| 2007年4月23日(月) |
| 決算委員会 |
| 平成17年度決算外二件(文部科学省及び厚生労働省の決算)について審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
今日は、文部科学省、伊吹文科大臣に主にお尋ねをしたいと思います。
まず、三位一体改革によって税源移譲対象になった教育関係補助事業、たくさんあるわけでございますけれども、その実施状況についてお尋ねをしたいと思います。
04年度から06年度の3か年にわたって三位一体改革が進められましたけれども、その結果、国庫補助負担金から約3兆円が移譲されましたが、そのうちの約1兆円超は義務教育費国庫負担金を始めとする教育関係の補助金でございました。義務教育にとってはこの補助金改革というものは非常に大きな転換とも言える改革ではなかったかと思います。ある意味では、戦後の義務教育の財政的な根幹を揺るがすものではなかったかと私は思っております。
そこで、この3か年間の対象項目、移譲となった対象項目は全部で20項目ぐらいあるわけですけれども、それぞれの実施状況がどうなっているのかということ全般にわたって本当はお聞きしたいんですが、そんな時間ございませんので、主に2004年度、5年度、6年度、それぞれの中からピックアップして幾つかお伺いをしたいと思います。
実施状況について、一つは情報教育等設備整備費補助金、それから17年度はいわゆる就学援助と言われる準要保護等の一般財源化、それから06年度は最も大きい教職員の給与費に当たる義務教育費国庫負担、この三つについて補助金改革がされたわけですが、その実施状況とそれからそれについての成果及び問題点について、まずお伺いしたいと思います。 |
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| 伊吹文明・文部科学大臣(以下、伊吹大臣) |
三位一体の改革というのは、地方自治の観点からはあるいは良かったのかも分かりませんが、私が所管している立場からいうと、困った地方自治体に私の判断で措置するお金がなくなるということですから、本当にこれは良かったのかなということは、文部科学省としてはあのとき決して賛成ではなかったという意見を申し上げてきたことは御承知のとおりだと思います。
それで、全体としましては、委員の今おっしゃった例えば情報教育等施設整備補助金については、高速インターネットに接続している学校の割合は平成16年度以降順調に伸びておって、71.8%が89.1%になっている。それから、要保護及び準要保護児童生徒援助費の補助金の部分については、平成17年度に比較して18年度で約21億増えていると。それから、義務教育国庫負担金については、これはもう当然のことですが、18年度及び19年度については必要な教員の定数及び給与費は確保していると。
これはしかし、マクロの数字なんですよ。ですから、三位一体の改革というのはどういうことが行われたかというと、日本全体として、文部科学省について言えば、所管をしていた補助金をなくする代わりに、それと等額の税目を住民税という形で所得税から住民税に移したわけですね。
ですから、全体としては今申し上げたような数字になっておりますけれども、個々の自治体でどうなっているかというのは、必ずしも私どもとしては、もう地方自治の話ですから、把握はできておりません、率直なところ。
そして、地方の予算というのは、もうこれは言うまでもないことですが、結果的に、マクロとしては補助金のトータルがなくなって、そして税目としてマクロとしてのお金は地方へ行っていると。だから、東京都は大得をしたと思うんですね。東京都以外に、税源が不足している自治体については、交付税で基準財政需要というものを積み上げて、不足しているところは交付税で当然穴埋めをしているわけですよ。
ただ、問題は、地方分権、三位一体、地方自治ということになってくると、予算の編成権は地方自治体の長にあるわけですね。だから、地方自治体の長が基準財政需要で積み上げたとおりの予算を組んでおられるかどうかということは、本来は、これはもう地方自治の力の源泉である地方議会がそのことをはっきりと検証して事後評価をしていただかないと困るわけです。その全体の事後評価をされた結果が、マクロとしては先ほど申し上げたようにかなり順調に増えていますが、個々の自治体についてどうであるかということは、これは私どもとしてはむしろ総務省の財政局に結果を尋ねなければならないことなんです、一つ一つの自治体については。
ですから、マクロにおいては、今の先生の御質問に対しては順調に予算措置はなされているという状況です。 |
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| 神本議員 |
大臣、最後にそれは聞こうと思ったんですが、もう私のこの補助金改革についての質問の全体的な大臣のお考えを聞かせていただきました。
恐らく文科省としても、例えば義務教育費国庫負担というその制度の趣旨からすれば、こういう形で税源移譲して、交付税措置をして一般財源として地方に移すことによって、どちらかというと地方の自由度が広がる、確かにそういう部分もあるかもしれないけれども、それよりも自治体の財政力によって地域間格差が生まれてくるのではないかという懸念を文科省としてもお持ちであったというのは、この間、私も3年間見てきましたので、文科省の主張も、それから歴代大臣もそこへの懸念を非常にお持ちで、文科省としては、全国どこに生まれ育っても一定水準以上の教育条件、環境を整備するのが文科省として、国としての責務であるということを一貫しておっしゃっておりましたので、そういう意味では、今大臣がマクロとしては確保できて順調にいっているというふうにおっしゃいました。それは金額として確かにそうではありましょう。けれども、正に御心配、懸念をこれまでもされていたように、地方の財政力格差によって教育水準の格差が出てくるのではないかというその懸念について、ちょっと具体的にお伺いをしていきたいと思います。
例えば、就学援助の問題なんですが、これは文科省の調査によっても、2004年度にいわゆる給食費や学用品代、修学旅行費などの就学援助を受けた小中学生は全体の一割を超える約133万人というふうに言われております。2000年の就学援助を受けた人数が98万人、それから36%も増えている。この増加については、本当にこの間言われておりますような経済不況、雇用の不安定化というようなことが影響しているかと思いますけれども、一方で、05年度の準要保護に係る就学援助が一般財源化されておりますので、これによって就学援助を支給する認定要件といいますか基準が厳しくなった市町村が多くなっているということも、これは文科省がやはり心配になったからでしょうか、調査をしていただいております。日経新聞にその調査結果が出ておりましたけれども、大半の自治体は従来の制度を維持しており、就学援助はおおむね適正に行われているというふうに文科省としてはとらえていらっしゃるようです。
しかし、この04年度までの10年間で認定基準限度額の引下げを行ったのは、つまりこの一般財源化される前までの10年間は、認定額をやっぱりいろんな事情で基準を引き下げたところは19市区町村だったんですね。それが、05年度、いわゆる一般財源化されてから、その年度は4倍以上の87市区町村が引下げを行っております。それから、支給額も減額したというところが5市区町村、認定基準は変更しないけれども支給額を減じたというのが13市区町村で、合計、認定基準を引き下げる、引き上げると言った方がいいのかな、とにかく所得制限を引き上げることによって対象者数を減らした、あるいは支給額を減らしたというところが1年間で計105自治体になっているわけですね。
このことから見ますと、やっぱり就学援助が一般財源化されたことによってなかなか必要とする人に行かなくなっていっているのではないかというようなことも懸念されるわけですね。これは学校教育法で、経済的な困難を生じている児童生徒に対しては援助をするということが、市町村は講じなければいけないというふうに定められているわけですので、法的根拠もきちっとある問題です。
この事業が適正に執行されているかどうかということについては、一般財源化したからあとは地方任せですよではなくて、文科省としてきちっと適正な事業の執行ということで責任を持つ必要があるのではないかというふうに思いますが、この就学援助の執行についてどのような見解をお持ちでしょうか。 |
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| 伊吹大臣 |
総論として、先生、まずはっきりしておかなければならないことは、財政が窮迫しているから自治体によって格差が付くんではなくて、まず税源移譲しているわけですから、税源が十分なところは補助金相当部分は自治体が税源として確保しておられたわけですよ。税源移譲はされたけれども税収が伴わないところは、交付税で算定基準をきちっと算定をして交付税をお渡ししているわけですよ。
ですから、あとは地方の首長が教育をいかに判断をするのか、そして、先生がおっしゃった要保護及び準要保護の児童の認定基準をどうするのか、これ条例でみんな決めているわけですよね。それを、教育を軽視してそういうことをやった場合に、それを監視すべき地方議会がどういう質問をし、どういう行動をしているのか、そして、教育をそれほど軽んずる首長を次落とせるだけの地方の有権者の力があるのかどうなのか、それにゆだねるということをやったわけですよ。正にやったわけですよ。
だから、財源がないんじゃないんですよ。要するに、教育の補助金としての財源は税の移譲で行われているのか、そうでなければ交付税の算定基準の中にきちっと入れて地方へお渡ししているわけです。それをそのとおりの予算編成をしておられないということについて、我々はそれは困りますよということをできるだけ申し上げなければならないわけでして、それは先ほどおっしゃっていたように、金額を下げるということは、補助金が入ってくる限りは、金額を下げれば、補助率は一定ですから、国から、だれかの税金が国を通じて入ってくる金額が減りますから、地方自治体はそういうことはしないんですよ。だから、自主財源になったからそういうことをしているわけですよ。
ですから、何事も、地方の自由を増すといういいことがあれば、こういうことが起こるというマイナス面があるわけですよ。そして、国がみんな持っていれば、国がはしの上げ下ろしまで介入するから自由度がなくてやりにくいという弊害が出てくるわけです。要はその間のバランスなんだけれども、そのバランスを良く保てるかどうかというのは、地方に渡した限りは、やっぱり地方議会の私は力、正に地方自治の力が試されている部分だと思いますよ。 |
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| 神本議員 |
珍しく私も大臣と本当に意見は一致しております、この件に関しては。
ただ、じゃ、そういう教育に関して予算をきちっと確保するような首長を住民が選べばいいと、あるいは議会できちっとそういう条例を定めて就学援助必要なところにはきちっと行き渡るようにすればいいというふうにおっしゃいます。確かにそうです。しかし、現実そういっていないという今の現状から見て、ちょっと今日もう一つ、国庫負担金から一般財源化されたものでもう20数年たつ教材費について、ちょっと私、研究された論文読ませていただいたので、それを基にちょっと一緒に考えていただきたいんですけれども、お配りした資料に、「教材費予算措置率の推移」というものをお配りしています。
これは、文科省の方で作られた、これ義務教育費国庫負担が削減されるんではないかというさなかに文科省としてやっぱりこういうものを作られたんですね。多分御承知だと思いますが、この教材費は昭和60年、1985年までは義務教育費として国庫負担対象になっておりました。それが一般財源化されてからの各都道府県における、まあ市町村ですかね、予算措置率の推移がグラフになっております。
1985年、昭和60年から98年ぐらいまで、ちょうど100というところが一般財源として措置された。それが100%教材費として各市町村で予算措置された分がこの100のところなんですが、1998年ごろから100%を割り込んでいて、恐らくこの辺、バブル崩壊等の経済状況、地域の経済状況があったと思うんですけれども、減っていって、今や73.1という数字になっております。
ですから、大臣おっしゃるように、確かに首長の責任できちっと、国としては交付税で措置しているんだからそれをきちっとやるのが当たり前で、やらない首長は落とせばいいと。理屈はそうなんですが、選挙を何度も何度もこれはやってきて、された結果、やっぱり教材費が国庫負担であったときに比べると、景気がいいときは国の交付税措置以上に使われているわけですよね。これは首長の、何というか、認識とか見識とか教育観とかいう問題だけではないものが、全体の経済状況、財政力状況がこういうふうに教材費の予算措置率として表れているのではないかと。
こういうことから考えると、大臣がおっしゃることも分かるけれども、しかし文科省として、国の教育行政を預かるところとして、全国どこに生まれ育っても子供たちが一定水準以上の教育環境の下で学べるようにする、この責任を果たしていただくために、今こうやって税源移譲されて、もう補助金改革が進められていますけれども、それでも文科省としてこういうことにならないような何か、ことが必要ではないかと思うんですが、いかがですか。 |
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| 伊吹大臣 |
私は先生と大体意見はいつも一致していると思いますけれども。率直に申しますと、どちらかというと、まあこのごろは随分風向きが変わっちゃったんですが、自民党は中央の補助金をもって物事を処理していく政党で、民主党は地方分権、民でできるものは民だという主張が非常にお強かったと思いますよ、流れとしては。その流れの中で小泉さんという異能の人が出てきて、私は民主党の主張を小泉さんが取っちゃったためにこういうことになった部分がやっぱりかなりあると思うんです。
ですから、地方分権で必要な部分はそれは大いに進めればいいですけれども、やはり命とか健康とか教育とかという根幹的な部分についてどうするかということは、民主党のもう10年前の、10年前はなかったのかな、何年か、5、6年前の民主党さんの御主張と違うやっぱり御主張を今されて、僕は非常にそれに共感を持っております。
ですから、力を合わせて、少し我々の方で正していくべきものについては取り戻させていただきたいし、予算が必要な部分についてはそろそろ選択と集中をどこにするかということも考えるときに来ていると。私は、常にではないけれども、先生とそう意見は違わないと思っております。 |
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| 神本議員 |
ここでエールの交換し合ってもしようがないんで。
私は、大臣とそう違わないというところはいいんですが、大きく違うのは、やっぱり国は金は出すけど口は出さないと私はいつも言っているんですけれども、きちっとした教育条件整備はするけれども教育の内容とかその細かい使い道について口は出さないというのが、私の個人の考えではなくて、これは民主党の考え方はそうなんです。例えば、交付税として地方にやるけれども、あとは地方で自由に使ってくださいと言うけれども、それには、ただ何でも大きな財布にどんぶりでやるんじゃなくて、教育なら教育に使う分ですよという一括交付金という考え方で民主党は来ていますので、小泉さんの改革とも違うし、伊吹大臣がその辺、民主党の一括交付金の考え方をどうお考えかはちょっと今日はもう聞く時間がありませんので、後でお暇があれば言っていただいてもいいんですけれども。
そういうことで、資料の2のところに教材費の予算措置状況ということで、平成16年度、これは17年度決算やっておりますが、ちょっと私が手にした資料が、資料3の方に都道府県別に見た市の財政力指数、これが、民間の研究所なんですが、国民教育文化総合研究所というところが調べた財政力指数、これが2004年度分でしたので、それに合わせて予算措置状況も4年度に合わせたんですけれども。
これでこう見ていただくと、全く財政力指数と教材費の予算措置状況が一致しているわけではありませんけれども、大きく見るとやっぱり、例えば財政力指数トップは愛知県、それから次が神奈川県、東京都というふうに全国平均を上回っているところが大体予算措置状況も全国平均を上回っている。これが逆転しているところも幾つかあります。後でゆっくり見て、御自分の県を見ていただくといいと思うんですが、ここの首長はちょっとけしからぬということで次の選挙では落としてもらうとか、それがまさしく伊吹大臣がおっしゃっていることだと思うんですけれども。
ということは、結局、都道府県や市町村の財政力によって教育に措置されるはずの国の補助金、交付税になっていますけれども、交付金がそこに使われないでどこかに消えていっているのではないかと。こうならないために、文科省としてやっぱり何かやるべきではないかというふうに思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。 |
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| 伊吹大臣 |
| それは総務大臣がお答えをすべきことだと思いますが、文科省としてやるということであれば、やはり文科省の判断で困窮自治体に配分するべきお金を少し増やしていくという道を取らなければ私はならないと思います。やはり総務省として、基準財政需要の中にきちっと算定をして配っているお金をどこに自治体の首長が予算編成で使ったのか、それを地方議会がどう認めたのかということはやっぱり検証をしてもらわないといけないので、いろいろ検証すると人件費の問題だとか超勤の問題だとかいろんな問題が出てくると思いますね。 |
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| 神本議員 |
就学援助の問題も教材費も、こういう形で毎年、私は例えば文科省として調査をする、まず統計を取っていくというのは、非常にこれは重要なことではないかと思います。こういうふうに教材費が確保されていませんよとか、図書費が確保されていないのはここですよということを国民の皆さんあるいは各都道府県の皆さんにも分かるように統計を取って調査を実施していくということは非常に重要なことではないかと思いますので、それは是非お願いをしておきたいと思います。
それで、残された時間が限られておりますので、次の課題、テーマに行きたいと思います。
次、私は、夜間中学の問題について今日は取り上げさせていただこうと思っております。
これは、私自身も夜間中学という存在について認識をしたといいますか、それは、10年ほど前に日教組の役員で東京に来たときに、たまたま私が教育文化の担当をしておりましたので、そこに高野雅夫さんという方がいらっしゃいました。夜間中学を全国に設置する運動をしている、たった一人で全国行脚をしているというふうに来られて、そのときに御自身で書かれた本、「タカノマサオ」という本をいただいて読ませてもらって、もう大変強烈なショックを受けました。
大臣、夜間中学について、これ通告も何もしておりませんけれども、御存じだとはもちろん思いますが、どのように大臣としては認識していらっしゃいますか。 |
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| 伊吹大臣 |
かなりやはり社会状況が変わって、戦後は本当にお昼間働かないと食べていけないような、まあ義務教育の課程、本来昼間の義務教育を受けるべき児童もいたわけですね。そういう方々、家事手伝いなどを余儀なくされている学齢の生徒が多くいましたので、そういう人たちに対する学校として始まったということは、私たちが子供のころはそうでした。しかし、現在は義務教育の履修を結局終了しないまま年齢が超えちゃったという人が非常に多いということ、これは大きな私は事情が変わってきたと思うんです。
それで同時に、この前なるほどなと私が思いましたのは、大阪大学と大阪外語大学が合併をして、これは夜間中学校ではありませんけれども、大阪外語大学の夜間の人たちから夜間の大学部がなくなるんじゃないかという批判がありまして、実態をいろいろ見ますと、勤労をしながら夜大学へ通っているという人はもうほとんどおられないんですね。お昼の家事がある後、自分で学びをもう一度したいとか、あるいはお昼職業を持っていて立派な会社のサラリーマンなんだけれども、もう一度勉強したいとか、こういう方が多くなってきておりますから、私は夜間中学校というものをすべて否定するつもりはありませんけれども、実態的にはかなり昔のイメージとは変わってきているということは先生も当然御理解なすっていると思います。 |
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| 神本議員 |
夜間大学とはまた違った意味で、私はこの間、また昨年、日本弁護士連合会が文科省にも意見書を持っていかれたと思うんですけれども、夜間中学といいますか、義務教育未修了者あるいは不就学者、学齢期を超えた年齢の方たちで義務教育を未修了のままでいらっしゃるという方たちについての実態調査なり、その対象となる人たちからの人権侵害救済申立てがあって、それを基に夜間中学などの実態調査をしたものを意見書としてまとめて、文科省にも出されております。是非大臣も、お目通しかもしれませんが、目を通していただきたいと思うんですけれども、その未修了者の人たちが学ぶところとして戦後スタートしたのがこの夜間中学なんですね。
ところが、お手元に資料4としてお配りしておりますが、この夜間中学、これは公立の夜間中学ですが、その学校数、在籍数の推移ということで、戦後すぐからスタートして、1950年代からこの一番ピークになっているこの辺が、伊吹大臣がおっしゃった、子供のころの、昼間、家事手伝いや家業の手伝いで学校に行けない、新制中学スタートはしたものの、とても家庭の労働力として子供は重要だったので、その貧困のため、あるいは戦争の混乱で中学校に行けなかった、そういう人たちのために夜間に学校で二部授業、三部授業をしようということで行われたときの、これがこのピークでこんなにたくさんになっていると思いますが、その後すごい谷間ができているんですね。
この谷間は何なのかということを、私も今回質問するに当たってたくさんの資料を関係者の方からいただいて読ませていただきましたが、1966年に当時の行政管理庁、今の総務省に当たるんですか、行政管理庁と書いてありましたが、がこの夜間中学の早期廃止勧告というのを出しておりまして、それでがっと減っているんですね。しかしその後、1970年に入って、日中国交正常化などで中国からの帰国、残留孤児の方たちの帰国が始まりまして、その方たちの日本語を、読み書きなどを保障するためにということで、また数がずっと増えております。
こういう推移の後ろには、私は文部科学省の、当時の文部省の、義務教育を所管し、すべての国民に義務教育を保障すべき文部科学省としての、そこを保障されなかった、その機会を様々な理由で奪われてきた人たちに対してどのように保障するのかという責任、責務といいますか、それに対する認識が私はこの数の背景にあるのではないかというふうに思うんですが。
今現在、こういう義務教育未修了者の人たちに対して夜間中学を各都道府県に最低でも1校はつくってほしいという願いがあるんですが、それについて、その二つ、夜間中学の存在と役割についての認識と、それから1校でも多く設置をという、これについて文科省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 |
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| 銭谷眞美・文部科学省初等中等教育局長(以下、銭谷局長) |
ただいま先生からお話ございましたように、現在の中学校の夜間学級、いわゆる夜間中学は、当初の設置の趣旨とは異なりまして学齢期の子供は在籍をしていないわけでございます。それで、いわゆる学齢期を終えた方が在籍をしているわけでございます。また、外国籍の方も大変高い割合で在籍をしているという状況がございます。そういう意味で、現在の中学校の夜間学級には、義務教育未修了のまま学齢を超過した方に対する学習の機会を提供するということで、一つの意味合いというのは持っているというふうに考えるわけでございます。
ただ、こうした方の学習ニーズにどのような形でこたえていくのかは、やはり住民に最も身近な機関でございます市町村教育委員会が判断をするということが適当でございまして、その際、中学校の夜間学級を設置するかどうかにつきましても、市町村の教育委員会が地域や学校の実情等、諸般の事情を勘案しながら判断をすべきものというふうに考えているところでございます。 |
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| 神本議員 |
| 局長、一つの意味合いがあるという、私ちょっとその言葉に非常にやっぱり引っ掛かったんですが、やっぱり文部科学省として、すべての国民に義務教育を保障する責務を負う文部科学省として、その学齢期に受けられなかった人たちに対して、機会を失った人、奪われた、様々な理由です、それは、そういう人たちに対して教育を、何といいますか、学齢期を超えてでも学びたいという人たちに対して保障しようという、それが夜間中学だというふうに私は認識をしているんですけれども、そうではないんですか。 |
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| 銭谷局長 |
先ほども申し上げましたように、いわゆる夜間中学の果たしてきた役割というのは、これは評価されなければならないと考えておりますし、また、義務教育を未修了のまま学齢を超過した方の学習の機会を提供するという意味合いから、中学校のこの夜間学級がこれらの者に対する教育の場として有する意義というものは、先ほど申し上げたような考え方を持っているわけでございます。
ただ、その場合どういうやり方を取るのか、また中学校夜間学級という形でそういう場を提供するのか、そこは設置者でございます市町村教育委員会がやはり判断をすべき事柄だと考えるところでございます。 |
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| 神本議員 |
だから、設置者任せではいけないのではないかと私は思っています。
ちょっと紹介したいんですが、要するに義務教育を受けられなかったために今どういう生活といいますか人生を生きていらっしゃるかということがたくさん、これは「夜間中学生 133人からのメッセージ」ということで、全国夜間中学校研究会というところが出しているんですが、本当に読むと、これは個人の責任ではないと。今、例えば電車に乗るのに駅名を読めない、日本人ですよ、外国人ではないんです、日本人、日本に生まれ育った方が駅名が読めない。病院に行っても自分が掛かりたいその科が読めない。それから、役所に行っても自分の名前が書けない。名前を書いてくださいと言われると手が震えて、怖くてもう行けないというような生活を送ってきた人たちが、夜間中学校に出会って、そこで文字と言葉を獲得していってのことが書かれています。
幾つかちょっと紹介しますが、この方は京都市の夜間中学校の学級に行っている方なんですが、「こどもがまだちっちゃいときにがっこうのしゅくだいをしてて、」、大臣のところですね、京都、「してて、わからへんとこきかれても、わたしも字がわかりませんのでおしえられずこどもには、こんなおかあちゃんでわるいなあって、なんどもこころのなかであやまってましたんや。もっとはようにべんきょうしてたら、こどもにもおしえられたのにむかしは、つらいこといっぱいあって、」という平仮名ばっかりの、まあ活字にしていらっしゃいますけれども、そういうこととか、「がっこうに はいって べんきょう すこし よみかきできます 先生 ありがとう はじめての「もん」くぐる むねのドキドキ まちがえて もじをかく うれしさ」、「目をあけているのに 今まで見えなかった字が 見えるようになった うまくはかけないけど 字をかくのがたのしい」。目を開けているのに、文字を獲得していないということは見えていないというのと同じだと、そのことが、書けるようになって、読めるようになって初めて分かったというような、そういう、私たちも当たり前のように文字を読み書き、話していますけれども、そのことを奪われているということがどういうことなのかということをこの夜間中学に学んだ方たちが書かれています。
潜在的にこういう方たちはまだまだいらっしゃると思うんですけれども、今、文部科学省としては、義務教育未修了者あるいは不就学者の数をどのように把握していらっしゃいますか。 |
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| 銭谷局長 |
義務教育の未修了者の数につきましては、私ども承知をしていないところでございます。
ただ、国勢調査におきましては、未就学者の数としては約16万人という数があるということは承知をいたしているところでございます。 |
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| 神本議員 |
承知をしていないというところに文部科学省のこういう義務教育未修了者の方たちに対する認識が如実に現れていると私は思います。
ここ、資料5と資料6に、これは全国夜間中学校研究会の方たちがまとめられた資料なんですが、公立夜間中学校は、真ん中の列にあるように今全国で35校あります。その次、裏のページを見ていただくと、百数十万人と推定される義務教育未修了者ということで、これは夜間中学の方たちが恐らく推計をされた数字だと思います。国勢調査によると、今、全国に15万9,700人が未就学者数として、これは2000年の国勢調査の結果で出てきています。しかし、この10倍はいるだろうということが推計されているんですね。
推計の仕方も私もいろいろ調べたんですが、例えば小学校入学者数と中学校卒業者数を比べてみると、単純に減っている分で、卒業していないと。しかし、その中には行方不明や死亡や海外へ行ったとかいろんな数字がありますので、あくまで推計になりますが、その辺りが分かる限り減らして計算をした結果が百数十万人というふうに言われています。
そこで、そういう推計をするんではなくて、正確に把握する、まあどこまで正確に把握できるか分からないにしても、この国勢調査のやり方を工夫すればもう少し正確に出てくるのではないかというのが、これは全国夜間中学研究会の皆さんや日弁連も意見書の中で指摘をしていますが、それについて総務省の方にお伺いしたいんですけれども、今、国勢調査の教育に関する項目は10年に1回の大規模調査で調べられるらしいんですが、小学校と中学校を卒業しましたか、あるいは未修了ですかというふうに小中一くくりになっているんだそうです。こうしますと、小学校を修了をしたけれども中学校は未修了という人がこの数字の中には入らないわけですね。小学校も中学校も未修了という人の数になってしまうので、そこを一くくりにしないで区分してほしいという、そうするともう少し正確な数字が出てくるのではないかということを御要望として聞いているんですが、総務省としていかがでしょうか。 |
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| 川崎茂・総務省統計局長 |
お答え申し上げます。
国勢調査についてのお尋ねということでございますが、国勢調査の調査事項というものは、まず、いろんな観点がございますが、国や地方公共団体の様々な行政施策に共通的に利用されるという観点、また記入が確実にまた正確に行われるかという観点、また国民の報告負担への配慮といったような観点、これら様々な観点から総合的に検討を行いまして、その上で統計審議会に諮りまして決定させていただいておるところでございます。
先生お尋ねの国勢調査につきまして教育について小学校と中学校を分けて調査するということでございますが、この教育に関する調査事項というのは非常に多くの方々が回答しづらいという、難しいというふうに感じておられる方もあるようでございまして、かなりデリケートな項目であることは確かでございます。そういうこともございまして、国勢調査におきましてこれをさらに小学校と中学校ということで細分化することにつきましては、正確な記入がどれだけできるかという、その記入の正確性の担保ということが難しいということも考えられますので、実態としましてはこれを分けていくのはなかなか困難なことではないかというふうに考えております。 |
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| 神本議員 |
| まあデリケートな、センシティブ情報というようなことを総務省とやり取りさせていただいたときもおっしゃったんですが、でも、それだけに必要な情報と言えるんではないかと思うんですね。これは総務省としても、私は文科省としても、文字を奪われた人といいますか獲得できなかった、その機会を奪われた人たちの実態をどういった形で調べたがいいのか。国勢調査が一番いいのではないかということで今総務省にお聞きしたんですが、国勢調査で調べることが無理であれば、文科省として何らかの工夫をしてこの実態を調査すべきだというふうに思いますけれども、あるいは総務省ともう少し、まだあと3年ほどありますので、次の調査まで、この間研究をしていただきたいなと思うんですが、文科省としてはいかがでしょうか。 |
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| 銭谷局長 |
| この義務教育の未修了者の全国的な調査でございますけれども、仮に調査するとなれば、対象が極めて全国民を対象とした大規模な調査でございますし、その内容が今もお話ございましたように非常にセンシティブな内容でございますので、なかなか難しいものがあるなというふうに思っております。 |
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| 神本議員 |
難しいのは分かってますよ。ですからそれを工夫するのが、どんなに難しくてもこのことが自分たちの仕事だというふうに思うか思わないかなんですよ。
私は、この資料を読んだだけでも、いろいろあれこれ考えてみました。例えば、中国帰国者の方で日本語が習得できていない方たちは厚労省に聞いて、帰国者として受け入れている方たちで調べればいいんじゃないか、在日の韓国・朝鮮人で日本にもう定住されている方たちについてはまたこういうふうにして調べたらいい、法務省に聞けばいいのかなとかいろいろ、文科省としてやっぱりこれは自分たちの仕事だというふうに思ってないんですか。思ってないんですね。いかがですか。
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| 伊吹大臣 |
先生のお気持ちはよく分かります。
先ほども申し上げたように、5年ぐらい前は、先ほど御質問の地方分権の話についても、自民党はもう困った政党で、中央統制的で、地方にもっと分権をすべきだとおっしゃっていたのは民主党なんですよ。ところが、このごろはどうも話が少し逆転をしてきている。それは小泉さんという異能の人が出てきたからだと私は思います。
今の話も、私は調べるやり方はあると思いますよ、先ほど総務省の統計局長が参考人としてお話ししたように。しかし、その際は、個人情報の保護だとかどうだとかということを阻却していいんだという、やはりほかにも、先生はこの問題について大切なことだから個人情報を阻却してもいいんだというお立場に立って今お話しされていますけれども、ほかの項目についても使途によっては、これは非常に大切だから個人情報の秘匿を阻却してもいいんだという考えの人はたくさんいるんですよ。だけど、大体そういうときは、今度の学力テストでも個人名を書かせるのはけしからぬという御意見だってたくさん日教組にだってあるわけですから。
ですから、御質問としては非常にうまく攻めておられるなと私は思いますけれども、やっぱりバランスを取った議論にしていただかないと困るんで、民主党としては、それじゃ公益上必要であると政府が認めた場合は個人情報の保護についてある程度阻却をするんだというお考えでよろしいんですか。 |
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| 神本議員 |
総務省の国勢調査の在り方については、まだこれから有識者等との検討もあるようですから、そこの検討状況も見ながら私もやり取りをさせていただこうと思いますが、それはあくまで国勢調査で調査ができるのではないかというだけであって、私がお聞きしたのは、文科省として国勢調査に頼らずに、本来国として義務教育を保障しなきゃいけない、憲法でもうたわれている、そのことをやるために、ニーズが分からないとか実態を把握してないとおっしゃるから、じゃ把握してくださいよと、それは困難だで終わらないで、困難を克服する方法を考えてくださいということを私は申し上げているんです。今すぐこれやり取りしても、あと3分しかありませんので、これはまだこれからやらせていただきたいと思います。大臣、そういう意味ですからね。そうやって切り返して私が黙ると思ったら大間違いですので。
私は最後に言いたいのは、この資料6のところに書いておりますが、公立の夜間中学は35校しかないけれども、自主夜間中学という形で、やっぱり地域住民のニーズ、あるいは目の前でそうやって生きていくのに非常な困難を抱えている人たちを見て、退職した教職員や市民の方たち、あるいは弁護士とかマスコミ関係者の方たちが自主的に市民の会をつくって夜間中学を開いてあるわけですね。こういう、もう年数見ても分かっていただけるように、山城って、これも京都なんですかね、1978年から、それから最近設立されたところもありますけれども、本当に営々と設置者である市町村にも働き掛けながら、夜間中学を開設してほしいという要求をしてもしてもしても設立されないんで、自分たちでボランティアで会費を出し合ってやっている夜間中学がこれだけあるんです。こういうところへ、じゃせめて、実態調査している間も高齢ですから亡くなっていかれるわけですよ、その人たちにせめて文字を獲得できるようにということでやっているこの活動に対して国で財政支援はできませんか。 |
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| 加茂川幸夫・文部科学省生涯学習政策局長 |
いわゆる自主夜間中学についてのお尋ねでございますが、その実態について詳細は存じませんが、今の委員のお話ですと、実態としては中学校の夜間学級と同様のものがありながら公立学校の学級として認可されていないものを指しておられるのだということでありますれば、この資料にもございますように、その財政的支援の根幹は最大の人件費であったり運営費でございましょうから、公立の学級として認められるべく働き掛けられるのが、地方の判断にゆだねられるべきがまず第一かと思うわけでございます。
ただ、様々な理由で公立学校として、学級としての位置付けが難しいということでございましたら、実態として申し上げますと、社会教育の分野で、公民館等の施設においていわゆる外国人に対する日本語教室でございますとか成人に対する様々なサービス提供が行われている実態がございます。
確かに実態はございますが、こういった各種の学級あるいは講座の開催でありますとか、その開催、参加者の支援策につきましても、一番その学習者の身近な存在である地方自治体がそれぞれの実情等に応じて判断をしておるものでございまして、それがふさわしいのではないかと私ども考えておるわけでございます。 |
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| 神本議員 |
| 要するに、財政支援は国としては考えないという御答弁のように今聞こえましたけれども、まずは私は、この自主夜間中学にも是非足を運んでいただきたいし、それから公立の夜間中学も、その実態を見て、そこでどういう教育活動が行われていて生徒さんが何を獲得しているのかということを是非見ていただきたい、そして全国的な調査をしていただきたいということを大臣にもお願いをしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 |
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