持ちで頑張ってもらいたい」と大臣にエールを送りながら要請をしました。

教育基本法の見直しも特区も今後の教育の在り方に関係します。特に教基法の問題には、まだまだ議論しなければならないことが沢山あり、これからも機会を見て取り上げ、改悪を認めないとの姿勢で臨みたいと思います。


[神本みえ子の活動記録ダイジェスト]