| 2006年11月24日(金) |
| 教育基本法に関する特別委員会 |
| 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案の審査 |
| [PDF・59KB] |
 |
| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
伊吹大臣とは初めてやり取りさせていただきますけれども、私はいじめ問題について中心にやらしていただこうと思っております。
実は、昨日も夜、山形で高校生の女子生徒の方が恐らくいじめであろうと言われる理由で自殺をされたという報道に接しました。もうこの間、本当に次々と失われてはいけない子どもの命があんな形で失われていくということで、私も、恐らく皆さんもそうだと思いますが、朝起きて新聞を見たりテレビを見るのが何だか怖いようなここ本当に数か月間が続いていると思います。
表面化しただけでも、今年になって表面化した北海道、それから8月以降には愛媛、福岡、岐阜、埼玉、大阪、正にこれはもう、そして昨日の山形と、異常事態と言えるんではないかと思います。
しかもこれは、予測していなかったんですけれども、お昼ごろのニュースで、昨日のその山形の自殺の件が県の教育委員会に当該高校から報告が上がったんですが、そこの高校担当の教育次長や高校教育課長らは対応するために県教委に残られたんでしょうけれども、その日、実は予定されていた教育委員と教育長の歓送迎会があったんだそうです。それに、その教育委員と教育長には子どもさんの死は伝えられたけれども、それが自殺であるということは伝えられずに、課長以上の職員ら21人でレストランで予定どおり歓送迎会をされたということがお昼報じられたんですが。まあ、こういうことは予定されておりますので、それぞれの都合で実施されることにとやかく言うことではないんですけれども、こういうことが報じられますと、やっぱり子どもたちは見ているんですよね。で、あなたたちの命を守れなくてごめんなさい、もう何とかしますよというメッセージを幾ら一生懸命送ろうとしても、一方でその県の教育委員会でなぜこういうふうなことに、教育長さんに言っていれば、教育長さんこれは取りやめにされたかもしれないし、何でこういうことになるのかなと。
私、やっぱり今、誠実さというか大人の真摯な態度が求められているんではないかと思うんですけれども、この状況について、大臣どのようにとらえていらっしゃいますか。 |
 |
| 伊吹文明・文部科学大臣(以下、伊吹大臣) |
私を含め、今先生のお尋ねに対してこういうところで答弁をして、人、仕組みを非難する前に、やはり大人の一人として、教育行政に携わる者の一人として、一人一人が今先生のおっしゃったような誠実さと、それからもう一つ言えば、私は、やはりその任に当たるいろいろな人の感性を磨いてもらわないといけないと思うんですね。
今回、今先生が御質問の中でお挙げになった山形の件については、2、3日前にお母さんというか御家族にはいじめられているということをどうもおっしゃったようですね。それが学校にいつ伝わったんだろうか、伝わってなかったんだろうかということを考えると、やっぱり若干残念だなという気持ちもします。
それから、校長先生は、テレビの画面で私が拝見すると、至らないことで、命をなくしてしまって本当に申し訳ないということを頭を下げておられましたが、これは、1時限目に生徒は授業に出ているんですね。2時限以降はいなくなっちゃったわけですが、そこでしかるべき対応をしていなかったことについておわびをされているんです。
ですから、御家族にこの悩みを打ち明けたときに、やっぱり御家族も、プライドもあるでしょうけれども、やはり学校に話していただく。学校もやはりできるだけの注意を払っていく。そして、それをやはり教育委員会が、学校現場はやはりいろいろなことがあって大変ですから、その現場の状況をよく教育委員会も把握して、上に立つ者として、やはりつらいときは率先垂範しなければいけませんから、先生のおっしゃっていることについては私は全くそのとおりだと思いますし、私自身も文部行政の責任者として、今の先生がおっしゃっていることは拳々服膺(けんけんふくよう)して事に当たりたいと思っております。 |
 |
| 神本議員 |
大臣もしっかりこの異常事態ということを受け止めていらっしゃるというふうに私は今拝聴しましたので。
私自身も、私、福岡の出身ですので、岐阜と福岡で起きたときに、民主党のいじめ問題調査団の一員として行ってまいりました。そのときは、県教委、町教委、岐阜は市教委ですね、お会いして、それから遺族のおうちにも行って弔問もさせてもらったんですけれども、やっぱりその遺族の方たちというのは、もうやり場がないんですね。我が子を失った悲しみと、もう一つは何で守ってやれなかったというその無念の思いで、本当にもう、3週間たったときに私たちは行ったんですけれども、それでもいたたまれない、そばでお話聞かしてもらいながらいたたまれない思いをしたんですけれども、やっぱり一番おっしゃりたかったのは真実を知りたいと。なぜこんなことになったのかということと、それは二度と帰ってこないけれども、同じような犠牲を出さないために、これから繰り返さないためにとおっしゃって、それは私たち政治に携わる者としてしっかり受け止めてこれからやりますからと言ったにもかかわらず、その後続いていることについて、私も元教員でもありますし、その一人としては非常に今でも本当にじくじたる思いがしております。
新聞報道等でも学校の隠ぺい体質とか、相談を受けたのに、先ほど大臣がおっしゃったように、御家族、家庭でも聞いていたのに、それが自殺を止めることにならなかったというような事態がやっぱり相変わらず続いているということについてどうしたらいいんだろうかということで、まずは、いじめであろうと何であろうと、自殺に、子どもたちの自殺の連鎖に歯止めを掛ける。特に、いじめによる自殺というのが学校教育にかかわって起きていることですので、これについて緊急対応として、メッセージは一応大臣お出しになりましたけれども、緊急に、これという特効薬はないにしても、何かできることはないのかというふうに考えるんですけれども、どのようにお考えでしょうか。 |
 |
| 伊吹大臣 |
実は最初、自殺予告の手紙が私あてに来ましたときも、これを公表すべきかどうか、私は随分考えたんです。というのは、一つは、連鎖を呼ぶ可能性があるということですね。それから、文面が本当にこれは正しく児童が書いたのかどうなのかということについて、いろいろな見方が当時もございました。しかし、あのときは、水曜日までに何のアクションも取られなければ土曜日には自殺をするという文面になっておりましたので、テレビ、新聞等も含めて協力をしていただいてああいう公表に踏み切ったわけです。
その後、先生が今おっしゃったようにいろいろ残念な事態が起こりましたので、メッセージをいじめられている子といじめている子と、それからその兆候をつかんでいただかなければならない保護者、学校の先生、3人にわたって私が出しました。これは各教育委員会を通じて全児童に必ず配っていただくようにお願いしてあります。
これは、やはり自殺をする子ども、いじめられている子どもにもプライドがあるんですね。話したくないというプライドがあるんですよ。しかし、それを乗り越えて話をしているケースもあるんです。しかし、御両親も家族としてのプライドがあり、学校もそれを表に出したくない、教育委員会もこれを表に出したくない。ですから、全国の担当者、教育委員会の担当者に来ていただいたときには、再三、全国のいじめが生じた場合の成功事例を各々共有してもらうように努めております。それから、自殺が少ないということがいいんではなくて、いじめがあったけれどもそれをこういう形で食い止めたということを高く評価するようにということを申しております。
そして、総理からも衆参で御答弁を申し上げたと思います。特に、総括質疑で御答弁を申し上げたように、子どもが直接、プライドがあるから話しにくいけれども、まあチャイルドラインとかいのちの電話とかいろいろなものがございますので、これが特に、あれはどなたの御質問でしたでしょうか、この場で御質問があって、お昼にやはり電話が掛かっちゃうと、そうでしたね。水岡先生がそのことを御指摘になりました。総理もいろいろそのことについて今各省と連絡を取って、夜掛かってきた電話も必ずどこかへ転送されるようにというようなシステムを確立したらどうだということを内閣官房を中心に今、塩崎さんのところで考えてくれていると思いますし、しかし何より一番大切なことは、できるだけ周りにいる者が早く兆候を見付けて、そして、昔であればやはりそれは御家庭で対応していただくのが昔だったんですね。だけれども、再三申し上げておるように、核家族になりそして共働きになっておりますから、実質的に子どもの話を聞く人たちの数が非常に減っております。その中で学校の先生に負担が非常に増えているということを私は再三ここで申し上げております。
ですから、それをカバーしていくように地域との交流とか何かもやっていかなければなりませんし、これ問題がここへ出ておりますから当該学校、教育委員会が非難されておるんですが、表に出ていない何十倍と未然に防いでくれている学校があるということもやはり理解をしてやってもらいたいなと私は思っております。 |
 |
| 神本議員 |
私も学校におりましたので、今大臣おっしゃったような、まあ大分理解していただいているのかなというふうには思いますけれども、今本当に先生たち、もちろん親御さんたちもそうだと思いますが、あしたもしかしたらうちのクラスで思い詰めて学校に来れなくなる子がいるんじゃないかとか、親御さんは、この前、蓮舫さんもおっしゃっていましたけれども、今日無事に帰ってくるだろうかと、そういうやっぱり非常に不安に包まれている中で緊急にやらなきゃいけないことの一つは、この前の水岡議員の提案受けて今真剣に取り組もうとしていらっしゃるというのを大変いいことだなと思うんですが。
もう一つ、私は、やっぱり今プライドがあるとおっしゃいましたが、10年ほど前に私教員をやっていたころ、いじめに関する国際会議、ちょうど10年前は大河内君の自殺からずっと引き続いて、94年、5年、6年ごろですかね、やっぱり今のように自殺が相次いだ時期がありました。
そのときに、イギリスも非常に、今もいじめに苦しんでいるというふうに聞いていますが、割と先進的な子ども参加の取組などをしていたので、そのNGOの方やノルウェーのジャーナリストの方やアメリカの方々、国際会議をやったんですね。そのときに、日本に来て6年ぐらいになるけれども、学校に行ってみると日本の学校というのは非常に、恥の文化とそれから我慢の文化と非常に強いヒエラルキーがあると、学校の中にですね。そういうものがやっぱり学校文化として子どもたちにも伝わって、何か失敗することは恥ずかしいことで人には言えないとか、いじめられていることは人には言うのは恥ずかしいとか、やっぱり自分が悪いんだから我慢しなきゃいけないとか、それから管理職と一般の教員とそれから子どもの間には非常に強い上下関係があるというふうに、これはアメリカの方が日本の学校に6年ほどいたときに感じたものだというお話が非常に私は印象に残っていたんですけれども。
今、逃げ場、逃げなさいと、私も教員だからそんなこと言いたくないんですけど、学校で守りたいと言いたいんですけれども、もうこの期に及んで今この状況の中では、とにかくつらかったら逃げていいんだよと。それは逃げる場所は、例えば学校には何とか来たけど教室に入れないから保健室とか、司書の先生が優しいから図書室とか、いろんな逃げ場がある、学校の中にも外でもあると思うんですけれども、その逃げ場をあるいは子どもの居場所を確保するという点について、大臣はどのようにお考えでしょうか。 |
 |
| 伊吹大臣 |
恥の文化とか今先生がおっしゃったもろもろのことは、すべて私は否定すべき、ネガティブに考えるべきことじゃないと思います。日本には日本の伝統的ないい文化があるわけですから。例えば未履修のような恥ずかしいことはしないんだという恥の文化をしっかり持っていただかないといけないわけですね。
ただ、子どもが苦しんでいることについて外へ出したくないということが、まあ管理職と一般職員との間のヒエラルキーが強いからということとは私は結び付かないと思いますね。 |
 |
| 神本議員 |
| 違うんです。そういう意味じゃない。 |
 |
| 伊吹大臣 |
ですから、いろいろな逃げ場というのは当然私はあってもいいと思いますし、ケースワーカーなんかですね、特に臨床心理士なんかの配置などは少しそういう意味ではやらなければいけないと思いますが、それ以上に大切なことは、やっぱり御家庭で子どもさんの苦しみを、共働き、核家族ではあるけれども、多くの場合ですね、お母さんやお父さんがそれを把握したと、子どもの兆候を。学校へ言って教育委員会へ言ったんだけどその対応が非常にまずいというケースが新聞によく出ますが、多くのケースは御両親には何の相談もなかった、あるいは知らなかったというケースもあるんですよ。
だから、これは学校現場の問題もありますが、同時に御家庭、いろいろなところに逃げ場をつくって、これはまあ大きく言えば、やはり豊穣の中の精神の貧困のような先進国に特有の現象が日本にも病理として今広まっているという中でひとつ考えなければいけない部分もあるんだと思うんです。ですから、学校固有の問題として、教師がけしからぬ、親がけしからぬ、教育委員会がけしからぬと言っても、困るのは子どもだけですからね。みんながやっぱり、一番最初先生がおっしゃったように、子どもを守っていくんだという使命感とそれから誠実さと感性を持って事に当たる以外の私は方法はないと思います。だから、水岡先生がおっしゃったことについて安倍総理がすぐにそういう検討を始めろということを指示したというのも、これは一種の感性であり、やっぱり彼の誠実さ、総理の誠実さだと理解してあげていただきたいと思います。 |
 |
| 神本議員 |
その電話相談で何とかこう、そこで自分の命がつながっていくということはすごく大事だと思うんですね。
もう一つ、やっぱりその逃げ場所として、例えば、私は、今朝だったかな、新聞で見て、フリースクールのネットワークの人たちが、やっぱりそういう子どもたちの、フリースクールは、不登校で学校に行けない子どもさんが代わりにそこに行っていろんな自分の生きる道を見付けていくというような取組されているんですが、そこにいつでもおいでよというようなことがちょっと新聞に出ていたんですね。そういうところと、文科省が音頭を取るのか各都道府県で音頭を取るのか、各県にあると思うんで是非連携をして、子どもたちの一時避難所としてもいいですし、何というかな、今追い詰められて連鎖でつい自分も楽になりたいって思う子がいたとしたら、そういうところに逃げていけるんだよということを是非アピールとして出し、アピールというか、子どもたちにメッセージしていただきたいなというふうに思います。
今日は本当は60分の予定で、今のは緊急対応でちょっと是非要請したいんですが、いじめというのは完全になくなるということではなくて、いじめはいつでもどこでもだれにでも起こり得るという認識、これは文科省も10年前のときから示していらっしゃいますのでそれはいいと思うんですが、じゃ、いつでもだれでもどこにでも起こり得るこのいじめというものを、起きたときにそれをどう解決していくのか、あるいはより起きにくくするのかというような取組というのがやっぱりなされないと、それが本来の学校であろうというふうに思いますので、そういう観点から、ちょっと文科省のこれまでの取組についてお伺いをしたいと思います。
文科省は毎年、「生徒指導上の諸問題の現状について」というのを出していらっしゃいます。これは1985年度から調査をされているんですけれども、この中には、暴力行為やいじめ、高等学校における不登校、高校中退、児童生徒の自殺者、教育相談機関設置状況というように、主にそれについての実態が現状としてまとめられているんですけれども、これを調査している目的ですね、目的は何なのか。私、毎年はちょっと読んでいなかったんですけれども、大体手に入ったら見ていたんですが、これをどう分析して施策に反映させられているのか、ちょっとその点について御説明をお願いします。 |
 |
| 銭谷眞美・文部科学省初等中等教育局長(以下、銭谷局長) |
ただいま先生からお話ございましたように、文部科学省では、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題について全部で8項目にわたる調査を毎年行っております。この調査の目的は、こういう子どもの生徒指導上の諸課題について全国の状況を各学校から教育委員会を通じて集めることによりまして、各学校、教育委員会における取組の充実を促進をするというところにございます。
例えば、問題行動の状況を前年度と比較をすることによりまして、なぜ例えばいじめあるいは不登校あるいは暴力行為、こういったことが増えたのか、減ったのか、その問題につきまして効果のあった取組にはどういうものがあるのか、あるいは今後指導を行う上での課題は何かといったようなことについて分析を行い、他の都道府県での指導の参考や文部科学省のこれからの施策の検討に活用しているということでございます。また、毎年、全国の生徒指導の担当者を集めた会議におきましてこの調査結果を報告をし、情報交換を行い、全国の生徒指導担当の方々の間で情報の共有も図っているところでございます。 |
 |
| 神本議員 |
| 調査はそれによって効果のある取組や課題があるところを見付けるというふうに言われましたが、じゃ、具体的にそういういじめやあるいは校内暴力等がすごく、なかなか前年度比として減っていかないというようなところに対しては、何かそれに対する支援措置、学校や地域的にこういう支援が欲しいというような現場からの声がボトムアップしていくようなシステムはあるんでしょうか。 |
 |
| 銭谷局長 |
いじめの問題に限定をして申し上げますと、やはり私ども、いじめにつきまして、これを早く兆候を把握をして迅速に対応するということが一つ大事だと思っております。そのための各都道府県での、例えば子どもにアンケートを実施をしてその中から問題を見いだして対応していく事例ですとか、そういうものを広く紹介をしたり、あるいは問題を隠さずに学校、家庭、地域社会連携して対処する必要があるわけでございますので、そういった取組の事例というものを、これも広く共有化できるような、そういうことをこれまで取り組んできたところでございます。
それから、特に教育相談ということが大変大事でございますので、相談機関の整備、更には各学校にスクールカウンセラー、こういう方を置くような措置も、こういった調査結果を踏まえて平成7年度から実施をしてきたところでございます。
加えまして、私どもとしては、本当にその問題対応のために、教職員の配置ということにつきましても数次にわたる教職員の定数改善計画で、こういった問題を抱える学校、あるいはこういう問題に対応できるための教職員の配置ということについても努めてまいったところでございます。
いずれにいたしましても、私どもが実施をしておりますこの調査結果を踏まえつつ、施策につきまして私どももこれまで努力をしてきたところでございますし、今後も一層取組をしていきたいというふうに思っているところでございます。 |
 |
| 神本議員 |
調査結果を踏まえつつ対応してきたというふうにおっしゃいますけど、例えば学校がいじめをどのように知ったかということも、いじめ発見のきっかけということで調査が毎年恐らくなされていると思うんですね。これを見てみますと、今日ちょっと資料をお配りしていないんで委員の皆さんにお分かりづらいかと思いますが、一番多いのが、いじめられた児童生徒からの訴えというのが約32%で一番多いんですが、その次が担任教師の発見、20%、その前、二番目は保護者からの訴えが約26%、担任の教師の発見が20%というふうになっているんですけれども、ちょっとこの発見のきっかけを見て不思議だったのは、スクールカウンセラー等からの情報というのが1%なんですね。外から想像するに、スクールカウンセラーの方が配置されているところでは、まあ子どもたちいつでもそこに相談に行ける状態になっているのではないかと思うんですが、そのスクールカウンセラーの方が教職員と情報を共有するようなシステムになっているのかなっていないのか、それから配置状況にもよると思うんですね。
ちょっと時間がないんで質問が一緒くたになりますが、スクールカウンセラーが今どのくらい配置されていて、そのスクールカウンセラーはいじめの発見やあるいは子どもの心のケアについて学校内でどういう働きをしているのかということについてお聞かせいただきたいんです。 |
 |
| 銭谷局長 |
まず、スクールカウンセラーの配置の状況でございますけれども、平成18年度では、中学校では7,613校に配置をいたしております。ただ、スクールカウンセラーは非常勤の職員でございますので、学校によりまして相談時間の長短がございます。
私ども、一つの課題は、スクールカウンセラーをすべての中学校に配置をするということと相談時間の確保ということが今後大きな課題だというふうに思っております。
それから、スクールカウンセラーを派遣をした学校現場からは幾つかの意見が寄せられているわけでございますけれども、やはり何といっても、保護者、それから学校、スクールカウンセラーが一体となった対応ということが非常にできるようになってきたという声が多く寄せられております。
それから、問題をスクールカウンセラーが発見をするということは確かに今の調査結果、先生お話しになりました結果からでも少ないわけでございますけれども、むしろ、問題が見いだされた後、例えばいじめということが見いだされたり、あるいは暴力行為というようなことが出てきた後でございますけれども、カウンセリングを通じて人間関係の改善を図っていくということがスクールカウンセラーが学校にいることによって随分できるようになってきたという報告がなされております。
なお、スクールカウンセラーを派遣している学校と派遣していない学校での不登校やいじめ、暴力行為の発生件数などをかつて経年で比較をしたことがございましたけれども、その際には、スクールカウンセラーの派遣校の方の状態が改善をされているという結果は出ているところでございます。 |
 |
| 神本議員 |
確かに東大の、何ですかね、研究所が調査したのでも、校長先生たちのアンケートによると、スクールカウンセラー、非常に効果的だと、もっと充実してほしいという声が強いんで、それを是非、今この機ですから、政府として、もう文科予算は減らされ減らされて、特に定数なんかもう減らされてばっかりですけれども、子どもの命を守るという意味で、せめて一番今この問題が凝縮している中学校だけでもスクールカウンセラーを全校配置するというぐらいのやっぱり英断をして、子どもたちに、あなたたちを守りたいんだよということを是非そういう行動でもって子どもへのメッセージにしてほしいというのと、それから、非常勤という限定もありますし、なかなか、配置されたところでは効果があると言われているけれども、本当に十全にその機能を発揮できているかということでは、今の御説明ではちょっと十分に聞き取れなかったんですが、またそれは次回、またの機会にすることにしまして、一つ非常に気になっているのが、このいじめ調査の中でいじめの発生件数という項がございます。
これは新聞等でも問題じゃないかと、それからいじめによる自殺の統計が、文科省はゼロで警察庁の統計と全然合わないじゃないかとかいうことも出ていますので、今文科省としても見直しに当たられているというふうに思います。このいじめの発生件数というのは、こういう調べ方ではなくて、いじめを解決できた学校というふうにしたらどうかなと私は思っているんです。
というのは、中教審が2003年に教育基本法政府案にも盛り込まれた教育振興基本計画を答申の中で書いたときに、その最後のところに政策目標の例として、いじめ、校内暴力を5年間で半減するとか不登校をなくすとか、そういう政策目標としていじめの数値を減らすというようなことが挙げられたんですね。私は、これを中教審答申として見たときに、申し訳ないけど、ちょうど社保庁のあの分母を減らすという、そしてノルマを達成したようにするというあれが出たときに、この教育振興基本計画を思い出してしまったんですね。
こういうふうに、いじめというような問題について数値目標を掲げてやることが果たしていいのか。逆に、先ほど冒頭言いましたように、隠ぺいとかごまかしとか、もう見て見ぬふり、なかったことにするというそういう心理、どうしても働きますから、そういうふうになってしまうんではないかというふうに思うんですけれども。
それから、学校評価というのが今ガイドラインが出されて行われておりますけれども、これについても、いじめのない学校とか、いじめの発生を何%に減らすとかいうようなことで評価がされると非常に私はますます危険になるんではないかと思いますが、それについて、ちょっと私の持ち時間なくなりましたので、大臣、最後にお願いしてよろしいですか。 |
 |
| 伊吹大臣 |
冒頭、私申し上げましたように、実は学校現場では多くのいじめ、あるいはいじめによる自殺というのが未然に防がれているケースはたくさんあるんですよ。それは表に、記事には何らなりません。そして、残念なことがあれば記事になります。ですから、私申し上げたように、いじめがあったけれども、いじめを減らしたということをやっぱり学校の評価の中に入れるべきだと申し上げたのはそういうことです。
ただ大切なことは、いじめというのは本当に把握が難しくて、自分はいじめていると思っていなくても、いじめられている方から見るといじめられているというケースがあるわけですよ。それから、実は本当は相手はいじめているつもりなんだけど、けんかをしていたというケースもあるわけです。ですから、文部科学省の基準が不適当であるというおしかりも受けておりますが、どこかで基準はやはり決めなければ統計も取れませんし、決めた後、実態に合わせてそれを動かしていく人たちの、やはり先生がおっしゃった誠実さと感性に最後は尽きるんですね。
ですから、私もそのことはよく考えながら、今先生がおっしゃったような形で対応をできるだけしてもらうように話をしていきたいと思います。 |
 |
| 中曽根弘文・教育基本法に関する特別委員会委員長 |
| 神本美恵子君、時間です。 |
 |
| 神本議員 |
時間が来ていますけれども、一言だけ。
大臣、いじめているつもりはなくてもいじめられていると感じるというそこは、ちょっと、いじめられている方がいじめられていると感じたらそれはいじめであるというふうにしないといけないと思います。 |
 |
| 伊吹大臣 |
| それはそうです。統計、通達も今先生がおっしゃったようなことにのっとって行われています。ですから、教育委員会が、あるいは学校がいじめと認めなくても、児童から申出があったものはいじめとして統計数字に入れるようにという通知はいたしております。 |
 |
| 神本議員 |
| 終わります。 |
 |