| 予算編成に政策評価制度の反映を |
| 決算委員会 [2003年 5月12日(月)] |
 |
| >>質疑応答全文はこちら |
5月12日の決算委員会で、2001年度の国会、会計検査院、総務省、財務省、文部科学省、国民生活金融公庫、公営企業金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行の決算についての審査が行われ、神本議員は総務省、文部科学省、財務省に対し質問しました。
|
| ■拠点校方式で、初任者研修の質が低下する懸念 |
導入から15年経った初任者研修制度が、今年度から初任者4人に対し指導教員1人となった拠点校方式について、「これは初任者1人に対し23万円の予算削減だ。指導教員が一つの学校で、きめ細かに教えていたのが、学校を掛け持ちする場合もある」と述べ、質が低下する懸念を指摘しました。
遠山文部科学大臣(以下、遠山大臣)は、「初任者が意欲的・自主的にとりくむ自信と、知識・技術を得ることができているという評価を得ていて、目的を達成しつつある」と述べ、成果が上がるよう努力すると答えました。
矢野文部科学省初等中等教育局長(以下、矢野局長)は、「拠点校指導教員は授業を持たない。指導者用研修も新たに行う。学校全体で連携し、初任者の指導に当たってもらう」と述べ、研修の質は確保されると強調しました。
|
| ■後補充の非常勤講師の確保と弾力的な運用 |
 |
| 矢野局長 |
後補充としての非常勤講師の確保に教育委員会が苦労している点などに触れ、学校現場から「使い方を弾力的に」「(雇用を)各県で工夫することを認めて欲しい」という要望があることを指摘しました。
この点について、矢野局長は「都道府県等の初任者研修担当者の協議会で方策を例示 し、地域の実情に応じ工夫するよう働き掛けた。既に任用した非常勤講師を初任者研修の非常勤講師として活用するなど、弾力的運用を示している」と答えました。
|
| ■教職員は現場で育つ |
初任者研修のあり方について、「指導教員と一対一の研修のみを校内研修とするのではなく、他の先生方と相談して指導案を書いたり、教材研究したり、中学であれば教科部会での授業研究の準備は大変有意義。それぞれの学校や地域に応じた計画的な研修が質の確保につながるのでは」と質しました。
矢野局長は、「学校行事等への参加を研修と位置づける弾力的な運用は可能。校内研修を週10時間以上と時間で示したことで、各学校の実態に応じ工夫することがより可能になる」と、弾力的な運用が可能と答弁しました。
|
| ■政策評価を活用した事後評価重視の予算編成の在り方 |
 |
| 塩川大臣 |
政策評価を予算編成へ反映させることについて、3月10日の経済財政諮問会議で民間議員から、「財務省の事前統制中心の予算編成を、政策評価を活用した事後評価重視に変える」という各府省の裁量性の拡大、厳格な事後評価等が提言に盛り込まれたことを取り上げました。
塩川財務大臣(以下、塩川大臣)は、「以前から強く主張している。事後評価をいかに結び付け組み立てるか。理念を具体化しなければ」と述べ、事後評価を予算に生かしたいと答えました。
|
| ■障がい児の就業確保のための増員を |
 |
| 遠山大臣 |
4月15日に出された障がい者の就業等に関する政策評価書について、「『養護学校の高等部は現場実習を積極的に実施すること』とあるが、盲・聾・養護学校の教員にとって負担が大きい。公共職業安定所と連携し、実習受入先の開拓を進めたり、学校現場は進路指導や、人員確保、増員も含め検討すべき」と具体例をあげて、どう改善を検討しているのかを質しました。
遠山大臣は、「高校生の就学の問題、医療制度改革との関連等々、我が省と厚生労働省は様々に連携をしている。そういった角度で進めるために2001年度に全国特殊学校長会に委嘱し、一人一人の生徒の就業にむけた個別の支援計画を研究している。また、2002〜3年度には5都県に委嘱し、養護学校と公共職業安定所、地域障がい者職業センター、または就業支援組織と体制作りの実践的な研究も行っている」と答弁し、政策評価の指摘も踏まえ、報告結果が実践に移されるよう努力すると述べました。
|
| ■細かなジョブコーチ事業の実施を |
 |
| 三沢次長 |
障がいを持った子どもが現場実習や企業に就職し、個別に仕事・技術を教えるジョブコーチ事業を取り上げ、「期間が6ヶ月と決められているが、現実は1〜2ヶ月で去ってしまう。定着するまで細かな支援を。離職の場合は再就職の定着支援もして欲しい」と発言しました。
三沢厚生労働省職業安定局次長は、「支援期間は障がい者の状況に応じ、本人と事業主の同意で設定し、最長8ヶ月、標準で3〜4ヶ月。ご指摘の事例は実態を把握していないので直ちに答えられないが、具体事例を教えていただければ、制度の枠内で対応を検討する」と述べ、効果的な実施に努めると答えました。
|
| ■省庁間の連携 |
省庁間の連携について、「緊密な連携がジョブコーチ事業の効果を上げる。例えば、ジョブコーチ増員や、障がい児の進路を確保するための増員を、という改善要求が出た時に、その支援に予算が必要と評価が出た場合について。総務省は政策評価を基に、次の予算査定時に、評価を反映する必要があるということを、財務省に対し、どのように意見を言うのか。連携はできるのか。財務省はどう対応するのか」と両省の連携姿勢について質しました。
 |
| 片山大臣 |
片山総務大臣は、「そこまでやるかは議論がある。個別の政策の実現は各省の権限と責任で、進路指導などは各省の判断で検討して効果を出してくれればいい。しかし、(障がい者には)『自立』の観点が必要で、『おんぶにだっこに肩車』とはいかない。どこまで自立してもらうか、それを行政は応援するのか、各省の判断で研究してもらいたい」と答弁がありました。
さらに塩川大臣は、「国会で政策評価になるとみんな陳情である。『これをよろしく頼む』『予算を増やせ』『人を増やせ』となってしまう。増えるばかりが評価ではない。社会的・政治的ニーズを重点的に評価して行っていくのは当然で、評価して削減すべきものは削減する。陳情は省庁でやれば結構だ」との答弁が返ってきました。
この答弁に対し、神本議員は「私は『おんぶにだっこに肩車』を要求しているのではない。障がい者が自立と社会参画するのに、どれだけ困難か、それを克服するのに学校と社会、福祉とがいかに連携するかということだ。もっと政策評価で府省横断的な政策を評価し、考えていただきたい。初任者研修も必要ないところはコスト削減することもある。何も『陳情』で増やせ増やせ、と言っているのではない。なぜ政策評価をやるのかの意義を踏まえ、予算編成に反映させていただきたい」と述べました。
|
| ■DV被害者に対する保護について |
 |
| 畠中局長 |
DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者に対する保護について、「『加害者が被害者の住民基本台帳を閲覧することを禁止し、各自治体に配慮をする』と片山大臣が答弁していたが、生死にかかわることであるので、もう一歩進んだ取組を」と述べ、各自治体が閲覧できない取組の指導など、一層の検討を求めました。
この点について畠中総務省自治行政局長は、「ある区(東京都)では、住民基本台帳基本条例を定め、ストーカーとDVの被害者に対する保護を図っている。被害があった申出があると、警察署や支援センターに確認し、住民票の写しの閲覧や、交付請求を拒否する措置を講ずる旨を定めている。関係機関、地方公共団体の意見も聞き、必要により検討する」と答弁がありました。 |