政策 経歴 国会活動 ニュース 気まぐれ日記 コラム ギャラリー トップ
トップ > 国会活動 > 委員会質問 [2008年] > 内閣委員会 [5月27日(火)]
国会活動2008年
2008年5月27日(火)
内閣委員会
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の審査
pdf [PDF・72KB]
神本美恵子参議院議員(以下、神本議員)
神本議員
おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の神本美恵子でございます。

早速、この法案についての質問に入らせていただきたいと思います。これは法制定のときも随分議論になりましたけれども、この法律の立法趣旨として、これは当然のことながら子どもの、児童の最善の利益を保障するということで、児童に対する政策、禁止目的、児童を取り締まるというようなことになってはならないということが随分法制定時も議論になったと思います。

そこで、この法律の趣旨、また運用についても、いわゆるストックホルム宣言と言われます商業的性的搾取から子どもを保護する、守るというその宣言の趣旨にのっとって行われるべきというふうに考えますけれども、まず国家公安委員長の立法趣旨についてお伺いしたいと思います。
泉信也・国家公安委員会委員長 (以下、泉委員長)
泉委員長
泉委員長
委員御指摘のように、この法律は、第一条の目的の後半に記してございますように、出会い系サイトの利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資することを目的とするという法目的が規定されていることから見ましても、まさに児童の保護、そして健全な育成を目的とするものでありまして、児童の取締りや処罰を目的としておるものではございません。

また、ストックホルム宣言につきましては、この法案の最初の議論のときに随分参議院でも御議論をちょうだいいたしたわけでありますが、先ほど申し上げました第一条の目的にもございますように、商業的性的搾取からの児童の保護を目的とするストックホルム会議の宣言というのは、御承知のように、児童の商業的性的搾取をなくすため、適切な範囲で、法、施策、計画及び慣習を見直し、改正するというふうに規定がしてございまして、その宣言にのっとって児童の性的被害を防止するという意味では、ストックホルム会議の宣言と方向性は同一のものであると認識をいたしております。
神本議員
そこで、外務省と警察庁にお伺いしたいと思いますが、このストックホルム宣言及び行動アジェンダが出されて以降の国際的な子どもにかかわる動きについての御説明をお願いしたいのと、警察庁に対しましては、この法案は、ストックホルム宣言が行われて、それ以降、子どもの権利条約の選択議定書に日本も批准するというような動きがその後あったわけですけれども、こういったものに対する国内法の整備の一つとして考えられて今回の法改正に臨まれたのかどうかという、外務省と警察庁にお伺いしたいと思います。
新保雅俊・外務省総合外交政策局審議官
新保審議官
新保審議官
外務省の方から、ストックホルム宣言以降の我が国の取組状況ということで御説明申し上げます。

1996年にストックホルムで開催されました第一回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議では、先生御指摘の宣言が採択されたわけであります。これは児童を商業的性的搾取から保護することを目的としているわけでありますが、我が国はその後も国連総会あるいは国連人権委員会、人権理事会等の場におきまして、児童を商業的搾取から保護するための国際的な議論に積極的に参加してまいったところであります。

とりわけ、2001年には第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議を横浜において政府として主催いたしまして当該問題への国際的取組を各国に呼びかけましたほか、2004年にはアジア太平洋地域におきます横浜会議の中間レビューを開催いたしまして、我が国はこのポスト横浜会議に財政的にも実質的にも貢献してきたところであります。また、2005年1月には児童買春等の被害から児童を保護することを目的といたしました児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する選択議定書を締結したところであります。本年11月には、先ほど申しました世界大会の第三回の会議がブラジルのリオデジャネイロで開催されることが決定したところでありまして、外務省としてもこれを歓迎しており、第二回世界会議の主催国としてブラジル会議の成功に向けて各国政府、関係機関等と協力し、最大限の貢献を行う所存でございます。
片桐裕・警察庁生活安全局長(以下、片桐局長)
片桐局長
片桐局長
ストックホルム宣言におきましては、児童の商業的性的搾取を始めとした性的搾取について犯罪化を図るようにというふうなことが要請されていたというふうに記憶しておりますが、その一環として児童ポルノ・児童買春法が定められたというふうに承知しております。この法律は、そういった児童買春という犯罪の被害から子どもたちを守るという観点から制定されたというふうに考えております。
神本議員
国内法の整備というとらえ方でいいんですか。
片桐局長
ストックホルム宣言は正確には法的拘束力を持つものではございませんから、いわゆる担保法とかいうことではございませんが、その宣言の方向に沿って国内法も整備されてきたということはおっしゃるとおりだと考えております。
神本議員
ストックホルム宣言、行動アジェンダでは、先ほど外務省の方からも御説明いただきましたように、すべての子どもはあらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から完全に保護される権利を持っている、このことは普遍的重要性を持つ国際法文書である子どもの権利条約、これは191か国が加盟しておりますが、そこにおいても再確認をされております。つまり、各国は子どもを性的搾取及び性的虐待から保護し、被害に遭った子どもの身体的並びに心理的回復及び社会への再統合を求められているというふうに位置付けられているわけですね。だから、よもや取締りの対象ではなくて、性的搾取・虐待から保護して、しかもそれによって受けた心身の傷を回復し社会的に再統合するという、そのことに主眼が置かれているわけですけれども。

泉国家公安委員長もこの趣旨にのっとってこの法律を立法しているというふうにおっしゃっていただきましたけれども、さっき言っていただいたこの法律の目的に、性犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資するというふうに書かれておりますが、この意味をちょっとここで詳しくやり取りする時間はありませんが、一つのこういう性犯罪、性的虐待、商業的搾取の被害に遭ったり、あるいはみずからその加害の側に回るというような過ちを犯した子どもたちを取り締まる、それを健全な一つの形の中に取り戻すというのではなくて、子どもというのは、子どもの権利条約でも未成熟な成長の途上にある、そういうとらえ方をして、子どもがもしそういう過ちや犯罪に巻き込まれるというようなことがあっても、そのことからの回復を、国や国民はそのための手だてを取らなきゃいけないということで、健全育成というとらえ方でいくとどうしてもそこからはみ出した子どもというとらえ方になるので、子どもの健やかな育ちを助けるという趣旨、そのことを是非私は強調したいと思いますが、そういうとらえ方でよろしいか、もう一度国家公安委員長にお伺いしたいと思います。
泉委員長
ストックホルム宣言との関係は先ほど局長から答弁をさせていただいたとおりでございますが、この法律案は子どもがいわゆる性的な被害に遭わない、事前に手当てをしようというのが立法の趣旨でございます。

万が一そういう場合どうするか、先生の御懸念のところにつきましては、また別の法体系の中で、児童買春・児童ポルノ法の十五条に「保護」というところがございまして、関係行政機関は相互に連携を図り、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し云々というふうに規定がございまして、今回御審議をお願いしておりますのは、そういう被害に遭わないような対策を練る、もしも万が一残念な状態になったときにはまた別の法律の体系の中で健全な育成を図っていくという体系になっておると理解をしておるところでございます。
神本議員
法制定から5年経過しておりますので、これについてどのような法の運用がなされてきたかと。今委員長おっしゃっていただいたような観点からどのように施行されて、施行状況についてそれは後で島田委員が詳しくお触れになりますので、その点は確認だけにさせておいていただきます。

次に、この法制定以降の児童買春及びその他犯罪の発生件数、この間のですね、その推移について警察庁の方に一つお伺いしたいのと、また、この法案の対象は第二条に定義されているインターネット異性紹介事業ということで、一般のサイトについては法律の適用外になっております。

その理由は、当時の谷垣国家公安委員長が156回参議院内閣委員会において、松井議員が質問された折に、過去の出会い系サイトに起因する児童買春事件を網羅的に精査した上で、インターネットで児童買春が発生した実例400件のうち399件が出会い系サイトによるものであったと、他のサイトについて規制する必要性、危険性はかなり乏しいというふうに当時御答弁されております。その後、かなりこのサイトの状況も変わってきているのではないかというふうに思います。特に、児童買春等の誘引行為がいわゆる出会い系サイトに限らず一般のサイトにおいても発生しているというふうに聞いておりますが、その点について、その後の変化についてお伺いしたいと思います。
片桐局長
出会い系サイトに関係した事件の被害児童数でございますけれども、出会い系サイト規制法施行前、平成14年を取りますと1,273人でございました。これが法が施行されました平成15年は1,278人。ただ、施行は約半年経過後ぐらいからでございますけれども、その後完全に施行されました平成16年、これは1,085人ということでもって大分減少しておりました。平成17年も1,061人ということでもって減少しております。しかしながら、平成18年に1,153人と再び増加に転じておりまして、平成19年も1,100人と、前年とほぼ同水準で推移をしているところでございます。

それから、出会い系サイト以外のサイトの利用に起因する犯罪の被害はどうかというお尋ねでございますけれども、これは一定の期間を取って調べたものでございますが、平成19年7月から9月に検挙しました出会い系サイト等に関係した事件における被害児童のうち、調査しましたところ、出会い系サイト利用に係る被害児童が206人であるのに対し、出会い系サイト以外のサイトの利用に係る被害児童は124人ということでございまして、最近出会い系サイト以外のサイトの利用に係る被害が増えているという傾向にあると承知しております。
神本議員
犯罪の発生件数も少し上下限はあるにしても、1千件を超えて推移をしているということが今の御報告で分かったわけですけれども、出会い系サイト以外の一般サイトでの発生ということで、今御報告いただいたところによりますと、07年の一定の期間だけの調査ですが、出会い系サイトで206件、一般サイトで124件ということで、約3分の1は一般サイトでも起きているということですね。本法案は出会い系サイトだけを対象としておりますけれども、そういう現状にあるということを私たちは認識していなければいけないのではないか、この法律だけでは子どもを守り切れないということも一方で言えるのではないかと思います。そういった観点から、我が党でも今違法・有害情報から子どもを守るための環境整備ということでずっと議論を続けておりますけれども、政府としてもそういう認識で今後取組をまた更に進めていただきたいというふうに思います。

次に、今年の1月10日に、政府の出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止研究会がまとめられた犯罪被害防止の在り方についての報告によりますと、平成18年に出会い系サイトに関係した事件での被害に遭った児童のうち9割以上が特定の10サイトを利用していたと、その10サイトすべてが18歳未満利用禁止の表示義務を履行し、9サイトが自己申告により児童でないことの確認義務を履行していたというふうに、これはサイト運営者からの聞き取り調査で報告がなされております。

衆議院の青少年特の附帯決議でも、インターネット異性紹介業者によるいわゆる児童でないことの確認、年齢確認について、より実効性あるものにするための措置をやるようにという附帯決議が付けられておりますけれども、今申しましたように10サイトのうち9サイトがきちんとそれを履行しているにもかかわらず発生しているということについて、どのような対策を考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
片桐局長
現在、児童は利用しないこととかの確認とか、また児童が利用してはいけないという表示を求めているところでございますが、そういった表示をしているにもかかわらず被害が出ているということは御指摘のとおりだと思います。

そういうこともあって、この児童の被害をいかに防ぐかということで、今回、事業者に対する規制とかいうことを強化していこうというものでございますけれども、ただ、法律で今お願いをしている対策のほかに、やはり児童に利用させない、利用者が児童でないということの確認についての措置が、現在の措置は国家公安委員会規則で定めておりますけれども、利用者の自己申告で足りるという形になっている部分が大きな問題ではないかというふうに考えております。

したがって、この辺をまた更に強化をして、児童が更に利用できなくなるような措置を、この法律とは別に規則を改正して、そういった確認措置の厳格化というものを図ってまいりたいというふうに今考えているところでございます。
神本議員
具体的に今考えられている対策ありますか。
片桐局長
今も御説明申し上げましたように、現在は自己申告で足りる形になっておりますけれども、やはりこの点に問題があるんではないかということで、参考となる対策は、今風営法上にいわゆるテレホンクラブというのがございますけれども、それについて利用者に対する、利用者の確認措置というのは決まっておりまして、その中では、例えばクレジットカードによる支払を求める、クレジットカードは18歳以上でなければ使えませんから、そういった支払の方法を求めるとか、また運転免許証等の身分を証明する書面、これの必要部分のコピーの提出を求めるとかいう形によって確認をするという方法を今講じているところでございますので、こういった方法も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
神本議員
私も一回開いて見たんですけれども、18歳未満ですか、イエス、ノーというのがあって、これは私はもちろんノーですけれども、子どもさんでもノーをクリックしさえすればもう簡単に入っていけるというふうに今はなっておりますので、非常にこの年齢確認は不十分ですから、是非十分な検討をしていただきたいと思います。

次に、やはりこれは本法制定時の委員会の附帯決議において、児童を保護するための予防措置を講じることが極めて重要であることにかんがみ、インターネットの安全な利用法、情報の主体的選択能力を養うことを含む情報リテラシー教育を拡充する、児童が安心して気軽に利用できる通報窓口の設置、それからカウンセリングの場を整備するように努めるということが求められておりましたけれども、この三つの点についてどのように拡充を図り整備されてきたのかということについてお尋ねしたいと思います。
関口幸一・文部科学省大臣官房審議官(以下、関口審議官)
関口審議官
関口審議官
情報リテラシー教育につきまして御答弁させていただきます。

急速に社会の情報化が進む中で、子どもたちの情報活用能力をはぐくみ、また情報化の影の部分への対応といたしまして、他人への影響を考えて行動すること、あるいは有害情報への対応などに関する能力、態度を育成することは極めて重要であるというふうに認識しております。

こうした情報リテラシーにつきまして学校における指導の充実を図るため、文部科学省といたしましては、平成18年度、情報モラル指導モデルカリキュラムを作成いたしますとともに、実践事例をまとめました教員向けガイドブックの作成、配付、また平成19年度におきましては、情報モラル指導の普及のためのセミナーの開催、あるいは情報モラル指導事例等を紹介する教員向けウエブサイトの作成などに取り組んでおるところでございます。また、本年3月に告示をいたしました小中学校の新学習指導要領におきまして、各教科等における指導の中でコンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切に活用できるようにするための学習活動を充実する、情報モラルを身に付けるなどと明記し、一層の充実を図ることとしております。

また、関係省庁と連携いたしまして、保護者、教職員を対象にいたしましたインターネットの安全、安心利用に向けた啓発のための講座、いわゆるe-ネットキャラバンと申しておりますけれども、これを平成18年度から本格的に実施をしておるところでございます。

今後とも、私どもとしまして、情報リテラシー教育に関する取組を一層推進してまいりたいと考えております。
片桐局長
立法時の本院における附帯決議において、情報リテラシー教育の拡充、児童が安心して気軽に利用できる通報窓口の設置、カウンセリングの場の整備ということが求められたところでございますが、まず情報リテラシー教育の拡充としましては、現在、警察が学校と連携しましてサイバーセキュリティーに関する講習会を開いているところでございます。このほかに、非行防止教室というものもやっておりまして、こういった場を通じて児童と保護者に対しまして出会い系サイトの利用は危険ですよということの呼びかけとか、出会い系サイトへの不正誘引の書き込みは犯罪ですよということとか、また出会い系サイトに限らずインターネット上の違法・有害情報、一般への対策としてフィルタリングサービスが大変有効ですよというふうなことを呼びかけているところでございます。

それから、安心して気軽に利用できる通報窓口としましては、平成18年6月から警察庁の委託事業としてインターネット・ホットラインセンターというものを設けておりまして、ここで各種違法・有害情報に関する通報を受け付けるということをいたしているところでございます。

それから、カウンセリングの場の整備につきましては、例えば警察が少年サポートセンターというものを設置しておりますけれども、ここで心理学、教育学等の専門的知識を有する少年補導員等を中心として、できるだけきめ細やかな配慮を行いながら、カウンセリングや継続補導を進めているところでございます。
神本議員
神本議員
今、情報リテラシー教育について文科省の方から御説明をいただきました。いろんなところで教員に対する研修でありますとか、ガイドブック、それからモデル事案、実践事案、それから学習指導要領にも書き込んでいるというようなことで御説明がありましたけれども、その中の一つの、「すべての先生のための「情報モラル」指導実践キックオフガイド」というこういう冊子も作られて配付されているようですけれども、全体に網羅して、これはただ、情報モラル教育というような言い方なんですけれども、附帯決議で求めている情報リテラシー教育、これについてちょっと後でまたお伺いしたいと思いますけれども、この中に、よく網羅して書かれているんですが、お手元に資料を配付しております。

どのようなことが進められているのかということで、一つ例示でお配りしたんですが、QアンドAということで、コンピューターの環境がなくても情報モラル教育は可能ですかというクエスチョンに対して、回答として、もちろん可能です、ちょっと略しますが、情報モラル教育はすべての教育活動の中で実践することが求められます。私も、これはもちろんすべての教育活動の中で情報リテラシーというものは可能だとは思いますけれども、このコンピューターがなくてもやれるというところに非常に違和感を感じるわけですね。コンピューターがあるなしにかかわらず、教師が情報モラルに関する問題事例を授業の中でペープサートや紙芝居で効果的に紹介することによって、より現実に迫る課題提起ができると思います、むしろコンピューターがない方が問題を焦点化できる場合も考えられますというふうに書かれておりますけれども、果たしてそうなのかというふうに、非常にこれについては違和感感じるわけです。

コンピューターでこういう問題がありますよと、紙芝居とかペープサートで、ペープサートって、ちょっとこれは学校現場の専門用語かもしれませんけれども、そういうものでできますよというふうに書いてありますが、教員自身のメディアリテラシーは万全なのかということでちょっと調べてみましたが、平成18年度の文科省委託研究の校務情報化の現状と今後の在り方に関する研究によりますと、職員室で使用する教員の校務用コンピューターの配置状況は全体で70%にも達しておりません。

それから、これは共用で使うコンピューターの話であって、教員一人当たりどのような配置状況かといいますと、43%しか配置されていないという今の整備状況であります。さらに、学校LANの整備に当たっては40%に満たないというような現状であります。その上、学校のコンピューターというのはほとんどフィルタリングが掛けられております。ですから、例えば教員自身がいわゆるこういう有害情報と言われるようなものの実態を把握しよう、現状を見ようということで2ちゃんねるなどを見ようとしても、見ることができないわけですね。

ですから、教員自身が今のインターネット上で起きている、子どもがその情報の中にさらされているという危険な状況の実態を知らないという現状であることをまず認識しなければいけないのではないかと思います。

我が党で先ほど言いました検討を進めているところでヒアリングをPTでしたんですけれども、その中で専門家から教員が最もレガシーではないかというふうに指摘されまして、それは確かにそうだと。私自身も元教員でありますけれども、情けない、そういう現状であります。その上、そういうコンピューターの環境整備状況であるということで、まずは全国の学校にこういうコンピューター環境を整えるということは、子どもを守るという観点からももう喫緊の課題ではないかというふうに思っております。

そのことについて一つ文科省としてお伺いしたいのと、それから、情報モラルの指導事例を紹介するウエブサイトを近く公開するということですけれども、それを学校で見ることができないという現状であるんですね。そのことをどのように考えているか、二点、文科省にお伺いしたいと思います。
布村幸彦・文部科学省大臣官房審議官(以下、布村審議官)
布村審議官
布村審議官
お答えいたします。
ICTの利便性とともにその危険性などにつきましても子どもたちが直接コンピューター等に触れインターネットを活用しながら実感をして学習できる点で、先生御指摘のように、ICT環境整備を進めることは、情報モラル教育を効果的に進める上で重要であると認識いたしております。

情報環境につきましては、現在、IT新改革戦略ということで、コンピューター一台当たりの児童生徒数を一台当たり3.6人を目指すことでありますとか、教員一人一台の校務用コンピューターを整備するという目標に向けて整備を重ねているところでございます。先生御指摘のとおり、現在途上の状況でございます。

それから、先ほど「「情報モラル」指導実践キックオフガイド」の資料を御提示いただきましたけれども、これにつきましても、基本的に中学校では技術・家庭科、あるいは高校では情報科というキーとなる科目におきまして情報リテラシーあるいは情報モラルを高める教育を行っております。そういった際にはICT環境が必要だと思っておりますけれども、それ以外の道徳などの中で情報モラルを取り上げる際には、情報環境が必ずしもなくても工夫して指導できるということも先ほどQアンドAでお示しした形でございますけれども、できるだけこの環境を活用した情報モラル教育が推進されるよう努力は重ねてまいりたいと思います。

それからもう一点、情報モラル指導ポータルサイトの構築で教員向けウエブサイトを作成するという取組を現在やっているところでございますが、この点、できるだけ教員の方々が活用できるようによく工夫をしていきたいと思っております。
神本議員
これからの質問にかかわると思いますが、やっぱりコンピューターがなくてもやれますよという言い方で、道徳でこういうふうにいろんな危険がありますからそこに入り込まないようにということを幾ら口で言っても、実際にそのことを子ども自身があるいは教員自身が模擬体験するなりしてやらないと、これは本当にただ道徳的にやるだけではいけないんではないかというふうに思います。環境整備をまずやってからの話ではないかというふうに思います。

そこで、繰り返し情報モラル教育というふうにおっしゃっておりますけれども、私は情報リテラシー教育の拡充の方が求められているのではないかというふうに思います。今回改訂された学習指導要領でも、情報リテラシー教育という言葉は一回も出てこないんですね。全部情報モラル、モラルという表現で出てきております。これは、情報モラルと情報リテラシーと、文科省としては使い分けをされているのでしょうか。
関口審議官
今お尋ねの情報リテラシー教育、それから情報モラル教育の関係でございますけれども、情報リテラシーという言葉につきましては、情報モラルを含めまして、情報及び情報伝達手段を主体的に選択し活用していくための基礎的な能力や態度ということで、最近の審議会答申等でも言われておりまして、このようなものというふうに考えております。

また、情報モラルにつきましては、今委員御指摘のように、他人への影響を考えて行動することや有害情報への対応というような意味であるというふうに認識しております。

私ども文部科学省といたしましては、情報モラルを含めた情報リテラシーの育成について取り組んできておるところでございますけれども、特に学校教育におきましては、このような能力、態度につきまして、情報活用能力という用語を用いて従来から指導を行ってきたところでございまして、今後とも学校教育等を通じて子どもたちがこうした能力を十分身に付けられるよう、取組の充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
神本議員
今の御説明では、情報リテラシーの中に情報モラルがあるというような御説明ですけれども、そうであれば、学習指導要領にもきちんと情報リテラシーというものと情報モラルという両方を書き込む、そういう必要があるのではないかというふうに指摘をしておきたいと思います。ですから、文科省も、生きる力、主体的判断とか問題解決能力を付けるというふうなことをあちこちで言っていらっしゃいます。それはもう本当に重要なことだと思います。そういう、例えば情報でいえば、情報をどう読み解いて、そして選択して活用するかというような、いわゆる情報リテラシー教育の方が重要だというふうに思います。

現場の声として、ある高校の先生からお聞きしたんですけれども、この情報リテラシー教育をやろうとしても、やる時間、場所、さっき言いましたような環境が整っていないということで、特に中学や高校はそうだと思うんですが、受験、進学、就職に不必要なことに時間を割くことはどの方面からも一般的に歓迎されないということで、特に大学受験者の多い高校などでこの傾向は顕著であって、メディアリテラシーが重要だと、そのことを授業でやりたいというふうに思っても、学習指導要領の中には、先ほど、コンピューター扱わなくてもやれますよと、道徳の時間にこうあるべきというふうに言えばそれで済むというような文科省の指導の現状の中で、本当に生きていく上で情報を読み解いて主体的に選択、判断して行動していくという、そういう能力が必要だというメディアリテラシーの位置付けがないということで、なかなか学校では、今のままでは環境も整っていないし、位置付けも明確になっていないということで、情報リテラシー教育というのは進まないのではないかと思います。

この環境整備と時間確保について、文科省の前向きな答弁をお願いしたいと思います。
布村審議官
先生御指摘のとおり、学校教育で情報リテラシー、情報活用能力というものをしっかりはぐくんでまいりたいと考えております。

そのため、小学校、中学校、高校と発達段階に応じて取り組んでございますが、中学校におきましては、技術・家庭科の技術分野で現在は情報とコンピューターというものが必修で位置付けられており、この技術・家庭科は3年間で175の単位時間で行っております。また、高校においては、普通教科の情報という教科が新たに設定され、すべての生徒が情報活用の実践力あるいは情報の科学的な理解などを取り組んでいるところでございますが、中学、高校では、各教科の指導を通じても、生徒が情報手段を積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めるといたしておるところでございます。

文部科学省においても、各教科での実践事例を分かりやすくお示しをする、また情報環境をしっかり整えるということを通じて指導の充実を促してございますが、新しい学習指導要領、これまでは小学校、中学校、幼稚園を告示をいたしましたけれども、その中でも情報リテラシーをはぐくむ、あるいは情報モラルを身に付けるという指導に重点を置いているところでございますので、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
神本議員
是非、学習指導要領の中に情報リテラシー教育ということを明確に位置付けて、情報リテラシーとは何なのかということをすべての学校の先生方が理解をして、そのことを子どもに実際コンピューターを使って実践できるような環境も併せて整えていただきたいと思います。

それで、実際にそのことを研究している岩手県の高校の実践事例の新聞記事を見たんですけれども、そこで行われているのは、これは文部科学大臣賞を取ったということで新聞でも紹介されておりましたが、例えば模擬体験ができるようなソフトを開発して、それをコンピューターに入れて、そして実際にアダルトサイトの閲覧を勧誘するページでいいえをクリックすると、それでも不正な料金請求が表示されるページが表れるというようなソフトを開発して、それを実際体験させるわけですね。児童生徒からはえっというような驚きの声が上がって、興味本位でインターネットを利用することはそういう予期しない大変なことに出会うというようなことを模擬体験させるとか、ある高校では、ネットオークションの体験をさせて、学級の仲間と競って目当ての商品を落札して笑みを浮かべる生徒に対し、落札商品と同じデザインの20分の1のスケールモデルを提示したということで、教室中がどよめいて、ネットオークションを体験した生徒は写真や掲載内容だけで判断することの危険性に気付いたというような実践事例があるわけですけれども、このように、やっぱり実際に使ってみてその危険性を知り、その危険から回避するためにはどのような判断力を付けなければいけないかというような、こういう実践こそが私は学校現場で今求められていることではないかというふうに思っておりますので、ちょっと紹介をさせていただきました。

もう時間が参りましたので、最後に、この法案で、あっ、もう一つちょっと聞きたいことがありました、ごめんなさい、あと1分。まとめようと思ったんですが、これ、警察庁の方にお伺いしたいんですけれども、この法案では、誘引情報提供機関を登録して民間の方にも協力をしていただくということが新しく入っておりますけれども、この改正で、ホットラインセンターだけではとても足りないということで、そこの強化と併せて登録制を新たに設けられたわけですけれども、どのくらいの機関が必要でどういう体制を整えれば今回のこの法の目的を達成できるのかということを、衆議院ではまだそこは不明確な部分なので答弁を控えさせていただきたいというふうに答弁されておりますが、その後、これについてはどのように検討されたのかということを最後にお聞きしたいと思います。
片桐局長
御指摘の登録誘引情報提供機関はサイト上の違法な書き込みをサイト事業者に知らせるという意味で大変有意義な制度だというふうに考えております。

この制度は、法の定める一定の要件を満たせば公安委員会は登録しなければいけないという形になっておりますので、決して、今御指摘があったホットラインセンター一つではなくて、そういったことをやってみようという方がいらっしゃれば、またその方が一定の要件を満たせば登録ができるという形になります。

私どもとしましても、なるべくそういった機関が増えていただいて、こういった違法情報の削除が進むことを我々も期待をしているわけでございますが、ただ、どれぐらいの機関があれば万全かということにつきましては、それぞれの機関の規模とか、また活動の実態とかによって様々でございますので、幾つ指定すれば万全かということはなかなか言い難い部分がございますので、ただ、しかしながら我々としてはなるべく多くの方にそういったことをやっていただきたいということで、そのための周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
神本議員
今おっしゃったように、どのぐらいの機関があればこれが徹底できるのかということについては本当に雲をつかむような話で難しいことだと思います。だからこそ、迂遠なようですけれども、私は、子ども自身が情報を読み解いて選択して危険回避できる、自らそういうことができるような情報リテラシー教育というものを本当にこつこつとすべての学校で進めていくことがまず大事ではないかと、今すぐ取りかからなければいけないことではないかと。

この法案だけでも、フィルタリングを掛けても万全ではないということを最後に申し上げまして、文科省には是非情報リテラシー教育を進めていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
このページのトップへ
  
政策 | 経歴 | 国会活動 | ニュース | 気まぐれ日記 | コラム
お問い合わせ | サイトマップ | リンク | ▲トップ
このホームページの内容を許可なく転載することを禁じます。Copyright © 2005,Mieko Kamimoto All rights reserved.