| 小泉内閣・三位一体改革の展望が全く見えない中で… |
| 義務教育制度を揺るがす改正は禍根を残す |
| 参議院・本会議[2003年3月19日(水)] |
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3月19日(水)の参議院本会議で、「義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案」について、私にとって2回目となる代表質問に立ちました。
質問に先立ち、前日の18日にブッシュ米国大統領がイラクへ最後通告を行ったことに対する政府の対応を取り上げました。小泉総理が報道インタビューで、最初から「支持ありき」のような態度を表明したことについて、「日本でも8割以上が戦争反対。私たちは経験から、戦争は戦闘員のみならず多くの人、とりわけ女性や子どもたちを深く傷つけることを知っている。アメリカの暴走を止めさせるよう政府に求める」との私の意見を表明しました。「爆撃の下に思いを致すべき」と言った時、アフガニスタンのことを思い出し、一瞬声がつまってしまいました。
■教育の基本的な事項について
今日の教育における最大の問題は、小泉内閣の経済失政による高校・大学卒業の若者たちに仕事がないという厳しい就職状況であり、その認識と対策を遠山文部科学大臣(以下、遠山大臣)と、坂口厚労大臣(以下、坂口大臣)に質しました。
次に、現在進められている教育改革の方向は、精神主義、道徳主義の強調と排除の論理であり、公教育の様々な自由化、市場主義的競争の導入である。さらに政府の学力向上策は、学校現場の実態を無視し、一部の学力低下論に押された「学校、教員、子どもへの責任転嫁」で、学校現場を混乱させている。
学校施設整備や30人以下学級など、国民の切実な要求に応える改革をすべき、と遠山大臣の所見を問いました。
さらに、教育分野におけるナショナルミニマムの達成とは具体的にどのような状況を考えているのか、また、教育基本法と構造改革特区での株式会社・NPOの学校設置などについても尋ねました。
■法律案について
そもそもこの法律案は片山総務大臣(以下、片山大臣)が経済財政諮問会議に示した地方財政改革プランを基に議論が進められたものであり、今回の一般財源化には教育の観点がどの様に反映されているのか、義教費国庫負担制度の性格と意義に対する認識、三位一体改革について片山大臣に尋ねました。
また義教費国庫負担制度は、過去にも一般財源化されたものの、交付金額の決定が常に政治問題化し、義務教育費のような額の大きい重要な経費が圧迫される結果を招いたため、わずか3年で制度が復活した経緯があります。このことについて、遠山大臣と片山大臣の所見を尋ねました。
最後に、小泉内閣では重点分野の一つに教育を入れているが、教育予算を見ても、OECD諸国平均と比べて我が国は大きく下回っています。その上で、三位一体改革の展望が全く見えない中で、義務教育制度を揺るがすような改正を行うことは、将来に禍根を残すことになり、本法案の撤回を求めて質問を終わりました。 |
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| 答弁 |
遠山文部科学大臣 |
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□新規学卒者の就職状況の問題
インターンシップの推進やキャリアアドバイザーの配置、各高校での就職支援体制の充実や、厚生労働省と協力し未内定者に対する職業相談、職業準備講習の充実にも努める。今後とも学校において職業観、勤労観を身に付けるキャリア教育を推進していく。
□教育改革の理念および公教育の自由化、競争の導入
義務教育の果たす役割は重要であり、確かな学力、豊かな心の育成に力を入れている。また大学改革などを推進し、画一と受け身から自立と創造へという教育改革の理念を一層推進していく。
また、教育の機会均等や教育水準の確保とともに、創造性に富む人間育成のため特色ある学校づくりを進めるなど、より良い教育を目指して互いに切磋琢磨する環境づくりも重要と考える。
□学力向上策に係わる条件整備
少人数授業、習熟度別指導など、個に応じたきめ細かな指導を実施するための第7次定数改善計画を推進しており、また学力向上アクションプランを実施するなど総合的な施策を進める。
□教育条件整備とナショナルミニマム
地方のより自主的な取り組みを生かすよう必要な見直しを行いながらも、全国的に一定水準の教育を確保するため、国としての責任を十分果たしていきたい。
□経済財政諮問会議
国民の基礎的資質を培う義務教育の重要性にかんがみ、財政論のみで論ずるべきではないことはご指摘の通りだ。地方の自主的な取り組みを生かすような見直しを不断に行いながらも、義務教育の水準を確保するため、国として必要な責任は今後ともしっかり果たすという観点から取り組んでいきたい。
□義務教育費国庫負担金の全額一般財源化の問題点
全額一般財源化には、義務教育の水準確保の制度的な保障が損なわれるおそれがあるという問題点を十分に念頭に置きつつ、義務教育についての国の責任を踏まえながら対応していきたい。
□法案撤回について
今回の法改正は、義務教育費国庫負担金について、国の責任を適切に果たしつつ国と地方の費用負担の在り方を見直す中で負担対象経費を限定するもの。義務教育の水準を確保するために、国として必要な責任は今後ともしっかりと果たしていきたい。 |
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| 答弁 |
坂口厚生労働大臣 |
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| 各県での就職面接会を昨年237回、今年1月からも92回行い、大きな落ち込みを回復させることが出来た。更に継続したい。また、本年の補正予算で若年者ジョブサポーターを配置した。 |
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| 答弁 |
片山総務大臣 |
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□義務教育費国庫負担制度の性格と意義、三位一体改革
教育の中で義務教育が一番重要であり、これに国がお金を出し、責任を持つことが必要と思っているが、国庫負担金や補助金でなく、地方交付金では駄目なのか。標準法があり、制度的に担保がある。もう一遍考え直すべきでは。全体については、平成18年度末までに義務教育の在り方を十分考えながら検討したい。
三位一体改革では、地方の自主性を強化するため地方税のウエートを大きくし、国がひもを付けてくる国庫負担金、補助金については必要なものは残しながら出来るだけ縮減したい。
□国庫負担金の一般財源化の問題点
総量の確保も標準法もなかった昔とは状況が違う。教育論もしっかり見据えながら、教育の中における地方の自主性、国と地方の税財源の配分など、総合的にとらえて議論していく。 |