2002年10月3日(木)
現場の声をふまえた施策を
〜「ジェンダー・フリー教育」と「学力問題」を質す〜
決算委員会で質問

10月3日の決算委員会は、法務省および文部科学省の決算と所管事項についての審査でした。9月12日の内閣府決算の審査と同様に、男女共同参画社会の実現という観点から「男女平等(ジェンダー・フリー)教育の推進」と、また最近マスコミなどでも話題となっている「学力問題」への施策の2点について文科省に質問しました。

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男女共同参画社会形成のために学校教育が非常に重要であるとのスタンスから、文科省の基本姿勢を尋ねました。遠山文科大臣から「学校教育を通じて、男女共同参画社会の大切さを子どもたちに伝えていく役割の重要性は充分に認識している」との答弁がありました。

そこで具体的に、「教科書中の挿絵や記述、登場人物に『性的な不均衡や偏り』がないか」という観点で教科書作成がされているのか、という点と、「男女平等の観点が教科書検定などに取り入れられているのか。今後はどうか」という点を質問しました。これについては矢野文科省初等中等教育局長から、「学習指導要領に基づいて、固定的な性別役割分担を助長するような記述や挿絵には、修正意見をつけるなどしてきたが、学習指導要領や検定基準に基づいて適切に検定を実施していきたい」との答弁がありました。


■日本社会のあり方は努力すべき段階
教職員の男女構成比の問題では、小・中・高と学校校種が上がるにつれ女性教職員の比率が下がり、管理職登用の男女比も不均衡になっていて、セクハラも多くなっています。それが子どもたちに与える影響と是正策を文科省に尋ねました。この問題について、近藤生涯教育局長から「公立学校の職員の登用は、各都道府県教育委員会等の権限と責任において行われるもの。性別にかかわらず、優秀な教員、指導力があり管理職にふさわしい人材が登用されるよう指導している」との答弁があり、さらに遠山文科大臣は、「小学校段階の学校教育は、日本の組織の中で一番男女平等であり、非常にいい影響を子どもたちに与えていると思う。中・高と学校段階を経るに従い、女性教員が少なくなっていることは大変危惧しているが、これは長年の日本社会の在り方を反映している。職業の場、あるいは社会全体で能力を持った女性の活躍の場が限られる日本社会のあり方は、女性が活躍している国々と比べて、まだ努力すべき段階にあると思う」と答えました。


■「学力向上策」と「習熟度別指導」について質す
新しい学習指導要領では、新しい生きる力と確かな学力を育てる教育改革と言われていますが、旧来の学力観に立った学力向上策が進められているのではないかとの観点から質問しました。

来年度の概算要求の中で、「新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた施策はどの部分か」と尋ねたところ、矢野局長は「概算要求では新しい学習指導要領のねらいの実現にむけた学校や教育委員会のとりくみを支援する観点から、学力向上アクションプランとして、(1)個に応じた指導の充実(2)学力の質の向上(3)個性・能力の伸長(4)英語力・国語力の増進、といった四本柱からなる総合的な施策パッケージを要求している」と答えました。

そこで、「学力向上アクションプランは、旧来の学力をつけるための学力向上フロンティアスクールなどの施策となっているのでは。今年度から始まっているフロンティアスクール事業では習熟度別指導に非常に大きなウエートを置いているのではないか。習熟度別指導の成果と問題点をどう把握しているのか」と質したところ、矢野局長から「すべての子どもが基礎・基本を身につけるという観点から、学習内容の理解や習熟の程度に応じた少人数指導は有効な指導方法であると考える。ただし、習熟度の程度に応じた学習集団を編成し指導する場合には、これを固定的に定めずに学習状況に応じて適宜弾力的に再編成したり、教科ごとに異なった学習集団を編成したり、学習集団の選択に際し子どもの意向を踏まえたりするなどの配慮が必要」との答弁がありました。

学校現場がいま、教育改革に求めていることは、習熟度別少人数指導ではなく、30人以下学級であり、「文科省との間に非常に大きなずれを感じている」という調査結果が出ています。学校現場の声をふまえ、現場が元気になるような教育改革を進めてもらいたいと、強くお願いして質問を終わりました。


[神本みえ子の活動記録ダイジェスト]