| 2006年4月25日(火) |
| 文教科学委員会 |
| 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
おはようございます。民主党の神本美恵子でございます。
先日の質問のときには、大臣に弱視の子どもたちのための拡大教科書については大変強い決意をいただきまして、あの後、当事者や支援されている方々からメール等の反応がございまして大変喜ばれておりましたから、そのことをまずお伝えしておきたいと思います。
この学校教育法施行改正によりまして特別支援教育に変わるということについて、今日は私は、私の経験からも、障がいのある子とない子がともに学ぶということが、私にとっては教師をしていたときも物すごい教育観を転換させる出来事だったという、その思いから質問をさせていただきたいと思います。
といいますのは、私自身も障がいのある子というのは何かが障がいのためにできない子という見方をしていたんですけれども、そうではなくて、ともに学ぶという中で、私自身が子どもを一人一人、この子は何ができない、この子は何ができないからそれをできるようにする、それが教育だというふうに思っていたんですが、そうではなくて、一人一人無限の可能性を秘めている。その無限の可能性を、周りの人の人的環境や物的環境によって刺激を受けてその可能性が花開いていくんだというように教育というのは考えるんだということを身をもって体験させていただきました。
本会議でちょっと申し上げました、言葉を発しない子、あの子が、言葉は発しないんですけれども、その子が何を言っているかを周りが聞き取るという関係ができていく中で、あの子が言葉を発しない障がい児という存在から一人の人間として周りの子と同じように無限の可能性を花開かせていくんだというような経験をしましたので、今日は時間が余りありませんけれども、そういう環境整備という観点から御質問を幾つかさせていただきたいと思います。
具体的に、まず人的、物的環境条件整備ということなんですが、就学奨励費というのがございます。今回も法改正の一本になっておりますけれども、これが特別支援教育に転換するんですけれども、通常の学級に在籍している児童生徒や、それから新たに対象となるLD、ADHDの子どもさんたちには適用対象になるように法改正されておりませんけれども、ここを変えられなかった理由は何なのか、今後、対象とするような改正の検討の方向はあるのかということをまずお聞きしたいと思います。 |
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| 銭谷眞美・文部科学省初等中等教育局長(以下、銭谷局長) |
就学奨励費は、特別支援学校への通学あるいは寄宿舎入居など就学のいろんな事情にかんがみまして、保護者の方々の経済的な負担を軽減をするために、経済的な負担能力に応じまして就学に必要となる経費について補助を行うことを目的といたしております。
現在、特別支援学校に通っている子どもさんに加えまして、特別支援学級のお子さん、さらには小中学校の通常の学級に在籍をしている児童生徒につきましては、他校において通級による指導を受けているために交通費が必要な場合には、この交通費を就学奨励費の対象としているところでございます。
御指摘がございましたその支給対象範囲の拡大ということについては、通常の学級に在籍をしている障がいのある児童生徒につきまして、通級による指導を受けるための交通費以外に保護者の方々にどういう経済的負担があるか等について調査をする必要があると考えておりまして、今後の検討課題であるというふうに思っているところでございます。 |
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| 神本議員 |
ありがとうございます。
今おっしゃったように、交通費が中心で最初スタートしたと思いますけれども、今奨励費の中身は随分拡大をしてきておりますので、交通費が掛からない地域の学校に行ってても必要なものについてはこれから調査をして、前向きに検討していただけるものと思います。
次に定数改善なんですけれども、これについては、今回いわゆる定数標準法も一部改正案として出されておりますが、名称が変わっただけのように受け止めております。
実際にこの中では、例えばいわゆる盲学校、視覚障がい者である児童生徒に対する教育を主として行う特別支援学校ということで、ここに例えば肢体不自由の子どもさんを受け入れる、ここが総合化された学校になった場合、視覚障がいの学校については乗ずる数が4、それから肢体不自由は乗ずる数が7というような現状は変わっておりませんけれども、そこに肢体不自由の子どもさんが来るとなれば、これまで乗ずる数が7であった分の人がこちらにも配置されないと、実際に総合化したら定数が厳しくなるといいますか、そういう状況が生まれてくるんではないかという懸念がございます。むしろ、総合化された特別支援学校はセンター的機能も別途持つわけですので、総合化された上にセンター的機能で地域の学校や様々な機関と交流をしていく、連携をしていくというふうになりますと、このような定数配置の状況ではとても、まあある意味で教育の質の低下までは言っていいかどうか分かりませんけれども、そういうふうになるんではないかと。そのことが一点。
もう一つ懸念は、既にもう、子どもの数が減っていることもありましょうが、統廃合が各都道府県で進んでいると。この統廃合に拍車を掛けるようなことになるのではないかということも懸念をされますけれども、定数改善をするという観点から、この点についてはいかがでしょうか。 |
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| 馳浩・文部科学副大臣 |
平成18年度は諸般の事情によって第8次定数改善が今見送られたことは非常に残念な事態であったということは、これは皆さん方には御理解いただけると思いますし、平成19年度の予算編成過程において検討されていかなければいけない課題だということの認識も是非お持ちいただきたいと思います。
その上で、今般のこの法改正によって、特別支援学校により専門性が求められると、またセンター的機能も求められると。また、通常の学校においては、特別支援教室にもより専門性を求められるようになり、LDやADHDの児童等にも対応することも求められると。こうなってくると、一人の先生の能力をより高めてもらうことと同時に、専門性を持って対応していただく以上は計画的な定数改善計画を持っていかないと法律に基づいたしっかりとしたいわゆる障がい児に対する教育が充実しないのではないかという認識は、これは先生も私どもも持っております。
そういうことを踏まえた上で、まさしく平成19年度の予算編成過程に向けて、強い決意を持って、いろいろと現場のこともありますから、つまり学校の統廃合のこともございますので、そういった認識も持ちながら検討を進めていきたいというふうに考えております。 |
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| 神本議員 |
副大臣から強い決意を言っていただきました。是非それが実現するように具体的な御努力をお願いをしたいと思います。
先ほど言い忘れましたが、今、地域の学校のこともおっしゃっていただきました。実際に対象となる子が5倍に増えるとこの前もお話がございました。その通常学級も定数改善が見込めない、むしろ今行革推進法の中で減らされる方向にあるというこの厳しい中で、文科省はこの学教法改正によって前へ進もうとしている、そのことを定数という形で、定数改善という形で是非実現をしていただきたいと思います。
次に、特別支援教育への転換ということで、今定数、教員のことを中心にお話をしておりますけれども、実は、学校というところは、特に障がい児学校で働いている皆さん方は様々な、普通学校よりも多くの職員の方たち、例えば介助員や寄宿舎があるところでは寄宿舎の指導員の方たちが本当に協力をし合って教育に携わっていらっしゃいます。
私、聞きましたところでは、例えば岩手県立の前沢養護学校というところは、先ほど校長先生のリーダーシップというお話もございました、強いリーダーシップの下で、あらゆる職種の人たちが力を合わせてすばらしい教育をされているというふうに聞いております。例えば、寄宿舎の指導員の方が、子どもたちが卒業した後、寄宿舎を出た後どういうふうな生活をしているかという追跡調査といいますか支援を、卒業した後も指導員の方々がフォローをして、そしてそこから自分たちの教育課題をフィードバックして学校の次の教育に生かしているというようなことも聞いております。
ところが、残念ながら中教審答申の中にもこの介助員や寄宿舎指導員ということについては一言も触れられていない。是非、文科省としては、教員以外の職員の方々の、今後特別支援教育に転換した場合、どのようにあるべきかというようなことについては検討していただきたいと思いますけれども、それについてはいかがでしょうか。 |
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| 銭谷局長 |
ただいま先生からお話がございましたように、今後の特別支援学校における教員以外の様々な職員の役割は今後とも重要なものと認識をしているところでございます。
例えばでございますが、国立特殊教育総合研究所におきましても、各都道府県において指導的立場にある寄宿舎の指導員等を対象に、盲・聾・養護学校寄宿舎指導員指導者講習会といったようなものを実施をしてきているところでございます。こういった方々につきましても、それぞれのお立場でそれぞれ重要な役割を今後とも果たしていただきたいと思っております。
先ほど先生からいろいろ事例の御紹介もございましたが、例えば私が承知しておりますのは、熊本の聾学校では、寄宿舎の食堂を利用いたしまして、寄宿舎指導員の方々を中心に地域住民への手話講習会などを開催をして、言わば寄宿舎のセンター的機能を発揮をしているという事例も承知をいたしているところでございます。
今後、特別支援学校への転換に際しまして、こういった教員以外の職員の方が様々なセンター的機能の発揮のためにいろんな役割を担っていくということを私ども期待をしているところでございます。 |
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| 神本議員 |
是非、期待をしている分の待遇改善も含めてやっていただきたいと思います。
私、静岡の中央養護学校の寄宿舎を実際にお訪ねをしたんですけれども、そこでもお聞きしましたら、通学困難という子どもさんだけではなくて、社会に出たときに自活、自立できるようにという力を付けるということで、大変いろんな教育課題を明確にしながら取組をされているお話を聞きました。ニーズも増えているということもございますので、待遇改善と、それから充実ということを是非取り組んでいただきたいと思います。
次に、施設設備についてですが、これについても、今この国会にも高齢者、障がい者等の活動を円滑にする法案がかかっております。今回、盲・聾・養護学校のバリアフリー化について、それから普通の小中学校等のバリアフリー化ということについては欠かせない条件整備だというふうに思いますが、これからどのような計画でやられるのか、現状がどうなっているかというのをお聞きしましたところ、盲・聾・養護学校はその円滑化の法案で特別特定建築物に指定をされているということもありましょうけれども、かなり進んでいるんですね。ところが、小中学校のバリアフリー化というのはなかなか、1割程度、大ざっぱに言ってエレベーターとかスロープとか障がい者用トイレというようなのは1割程度しか進んでいないということで、これからどのような計画でやられるのか。例えば、私は、特別特定建築物に入れて、そして進めるというようにしたらどうかと思いますけれども、その辺の今後の方向をお伺いしたいと思います。 |
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| 大島寛・文部科学大臣官房文教施設企画部長 |
お答えを申し上げます。
まず、学校施設でございますが、御指摘ございましたように、障がいのある児童生徒等も支障なく学校生活を送ることができるよう配慮すること、これは極めて大事だろうというふうに考えておるわけでありまして、そのためにもバリアフリー化の推進は重要な課題というふうに認識しているところでございます。
ただいま先生御指摘がございました実態どうかという部分ですが、エレベーター等、確かに1割弱といったようなことございますが、スロープでいいますと小中学校51%、障がい者用トイレでいいますと約48%、こういった整備状況になっているところでございます。
ただ、いずれにいたしましても、この推進というのは極めて大事な課題であろうと認識しているところでございまして、従来から文部科学省では学校施設のバリアフリー化のための国庫補助をまず行っているところでありますし、今御指摘がございました平成14年におけるいわゆるハートビル法の改正、これに伴って学校施設が新たに当時バリアフリー化の努力義務の対象になったと、こういったことも踏まえてバリアフリー化推進のための指針あるいは事例集を作成して周知を図ってきたところであります。この指針におきましては、各学校の設置者に対しまして、所管する学校施設に係る合理的な整備計画を策定し、計画的な整備を行うよう指導しているところでございます。
私ども文部科学省といたしましては、これらの整備計画の作成状況を把握するなど適切なフォローアップを行いまして、これらを踏まえて必要な取組を進め、引き続きバリアフリー化の取組を積極的に支援してまいりたい、かように存じます。 |
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| 神本議員 |
半分進んでいるとおっしゃいましたが、半分しか進んでいないという見方をして、是非100%行くように頑張っていただきたいと思います。
今、お手元に資料をお配りさせていただいておりますけれども、次に、この前もすべての子に入学通知を出していただきたい、それから、保護者の意見を十分に聞いて行き先を選択できるようにしていただきたいということを質疑させていただいたんですけれども、文科省にお願いをしまして、大体就学事務というのがどういうふうになっているのかということを一覧表にまとめていただきました。
これ、もう時間がありませんので簡単にいきますが、まず学齢簿が作成されまして、就学指導委員会というものが行われまして、22条の3で、盲・聾・養護学校へというルートと、それから通常学校へというルートが上と下とにこういうふうに分かれて、そして通常学級へ行きます。通常学校へ行く子と盲・聾・養護学校。一番の問題に今なっているのは、右側の就学先の手前のところで、判定で、都道府県教委から盲・聾・養護学校へと通知が出されたにもかかわらず、うちの子は地域の学校で友達と一緒に学ばせたいということで、矢印がありませんが、そこから下の小中学校に行っている子どもさんたち、この人たちが、違法ではないけれども、この就学の制度からは外れた枠外の子ということで、そこ、点線でも書いておけばよかったんですが、下へ行っている子どもさんたちなんですね。この人たちが本当につらい目に遭っているということを分かっていただきたい。
私も最近、この下で、いわゆる特殊学級で担任をしている方のお話聞きましたが、今でも、害児という言葉、皆さん御存じですか。害児と子どもが言うんですね。いわゆる障がい児のことを差別的に表現する言葉として害児、害児というふうに言う言葉が今でも学校の中にあると。で、一番その先生が心配していらしたのは、今度、LD、ADHDということで通級指導の対象になる子どもたちに対してまた同じような発言がもっと広がるのではないかというようなことも心配していらっしゃいます。
そこで、ここで私が一番申し上げたいのは、この前言いましたように、本当は学齢簿が作成されて就学指導委員会に入る前に、すべての子にまず地域の学校へという入学通知を出していただきたい。それが日程的にいろんな意味で無理であれば、この就学先が決められるこの前に出してほしい。すべての子に通常学級へ本当は行くんだということを出してほしい。それも無理であれば、これは最後のお願いですが、左から2列目のところ、就学指導委員会が行われる、これは施行令18条の2で専門家からの意見聴取というふうになっているんですね。この専門家からの意見聴取は18条の2で、「市町村の教育委員会は、」、ずっとあって、最後に「専門的知識を有する者の意見を聴くものとする。」というふうに施行令できちっと明記されております。ところが、保護者からの意見聴取のところは局長通知、先ほど林委員が紹介をされました局長通知になっているんですね。
これを施行令の18条の2に、専門家の意見と並べて保護者からの意見聴取をすると。ここで十分に保護者の意見を聞いて、それを尊重した判定が行われれば、最後の最後になって就学指導に逆らって通常学校に行くというような状況は随分減るのではないかというふうに思うんですけれども、この18条の2に入れるということを検討できないでしょうか。 |
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| 銭谷局長 |
ただいま先生からお話ございましたように、児童生徒の就学する学校を決定する際には、一人一人の教育的ニーズに応じまして、保護者や専門家の方の意見を聞いて総合的に判断をするというのが基本の考え方でございます。
こういった観点から、現在各教育委員会におきましては、就学指導委員会や保護者の方の意見をお聞きをしながら就学先の総合的な判断をしているわけでございますけれども、中教審の答申の中でも、保護者の意見というのを十分に聞く、あるいはきちんと保護者の方に情報を提供するといったようなことの必要性が言われているところでございます。
私どもといたしましては、今後の就学の在り方につきましては、こういった中教審の答申の提言も踏まえまして、保護者の意見を十分に聞くようにしていく方向で検討してまいりたいと考えております。 |
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| 神本議員 |
もう時間が来てしまいましたけれども、是非保護者の意見を聞くということを形として検討していただきたいと思います。
大臣、時間ありませんけれども、短くて結構です。冒頭に、この前のときに言いましたように、インクルージョンの方向に向かうという意味で、この制度の枠外に置かれているという、このことが先ほどのような害児発言などを生み出してしまっているという点から、是非環境整備をしていただきたい、そういう意味で決意を一言お願いします。 |
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| 小坂憲次・文部科学大臣 |
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今局長の方から答弁させていただきましたけれども、共生社会実現のために教育関係者に課せられた役割、極めて大きなものがあると思っております。今後、特別支援教育充実に向けて、今御指摘のいろいろな観点も踏まえまして検討をさせていただきたいと、こう思います。 |
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| 神本議員 |
| 終わります。 |
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