No.15 2003年7月7日(月)
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■遠山大臣答弁■
(視覚障がい児が拡大教科書を)
例外なく使えるようにするのは行政の責任
    ---参議院・文教科学委員会で質問[2003年5月22日(木)]
■遠山大臣答弁■
(視覚障がい児が拡大教科書を)例外なく使えるようにするのは行政の責任
文教科学委員会で質問[2003年5月22日(木)]
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5 月22 日(木)の文教科学委員会で、『著作権法の一部を改正する法律案』についての審査が行われ、神本議員は文部科学省と文化庁に対し質問し、拡大教科書問題で遠山文部科学大臣から前むきな答弁を引き出すことができました。

■来年の入試に間に合うよう結論を
外国人学校卒業者の大学入学資格の問題について、「(アジア系等の外国人学校の生徒は)大検を受けないと国立大学の試験が受けられない。両方の勉強を早い時期からしなければならず、精神的・物理的な負担を覚えている。3 月に『入学資格が認められる』ところまでいったのに先送りされた。この状況をいつまで続けるのか」と質しました。
遠藤文科省高等教育局長から、「結論をいつ出すかという時期も含め、検討している状況である」と答弁がありました。

この答弁を受けて神本議員は、「一定の教育水準が確保できているかの認定は、専修学校などの認定の仕方も応用できる。何が阻害要因なのか。来年の入試に間に合うように結論を出していただきたい」と質しました。遠山文部科学大臣は、「一定水準の教育をどう担保するかという問題点 を整理・検討し、努力していく状況である」と述べるのみでした。

■著作物の保護期間を諸外国と同程度に
次に著作物の保護期間について、「映画やアニメ、ビデオは20 年延長され、公表後70 年になった。欧米では、映画制作に関与した著作者のうち、最後に死亡した人の没後70年が保護される。同じ70 年の保護期間だが生存期間の分、日本の方が実質的に短くなる。国際競争の観点から、諸外国と同程度にすべきである」と保護期間の延長を求めました。銭谷文化庁次長から、「今回の改正で改善が図られたと考えている。保護期間の原則をどうするかは課題である。関係者間で様々な意見があり、文化審議会の著作権分科会でも引き続き検討する」と答弁がありました。

■ [拡大教科書問題] 改正に至るまでの経緯
視覚障がい児のための拡大教科書問題について、「教科書制度の見直しも含め、どのような検討が行われてきたか」と尋ねました。矢野文科省初等中等教育局長から、「拡大教科書を作成する場合、著作権許諾の問題がネックになっていた。他の教科書同様、ボランティアによる拡大教科書の作成、利用に係る著作権法の一部改正の検討を文化庁にお願いした」との答弁がありました。

■通常学級の弱視児にも無償給付すべき
神本議員は、「拡大教科書が盲学校や特殊学級ではいわゆる107 条教科書として無償給付されており、点字教科書も無償である。しかし弱視学級と一般校の通常学級に通う弱視の子どもたちには給付されていない。弱視児でも条件が整えば通常学級への就学は法的に可能なので今後も増えるだろう。通常学級に通っている弱視の子どもたちにも無償で給付すべきだ」と強く要請しました。これに対し矢野局長は、「通常学級と特殊学級の関係などに深くかかわる。今後、特別支援教育の在り方を検討していく中で、この問題も検討したい」と答えるのみでした。

■膨大な保護者負担に支援を
神本議員は、「(他の委員に実物の拡大教科書を見せながら)この拡大教科書の作成には人件費除いて、一冊につき1 万5千円〜 2 万円がかかる。『義務教育は無償』という憲法の規定から考えると非常におかしい。膨大な費用が保護者負担となっているが、支援は考えているか」と尋ねました。矢野局長が、「特別支援教育の在り方を検討していく中で検討していきたい」と繰り返し答弁するのみで、神本議員は「いつまでこんな状態を続けるのか。早急に検討し、結論を出していただきたい」と強く要請しました。

■ボランティアに制度的な支援を
次に、具体的な制度的支援について、「ボランティアが拡大教科書を作成するのに、必要な原本を入手できるのが非常に遅い。早期にできるよう取り計らいを。またスイスでは教科書会社が一つの教科書に『音声』『拡大』『点字』の各デジタルデータを付け発行している。これがあれば手書きや拡大コピーの張り付け作業をしなくて済む」といった支援方法をあげ、文科省の考えを尋ねました。矢野局長は、「従来から協力を願っている。例えば、@検定決定後の見本本の速やかな提供、A見本本の無料提供の可否、Bデジタル・データ提供の可能性を検討、など引き続き協力を働きかけていきたい」と答え、協力する姿勢を表明しました。

■107条本として、通常学級に通う子にも早急に無償給付が必要
また、「拡大教科書はレイアウトが変わるため、検定教科書として認められないと聞いた。拡大教科書に別の意図はなく、子どもたちの視力に合わせた教科書である。107条本として認め早急に無償給付することが必要」と述べました。しかし矢野局長から、「各教育委員会あるいは各学校が採択すれば107 条本になるが、直ちに検定教科書にはならない。拡大教科書を作る場合、単純に検定教科書を翻訳するだけでは十分なものができないので、国立特殊教育総合研究所で拡大教科書の在り方はどうあるべきかを研究しないと内容が定まらない。検定を経ないで検定教科書と同様に扱うのは難しい」と検定教科書として認めることに否定的な発言がありました。

■「弱視の子どもたちが例外なく拡大教科書を使えるようにするのは行政の責任」と前むきな答弁
遠山大臣
最後に、「今回の改正は一歩前進だが、問題は解決していない。相変わらずボランティアが苦労されている現状を認識していただきたい」と述べました。この発言に対して遠山大臣から、「大事な問題と考えている。改正はとりくんでいる方々に大きな福音であることは確かである。弱視の子どもたちが例外なく拡大教科書を使えるようにするのは行政の責任で、子どもたちにとって最もいい方法で問題を解決する必要がある。弱視の子どもたちに本当の意味の福音になるようにしていきたいが、方法論については時間をいただきたい」といった解決へむけて検討していく旨の前むきな答弁がありました。

[神本みえ子News]