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国会活動2008年
2008年5月19日(月)
決算委員会
平成18年度決算外二件(法務省、文部科学省、警察庁及び裁判所の決算)について審査
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神本美恵子参議院議員(以下、神本議員)
神本議員
民主党・新緑風会・国民新・日本の神本美恵子でございます。

今日は、文部科学省に絞って御質問させていただきたいと思います。渡海大臣とは初めてやり取りをさせていただきますけれども、前向き、誠意ある御決意、御答弁をどうぞよろしくお願いしたいと思います。

まず最初に、全国学力テストについてでございます。あえてテストというふうに私は申し上げたんですけれども、これは正式名称は全国学力・学習状況調査ということで、実に昨年度、07年度に43年ぶりに実施をされたものでございます。これは43年前に数年間行われましたんですが、様々な問題が生じて学校現場や保護者や地域の方々の大きな反対、反発の声が高まって中止されたものが再開されたといいますか、43年ぶりに行われたものでございます。

そこで、まず最初に、改めてこの全国学力テスト、調査ですね、これの調査の目的とそれに要した費用についての御説明を文科省からお願いしたいと思います。簡潔で結構です。
金森越哉・初等中等教育局局長(以下、金森局長)
金森局長
金森局長
全国学力・学習状況調査の目的とそのねらいでございますが、三つほどございます。

まず第一に、国が全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力・学習状況をきめ細かく把握、分析することにより教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることでございます。第二に、各教育委員会、学校等が、全国的な状況との関係において自らの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図るとともに、そのような取組を通じて教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること、第三に、各学校が各児童生徒の学力や学習状況を把握し、児童生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てること、この三点が全国学力・学習状況調査の目的、ねらいでございます。

また、それに要した費用でございますが、平成19年度調査の実施事業全体に係る予算は、準備経費、実施経費合わせて77億2千万円でございます。また、平成20年度調査の実施事業全体に係る予算は、準備経費、実施経費合わせて58億円でございます。
神本議員
今、目的とそれから要した費用について御説明いただきましたけれども、大臣にお伺いしたいと思います。

今御説明あったように、調査の目的に沿って行われたわけですが、目的の中には、教育の機会均等ということと水準の維持向上のために学習状況をきめ細かく調査し、分析し、何のために調査するかというと、目的は改善を図るということなんですね。

そこで、今、要した費用は大枠で77億、20年度が58億というふうに御説明がありましたけれども、この内訳として、調査に要した費用と、それから、じゃ目的であります改善に要した費用というのはどういう内訳になっているか、一言で、簡単で結構ですのでお願いします。
金森局長
先ほど御説明申し上げました72億2千万円、また58億円は調査の実施に要する経費でございまして、それ以外に、この調査結果から教育の改善を図るための費用ということで申し上げますと、各教育委員会や学校で教育や施策の改善に向けた意欲的な取組を支援いたしますために、平成19年度予算におきましては、すべての都道府県、指定都市において調査結果の検証、分析を行う検証改善委員会を設け、学校改善支援プランを策定する事業でございますとか、学校改善支援プランに沿って平成19年度中に先行的に実施する意欲的な取組に対して重点配分を行い、研究を実施する事業に計3億9千万円を計上したところでございます。

また、平成20年度予算におきましては、新たに、調査結果から課題の見られる学校の改善に向けた取組に関する実践研究を、2億1千万円を計上しております学力向上支援事業の一環として進めることといたしております。
また、例えば……
神本議員
もう結構です。
調査に要した費用が最初77億とおっしゃったと思いますが、72億ですか、72億。
金森局長
平成19年度調査の実施事業全体に係る予算は77億2千万円でございます。
神本議員
77億で、改善に掛けた費用は3億ということなんですね。

目的は、調査をしてその結果を基にして改善を図るというふうにしていて、この費用配分といいますか、このことについて本当にこの目的が達成できているのかどうかということについて大臣に御見解をお伺いしたいんですけれども、この昨年度の調査結果の分析が出たのは、調査が4月でしたので、それから約半年後に出ております。小学校六年生と中学校三年生にこれは調査をしたわけですが、御承知のように、それぞれ小学校、中学校最終学年で、もう総仕上げといいますか、総まとめに入っている二学期に入ってから結果分析が出て、これを指導方法や教育の環境整備に生かすといっても、この子たちに対して本当に改善がこういう調査の在り方で図られるのかというようなことを思うわけです。

教育活動というのは、改めて言うまでもなく、もちろんこういう調査、あるいはどこまで到達できたかという調査をするのは日々の教育活動の中でやるわけです。担任として、例えば受持ちの子どもでこの子はこういう課題を抱えているとか、ここにつまずきを覚えているというのは、最終学年でしたら特にもう最後の総仕上げですので、日々その課題を把握して改善のために日々取り組んでいるわけですね。

ここに改めて結果が出ましたと、これで改善をしてくださいと、しかも予算はありませんよというような今回の学力調査というかテストですけれども、これで本当にこの目的が、これだけ莫大なお金を掛けて19年度は達成できたというふうに大臣はお思いでしょうか。
渡海紀三朗・文部科学大臣(以下、渡海大臣)
渡海大臣
渡海大臣
担当局からお答えをいたしましたように、目的というのは数点あると思います。全体的にとらえて、例えば都道府県がこの結果を受け止めて考えること、また、それぞれの教育委員会が、市町村なり政令都市もありますが、考えることなり、そういったことにおいてこの結果がどう反映されるかという点が一点ございます。

それから、今委員も御指摘ございましたような、それぞれの子どもたちに対してこの調査をどうやって生かしていくかと、これも一つの大きな目的の一つでございまして、当然、改善策を講じていくということが必要であります。

この改善策の中には、実は私は大きく言って二種類あると思いますのは、日々授業をやっていただいている先生方は頑張って、その子どもたちの例えば傾向なり能力なりというものを担任の先生はもちろんつかんでいただいておるわけでありますから、それが新たにこの結果によって確認をされて、そしてまた、考えるところがあればそれを授業で生かしていただく、指導に生かしていただくといったような、こういうとらえ方もできるわけでございまして、そういった点は、その結果をできるだけ早く終結をして、収束をして渡してあげれば生かされる。特に結果を検証する、そういった作業は要りますけれども、それ以外は特に費用の要さないものだと私は思っております。

そういうものと、やっぱり全体を集めて、これを分析して検証をするといった意味の費用、こういったものはまた別に発生する費用として用意をしなければいけないといったような趣旨で、ただいま局長がお答えをさせていただいたような今予算の使い方というものをしておるわけでございます。

ただ、一点、我々も大いに反省をいたしておりまして、昨年は実は発表時期が非常に遅かったんですね、結果的に。これは初年度ということもありまして、様々な採点上の問題もありました。そういうことを反省をして、できるだけ早く結果を現場に反映できるように、今年はもう9月初旬、要するに夏休みが終わったらできるだけ早い時期に結果を公表をして、そして小学校、中学校、こういった学校での最後の仕上げといいますか、そういったことに使っていただけるべく、我々としても計画を実施していきたいというふうに考えておるところでございます。
神本議員
大臣の御答弁で、私、文科省と例えば学校現場や子どもたち、それを受ける子どもたちや保護者との物すごい大きな認識のずれを御答弁の中で今分かった、発見したんですけれども、学校現場で子どもたちのつまずきや教育課題に対応していくのには費用を要さないというふうにおっしゃったんですね。私は、その課題を見付けて、どういう条件整備をしたらいいかというために全国学力・学習状況調査をされるんだろうと思って、この調査そのものにあえてこれまでは反対をしてこなかったんです。過去にいろんな失敗をしたにもかかわらず再開されたこの調査にですね。ですけれども、是非このやり取りの中で大臣には認識を深めていただきたいんですが。

それで、そこにこそ、現場の改善にこそ振り向けるべきだということをちょっと申し上げて次の問題に行きたいんですが、実はこの調査が始まる前から、過去の経験から、物すごい過度な競争と序列化の中でいろんな不正行為が行われたと。

例えば、43年前の調査のときは、成績が振るわない子は明日は学校を休みなさいというような指導が学校で行われたり、それから校長先生自ら、机間巡視といって机の間を先生がちゃんと調査を受けているかということで回るんですが、そのときに2番目の解答が正解だということを机をたたきながら、というふうに解答を教えていったとか、これは実際にそれが行われたところの記録に残っております。それから、ひどい、ひどいというか、プラカードに正解を書いて机間巡視をした先生がいたとか、本当に様々な、これは調査にならないという不正な行為が行われたというようなことがありましたので、これまで文教科学委員会などで私も序列化や過度な競争にならないようにと、そういう配慮を十分にしてくださいよということを言っておりましたら、それは実施要領の中にも書かれております。そういうふうにならないようにというふうにすることで、結果の公表の仕方を序列化にならないようにということを工夫して、文科省としても実施要領にはっきり書かれておりますけれども。

今回の、昨年度の調査でそういう序列化につながらなかったかということで本当はお聞きしたいんですが、もう時間がありませんので、具体的に昨年度の実施で事前対策に走った教育委員会があったということが報道されております。今日、委員の皆さんにはお手元に資料を配付しております。新聞記事で恐縮ですけれども、2ページに書いております。これ07年度分ですが、「全国学力調査 町が特訓」ということで、北広島教育委員会で、調査の直前に出題内容が類似した独自の問題集を作成して、時間配分や解き方、児童生徒に指導するように各学校長に指導し、それがちゃんと行われたかという、その結果報告まで求めていると。これはもう明らかに事前対策ではないかと思うんですね。

それから今年度、08年度の調査においては、次の3ページに載せておりますが、今度は滋賀県で、これは県教委が行っている。先ほど局長の御説明で、検証改善委員会を各都道府県に、県教委につくって、そこでこの結果を分析して改善を図る、そういう研究をしているというふうにおっしゃいましたけれども、その検証改善委員会が類似問題を作って、それを指導の手引ということで県レベルで各学校に活用を促したというようなことが報じられております。

これで本当に学力・学習状況調査になっているのかと大きな疑問を、冒頭言いましたように、これはテストになっているんではないかと。テストと調査の違いを私も国語辞典で調べてきました。そうしましたら、調査というのは、物事の実態、事実などを明らかにするために調べることなんですね。実態、事実を明らかにすると。こういう事前対策が行われたんでは、本当の実態、事実が明らかにできないのではないかと。一方、テストで見ますと、検査、実験、試験、考査、審査。ここに学力テストというふうに、引用のこういう使い方をするというのがあるのもちょっと分かりやすいなと思うんですが、明らかに審査や考査になってしまっているのではないかということを思います。

こういう事前対策が行われているということについて、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
渡海大臣
その前に、一言私の方からも言わせてください。一方的に決め付けないでください。

私は、何もお金が要らないと言っているんじゃないんです。結果は当然、例えばその結果を集計をして分析をして必要なことはやるというためにやっているわけですから、ただ、日々の指導において生かしていただくには、別にこういうことにも役に立つでしょうということを申し上げたわけであります。これを別に反論と取らないで、誤解しないようにしていただきたいと思います。

事前に、今委員が指摘されましたようなこういうことが行われているということは、大変これは私は遺憾なことだというふうに思っております。これはやっぱり学校現場でしっかりとそういう対応はしていただかなきゃいけないし、都道府県教育委員会においても、そういうことにならないようにしっかりとやっていただく必要があるわけでございます。

それから、この序列化という問題に関しては、そのことを避けるために、公表の仕方なりそういったものについてちゃんとしたルールを今作りまして、そしてきっちりとお願いをしているわけでございますから、これは現場のやっぱり意識の問題というのも私はあろうかなというふうに思っております。

今後とも、こういうことが起こらないように我々はより慎重にこの問題を指導していきたいというふうに考えているところでございますが、やっぱり現場で受け止めていただく方もその趣旨をよく考えていただいて、そしてやっていただく必要があろうかというふうに私は考えておるところでございます。
神本議員
現場で趣旨をしっかり間違えないようにとらえてと、確かにそのとおりだと思います。しかし、この趣旨が趣旨として生かされない、誤ってとらえられるのは何かといったら、やっぱり根本問題は、すべての子どもを対象にした悉皆調査になっていると、私はそこにあると思うんですね。ですから、これのやり方を見直さない限り、こういう問題は今年度も来年度もずっと続くと思います。

それからもう一つ、この学力調査がどういう問題を引き起こしているかということで、これは、国民教育文化総合研究所と日本教職員組合が学校現場でこの調査はどうだったかということの実態を調べております。そこから上がってきた声が、後で大臣にもお渡ししたいと思いますが、見ていたら本当にもう子どもがかわいそうにと思うような事態もあります。

すべてではないと思いますけれども、例えば問題ができなくて泣き出して、小学校六年生ですよ、六年生が泣き出すというのはどういうことなんだと思いますが、その場で問題用紙をびりびり破ってしまった子がいたとか、それから日本語を母語としない外国籍の子が何人もいる、受け入れている学校がありますが、その子たちは、特にB問題という応用問題にかかわるような長文の問題が出ているとその問題の意味を理解できない、だからほとんど白紙で出さざるを得なかったとか。

それからもう一つ問題は、これは調査ですので、その日いろんな事情で欠席する子がおります。病気であったり用事があったりして欠席した子は当然次の日にその調査用紙で受けられるはずなんですが、調査があったもう翌日には問題と解答がメディアでばっと、新聞で公表されておりますので、もうそれを見てしまって次の日の調査が受けられないというような問題が起きたりですね。

それから、もう時間がないんですが、例えば数学Bの問題で、家族でレストランに行き、セットメニューを注文するという問題があった。子どもたちはセットメニューという言葉自体を知らないと。都会の子以外の離島や山間の子どもたちには、そういう経験がない。これは確かにあり得ることだと思います。私は、すし詰めという問題もこれはどうかなと思ったんですね。ラッシュの電車で、すし詰めか箱詰めか何とか詰めかという三択だったんですね。そういう経験をしたことのない離島や山間へき地で生まれ育った子どもたちはそんなこと、言葉すら聞いたことがない。

質疑の模様
そういうこともありまして、子どもたちへの負担とか、それから学校行事様々に変更しなきゃいけなかったとか、教室に書いている学習の結果を、いろいろ掲示物たくさんありますが、そういうのを全部はがさなきゃいけなかったとか、もうありとあらゆるいろんな問題が出てきておりますけれども、先ほど言いましたように、私は、やっぱりこれが悉皆調査であるために序列化や競争につながったり、それが事前対策に走るということになっていると思うんですが、これはもう是非サンプル調査にしていただきたい。客観性、公平性はもう損なわれているというふうに思うんですけれども。

これについて、ちょっと時間がないんで一人でしゃべりまくっていますけれども、資料の1ページ目に、これに要した費用、文科省の資料を基にちょっと作り直したんですけれども、例えば今230万人の子どもが対象に昨年度も、今年度もまた行われましたけれども、これに掛かった費用が、一番左側、調査資材のこん包・保管、これも20年度の準備経費として1億円、19年度は2.6億円、それから調査問題の配送・回収、4.7億円、それから採点・集計、29.8億円、結果の印刷・発送、2.2億円。

これは、単純に受ける対象が少なくなったら、その分、例えば230万人を半分にするとか10分の1にすれば当然この額は減ってくると思うんですね。ここを削減して、その分を具体的な改善策の方に同じ予算を掛けるんであれば回すということが、私は、ああいう事前対策で公平性を損なうような、調査ではない、テストになってしまうようなことも防げるのではないかというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
渡海大臣
委員が御指摘になった、様々なそういった御意見が出ていることは我々も承知をいたしております。そういうことができるだけないように改善はしていかなきゃいけないという意識で臨んでいるわけでございますが、この悉皆調査につきましてはいろいろ御意見があるところでございまして、これは中教審でも御議論をいただいておるわけでありますけれども、意見が多少分かれるところだと我々も思っております。

しかし、当初、今日の議論の一番最初で局長が話をいたしましたように、その目的というものを達成をしていく方法論についてどうするかということをいろいろと御議論をいただいた上でこういった調査をやろうということで、今やらせていただいている。私は、今このことを急に転換をする必要はまだないと正直思っております。そして、その目的が達成できるようにできるだけ工夫をこれからしていく、また、改善策というものをできるだけ早く現場に返す努力をしていく、また、そのいわゆる改善策というものを有効に我々は打っていくということがいいのであろうというふうに考えておるところでございます。

今後、今御指摘をいただいたような様々な疑念が出てこないように、より一層の工夫を重ねていきたいというふうに考えております。
神本議員
大臣、先ほど最初のあれ、やっぱり誤解じゃないと思います。当分これでやっていくというもう結論をお持ちのようですけれども、今るる言いました悉皆調査であるために行われている事前対策、こういったものが行われた県とそうではない県とでは違った結果が出てくるわけです。もう客観性がそこで損なわれているということを考えると、私は、早急にこの悉皆調査という方法をやめて、国際のPISA調査だって抽出調査ですよね。抽出調査で様々な統計をクロスして、そして課題を見付けていくということが国のやるべき調査であって、このような悉皆調査でやることについては断固もう私は、もう20年度は行われてしまいましたので、21年度に向けて見直しをしていただきたい。そして、その分をやっぱり改善。

例えば、学校現場での指導改善というのは、つい私はおととい福岡の地元に行きまして現場の先生の話を聞きましたが、うちの学校は正答率が平均よりも低かったと、何とかしなければと。そういう全国の状況が分かったのは、全国の中で置かれている位置が分かったのはいいけれども、うちのクラスのつまずいている低位の子を一人でも多く、1点でも多く引き上げる、そのことに力を注ぎたい。しかし、平均点を上げるためだったら上位の子に一生懸命学習、力を入れて、こっちを上げるということも必要だと。そうすると、一人でどうしたらいいんですかというふうにおっしゃるんですね。

だから、指導方法の工夫改善、もちろんいろいろやりますけれども、その限界が今来ていて、定数改善をというような、平均正答率よりも低い学校には予算を1.5倍回してくれるならこれは何とかできるなというような現場の声もございますので、私は、当分これでやるというのではなくて、是非とも21年度はサンプル抽出で調査をするという英断を是非していただきたいなということを時間がありませんので申し上げて、次の問題に行きたいと思います。

次に、教育振興基本計画についてお伺いをしたいと思います。

これにつきましては、今まさに新聞報道、連日されておりますが、財務省との折衝で文科省も大変頑張っていらっしゃるということを見まして、これ頑張っていただきたいなというふうに思っておりますけれども、文科省としては、この教育振興基本計画の中に、今後10年間で教育関連予算を、対GDP比3.5%というOECD先進国の中でも低い位置にいるこの教育予算をOECD平均並みの5%に引き上げるというように主張されているというふうに報道で聞いております。しかし、それに対して財務省は欧米諸国と遜色ないというふうに反論を、しかも強い反論をしているようですが、これについての大臣の決意を是非お伺いしたいと思います。
渡海大臣
教育投資をどう考えるかということは大変意見の分かれるところでございまして、いろんな言い分があります。ただ、我々は今どういうふうに主張していこうかということを最終的に様々な党内の御意見、これは与党内で恐縮でございます、政府の決定でございますので、御意見も聞きながら今最終検討に入っているところでございまして、数字がいろいろ走っておりますが、このことを決めたということではありません。

しかしながら、決意ということでありますから、私は、教育投資というのは国家の姿だと思っております。GDPという一つの国力を何にいわゆる国家が政策的につぎ込んでいくか、つぎ込んでいくという言い方は良くないですね、政策目標として充てていくかと。こういう姿を、10年先の目標を作るわけでありますから、しっかりと我々は主張をしていきたい。資源のないこの日本が今後持続的に発展していくためには、やっぱりこの国は人を育て、そしてそこで科学技術を振興し、また、いろいろやらなきゃいけないことはあるわけでありますけれども、教育立国、科学技術立国を目指すというのがこれは私の政治の一つの哲学でございますから、そういった考えをしっかりとこの教育振興基本計画の中にも盛り込んでいきたいと。そのことをこれからも、これはまだ財務省の折衝というのは始まっておりません、中で主張をしていきたいというふうに思っているところでございまして、決意と言われましたからあえて申し上げたわけでございますが、日本の国というのが、この人材という唯一の資源に対してどういう投資をしていくかということが私は大事だと、こういう主張をしていきたいというふうに思っております。
神本議員
それで具体的には、財務省は財務省なりの反論ということで、例えば一人当たりの教育費は欧米と遜色なくアメリカに次いで二番目であるとか、教員一人当たりの児童生徒数も遜色ないとか、具体的な数字を出して言ってきておりますので、これについて文科省としてはしっかりとしたまた数字でもって反論をして、今の大臣の決意を実現していただきたいと思うんです。

これまでずっと負け続けて、負け続けてといいますか、教育予算は平成10年度からもう年々低下しているんですね、減りっ放しです。しかも、減っている中身の、先日これも報道であったんですが、地方交付税措置されている教材費、これが基準財政需要額で各地方交付税の中に盛り込まれている、これは教材費ですよと、として使ってくださいねというような意味合いを込めて交付税措置されているものの約3割がほかのものに使われているというようなことや、図書費も同様なことが行われているんですね。これはもう地方自治体の問題だといえばそれまでなんですけれども、こういうふうに実際に教育予算が空洞化しているというか、子どもたちのところに行っていないという現実を踏まえて、教育振興基本計画の中には何としても必ず財源確保のための数値目標、この数値目標を入れるように、具体的に書き込むということをお願いしたいと思います。

大臣は科学技術の専門中の専門ですけれども、例えば科学技術基本計画の中には、第一期17兆円、第二期24兆円、第三期25兆円というふうに5年ごとの具体的な研究開発のための数値が出てきているわけですね。教育もこういうふうにして計画を立てていかないと、国家百年の計、結果はすぐに出ない教育ですから、是非お願いしたいと思います。

改めて決意、具体的な数字を書き込むということについて御所見をお願いします。
渡海大臣
書き込むか否かについても含めて、書き込むのは簡単ですよ、書けばいいんですから。だけど、やっぱり今も言われたように、具体的なと言われますが、じゃその中身は具体的に何なのかということをしっかりと、負けっ放しと言われておりますから、勝てるように我々もちゃんと作らなきゃいけないわけでございますから、そのことは御理解をいただきたい。

私は、何も弱気になっているわけではありません。しかし、財務省の言い分の中にも、これは勝手に届いてきているペーパーでありますが、なるほどなと思うところもありますので、そういったところに対してしっかりと我々として主張できるということを責任を持って作っていかなきゃいけないということも御理解をいただきたいと思います。私は今、そのぎりぎりのところで毎日のように汗をかいているというふうに御理解をいただければいいと思います。我々の主張はしっかりとさせていただくということは、今お約束をさせていただきたいと思います。
神本議員
具体的なところまで踏み込む時間がありませんので、是非それを具体化するための反論をきっちり数字で出していただきたいと思います。

神本議員
次に、公立学校の耐震化についてですけれども、これはもう本当に連日、中国の四川省の問題も報道されておりますけれども、特にもう私は、子どもたちが倒壊した学校の下敷きになって生き埋めになっているという報道に接するにつけ、この公立学校の日本の耐震化の進捗状況について、ずっとこの7年間、ここに来ましてから取り組んできましたので心痛めているんですが、中国のあれに対して保護者や地域の方たちが、こんな学校で子どもたちは勉強していたのか、まるで、おから工事じゃないかというような大変な住民の怒りが出てきております。

日本の、じゃ公立学校、地域の避難所にもなっておりますけれども、ここの耐震状況はどうなのかということで資料をお配りしております。

本当は御説明していただきたかったんですが、その時間がございませんので、委員の皆さんには資料を見ていただいて、この中に、3ページ目に耐震化の状況を書いています。この右上の方に、耐震診断未実施の建物がまだ13万棟のうちの8,595棟、まだこれだけは耐震診断すらされていないんです。しかも、1981年の新建築基準、それ以前の建物は、阪神・淡路震災の規模の地震があれば倒壊する危険性があると言われている建物の中の8,595棟、それから耐震診断はしたけれども未改修のものが、その下、白抜きになっています4万5千棟。ですから、これを合わせると、耐震性がない、倒壊のおそれがあるものが5万3千棟まだあるわけですね。

こんな状態で、もしも阪神・淡路震災規模の地震があした起きたらと思うと、本当に中国四川省のあの報道がよそ事とは思えないんですね。あれもよそ事ではありません。もちろん、そういう意味ではないんですけれども、本当に国の公立学校の耐震化についてはもう早急に取り組まなければいけないというふうに思っておりますが、これがなぜこんなに進まないのか、その進まない要因と、それから進めるための取組について、大臣の所見をお願いします。
渡海大臣
阪神・淡路大震災、私は兵庫県でございますから、ある意味地元でございます。家族は当時神戸におりました。だからというんではないんですが、やっぱり子どもたちの命が万が一のことがあってはいけないという危機感は我々は非常に強くしております。

その中で、なぜ進まないのかという最大の理由、幾つかの理由があります、最大の理由はやっぱりなかなか地方が追い付けない。要は、我々、結構政府の予算というのは確保されております。しかし、なかなかそれを使い切るだけのことに今なっていない。それは、地方の財政も非常に苦しいというところからきているということ、それから地域の様々な状況があります。これをずっと1月から3月まで掛かって非常に細かく精査を我々いたしておりますから、そのことを基に、どうすれば進むのかということをしっかりとまず責任を持ってお答えをしなきゃいけないというふうに思っております。

ここ数日間、またこれも我々の担当部局を中心にあらゆる選択肢を外すことなく検討を進めるという指示を出しまして、今いろいろ関係機関とも協議をしながら、これは当然、皆さん今よく仕組みは御存じかと思いますが、補助裏は起債が起こされて、それをその交付税を充てるという割と複雑な仕組みになっておりまして、そういったことがちゃんと対応していただけるのかどうか。これは政府としてやることですから、文科省とか総務省とかいうことなく、一体としてどういうことがやれるのかということを責任を持ってお答えすべく、近々その素案といいますか、そういうものをしっかりと作り上げたいというふうに思います。

PFIが使えるかとか、分割で債務繰延べがやれるか、いろんなことを今考えておりますが、こんなことは待っていられないわけですから、本当にスピード感を持って、あらゆる選択肢を外すことなく、具体的な解決策をお示しをしたいというふうに考えているところでございます。
神本議員
この耐震化については、今、近々のうちに具体策を考えるという大臣の答弁を是非守っていただきたいなというふうに思います。

どんな方法があるかということについて、民主党としては公立学校耐震化促進法というものを作りまして衆議院の方に提出をいたしておりますけれども、その中で、今おっしゃいました裏負担をどうするかということと、それから補助率かさ上げですね。これは資料の4ページに挙げておりますように、耐震状況が都道府県によって非常に格差があると。これ、進んでいるところはこの裏負担の負担率が高いところ、それから、もちろん東南海地震のおそれが言われておりますので、それに対する対策の法律的な裏付けがあるというようなことも含めてこれだけの差が出てきておりますので、補助のかさ上げと、それからこの裏負担の率を上げることと、それから何よりも、私は、まず早急にやるべきは耐震診断、この8,500棟について早急にまず耐震診断をやるということを大臣の決意で促進していただきたいと。そして、その結果を各学校施設に、住民に分かるように公表させる、これを義務付けすることが大事だというふうに思います。

耐震診断費用は、私の党の試算では、今のこれだけの分計算すると250億ぐらいで全部できますので、それを義務付けをして、そして、その結果を校舎に張り付けなさいと、住民に知らせなさいということを是非やっていただきたいと思います。

質問時間が終わりましたので、大臣の所見、伺う時間があります。一言だけ、30秒ぐらい、お願いします。
渡海大臣
今も急いでおるわけですが、それを加速するということで頑張ります。

ただ、義務付けの問題は、これは前に予算委員会でお答えしたんですが、民主党さんもさすがに国が公表をすることを義務付けろとは議員立法でおっしゃってないんですよね。(発言する者あり)おっしゃってないです。民主党の議員立法も義務付けは地方自治体なんです。これは確かにそうなっています。これはやっぱり皆さんもよくお分かりだと思うんですね。地方自治体は大変つらい目に遭うわけですから、この辺のところは調整が要るということもどうか念頭に置いていただきたいと。

それから、あとは工期の問題がありますから、こういったことをすべて考えて、私としては、あらゆる選択肢を排することなくこの問題に取り組んでいきたいというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
神本議員
終わります。
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