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国会活動2006年
2006年4月27日(木)
厚生労働委員会
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案の審査
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神本美恵子参議院議員(以下、神本議員)
神本議員
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
今日は、男女雇用機会均等法の改正案ということで質問に立たせていただくこと、個人的な意味からも大変感慨深いものがございます。私自身も一人の働く女性としてこれまでやってきたし、働く仲間とともに雇用の場における男女平等ということについて様々な取組といいますか運動もやってきましたので、そういう意味から、大変今日はこういう機会を与えていただきましてうれしく思っております。

均等法といえば、女子差別撤廃条約の批准に際して、雇用における男女平等のための国内法整備として作られたわけですけれども、そのときの女子差別撤廃条約、女性に対する差別とはという第1条の定義と、11条、雇用の場における男女平等を求める11条等、私は大変その条文を読みまして胸が震えたことを思い起こしております。

改めてちょっと冒頭に御紹介したいと思いますけれども、「「女子に対する差別」とは、性に基づく区別、排除又は制限であつて、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女子」、これは女性と私は訳してほしかったんですけれども、婚姻をしているいないを問わない、「女子が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。」。必ずしも顕在的な差別だけではなくて、結果的にそういう効果をもたらすもの、あるいは結果的にそういう差別をもたらす目的を持ってされる、そういうものを女子に対する差別というと。しかも、それを雇用の場ではどういうふうに扱うべきかということで、11条の中に、もう改めて言うまでもないことだと思いますけれども、「男女の平等を基礎として同一の権利、特に次の権利を確保することを目的として、雇用の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。」、その一番目に、「すべての人間の奪い得ない権利としての労働の権利」であるということが書かれております。

あと、幾つも項目があるそれに沿って均等法が作られたというふうに承知しておりますけれども、今現在、均等法施行から20年たって、果たしてこの女子差別撤廃条約が目指す、締約国に望んだ雇用の場における平等というものが、この均等法によってどれだけ日本で達成できたのか、あるいはできなかったのかという点についてまず大臣にお尋ねしたいと思いますが、私自身は、最初言いましたように、働く女性の一人として、その立場から実態に即してこれから質問をさせていただきたいと思いますので、大臣として、これまでの均等法の具体的な成果というものがどのようなものがあるか、まずお伺いしたいと思います。
川崎二郎・厚生労働大臣(以下、川崎大臣)
川崎大臣
川崎大臣
御指摘いただきました均等法の施行以降、男女の機会均等についての考え方、これは先ほども議論いたしておりましたけれども、かなりのレベルまで浸透したということは間違いないだろうと。しかしまた、ある側面からいったらまだ少し足りない、こういった側面は残されておると思っております。また、企業の雇用管理の見直しも進展したと認識しております。また、実態面で申し上げると、女性の雇用者数の増加とともに、女性の勤続年数の伸長、女性の職域の拡大、管理職に占める女性割合の上昇などが見られております。

数字的に申し上げますと、昭和60年と平成17年比較いたしますと、勤続年数は6.8年から8.7年に伸長いたしました。また、職域について例で申し上げますと、営業職に男女とも配置している企業割合、平成元年度には45%でございましたけれども、平成15年度で61.5%になっております。また、従前、女性が就くことの少なかった渉外や機械オペレーター等への進出など、一定程度拡大してきております。

三番目に、管理職の問題でございますけれども、女性の割合、昭和60年、係長職が3.9、課長職1.6、部長職1.0でありましたのが、平成17年には係長職、これが非常に大きく上がってきたと思います、3.9から10.4と上がってまいりました。課長が1.6から5.1、先ほどから御論議いただいておりますとおり、だんだん上になると少しまだ弱い、部長職が1.0から2.8という数字でございます。
神本議員
大臣、今数字を挙げて言っていただきましたので、そういう意味では一定の前進はあったと、全く意味がなかったとは申し上げませんけれども、その数字の上昇を、果たしてきた成果と見るのか、法律のどこかに不備があってそれがなかなか、例えば女性管理職の増え方が20年たってこれでよかったというのかという、評価は分かれるところではないかと思います。

私、具体的な細かい、細かいといいますか、本当に現場にいる女性の実態ということから、例えば均等法施行20年たっても、就職に際して女性たちが相変わらず差別を受けていると。

就職のときに、募集、採用については、差別禁止した法律があるにもかかわらず、私、学校現場におりましたので、今教育現場にいる先生方から届いている声なんですけれども、例えば求人票が男女不問、もちろんそうしないといけませんからそういうふうになっているにもかかわらず、実際の採用は男子のみという結果になっているとか、女子のみ自宅通勤を要件とするというような募集であったり、いまだに面接で、彼氏はいるか、結婚する気なのかとか、緊急連絡をするので携帯の番号を教えろとか、そういうようなセクシュアルハラスメントまがいの発言が面接の場で行われている。

そのことを教え子は学校に戻って先生に訴えるわけですね。で、学校の先生はそれを聞いて、とんでもないということで会社に申入れをするんです。そうすると、その翌年からその学校にはその会社からの求人が来なくなる。そうなると、そういうことを恐れて、先生方はもう教え子から訴えがあっても会社に言えないんです、言えなくなるんですね、次の求人が来ない。

こうした均等法が徹底されていない、されない実態を政府は承知していらっしゃるのか。学校では今言いましたように対処方法がないと。こういう採用時の差別に対して具体的な対処が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
北井久美子・厚生労働省雇用均等・児童家庭局長(以下、北井局長)
北井局長
北井局長
雇用均等室では、計画的に事業訪問を行うことなどによりまして、募集・採用状況を含みます企業の雇用管理の実態把握を行っておりまして、そうした中で、いろいろお伺いする中から法違反を把握した場合には厳正に指導しているところでございます。

また、特に女子学生の就職問題については、委員御指摘のとおりのような現状がまだまだあるということも承知をいたしております。したがいまして、雇用均等行政におきましては、都道府県の学校教育担当部署と連携をいたしまして、幅広く企業の募集・採用状況についての実態把握を行いまして、大学の就職担当部を通じての情報収集を図っているところでございますし、また、そうした中で問題が見付かりました際には厳正な指導を行っているところでございます。
神本議員
今日は文科省にも来ていただいておりますけれども、教え子が学校に相談しかできないという現状もあります。

教育現場からは、小さいうちから、男女ともに性別にかかわらず個性を発揮して、社会参画をしながら家庭生活的な自立の力も付けて生きていくことが大事なんだよと。しかも、現実にしかし女性に対する差別がある、それは男女ともに力を合わせて女性に対する差別をなくしていかなきゃいけない、そういうことを小さいうちから教えていく男女平等教育といいますか、そういう教育が大事だということで、文科省には何度も毎年毎年要請が出されていると思いますが、男女平等教育指針を作っていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
布村幸彦・文部科学省大臣官房審議官
布村審議官
布村審議官
お答えいたします。
男女共同参画社会の形成のためには、男女平等の理念に基づく教育が家庭、学校、地域など社会のあらゆる分野において行われることが重要であると認識してございます。このような観点から、学校教育におきましては、児童生徒の発達段階に応じまして、社会科、家庭科、道徳、特別活動などにおきまして男女の平等や男女相互の理解と協力の重要性について指導しているところでございます。

具体的に学習指導要領におきましては、例えば小中学校の社会科におきましては、日本国憲法で定めるところの男女の平等などの国民の権利、あるいは小中学校の道徳、特別活動におきましては、男女仲良く協力し助け合うこと、男女相互の理解を深め、お互いに協力し尊敬し合う態度の育成に資する活動を行うこと、また高等学校の公民科におきましては、就職生活、社会参加につきまして、男女が対等な構成員であることに留意しながら現代社会における青年の生き方について考えさせるという形で、体系的な指導に努力をしております。

この指導要領の趣旨を踏まえまして、具体の教科書におきましても、中学校の社会科の公民の教科書におきますと、労働条件の最低基準が労働基準法で定められていること、あるいは労働者を男女によって差別することを禁じていること、そして労働の問題が生じたときには、労働基準監督署等が置かれており取締りに当たっていること、それから賃金の男女間格差などの雇用をめぐる男女間の差別の問題に触れて、それらの問題の解消のためには男女雇用機会均等法が制定されていること、そして人々がこの問題に適切な認識を持つことの重要性、あるいは雇用の問題で困った際には相談に行こうというようなことも教科書に記述されているところでございます。

また、厚生労働省からも、高校生向けにそれらの法律の趣旨について御説明をいただくリーフレットが配付されているという状況でございまして、今後とも、先生御指摘のような形で、男女共同参画社会の実現に向けました教育の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
神本議員
今おっしゃったことが本当にすべての学校で徹底されていれば、子どもたちがそういう場面に遭遇したときに、どういうふうに立ち向かっていけばいいか、どこへ相談すればいいかということが分かると思うんですけれども、実態はそうなっていない。

ということは、学校の教職員の問題もあるかもしれませんけれども、私は、その学習指導要領の社会科とか公民でそういうことが触れられるように指導要領にも書かれておりますけれども、今言われたような詳しいことは教科書に書かれているだけで、指導要領では簡単に雇用と労働問題、これは高校の公民ですが、それから政治・経済のところでは労使関係と労働市場、産業構造の変化と中小企業というようなことで、先ほど御紹介しましたような女子差別撤廃条約の女性に対する差別とはとか、均等法が何を求めているかというようなこと、それから労働者になったときに自分たちはどういう権利があるのか、その権利侵害されたときはどうするのかというようなことをきちっと必修として教えるような手だてを是非今後検討していただきたいと思います。差別に遭ったときに泣き寝入りしないでいいんだ、どこへ相談に行けばいいというようなことをきちっと教えるべきだというふうに思います。

ちょっと時間、たくさん質問を用意しておりますので、次に行きたいと思います。仕事と生活の調和についてということで幾つかお聞きしたいと思います。

先ほど津田議員もこのことは強調しておっしゃっておりましたけれども、今回の改正案では、女性労働者に対する差別禁止というだけではなくて、性別を理由とする差別の禁止ということで、男性労働者もその対象となるようになっております。

現在、男性は長時間労働、主に家庭責任を担い男性並みに働けない女性たちはパート就労を余儀なくされている、この現状はもう皆さん周知のことだと思います。仕事と生活との両立を困難にするような転勤や長時間労働が可能であるということを条件とされたときには、まだまだ根強い性別役割分業、性役割がある中で、男性は家庭、家族との生活を犠牲にし、女性は雇用の場で排除される、あるいは不利益を受けるというような現状があると思います。このようなことは性差別というふうに考えますが、均等法ではこの性差別についてはどのように対処していくことになるのでしょうか。
北井局長
まず、現行均等法におきましても、女性の意思を問わず、一般的に女性は残業の多い仕事は無理だからというようなことで一定の仕事から女性を排除するような場合、あるいは逆に、今度の改正法案では男性差別も禁止しておりますから、この改正法におきましては、男性であることを理由として長時間残業の多い職場に男性だけを配置するというようなことになる場合、こうした場合につきましては、配置というような分野における均等法違反、性差別ということになりまして、均等法違反ということでしかるべく指導をしていくということでございます。

また、今回御提案申し上げているこの均等法改正法案におきましては、転勤につきましては、今般の間接差別の対象として、コース別雇用管理の総合職の募集、採用に当たり、全国転勤を要件とする措置を厚生労働省令に規定する予定としているところでございます。こうしたことで、合理的な理由のない全国転勤を要件とした募集、採用ということは禁止されることになると承知をいたしております。

これ以外の要件については、間接差別につきましては、必要に応じ省令を見直すという法体系によりまして対応していくことができるということでございます。

なお、育児・介護休業法におきましては、子の養育あるいは家族の介護を行う労働者に対して転勤の配慮あるいは時間外労働の制限を求めておりまして、この法律に基づきましても対応に努めているところでございます。
神本議員
つまり、仕事と生活が両立できない職場に、あるいは職務に男性のみが配置されているということは均等法上問題であるということですか。一言で結構です。
北井局長
結果として、たまたま男性だけが現状において配置されているということであるならば、必ずしも均等法違反にならない可能性もあるわけでございますが、会社の方針としてこうした残業の多い職場には男性だけを配置するというようなことがある場合は、性差別の問題として均等法違反ということになります。
神本議員
結果的になのか意図してなのか、そこは判断が分かれるところではあろうと思いますけれども、そういう状態が出ているということは均等法上違反になることもあるというふうに受け止めていいですね。

長時間労働が非常に問題になっております。労働時間設定改善法に基づく指針では、労働者の多様性を尊重し、仕事と生活の両立、つまりワーク・ライフ・バランスを可能とするように定められておりますけれども、現実に設定される労働時間を両立可能とするには格段の対策が求められると考えます。

実際に、現在、労働者の時間外労働制限ということでは、年間360時間という基準が設けられております。この360時間の根拠というのは何なのか。仕事と生活の調和を達成できる時間外労働時間はどのくらいというふうに厚労省としてはお考えでしょうか。
青木豊・厚生労働省労働基準局長(以下、青木局長)
青木局長
年間の時間外労働の上限につきましては、今委員がお触れになりましたように、労働基準法に定める基準ということで360時間というふうになっております。これは、平成4年8月に450時間から360時間に変更したものでございます。これは、当時、平成3年に行った時間外労働の実態調査を踏まえまして中央労働基準審議会で検討を行い、労働時間の短縮を目指すということで考えられ決定したものでございます。

時間外労働については、仕事と生活の両立の観点からも必要最小限度にとどめられるものであろうというふうに思っております。労使でこういった年間の時間外労働については三六協定で協議をして決めていくということでありますので、労使でこのことを十分意識した上で協定を締結していただきたいというふうに思っております。
神本議員
時間外労働の短縮ということが根拠になっているというお答えで、じゃ、仕事と生活の両立、調和を達成するために時間外労働はどこまで抑制されるかということについては、その数字的なものは持っていらっしゃらないという御答弁でしたけれども、先ほど局長お答えになりましたように、均等法上、仕事と生活が両立できないというような職務、職場に男性のみが配置されているということは均等法上の問題ともなり得るというお答えがありましたので、そうであれば、均等法の基本方針の中に、本当は私は法律の中にきちっと理念としてこの仕事と家庭の両立ということを示すべきだと思っているんですけれども、それができないのであれば、基本方針に、例えば仕事と生活の両立を実現するために、長時間労働あるいは時間外労働を抑制するというようなことを入れるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
北井局長
新しい男女雇用機会均等対策基本方針につきましては、改正法案の成立後、速やかに策定をし公表をしていきたいというふうに考えております。

その内容に仕事と生活の調和に関する事項を入れるかどうかにつきましては、この内容も労働政策審議会の議論を経て決めるということになっておりますので、国会の御意見も踏まえ、審議会にも議論いただいて検討していきたいというふうに思っております。
神本議員
是非、審議会でどのような議論になるか分かりませんけれども、こうした実態が、性役割を前提とした、男性長時間労働、女性はパートというような、こういう現状になって均等を阻害しているということを是非厚労省としても強く出していただいて、そういう方向になるようにお願いをしたいと思います。

次に、雇用管理区分と同一価値労働同一賃金について幾つかお尋ねをしたいと思います。

雇用管理を区分する基準として、職務、勤務場所、労働時間などが典型として考えられます。今回の法改正で、採用時、昇進時の転勤要件は間接差別とされました。これは勤務場所という区分で管理することが性差別につながるということだと思います。25日の質疑でも、総合職と事務職では事務職に女性が圧倒的に多い、正規社員と有期契約社員では有期契約社員に圧倒的に女性が多いということは間接差別に当たるという見解が示されました。

雇用管理を区分する基準としての職務、労働時間も、合理性がない場合、間接差別に当たるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
北井局長
一般法理としての間接差別法理の俎上にのり得るかというお尋ねであれば、間接差別は性中立的なものであればどのような要件でも対象になり得るものでございますので、職務や労働時間を要件とする取扱いも、一方の性に相当の不利益を与えるということになれば間接差別法理の対象となり得るというふうに考えます。
神本議員
雇用管理を区分する基準が合理性のない差別となったときには、行政権限の発動によって差別とされた基準が排除されることになります。そうなった場合、昇進昇格と賃金についても是正することになるのでしょうか。
北井局長
仮に、今後、職務や労働時間の内容を要件といたします昇進昇格の措置について改正法案の第7条に基づく省令に規定したということになりますと、これらの措置のうち合理性のないものは均等法違反となって指導を行うことになります。

なお、賃金については均等法の対象としておりませんので、対象にならないものでございます。
神本議員
均等法に基づく差別の是正が賃金に影響を及ぼす場合、例えば間接差別によって昇進が後れていた労働者が差別是正として昇格をしました。ところが、職務給は支給されなかった。こうした賃金の格差を是正する方法はどう考えておられるのでしょうか。

実際に、一般職から総合職に転換しても、一般職、総合職というコースがあって、一般職から一定の年齢になって総合職に転換しても、この一番最初の振出しに戻るといいますか、に戻って、賃金は一般職のときのままか、あるいは実質的に下がってしまうというようなことが実態として起こっております。こういう場合、勤続年数を加味するなどのポジティブアクションによって是正を図るべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
北井局長
コース別雇用管理を行われる場合におきましても、事実上の男女別の雇用管理となってはならないことはもとよりでございますし、また、どのようなコースの区分を選択した方につきましても、その能力を存分に発揮して働き続けられる環境づくりに取り組むことが望ましいわけでございます。

こうしたことから、厚生労働省におきましては、コース等で区分した雇用管理についての留意事項というガイドラインを示しておりまして、その中で、均等法等に照らし女性の能力発揮のために行うことが望ましい事項として、まず、コースの区分間の転換を認める制度を柔軟に設定すること、それから転換制度を設ける場合においては、例えば転換時の格付が適正な基準で行われることというようなことに配慮した制度設計を行うことが望ましいということで規定をいたしまして、助言をしてきているところでございます。今後とも、この留意事項について一層の周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
神本議員
留意事項のことは分かりましたが、ポジティブアクションによって是正を図るということについてはいかがでしょうか。
北井局長
このコース別雇用管理の留意事項につきましても、一種のポジティブアクションを進めるためのその手段といいますか、であると考えております。また、そのほかにも男女間の賃金格差の解消に資するようなガイドライン、あるいはポジティブアクションの自主的取組を促すガイドライン等を作っておりまして、このコース別雇用管理の留意事項も併せましてポジティブアクションの一環としてお勧めをしているところでございます。
神本議員
日本の労働基準法や均等法を解釈、運用するときに、ILO100号条約に定められていることを適用するのでしょうか。
北井局長
ILO100号条約の同一価値労働同一報酬原則のお尋ねと承知をいたしましたが、その同一価値労働同一報酬原則とは、性別による差別なしに定められる報酬率をいうとされているところでございまして、その意味での同一価値労働同一報酬原則は、我が国の法制におきましては、労働基準法第4条によって担保されているところでございます。
神本議員
そのILO100号条約の同一価値労働に対する男女の同一報酬ということについては今おっしゃっていただきましたが、行われる労働に基づく職務の客観的な評価を促進する措置がこの条約の実施に有用である場合には、その措置をとらねばならないというふうに定められております。つまり、ILO条約では、職務評価について必要な場合には導入すべきとなっているわけですね。

この条項に沿った措置をとる必要があるというふうに考えますが、男女の賃金格差是正のために検討できないでしょうか。
北井局長
ILO100号条約には、今御指摘いただきましたとおり、行うべき労働を基礎とする職務の客観的な評価を促進する措置、つまり職務評価手法の導入を、とれる場合にはとるようにということが書かれているわけでございます。

この職務評価手法の導入でございますが、御案内のとおり、我が国では、職務、ジョブに賃金がリンクしておりますヨーロッパ諸国とは異なりまして、我が国の賃金というものは非常に幅広い観点から定められておりますし、特に採用後の担当職務を決めずに採用し、幅広く職務経験を積ませることで人材育成を図る慣行が広く見られております。そうした状況の下ではなかなか難しい点もございます。

そして、この職務評価手法というものをやろうといたしますと、同一価値というものにどのようなものが含まれるべきか、さらに実際の評価要素をどのように客観的に測定するのか、画一的な基準は策定できるのか、だれが判断するのかといったような技術的な問題もございまして、なかなか速やかに現時点で導入していくというのは難しいのではないかというふうに考えております。
神本議員
局長の速やかには難しいという言葉にちょっと望みを託しまして、しかし私は、この賃金格差を是正していくには職務評価というものを研究、是非していただきたいと思います。今のようなコース別管理で行われている場合の賃金格差是正をしていくには、これは是非ILO100号条約を導入して研究を、速やかでなくていいですけれども、着実に研究していただきたいということをお願いしたいと思います。

雇用管理区分の留意事項について、先ほどちょっと触れていただきましたが、ある企業で、一般職の55歳の女性が総合職の25歳の男性を職務指導している、そういう立場でありながら賃金は一緒というような状況が出てきております。

こういう場合、コースの各区分における職務内容や処遇について合理性、透明性を高めるというふうに留意事項でなっておりますけれども、今お話ししましたような事例の処遇に合理性があるのか、そういう合理性に物差しというものはあるんでしょうか、合理性があるかないかを判断する物差し。
北井局長
今御指摘いただきましたように、このコース別雇用管理の留意事項におきましては、コース等の各区分における職務内容や処遇について合理性、透明性を高めることということで定めておりまして、それ以上の具体的な判断につきましては各企業のお取組に任せているところでございます。

それで、個別の事案を詳細に分析をいたしませんと、その個々の今御紹介いただきましたような事案について合理性があるかどうかについて判断することは困難でございますけれども、いずれにいたしましても、この留意事項を踏まえて、本当に企業の中で適切な雇用管理が行われるように促していきたいというふうに考えております。
神本議員
是非、企業任せではなくて、こういった賃金格差のもとになるような事態が少しでも解消されていくように指導をよろしくお願いしたいと思います。

次に、多様な働き方が低賃金を生んでいる構造について幾つかお尋ねをしたいと思います。

多様な働き方という名目で女性たちが低賃金で不安定雇用に追いやられているという実態があります。特に有期契約が問題となっています。そこで、新規採用で有期雇用になっている労働者の男女比はどうなっているのか、つかんでいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
青木局長
新規学卒者のうちの男女比による有期雇用契約の数というお尋ねでありますけれども、文部科学省の学校基本調査によりますと、平成17年3月に大学を卒業して新規に就職した者は32万9,125人でございます。新規学卒者のうち有期雇用契約で就職する者の割合については承知しておりません。

なお、総務省の労働力調査によれば、新規学卒者を含む15歳から24歳の有期契約労働者のうち、男性労働者は33万人、女性労働者は45万人おりまして、その比率は1対1.4となっております。
神本議員
昨日の参考人の発言にもあったそうですが、大学を卒業して嘱託員として雇用され、3年、5年たてば雇い止めになってしまうという事例が多発しています。恐らく皆さんも、皆さんの御家族とか御近所、お知り合いの中に、私自身にも家族の中にいるんですが、そういう契約社員として3年働いて、1回更新して6年働いたらもうそれで終わりというような事例、たくさんあります。これは実質的な若年定年制の再来ではないかというふうにも思われますけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
青木局長
有期労働契約につきましては、高度の専門性が必要な時限的なプロジェクトを実施する目的でありますとか、あるいは業務の繁閑に対応するという目的でありますとか、あるいは経験を有する高齢者を活用するというような目的、あるいは正社員としての適性を見る目的等から活用されているものというふうに理解をしておりますけれども、一方で、契約の更新が繰り返されまして、更に将来にわたってその更新をされ続けるということを期待している労働者もいるということは事実だろうと思います。

有期労働契約におきましては、契約更新の繰り返しにより、そういった一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約更新をしないで期間満了だということで、その期間満了時点で退職をさせるという、いわゆる雇い止めと言われておりますけれども、これをめぐるトラブルが問題となっておりますので、平成15年に労働基準法を改正した際に有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定めました。

この基準には、使用者は、有期労働契約を更新しようとする場合においては、その契約の実態、それから労働者の希望に応じて契約期間をできる限り長くするよう努めなければならないと定めております。そのほか、この基準では、期間満了後における更新の有無でありますとか、更新する場合あるいはしない場合の判断の基準を明示しなさいとか、あるいは30日前までの予告をして雇い止めをすると、あるいは更新をしない場合にはその理由を明示しなさいというようなことを定めております。

そういったことで、私どもとしては、有期労働契約が労使双方にとって良好な雇用形態と、契約形態となりますように、こういった基準を踏まえた指導をしながら引き続き周知、こういった指針の、基準の周知などにも努めてまいりたいというふうに思っております。
神本議員
有期雇用といいますか、有期契約については様々な形といいますか、あるというふうに御紹介もいただいて、問題がある場合には雇い止めの場合には指導を行っているというお話でしたけれども、例えば雇用管理区分に言う事務職は3年契約の女性のみという、一方の性に偏った期限限定付きの採用になっている実態があるというふうに報告されておりますけれども、こうした事例は均等法違反に当たるのでしょうか。

厚労省はこうした事例に対してどういう指導を行うのか、その指導の内容と実績をお伺いしたいと思います。
北井局長
有期雇用の契約社員について、女性のみについて募集、採用を行っているというようなケースにつきましては、募集、採用についての性差別の問題となりまして、均等法違反であるというふうに考えます。

男女差別として均等法違反とされた事案につきましては、助言、指導、勧告を行いまして、勧告に従わない事業主に対しては大臣が企業名公表を行うことができるシステムになっております。

一般的に、この有期契約社員の募集、採用に限定した数字は持っておりませんけれども、平成16年度の募集・採用関係の助言等の件数で申し上げますと、321件ということになっております。
神本議員
質問の模様
こういう有期契約における均等法違反といいますか、事案が恐らく増えていると思いますので、全体的な募集、採用における違反事項だけではなくて、その内訳を是非今後調査していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。

次に、法改正、これからの省令改正等もございますし、今後の見直しに当たっての当事者参画ということでお伺いをしたいと思います。

民主党は、修正案で見直し規定を設けるように求めております。25日の質問では、間接差別の対象拡大等は国民の声を聞いて行うというような答弁が行われました。

この国民の声を聞くというのは具体的に何を指すのか。特に女性労働者の場合、どこにも声を上げられない未組織の労働者が大変多いわけです。そういう未組織の労働者の声をどのようにお聞きするのか。これまでも審議会やパブリックコメントなどで声を吸い上げてこられたと思うんですけれども、そういうところにも反映されない声というのがたくさんあると思います。そうした声をすくい上げる手だてを考えていただきたいんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
北井局長
厚生労働省令などの策定に当たりましては、改正法案が成立した場合には、平成19年4月を施行の予定といたしておりますが、その施行までのなるべく早い時期に労働政策審議会に議論をお願いする予定となるわけでございます。

その際、今般の改正法案の検討を行いました際にも行いましたことでございますけれども、パブリックコメントによって広く国民の声を聞いてまいりたいというふうに考えております。また、パブリックコメントでございますから、広く国民の皆様から意見や情報をいただけるものだというふうに考えておりますが、そのほかにも、審議会の委員に対して、あるいは私ども行政機関に対して様々な意見書等もいただくことがございます。そうしたものについても広く参考にしていきたいというふうに考えております。
神本議員
パブコメとか意見書等でも寄せられると思いますけれども、私は、一昨年からDV法の改正に参議院の議員立法として、共生社会調査会のプロジェクト委員として携わってきたんですけれども、そのときに、例えばDVの被害当事者、あるいはその被害者を支えるシェルターの方たち、いわゆる当事者ですね、その当事者の声を本当にたくさん聞かせていただきました。

彼女たちの本当にもうせっぱ詰まった悲鳴のような声を、ペーパーで読むのと実際にその方にお会いして聞くのと、これは全く違うんですね。私の経験です。

彼女たちの、DV法のときはDV被害者という彼女たちの生の声が、私は何度も聞かせていただくことによって法律の中に少なからず反映できたというふうに自負もしております。それは当時のプロジェクトメンバー、皆さん同じ感想を終わった後も言っていらっしゃいましたので、一緒だと思います。

この均等法の改正に当たっても、均等法の場合は、働く場にいる、特に組織されていない不安定雇用に置かれている女性たちの声をどのように吸い上げるか、じかに聞くかということというのは非常に重要ではないかと思います。DV法のときは厚労省の担当の方たちも毎回、院内で行われる集会にも参加をしていただいて、それから彼女たちが要請に行けば丁寧に本当に声をじかに聞いてやっていただいて、それぞれのお役人の方も、私たち議員も、お会いするたびに自分自身が変わっていくという感じがしたんですね。

この当事者の声を法律に反映していくということは非常に重要ではないかと思いますので、パブコメや意見書で聞いておりますというのではなくて、何とかそういう、まあシステムはできないかもしれませんけれども、そういうことの重要性を認識していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣、これお願いします。
川崎大臣
ドメスティック・バイオレンス法制定の際に、特に女性の議員の方々が中心になりながら御努力いただいてきたこと、私、衆議院の国対におりまして、たしか参議院の方々がわざわざ衆議院までお見えになったことも思い出します、大変御努力いただいたなと。その原動力が直接声を聞きながらやってきたことだと、こういうお話をいただきました。

私どもも、そういった意味では正に現場がございます。雇用均等室、また労働基準監督署のそれぞれの部門、部門がありますので、そういったところへ現実に今いろんな声が寄せられていることは事実だろうと、そういうものを私どももしっかり拾い上げることをもう一度検討してまいりたい。局長にすべて全部出回って聞けというのはなかなか難しゅうございますので、しかしながらDVの場合と違って、日ごろからかなりの数のものが私どものところに寄せられていることは間違いないと思いますので、そういったものをしっかり拾い上げるような努力はしてまいりたいと、こう思います。
神本議員
ありがとうございます。
DVのときは知りませんで、失礼いたしました。お世話になったそうで、ありがとうございます。

国会としても、もう今言ったことは、私たち自身も当事者の声をしっかり聞くと、具体的事実から目を背けないということが立法する立場からも大事だと思いますが、行政の立場としても是非そのことを、大臣の今お言葉もいただきました、様々な形で努力をしていただきたいというふうに思います。

次に、セクハラの問題、セクシュアルハラスメントですけれども、労働相談の多くがセクシュアルハラスメントというふうに聞いております。これもDVと同じように最近になってようやく声を上げられるようになってきたということで、均等法の中にも明記をされた、今回は配慮義務から措置義務になるということで、ますます多くなってくるのではないかと思います。

実際に事業主が措置を行ったかどうかということについてどのように確認をされるのか、お伺いしたいと思います。
北井局長
今御指摘がございましたように、平成16年度におきますセクシュアルハラスメントに関する女性労働者からの相談件数も6,291件、是正指導件数は4,628件ということで、大体その全体の相談件数の4割を超えるものでございまして、非常に依然としてセクシュアルハラスメントに関する均等室への相談は多くなっております。そして、非常に深刻なものも多うございます。

そうした中で、全国の雇用均等室におきましては、その相談を端緒とするのはもとよりでございますが、事業所訪問等を通じまして法の施行状況を確認しております。そして、法違反がありました場合には是正指導を行っていっているということでございます。この是正指導を行いました結果、本当に指導に基づき是正されたかどうかは、企業から必ず是正報告を求めて確認をしているところでございます。
神本議員
このセクシュアルハラスメントというのはもう本当に様々なところで起きておりますし、顕在化するようになったというふうに思います。特に、規模の小さい事業所で多いということも聞いております。その中小企業だけにこうするわけではありませんけれども、特にそういうところで起きているというような現状に対して、そういう事業所に対する対策、特に重点的に行う必要があるのではないかと思いますけれども、そこはいかがでしょうか。
北井局長
職場のセクシュアルハラスメントの防止対策につきましては、今御説明を申し上げました行政による助言、指導に加えて、防止のための具体的なノウハウの提供を行う、ノウハウの提供をすることが大事でございますので、必要な相談対応マニュアルやビデオ等も作成をいたしまして、実践講習もやり、その啓発に努めているところでございます。

今御指摘のとおり、中小規模の企業に対してはなかなかその周知が行き届かない点もございますし、また中小企業でいったん例えば社長がセクシュアルハラスメントの加害者というようなことになりますと、なかなか労働者にとって厳しい深刻な事態になるようなことでございますので、今後、一層その中小規模の企業に対する指導や啓発に重点を置いていきたいと思っております。その際には、関係の様々な業種団体もございますので、業種団体、事業主団体の御協力を得るなどして、効率的で効果的な指導に努めていきたいというふうに考えております。
神本議員
是非きめ細かにあらゆる、あらゆるというか、もうできるだけ多くの小さな事業所にもそういうこのセクシュアルハラスメントの問題について周知がされるように御努力をお願いしたいと思います。

セクハラでその被害に遭った人たちが泣き寝入りをしていたのが声を上げられるようになった、でも声を上げたために二次被害に遭うというようなこともございますし、それによって本当にいやしがたい傷を負ってしまう、PTSDになるというようなそういう状況も生まれております。

これに対しては労災として認められるということになったことが厚労省から通知として出されております。これによって多くの人々が勇気付けられたというふうに思いますけれども、なかなかそのことが周知されていないのではないかというふうに思われるんですが、この労災対象になったということの周知を是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
北井局長
セクシュアルハラスメントも含めまして、職場における様々な心理的負荷を原因とする精神障がい等の労災認定における取扱いにつきましては、これまでもパンフレットの配付などによって周知に努めてきたところでございまして、今後とも周知を徹底してまいりたいと考えております。

また、事業主が講ずべき職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策についても周知をすることは言うまでもないわけでございますが、そうしたパンフレットの中にも何らかの周知ということについて検討していきたいというふうに思っております。
神本議員
質問の模様
予定していた質問、大体全部終わったんですけれども、最後になりますが、大臣、副大臣もずっと質疑聞いていただいたと思います。

この均等法が求めているもの、これを実現していくということは、何も職場で働くその女性労働者のためだけではなくて、このことは私は今本当に深刻な問題になっている少子化とも決して無縁ではないというふうに思います。働き続けたい、人間として自己実現をして生きていきたいという、女性だけではなく男性も、今、今の働き方の中ではなかなかそうなっていない。働き始めて、いろんな職場で働き始めるわけですけれども、そこでいろんな目に遭いながら、あるいは結婚をした、結婚しても働き続けたいけれども職場の雰囲気で働き続けることができない、退職を余儀なくされる。あるいは妊娠、出産に対して育児・介護休業制度があるからそれを取ることはできた、しかし子どもが生まれた後、その子をどこに預けることもできなくて辞めざるを得ないというような中途退職を、結婚や妊娠、出産で中途退職を余儀なくされてきた女性、あるいはそれを乗り越えながら本当に髪振り乱して働き続けている女性、そういう女性たちの本当に血のにじむような闘いの中でこの均等法も充実してきたんではないかと思いますし、今日、傍聴席にたくさん女性、いろんな年齢層の女性の方たちがおいでになっていますけれども、そういう思いを持ってこの均等法を、もう少しでもいいものにしたい。そして、改正されたらそれが広く周知されて、一人でも多くの女性たち、今回は男性も対象になりますので、男性たちの、仕事と家庭を両立しながら、男性はもっと子育てにも家庭生活、地域生活にも自己実現としてかかわっていける、女性は会社の中や社会の中でもっと自己実現をし自分の能力を発揮できるというような社会にしていくことこそが私は少子化に歯止めを掛ける、それが目的ではありませんけれども、結果としてそういう結果に導かれていくというふうに思います。

これは、欧米諸国でもう既にそういう証明、立証といいますか、されています。男女共同参画、働く場での女性の地位をきちっと確保していくことが少子化の歯止めになっているということは、今日、清水先生いらっしゃいますが、少子高齢調査会で昨年御一緒させていただいて、男性の長時間労働を何とか解消しながら、男女ともに子育てにかかわることができる社会をつくっていくことが少子高齢社会に向けて大事なことなんだということを御一緒に研究もさせていただきました。

今のまま、この均等法で本当に、女性の非正規化がどんどん進行しておりますけれども、これに歯止めが掛けられるのか、あるいは男性の際限ない長時間労働に歯止めが掛けられるのかということについては、私は今回の改正で、必ずしもこれで何とかできるというふうに思えないところがあります。

妊娠、出産に対する不利益取扱いについては一定、禁止事項が強化されましたけれども、最後にこれについて、大臣、少子化との関係も含めて、均等法が本当に実効あるものになって、先ほど申しましたような社会になるためにどうしたらいいのかということ、見解、お伺いしたいと思います。
川崎大臣
冒頭、数字を出して議論させていただきましたように、20年間で改善が進んできたことは事実だけれども、例えば欧米と比べて男女間の賃金格差の問題、また管理職として仕事をされている率、そういったものを見るとまだまだ我が国は後れておると言わざるを得ない。したがって、今回の改正も含めて、より私ども努力をしていかなければならない課題がまずあると思っております。

一方で、少子化でございますけれども、かつて出生率の高かったアジアの国々、日本に次いで韓国、台湾、香港、シンガポールでしょうか、1.2以下の数字の状況になってきている。そこにはどういう変化が加わってきたか。かつてのアジア独特の家庭環境というものが大きく変わってきて、そして欧米同様な形に変化しなければならないところが後れてしまった、そこが付いていけなくなって出生率にも大きく影響してきた、こう考えざるを得ないんだろうと。

そういう意味では、私ども、まず若い夫婦に対して経済的支援をどうしていくか。児童手当等の問題も随分この場でも議論させていただきました。それから、今預けるところがないから辞めてしまったという御提起いただきました。保育園というものを、保育というものをどうしていくか。それから、今回一番大きな切り口になってきますのは雇用の問題ということになってまいるだろうと。特に、若者の雇用の問題と男女均等という考え方、ここに対してどう私どもは政策を打ち出していけるか。あわせて、この4か月ぐらいの議論の中で、不妊治療という問題についてもう少し踏み込めないかと、こんな議論もいただいてきたように思っております。

そして一方で、例えば欧米諸国でも、例えばドイツはかなりの面で丸が付いているけれども、日本と同様に出生率が低い。どこか一つが欠けると実は落ち込んでしまっている例。

一方で、私もちょっともう少し勉強しなきゃならぬなと思っているのはフランスなんです。日本が今大きなテーマとしてとらえている若年者の雇用という面では極めて低いですね。25%ぐらいは若者の失業率があるんじゃないでしょうか。それにもかかわらず、正に出生率はアメリカに次いで高くなってきている。どういう枠組みになっているのか、しっかり勉強しなきゃならぬ。

しかし、今申し上げたやっぱり3つぐらいの一つのものに対してきちっとやっていかなきゃならぬし、大きな議論としてやっぱり雇用の問題というものをもう少し全体が、企業の理解も得ながら、国民の理解も得ながら踏み込んでいきませんと少子化の解消という形にはつながっていかないだろうと、こういう意識を強くいたしております。今回の議論も通じましても、一層その感、強くさせていただいておりますので、しっかり頑張っていきたいと、このように思います。
神本議員
今ドイツの例やフランスの例出していただきましたが、昨年のその少子高齢調査会の中で、まあ勉強したといいますか、参考人からいろんなお話お聞きした中で、欧米諸国の中でもドイツとイタリアとが日本とよく似た感じで、男女平等施策もしているけれども出生率が上がっていないと。それから、フランスや北欧の方は出生率が上がっているんですね。これは何が一番男女平等施策をしながら違うのかというと、やはり性役割、性別役割分業意識がイタリア、ドイツは日本とよく似て、何か昔の、この3つの国を聞くと昔を思い出しそうなんですけれども、あえて言いませんけれども、この性別役割分業というものの意識がやはり根強い、そういう文化的な、風土的なものが背景にあるのではないかということを参考人からお聞きしたことが私は非常に印象に残っております。

これは何も厚生労働省の雇用の場における平等の施策だけではなくて、内閣府で取り組んでおります男女共同参画社会という、この推進ということとも深くかかわると思いますが、冒頭に申し上げましたように、男女が本当に生き生きと働いていける社会をつくることこそが少子化にも寄与するんだということ、大臣からもそういう見解を聞かせていただきました。そういう立場からも、この均等法が本当に1年1年施行されることによって、実施されることによって様々なことが改善されていくためには、是非、毎年の施行状況、それから何年後かには見直していくということ、作業が行政としても、また国会としても非常に重要ではないかということを思っております。

そういう意味で、今日質疑をさせていただきましたが、多くの声なき声を持っている女性、働く女性たち、あるいは働く場から去らざるを得なかった女性たちの思いにはせながら労働行政をやっていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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