| 2006年11月30日(木) |
| 教育基本法に関する特別委員会 |
| 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案の審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
質疑に入る前に、委員長も先ほどからとっても気にしていらっしゃいましたけれども、この会場の、今ちょっと増えましたが、私、数えましたら、最低のときは6人か7人しかいないというような状況でございました。
この教育の根本を定める基本法の審議、しかも今日は子どもたちの命にかかわるいじめ、未履修問題、タウンミーティングの話、集中審議でございますけれども、私はこういう状況というのは、いなかった委員さん個人の問題でもないし、与野党、委員長も入れて理事会でこの日程を決められたそこだけの責任でもない。何なのか考えておりました、先ほどから。
やはりこの大事な法律の審議をするに当たって、やっぱり日程が無理です。本当に無理。私は、今日の質問の準備のために、昨日も6時まで審議がありましたから、それから大急ぎでそれまで集めていた資料で質問を作ったんですが、やっぱりどんなに頑張って急いでも、文科省に質問通告といいますか、レクをするのは9時ごろになったんですね。昨日は9時でしたからまだよかったです。その前のときは、いきなり22日から審議が始まるということで、私は24日質問でしたが、そのときは12時ごろでした。もう本当に文科省の皆さんには申し訳ないと思いながら、先ほどから大臣に対して、皆さん、お疲れさまと、本当に大臣お疲れさまと思います。しかし、疲れているのは大臣だけではない。文科省の皆さん方は恐らく12時過ぎてそれから質問の答弁を作られているでしょうし、それから、私たち委員もそうです。
こういう本当に無理な日程でこれから国家百年と言われる教育基本法の審議が行われて、やれ100時間やったから、もう参議院は70時間でいいんだと、おしりを早く決めよう、決めようというような、こういう運営について私は本当に怒りを感じております。
貴重な時間ですので、質問に入らなければいけませんけれども……(発言する者あり)
ちょっと私の質問に入ります前に、午前中の質問の中で、タウンミーティングのやらせにかかわって、文科省の方の答弁で、電話で依頼をしたのでその資料、文書はないというふうにおっしゃいましたけれども、本当にそうなんでしょうか。文書は一枚もないんですか。
──ごめんなさい、通告していないんで。 |
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| 中曽根弘文・教育基本法に関する特別委員会委員長(以下、中曽根委員長) |
ちょっと速記止めてください。
〔速記中止〕
速記を起こしてください。 |
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| 神本議員 |
| それでは、委員長にお願いですが、文科省関係のこのタウンミーティングに関しての文書か、あるいは電話で依頼をしたというさっき答弁があったんですけれども、電話で依頼したんであれば、どういう依頼をどこへ、だれがしたというようなことの記録でもいいですので、それをこの委員会に資料として出していただきたいことを理事会でお諮りいただきたいと思います。 |
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| 中曽根委員長 |
| ただいまの件は後刻理事会で協議をいたします。 |
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| 神本議員 |
それでは、質問に入らせていただきますが、この政府提出の教育基本法の改正案ですけれども、これについてどのようなプロセスで提出に至ったのかということについてお伺いをしたいと思います。
これは衆議院でも何度も質問があったようですけれども、2000年に教育改革国民会議、これは首相の私的諮問機関でございましたけれども、それの提言を受け、また翌2001年からは中央教育審議会で審議が開始されて、2003年に答申をされた。文部科学省は、この答申を受けて、当然のことながらその答申を尊重して今回の全部改正案というこの政府改正案を作られたと思うんですけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。 |
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| 田中壮一郎・文部科学省生涯学習政策局局長(以下、田中局長) |
今回の教育基本法案の提出に関する経緯についてでございますけれども、ただいま御指摘いただきましたように、教育改革国民会議の報告を受けまして、中央教育審議会において審議が行われ、平成15年3月20日に答申が取りまとめられたところでございます。
その後、与党におきまして与党教育基本法改正に関する協議会及び検討会が設けられたところでございまして、この協議会から平成18年の4月13日に最終報告が出まして、そういうものを踏まえまして、政府といたしましては、平成18年4月28日に教育基本法案を国会に御提出したところでございます。 |
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| 神本議員 |
中教審答申を受けて、その後、与党協議会、その下の検討会の議論を経て提出に至ったという御説明でしたけれども、この中教審答申と全部改正案、政府案の間には非常に重要な点で大きく変わっている点が幾つかございます。
まず、これを全部改正にするという形ですね。今日はこれについてはちょっと触れませんけれども、もう一つ重要だという指摘をさせていただきたいのは、私はこの後未履修問題でずっとやっていきたいんですけれども、その未履修問題ともかかわって、義務教育年限に関する問題です。これは、中教審答申では9年とするという現行法の定めが適当であるというふうに答申をしておりますけれども、この政府案ではこの定めがなくなっている。
これは、与党検討会の中でそういうふうに変わったというふうに理解をしていいんでしょうか。だれに聞いたらいいんですかね。 |
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| 田中局長 |
お答えを申し上げます。
御指摘のありましたように、平成15年3月の中教審の答申の中では、義務教育年限につきましては9年間を引き続き規定することが適当というふうに答申をされたところでございます。
しかしながら、その後、中教審におきまして義務教育の在り方について更に審議がなされたところでございますけれども、この答申が平成17年10月26日に出されておりますけれども、この中で、義務教育に関する制度の見直しにつきまして、幼稚園や高等学校を義務教育の対象とするなど義務教育の年限を延長すべきとの意見、また、義務教育への就学年齢を引き下げ5歳児からの就学とすべきとの意見なども出されたが、引き続き検討する必要があるというような答申が出されたところでございます。
また、御指摘の与党の教育基本法改正に関する協議会検討会の最終報告におきましても、義務教育の年限につきましては、「別に法律で定めるところにより、」と規定されておるところでございまして、これらの報告を踏まえまして、文部科学省として検討いたしまして、義務教育の年限は、時代の要請に迅速かつ柔軟に対応することができるよう学校教育法に規定することが適当と考え、法案第五条におきましては、「別に法律で定めるところにより、」と規定しておるものでございます。 |
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| 神本議員 |
| 2003年の答申の後、2005年になるんですか、中教審が検討した結果、引き続き検討していくという結論になったというお話ですが、それを受けて、それと与党協議会の議論を受けて今回9年を外したというふうに理解するんですかね。 |
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| 田中局長 |
| 中教審の答申、また与党協議会の最終報告等を踏まえまして、政府といたしまして、現在御提出している案としておるところでございます。 |
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| 神本議員 |
| 与党協議会の中ではどういう議論があってこういうふうになったんですか。 |
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| 田中局長 |
| 与党協議会の中の議論に関しましては、私の方から申し上げるのは控えさせていただきたいと思っております。 |
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| 神本議員 |
だれに聞けばいいんですか、これは。
中教審の考え方は分かりました。最初は9年というふうにしていたけれども、次の議論で、就学前のところまで入れるのか、あるいは高校をどうするのかというところでまだ結論を得ていないというのは分かりましたが、与党協議会の中ではどういう議論があって、最終的に学校教育法に定めるのがいいという結論になったということですが、だれに……(発言する者あり)
大臣、お願いします。 |
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| 伊吹文明・文部科学大臣(以下、伊吹大臣) |
私もその与党協議会のメンバーではございませんので、しかし文部科学大臣になりましてから、与党協議会のメンバーであり座長をずっと務めておられました保利耕輔先生からある程度のお話を伺いませんと、私、ここの御答弁や大臣が務まりませんので、保利先生から伺ったことを御報告したいと思います。
それは、なるほど中教審からそういう提案があったと。しかし、今の6・3・3・4という制度は一応国民の中に定着しているという事実は重く見なければならないと。同時に、特区やその他で高等学校をどうするか、あるいは義務教育年限を高等学校に延ばすのか、それとも幼稚園、保育園の在り方のところを考えていくのか、6・3のまま残すのか、いろいろな意見があると。そして同時に、このことを義務教育化することについては国民負担が著増いたします。国民がそれを堪えられるかどうかということも見極めねばならない。その前に、これから長寿社会になって社会保障の財源の問題もあると。
ですから、理念法で、将来理念法に手を入れるというよりは、取りあえずこのことは学校教育法において措置するという余裕を残しておいた方がいいんじゃないかというようなやり取りはいろいろあったということを私は教えていただきました。 |
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| 神本議員 |
与党協議会は、今本当にかいつまんでお話しいただきましたが、もっといろんな意見が出た上でこういう扱いになったと思いますけれども、その与党協議会での審議が国民の中には全く出てきていない。特に、義務教育期間に関しては非常に重要なすべての国民にかかわる問題なんですよね。おっしゃったように、財源も含めると国民の税金を使うわけですから、また子どもたちにとっては何歳から学校に行くのか、何歳までが親が就学をさせる義務を負って、そこまでは普通教育として受けるのかというような非常に重要なことを密室の中で、私たち外から見ればですね、やっていらっしゃる本人はそうではないとずっと衆議院でもおっしゃっていますけれども、密室の中でやられて、伝え聞きをされた今の担当の大臣が今かいつまんでお話をいただきました。
そのことの問題も一つ指摘させていただきたいのと、それから義務教育期間をどうするかということと、どこに規定するかという点について、各国の憲法で、憲法に規定している国もあるんだそうです。まだ私は調べておりませんけれども、そして日本でも、現行教育基本法の制定に当たった帝国議会でも、これは憲法に規定すべきだというような議論もあったというふうに議事録には残っております。
そういうことから見ると、まだ結論を得ていない。中教審もいったんは9年という結論を出したけれども、その後検討をまた引き続きやったらまだ結論は見られない、与党協議会も見られないというような状況の中で、取りあえず教基法ではなくて学校教育法に定めようと。
今取りあえずとおっしゃった。すごい耳に残ったんですが、私は、こういう国民全体に大きくかかわる、これは学制ですからね、学制にかかわって憲法にでも定めようかというような重要事項について、そのような議論の経過の中で、間に合わないからというふうに私は聞こえましたので、教育基本法改正案を出すのに間に合わないから学校教育法に定めるという位置付けというふうに私は聞こえたんですが、違いますか。 |
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| 伊吹大臣 |
| 間に合わないからという言葉は、先生議事録を精査していただいて、一度も私使っておりませんので。 |
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| 神本議員 |
| 取りあえず。 |
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| 伊吹大臣 |
はい。
それで、これはやっぱり国民の理解を得てやるわけですから、ですから、当然これは国民の意思を代弁しておられる国会が最終的に決めていただくことですから、先生がおっしゃったように憲法に書いている国もあるんでしょうね。私もよくそこは知りませんが、先生の御指摘のようにそういう国もあるかも分からない。基本法的なものを持っていない国もございます。しかし、基本法的なものを持っている国もあります。そして、学校教育法というその下位法で処置している国もだから当然あるんでしょう。
ですから、それはその国その国の立法の決め方の問題であって、どこに決めなければならないかというのは、それは各々のお立場によっていろいろ御意見があることは私否定しませんが、ここに決めなければならないという性格のものではないんじゃないでしょうか。 |
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| 神本議員 |
| 繰り返しになりますけれども、私は、この教育基本法を定めるときに、憲法にしようか教育基本法にしようかと議論がされたぐらい重要事項。今考えても先ほどの、同じになりますからもう言いませんが、国民全体にかかわる非常に重要な、教育の中でも学制というのは、学制をどう改革するかという、修業年限義務を課すという問題については私は最低でも教育基本法事項ではないかと思いますので、そういう意味で、学校教育法に定めてもいいのではないかというような結論を出して、そして教育基本法のこの政府案を4月28日に提出されたという、そのことについて私はいかがなものかと思うんですが、どうでしょうか、大臣自身のお考え。 |
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| 伊吹大臣 |
大臣自身と言いましても、これは、これは議院内閣制ですから、憲法に定めるところの。ですから、当然、政権与党の内部の協議というものを背負ってやらなければいけませんから、大臣の意見ということだけでは、それは先生、済まないわけですよ。ですから、いろいろ議論があった上でそのような立法形態を取りたいということで4月に出したんだと思います。
それで、先ほどの与党の検討会ですね。これ、私はこの検討会に入ってなかったんですが、あれ僕は読んだような気がするなと実は今思ったんで、担当者にどうなっているんだということを聞かせました。まず、中間報告と最終報告は公表したということは先生よく御存じですね。そして、その経過については、座長、郵政民営化のあのごたごたがあった前までは保利耕輔先生、その後は大島理森先生がその都度記者にはブリーフはしているようですね。それは、どの程度記事にしたかということは分かりませんが、大切な問題であるから、全く内部に入れておいたと、外部公表してないということではないようです。 |
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| 神本議員 |
そこで、教育基本法に私は規定すべきだということを再度申し上げて、次の質問に行きたいんですが。
では、文部科学省は、そういう今の状態ですよね、引き続き検討すると。結論を見ていない状態の中で一体いつからこの学制改革の検討に入っていくのか。中教審は9年でいいと言ってその後やっぱりまだ考えようという、中途半端に聞こえるんですけれども、いつから、文科省としてはもう学制改革のその議論に入っているんでしょうか。 |
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| 銭谷眞美・文部科学省初等中等教育局長(以下、銭谷局長) |
昨年10月の中教審答申で、この義務教育年限の問題等、更に検討ということになったわけでございますが、現在中央教育審議会では、初等中等教育分科会という分科会でこの問題は検討することといたしております。
ただ、現状を申し上げますと、むしろ義務教育年限そのものの議論というよりは、現在初等中等教育分科会での議論は、学校種の間の連携、接続、中高一貫とか小中一貫とか、そういった問題を中心に今は議論をしている状況でございます。 |
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| 神本議員 |
接続の問題、私もそれは非常に重要だなと思うんですが、それだけではいけないということを、あとちょっと未履修問題と絡めて言いたいと思います。
未履修問題ですけれども、これは現在私が知っているところでは全部で、これは11月12日現在、その後また調査報告が出ているのかもしれませんが、私学も含めて628校ということで、履修漏れが見付かったところがですね。この中に公立高校で未履修はゼロという報告をしているところが12県ございます。この中のある県の高校の現場の先生から私昨日メールをいただきまして、自分の県はゼロと報告が出ているけれどもゼロではないよというメールが来ました。どこというふうに、その先生がもちろん伏せていらっしゃいますので、どこということを言うつもりはないんですが、この後どうなっているんですか。調査はどうなっていますか。 |
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| 銭谷局長 |
高等学校における未履修の状況でございますけれども、文部科学省といたしましては、まず11月1日現在の未履修の状況につきまして、公立、私立についてその状況を公表したところでございます。
その後調査をいたしまして、現時点で一番新しい状況としては、11月20日までに新たに判明した数字を加えたものでございます。学校数を申し上げましょうか。国立はゼロ校でございますが、公立は未履修の校数が371校でございます。それから、私立が292校でございます。合わせまして663校が未履修があるという学校数、これが現時点での数字でございます。
なお、その後各県からまた報告があったかどうかということにつきましては、その後は特段新しい報告はない状況でございます。 |
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| 神本議員 |
11月1日現在から明らかに増えているわけですね。それで、これからも報告があるのかどうか分かりませんが、私が現場の人からいただいたのでは、自分の県は未履修、公立ゼロと発表されていますが、それはうそです、対象校はひた隠しにしていますし、県教委もいい加減な調査だけで済ませていますというように、これが事実かどうかは分かりませんが、下から見ると、下といいますか、現場から見るとそういう状況にもあると。この今の調査結果はそういうことも含めた結果であるということを是非認識して、この未履修問題はとらえていただきたいなというふうに思います。
そこで、先ほども大臣、この未履修問題にもちょっとだけ触れて、規範意識の希薄化というようなことをおっしゃいました。この間も、規範意識が薄れているといいますか、欠如しているからこういうことが起きた一つの要因みたいなことを言われましたけれども、安倍総理も同じような認識、この未履修問題は規範意識が薄れているのではないかというふうなことをおっしゃっていました。しかし、私はそういうとらえ方でいいのかなというふうに思います。
そういう今でも認識でいらっしゃいますか。 |
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| 伊吹大臣 |
これはもう先生一番よく御存じのように、大学入試と必修科目の間のアンバランスだとか、制度的にはいろいろな問題があることは確かです。
しかし、ルールを守らないのは規範意識の低下と言わないんでしょうか。私は、やはり決められたことはきちっと守っていただかなければいけないんだと思いますが。 |
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| 神本議員 |
それも要因の一つであるというふうには言えると思いますが、私はそれだけで学校長に責任があるということで、学校長にきちんとやれ、あとは、まあこれも教育再生与党協議会ですか、何かそういうところに投げられて、そこで救済策が検討され、70時間というような救済策が出されておりますけれども、私はこれだけで問題の根本的解決になるのかということでは、そうではないと。しかも、大学入試との関連があると、それだけでもないと。私は別の視点から少し議論をさせていただきたいと思います。
それは何かというと、これまで政府答弁は高校を、今の現状の高等学校を選抜されてきた子どもが学ぶ場という認識に立っていらっしゃるのではないか。確かに、入試がありますので選抜制度になっていますが、そして卒業の要件も大学と同じように取得単位制を採用しているということが前提に進んでおりますけれども、それでいいのかと。
例えば、具体的に言いますと、今はもう高校進学率は98%、実質的には中卒者のほぼ全員が入学、全員入学のような状況になっている。建前では国は、これは義務教育といいますか、全員が入っているというふうには認めないままの制度構築をしているのではないか。ですから、ほぼ全員入学ということは、そこには様々な子どもたちが、様々というのはいわゆる学習の前提となる基礎的な習得、何といいますか、知識、理解とか、そういういわゆる学力と言われるものの習得状況も様々に違っている子が来ているので、しかもそれが選抜制度によって、まあよく輪切りと言いますが、トップクラスのところから底辺校と言われ、教育困難校と私たちは使いますけれども、そういう現実がある。そういう現実があるところに、先ほどの政府のその救済策というのは、補習をして残りの時間はリポート提出や授業免除措置というような方策が取られていますけれども、こういう収拾策では解決にはならずに、より深刻になるのではないかと思います。
具体的にどういうことかといいますと、例えば割り算のできない大学生というのはひところすごく言われましたけれども、高校の先生に聞きますと、小学校レベルの掛け算や割り算が十分に理解できていない、掛け算九九ができない高校生がいるという話も聞きまして、私は本当に驚きだったんですが、こういう子どもたちも含めて、後期中等教育である高校に進学しているというのが現状なんですね。ですから、こういう現状を含めて高校対策というのを考えなければいけないのではないかと思います。
今、実質的に全員入学化しているこの高校、そこで掛け算九九もできない子どもにとって、例えば高校の学習指導要領がどうなっているのかと。こういう問題を抜きにして未履修問題を、ただ大学入試に重点を置く、世界史が未履修だからこれを補習すればいいと、それで単位を修得したことにして入試が受けられるようにする、卒業認定をするというような考え方では根本的な解決にならないのではないかと思いますけれども、この高校の実情といいますか現状について、私の認識、今お話ししましたけれども、大臣、いかがですか。 |
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| 伊吹大臣 |
先生、教育の実地、現場におられたし、おっしゃっていることは大切に受け止めなければいけないと思いますが、ちょっと私が、今そのことだけでは腑に落ちない私の感じを申し上げますと、学校数でいえば5,408校のうち未履修の学校が663、これはまだ数字が隠れているかも分かりません、先ほどおっしゃった。生徒数でいいますと116万人の高校3年生のうち10万人強が未履修なんですよ。で、残りの106万人はきちっとした学習指導要領に乗っかって、一応校長がその認定をすると。
そうすると、学校数でいえば88、生徒数でいえば91%の学校にも先生がおっしゃったような同じような学力格差の問題があるはずなんですね。しかし、そこではきちっと、国会で決めていただいた法律に従って守っていただきたいといったことが守られていると。だから、未履修の学校だけがそういう先生がおっしゃったような問題が噴き出たところだということでは私はないんじゃないかと思いますが。 |
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| 神本議員 |
それでは、高校の現場では、そういう掛け算、九九もまだ全部覚えていないというような子どもさんなど、受け入れた子どもたちに基礎的学力を付けるためにどういう授業をしているかというと、例えば、高校の学校現場で、懸命にそういう九九を、まず九九から教えなければ高校の学習指導要領で示している数I、数II、数IIIとか、そういうところに入れないわけですよね。で、一生懸命数Iの時間を使って掛け算や、中学校で習うべき一次方程式とか、そういうことを一生懸命教えている。必修科目である数Iとか数学基礎の時間にこれをやっていますので、このような状況を考えると、数II、数III、数A、B、Cとあるんですか、今、そういうものをきちっと履修できているのかという問題にぶち当たると思うんですね。
文部科学省はこういう実態というのは把握されているんでしょうか。 |
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| 銭谷局長 |
高等学校教育につきましては、その実施状況につきまして教育課程実施状況調査というものを実施をいたしております。これは、国語、数学、理科、地歴公民、外国語等につきまして、抽出でございますけれども、学力状況について調査をしているものでございます。科目によりまして非常に子どもの成績にやはりばらつきがあるという状況も出ているところでございます。
私どもといたしましては、基本的に高等学校の教科・科目の構成につきましては、必履修科目はできるだけ単位数を減じて、そして各学校の選択の幅を広げていくということをずっとここ数回、指導要領の改訂のたびに実施をしてきたわけでございます。
例えば、数学のお話が今出ましたけれども、数学につきましては、実は、必履修科目は数学基礎あるいは数学Iのいずれかの科目を必ず履修をするということになっておりますが、これは単位数は、数学基礎が2単位、数学Iが3単位でございます。ですから、高等学校の履修におきまして、数学については最低限この2単位ないし3単位を履修するということになっているわけでございまして、それ以外は選択科目ということになっております。
更に加えまして、例えば数学につきまして、学校設定教科、学校設定科目といったようなものも設けることができることになっております。各高等学校では、それぞれの生徒の実態等に応じましていろいろな科目を開設をし、基礎的な学力の補充、充実といったようなことに取り組んでいる実態もございます。 |
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| 神本議員 |
| じゃ大臣にお聞きしますけれども、こういう数Iの時間あるいは数学基礎の時間に掛け算、九九や割り算を教えているというような取組について、これは高校学習指導要領の普通教科の数学の内容には該当しない、つまり未履修扱いになるのか。数学基礎を履修してないという扱いになるのか、看板は数学基礎だけれども中身はその内容をしてないんですから。それとも、形式的には授業名称が数学基礎とか数Iになっていればそれは数学の単位として取り扱うのか。いかがですか。 |
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| 伊吹大臣 |
極めて技術的な問題ですから政府参考人から答弁をいたさせますが、今先生がおっしゃったような実態というのがどの程度あって、どこでそういうことが起こっているのか。これ、何か今全般的にそういうことがごく当たり前のように高校で行われているという前提に立っての御質問のように私伺っていたんですが、もしそれが全国的なことであれば、これはやはり今の学習指導要領というものが意味のないことになりますよ、それは。
ですから、その現状をちょっと、先生がおっしゃっているのが正しいのかどうなのかも含めて、御質問のところも非常に技術的なことですから、お許しをいただいて、政府参考人から答弁させます。 |
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| 神本議員 |
| もう先ほど聞きましたので、ちょっと、先ほどいろいろ設定科目を替えてやったりしているとおっしゃっていたんで、そういう掛け算、九九ができない子たちがいることは文科省としては認識していると。だから……(発言する者あり) |
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| 中曽根委員長 |
| 指名しますけど、どうぞ発言続けてください。その後、指名します。 |
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| 神本議員 |
| ですから、大臣にはこういう場合も履修したというふうに見るのかということを、技術ではなくて認識を問いたかったんですが、じゃ事実が分からないということですので。 |
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| 銭谷局長 |
先ほどは高等学校全体の教科・科目の構成、考え方について数学を取り出して申し上げましたけれども、高校生全部が九九が分からないわけではもちろんございませんし、あるいは数学Iの中で若干基礎的な部分を補充をしたりするケースもそれは許容されるわけでございますが、数学Iについてあるいは数学基礎について教科書を用意してきちんと学んでいる高校生が圧倒的に多いのは事実でございます。
したがいまして、高等学校におきましては数学基礎、数学I、いずれかを履修をすればそれは数学の履修になるわけでございまして、その場合、内容について若干の工夫を行うということはあり得るわけでございます。
ただし、繰り返しになりますけれども、高校生がほとんどが九九が分からないとか、そういうことではないわけでございまして、そういう生徒もおりますけれども、そういう生徒については補習をしたり、あるいは学校設定教科で、あるいは科目で対応したりして、基本的には数学基礎ないし数学Iをちゃんと履修をしていただいていると。それは必履修の履修になるというのが実情でございます。 |
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| 伊吹大臣 |
| 聞いておられるのは、九九を教えて単位がもらえるのかと聞いておられるんだよ。 |
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| 銭谷局長 |
失礼しました。
九九だけを教えて単位というのは、それはちょっと実際あり得ないと思いまして、それ以外のこともきちんと学習をしていると思っております。 |
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| 神本議員 |
| もちろん一年じゅう九九を教えるなんてことは、私もそんな極端なことを言っておりませんで、数学Iという単位、数学基礎ですか、そういう単位があって、だけれども、学ぶべきその内容以前の問題があるので、そのことにかなりの時間を割いて学ぶべきこれが全部できないという場合だってあると思うんですね。そういう場合に単位として認めるのか。これは未履修、このやるべき学習指導要領で示されたこの内容をやっていないということで未履修になるのかということを聞いているんです。 |
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| 銭谷局長 |
| 今のようなケースですと、それは履修したことにはなります。 |
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| 神本議員 |
そうなると、今回の世界史の未履修問題も含めて、世界史を履修しないで受験に必要なものを一生懸命やったと。これは、だからさっき掛け算、九九ができないと言ったのがどのぐらいの実態か分からないので、これは是非調査していただけたら有り難いなと思うんですが、それと、今度は受験のためにこれをやりたいからこれが、世界史がやれなかったっていうのと、私は考え方としては同じではないかなと思うんですね。
ですから、問題は、今の高校の学習指導要領というのが、こういう、ほとんどの子が入学してくるような今の後期中等教育、高等学校の学習指導要領として、実質的にそれは合っているのかということですね、実質的に。こういう幅広い学力の差がある中でやっている高校の学習指導要領の実質的意義をどう理解すればいいのかなというふうに私は思っています。
ですから、従来の選抜された子どもだけが来る高校という考え方、建前の高校ではなくて、実質的な今の高校に合った考え方をしなければいけないのか。もっと言えば、私は義務化をすることには問題だと思いますけれども、高校に希望する子はすべて入れるように無償にする、あるいは選抜制度をやめるというような抜本的なことも含めた学制改革というものを視野に入れた改革をしないと、この未履修問題というのはあちこちで、いろんな形で、私は隠されているだけで出てくると思いますけれども、いかがですか。 |
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| 伊吹大臣 |
世界史の問題と、今先生が提起された九九ができないという問題は、少し違うんじゃないでしょうか。
先生は質的なことをおっしゃっておりまして、中学校でマスターをするべきことがマスターできていないと。だから、高校のその学習指導要領に定めているものに入る前に補習的にそれをやらなければならないと。そして、その数学Iなら数学Iの授業に掛ける時間が十分ではないと。しかし、それは仮に先生がおっしゃっているような事態があったとしてですよ、あったとして、数学Iに時間をきちっと掛けているということは揺るぎない現実ですね。しかし、世界史を必修にしているけれども時間を全く取っていないということとは、少し私は事情が違うんじゃないかと思います。
今政府参考人が申し上げたように、いろいろ補習その他で苦労をしながらということを言っておりますから、だから数学の授業はきちっと一応行われている。ただ、到達度が学習指導要領でお願いしているところへ行っていないかどうかという問題がありますから、それで、むしろその問題は到達度を認定して、卒業証書を渡す校長がそこまで認定をするべきか、しちゃいけないかという問題になってくるんじゃないでしょうか。
それから、おっしゃっていた、そういう実態があるから高等学校は選抜をやめてみんな入れちゃえと。もちろん、財源の問題だとか何かいろいろございますよ。そしたら、ますます全入の学校はもっとひどい状態になるんじゃないでしょうか。 |
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| 神本議員 |
しかし、全入しているんですよ、ほとんど。98%進学していますので。
それで、私はもう次に行きたいんですけれども、ただ、その同じじゃないかと言ったのは、子どもから見れば、今必要なことを学んでいるという点で一緒だと。これがないと駄目だと。それから、世界史学ばなくて受験に必要な科目を一生懸命やりたいという、そういう意味で一緒ではないかと。だから、それにこたえようとしている学校現場があるということは是非認識していただきたいというふうに思います。
それで、じゃ、こういう状態になっているのは、私はやっぱり文科省のこれまでの施策に問題はなかったのかという、よく言われていますが、この1割近くの世界史未履修は、ほとんどが進学校ですね、そこが多いというふうに聞いております。というのは、やっぱり受験のために、受験に必要な科目に振り替えてやっていたという現実があるんではないかと思いますが、文科省としてはこの14期中教審答申以降どういう高校教育政策を取ってこられたのかということで、14期中教審答申について、この後期中等教育についての答申がされていると思うんですが、それを踏まえた施策をやってこられたのかどうかということをちょっとお伺いしたいと思います。 |
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| 銭谷局長 |
14期の中教審答申は、平成3年に出されました高等学校教育等に係るこれからの在り方についての答申でございます。
その内容は、高等学校が、先ほど来お話ございますように、進学率が97、8%と非常に高い進学率になりまして、生徒の能力、適性、興味、関心、進路が多様化をする中で、高等学校につきまして画一的ではなく柔軟な教育を実施できるようにしていったらどうだろうかということが答申の主たる内容でございました。基本的には、必履修科目につきましては、高校生にとりまして幅広い教養を身に付けさせるという意味から必要なわけでありますが、それにつきましては、単位数等についてはできるだけ抑えていくと、その上で各高等学校がそれぞれの生徒や学校の実情に応じて創意工夫ができる範囲を広げていこうというのが基本的なまず考え方でございました。
更に加えまして、従来、高等学校につきましては普通科と専門学科という2つの学科であったわけでございますけれども、その中間的なものとして総合学科というものを設置をしてはどうかという提案がございました。さらに、高等学校は単位制と学年制を併用しているわけでございますけれども、単位制の高等学校、これを全日制課程に拡大をして、単位制に基づく高等学校運営というものをやるようにしてはどうかといったような内容がございました。こういった答申を受けまして、文部科学省では各県で総合学科、単位制高校、こういったものの制度化をいたしまして、その設置の促進を図ってまいりました。
また、生徒の興味、関心に応じた多様な教科科目を開設をできるようにいたしまして、学校設定教科科目を認めるとか、あるいはボランティア活動を単位認定するなど、各学校がそれぞれの創意を工夫を生かして、生徒の能力、適性に応じた教育が実施できるように努めてきたところでございます。
状況を申し上げますと、そういった感じでございます。 |
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| 神本議員 |
14期中教審答申、長々と言って、丁寧に言っていただきましたけれども、この中で、済みません失礼なことを言って、私は改めて読み直して、15年前ですけれども、ここで指摘されていることは非常に重要であるし、今でもこれは当てはまると思うんですが、「画一的な教育」ということで、更に、恐らくこれが高等学校を画一的な教育に追い込んでいる最大の原因であろうが、高等教育が大学準備を中心としたものになりがちなことである。今日では、高校教育はすべて大学進学のためにあるかのような考え方が一部でかなり支配的で、そこでは進学が生徒や親たちの最大の関心事であり、生徒の進学実績を中心に学校を評価するような社会的風潮にだれも疑問を抱かなくなっている。そして、この年齢層の青少年に大切な人間教育や心身の健全な育成が、ともすれば軽視されがちになっている。
私、これは今高校だけではなくて中学も、あるいは都市部においては小学校においてもこういう状況が言えるんではないかと。こういう社会的風潮も含めてもう受験一筋になっているのではないかというふうに思いますので、ここで指摘されていることを受けて、では、これではよくないということで施策をいろいろ取ってこられた御説明を受けました。しかし、その結果ですね、その結果どうだったのかという政策評価というものをどうされてきたのか。もう時間が残り少なくなりましたので一緒に聞きたいと思うんですが、この中教審答申を受けていろんな施策を取ってきた、その施策は結果どうだったのか、画一的な教育を解消するなり緩和することに寄与してきたのか、こなかったのはなぜなのかということが一つと、それから、その後、中高一貫教育あるいは何か幾つかされていますよね、そういう施策が本当に有効だったのかということについての政策評価をお伺いしたいと思いますが。 |
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| 銭谷局長 |
じゃ、短く、失礼いたします。
この答申を受けていろいろ取組をした結果、数値的なところで申し上げますと、高等学校の中退率でございますけれども、当時2.6%ぐらいあったんでございますけれども、それが平成17年では2.1%に減少する、10万人を切るようになりまして、子どもたちが高校生活に目標や意欲を持って臨めるようになってきたのではないかというふうに思っております。
事実、平成16年に実施されました学校教育に関する意識調査におきましても、高校生で学校教育に対して満足、まあ満足と答えた人の割合が67.3%でございまして、その6年前、平成10年の調査の55.0%よりも10%以上増加をしているという状況がございます。そういう意味では、高校の言わば各学校が創意工夫を生かした子どもの進路、適性に応じた教育の展開ということは一方では進んできているんではないかと思っております。
ただ、高等学校につきましては、卒業後のニート、フリーターの存在ですとか不登校の問題とか、課題があるのは事実でございますので、こういった点、それから、人間としての在り方、生き方教育というふうに呼んでおりますけれども、こういった教育の改善充実といったようなことは依然として大きな課題であると思っております。 |
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| 神本議員 |
中退率とか満足度というようなアンケートの調査の数字が出されましたけれども、申し訳ないけれども、こういう数字というのがなかなか信じられなくなっているというところもございます。
それで、中高一貫教育のこともあるんですけれども、高校から大学に、高校2年生で大学に飛び入学できるというような制度もございましたし、それから学力低下論がわあっと吹き荒れると、当時の文部科学大臣が学びのアピールというのを出して、宿題を出すようにというようなことを出されたり、それから、官邸からですか、人間力戦略というものが内閣として取り組まれると、それを受けて学力向上フロンティア事業、高校でいえばサイエンスハイスクールですかね、そういう取組などが事業として行われて、そこにはお金が幾ばくか、まあ2、3百万と聞いていますが、配られて、そしてそれが県段階に行くと、学力向上のフロンティア事業という名前ですけれども、県段階に行くと、例えば東京では東大に何人入れるかというような話合いになって、その他の県でも結局は有名大学に何人入れたかというのが学力向上のフロンティア事業になってしまっているというような実情も御存じでしょうか、文科省は。 |
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| 銭谷局長 |
私ども今回未履修の調査をいたしまして、やはり大学進学、これを、大学受験ということを第一に考える、そういう風潮が、傾向があるというのは私どもやはり認識をしているところでございます。
ただ一方で、先ほど来申し上げておりますように、多様な生徒に対して高等学校としていろいろな工夫があるということも、これも事実でございまして、例えば東京都などではチャレンジスクールということで、不登校体験を持つ子どもに対して非常に特色ある学校をつくって、それを都として都の教育委員会と支援するとか、いろいろな試みが高等学校教育においては行われているというのも事実だというふうに認識をいたしております。 |
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| 神本議員 |
まだ余り認識がされていないと。
私は、やっぱりこの未履修問題が投げ掛けているのは、今の高等学校の現実が、もうとにかく受験一筋になっている問題と、そこからこんなにたくさんの、何といいますか、序列化された学校の現実というのがあるという、そこを見据えて今取り組んでいることの政策評価をきちっとしていかないと、もしかしたら文科省が取っている施策がこういう受験競争に拍車を掛けているのではないかと、こういう流れを、道筋をつくってきてしまったのではないかという反省を、反省というかな、政策評価を是非緻密にやっていかないと、こういう問題は次々起きてくるのではないかというふうに思っております。
そういう意味では、今回の改正、全部改正案の教育基本法、政府案ですね、この中に、後期中等教育についてどこを見ればどういうふうに改正するというふうになっているのでしょうか。 |
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| 田中局長 |
お答えを申し上げます。
改正法案において、後期中等教育の規定についてのお尋ねでございますけれども、まず、現行法におきまして、現行教育基本法は教育の理念や基本原則を規定する法律であるということから、学校教育につきましては、第六条「学校教育」として規定をしておるところでございます。また、義務教育については、憲法に定める教育を受ける権利を保障するという役割の重要性から、特にその内容を規定しておるところでございますけれども、幼稚園、小学校、中学校、高等学校あるいは中等学校、大学といった学校の種類については規定をしておらないところでございます。
したがいまして、改正案におきましても、基本的には同様の考えで、学校教育という、それから義務教育という規定は設けておりますけれども、学校の種類は改正案では定めておらないところでございます。
ただ、一つの例外といたしまして、今回、大学についてのみ学校の種類を規定させていただいておるところでございます。これは、今日、知識基盤社会と言われておる中で大学の果たす役割が大変重要になってきておる、そして、大学というのは教育と研究を一体として行うこと、また大学の自治に基づく配慮を要すること、それから国際的にも一定の共通性を認められるということから、こういう固有の特性を踏まえまして、大学につきましては、学校種でございますけれども、規定をしておるところでございます。 |
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| 神本議員 |
もう時間が来ていますので、最後に一言だけ。
今、学校種でこう書いている、後期中等教育書いていないと言いましたが、幼児、初等、中等、この中等の中の前期中等教育までは義務教育ですから入っていますが、後期中等教育だけがすっぽり抜け落ちていると。こんなに課題が大きい、もしかしたら今の教育問題の中ではこの後期中等教育のところが一番、上からと下からでしわ寄せを受けている子どもたちの問題がそこに凝縮しているのではないかということがこの法案の中には欠落しているという、つまり欠陥法案ではないかということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。 |
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