| 2006年4月10日(月) |
| 決算委員会 |
| 平成16年度決算外二件、文部科学省及び厚生労働省の決算についての審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
今日は決算ということで、文科、厚労とそれから男女共同参画・少子化担当の特命大臣、猪口大臣もお越しいただけるということなので、その問題についてまず、若干ですけれども、お伺いしたいと思います。
〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
私、昨年の本会議、特別国会における本会議で小泉総理に、男女共同参画と少子化対策というのは重要に関連している、特に少子化対策においては男女共同参画の推進は重要な課題であるということを申し上げましたら、総理もその場で、これまでの我が国における少子化対策、いまだ子育てと仕事の両立に多くの困難がある状況である、男女共同参画推進は少子化対策と軌を一にするものであるという御答弁をいただきました。
私は大変意を強くいたしまして、この二つの特命大臣が今回猪口大臣という形で位置付けられましたこと、大変心強くも、また歓迎もいたしております。これは、何というか、ごますりとかそういうことではなく、心からそういうふうに推進されたらという気持ちを持っております。
ところが、それで、これは決算委員会ですので、決算の視点からこの男女共同参画推進・少子化対策はどうなっているのかということを見ようと思いまして、内閣府の男女共同参画局、直接、取りまとめでございますので来ていただいて御説明を聞こうと思いましたら、局としての決算はないというふうにおっしゃったんですね。
内閣府の中の男女共同参画局、予算はおよそ4億前後で推移しているようですけれども、それがどういう施策に使われて、決算を見た場合、どこに重点化が足りないとかどこに無駄が多いとかいうこと、普通、予算、決算というのはそういうサイクルでやって次の予算に反映させると。これはもうこの決算委員会ずっとそれをやってきたわけですので、そういう観点から御質問しようと思ったんですけど、それがないというので本当に、えっ、じゃ何を質問したらいいのかと思っていろいろ調べましたところ、この平成16年度において講じようとする男女共同参画社会の形成の推進に関する施策というものの最後に男女共同参画推進関係予算の概要というのがございまして、15年、16年の予算額、比較増減額が一覧表になっております。
これはいろんな省庁分がここに書き上げられているんですが、予算がこういうふうに一覧になって関連施策として総合化されているんであれば、この決算が当然出されてしかるべきではないかなというふうに思うんですね。それがないと、どの施策がどうだったのかという政策評価もできませんし、お金の使い道の無駄はなかったのかというふうなことも指摘できないわけですよね。
この16年度ではないんですが、その前に、たしかこれは、厚労省さんも今日おいでになってますが、厚労省が私から見れば大変いいパンフレットをお作りになった。これは男女共同参画、特に思春期の子どもたちの性に関するパンフレット、ラブ&ボディというのを作られたんですけれども、それが一部からの意見で全部回収というような、あれ何億掛かったのか私も分からないんですが、そういう問題の指摘も決算がなければできないわけですよね。
そういうところについて、これは大臣にいきなり聞いてもと思います。(発言する者あり)聞いていいですかね。そこを是非…… |
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| 武見敬三・理事(委員長代行)(以下、武見理事) |
| 聞いてください。 |
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| 神本議員 |
| じゃ、まずちょっと短く、簡潔にお願いします。 |
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| 猪口邦子・内閣府少子化・男女共同参画担当大臣(以下、猪口大臣) |
| よろしいですか。 |
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| 武見理事 |
| どうぞ。 |
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| 猪口大臣 |
恐れ入ります。
神本先生にお答え申し上げたいと思います。
私のところでは、男女共同参画、そして少子化につきましても、各省庁との連携におきまして総合調整機能を発揮するよう努力しております。したがって、決算につきましては、各省においての決算を出していただき、私が担当しております、例えば男女共同参画基本計画につきまして、その決算の形で項目を分解して出してくることがなかなか難しいという事情がございます。ですから、各省の決算をもって御審議いただければ有り難いと思っております。
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| 神本議員 |
難しいというか、こういう予算が一覧にできるのであれば、例えば、もう読み上げる時間ないんですが、多様なライフスタイルに対応した子育て支援策の充実ということで、文部科学省43億です。それから厚生労働省7,040億というふうに、項目ごとにあるわけですね。
そうしたら、この文部科学省がこれをどういうふうに使ったのか、厚生労働省がどういうふうに使ったのか、その内容が、当然そこを把握しないと内閣府特命大臣としては、厚労省さん、頑張りが足りませんよとか、文科省さん、これではなくてこういう施策を講じてくださいというような連携が取れないのではないかと思いますのでお伺いしているんですけれども。 |
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| 名取はにわ・内閣府男女共同参画局長(以下、名取局長) |
お答えいたします。
今、私どもは、男女共同参画基本計画につきましてどのような施策をするかということについて各省の施策について取りまとめ、そしてそれを白書という形で御報告もしておりますんですが、決算につきましては、例えば内閣府ですと内閣府の決算というのは出ますけれども、どのような政策にどのように使ったのかというふうなところでは出ておりませんので、各省におきましても同じ状況でございますので、男女共同参画基本計画に合わせた決算額というふうな形では取りまとめていないのでございます。 |
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| 神本議員 |
| だから、内閣府の男女共同参画局予算4億円の内訳ではなくて、私が申し上げているのは、ここに書いてある、これ内閣府で作られたんではないかと思うんですが、このそれぞれについて各省庁が出す決算を一覧にして、内閣府男女共同参画局として政策評価をして次の予算に反映させるよう調整すべきではないかということを申し上げているんです。 |
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| 名取局長 |
お答えいたします。
男女共同参画社会基本法におきましては、年次報告を国会にするようにというふうなことで規定がございますんですが、こちらにつきましては、毎年、これから講じようとする施策について国会に提出しなければならないというふうに規定されておりまして、それでございますので、予算額につきましては、きちっと各省がどのような計画について予算をそれぞれの施策について要求したのかというふうなことについては私どももきちっと取りまとめておるのでございますけれども、決算につきましては今のような仕組みでございますので、それができないというふうなことでございます。 |
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| 神本議員 |
恐らく局長レベルでお答えできないかもしれません。
大臣、そこで、大臣の就任に当たる記者会見を読ませていただいたんですが、就任ではありませんけれども、そのときにおっしゃっているんですが、各省庁の大臣に、この男女共同参画及び少子化は最重要課題であると、政府にとって。ですから、各省庁の大臣によろしくこの分野をお願いしたいということを積極的に伝えていきたいというふうにおっしゃったんですね。
〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
私は、よろしくお願いしますだけではなくて、どのくらいできましたか、ここはなぜできないのですかということを、特命大臣ですから是非言っていただきたい。それを言うにはバックデータが必要だと思います。このお金はどう使ったんですか、これよりもこっちに回すべきではないか。特に少子化対策、今重要課題だし、最近、朝日新聞の調査でも出ておりました。子育てできる労働環境の整備が今最も求められているというふうなアンケート結果も出ておりましたので、そういう、どこに重点化するのかということを各大臣に、よろしくではなくて、厚労大臣、あなたはどこまでできたんですかというふうに強いリーダーシップでやられるように、御決意を短く。
それから、そういう決算をきちっと出すということをお約束いただきたいと思います。 |
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| 猪口大臣 |
神本先生おっしゃいますとおり、少子化と男女共同参画はワンセットの政策として推進しなければならない我が国におけます最重要課題と認識しております。そして、私としては、決してよろしくと申し上げているだけではなく、連携しながらも、今までの政策のまず分析から見直して、より総合的な対策、そして多角的な観点からの多様なニーズにこたえる政策を議論する、そういうことをやっております。それは、今までの政策についての評価と、更にどういうことが必要かという分析に基づくものです。
例えば少子化対策でございますと、過去のエンゼルプラン、新エンゼルプランなどは保育関係事業の拡充を中心としておりました。これは働く女性のための不可欠な支援ですが、今日、例えばいわゆる専業主婦の方も育児の中で不安感を持っている。より総合的な対策が必要ということから子ども・子育て応援プラン、これは若者の就労支援でありますとか、先生おっしゃいますような男性も含めた長時間労働などの働き方の見直し、それから女性の育児休、まあ男女ともですけれども、育児休業の取得の促進、制度はあっても取りにくい、そういうことは、例えば様々な予算措置を含めて議論をし、今年度から実施の方向で進むことになってきております。
それは、先生おっしゃいますとおり過去の政策について非常に真摯な分析をし、その成果を認めつつ、それが不必要であったということは決してなく、非常に重要な成果をもたらしたと私は考えておりますが、より多角的な観点からの補充が必要であるという認識の下、少子化対策も男女共同参画も両方とも拡充していくという認識でおります。 |
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| 神本議員 |
御認識はもう重々、書かれたものや発言されたことで存じ上げております。
それで、私は政策評価をする場合に決算が必要だということを申し上げているんで、もうそのことは是非、大臣、よく考えていただきたいと思います。
この一覧表の中に、高齢者等が安心して暮らせる条件の整備、ちなみにこの予算の全額が2兆7千億、16年度予算額であったわけですね。その中の1兆9千億は高齢者対策なんですよ。それが男女共同参画の中に入っている。もちろん、高齢者の中には、半分は女性ですからいいんですけれども、こういう形で、じゃ、男女共同参画に2兆7千億も使っているというような国民は錯覚を受けますけれども、内訳はこうなっているって、これはどうなんだというようなことにもなりますので、是非そこも見直していただきたいということを申し上げまして、時間がないので次の問題に行きたいと思います。
次は、教科書業における特殊指定廃止に関する問題です。
今日、文科大臣おいでいただいておりますが、3月16日に公正取引委員会がいわゆる教科書特殊指定を廃止する方向で検討に入ったというふうに報じられておりました。その理由が、制定後50年が経過し、教科書採択の方法、手続が整備され、教科書発行業者による売り込み競争や取引の実態も大きく変化してきたため、採択がゆがめられるおそれが著しく減少し、教科書の分野への特殊指定は不要になってきたというふうに言われております。これは文科省と公正取引委員会とが、むしろ制定の経緯としては、公正取引委員会が経済的分野において教科書の販売における過当な競争が行われている、あるいは不当なやり取りが行われているというようなことからこの特殊指定が設けられ、文科省はそれを受ける形で、文科省としては、教育の内容、教科書の内容をゆがめないように、公正な採択が確保されるようにという両者の合意といいますか、から置かれた特殊指定だと私は認識しているんですけれども、この廃止を打ち出すに当たって文科省に事前の折衝とか、そのパートナーとして事前に何か相談などあったんでしょうか。局長で結構です。 |
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| 銭谷眞美・文部科学省初等中等教育局長 |
教科書の特殊指定は、教科書における公正な競争の確保の観点から、教科書業者などが行うことが禁じられる不公正な取引方法の内容を明らかにするために、公正取引委員会において告示を行っているものでございます。今回の件につきましては、昨年末来、公正取引委員会の方からこの特殊指定について廃止を検討しているというお話は文部科学省の方にございました。
文部科学省としては、この特殊指定がこれまで長年にわたり運用されまして教科書採択の公正確保を図るために大変重要な役割を果たしてきたということを申し上げまして、公正取引委員会との間で話合いは続けてきたところでございます。そういう中で、3月の16日に公正取引委員会の方から廃止についての意見募集が行われたという経緯でございまして、私どもといたしましては、これまで教科書の特殊指定が果たしてきた役割にかんがみまして、この件については引き続き公正取引委員会と協議をしていく必要があると、こう思っているところでございます。 |
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| 神本議員 |
| この件については小坂大臣も懸念を発言していらっしゃるようですけれども、今後公取と協議していくということですが、スタンスとしては廃止の方向でいらっしゃるのか、それとも懸念があるので存続といいますか、という立場でいらっしゃるのか、大臣としてはどのようにお考えですか。 |
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| 小坂憲次・文部科学大臣(以下、小坂大臣) |
既に私が言っていることは御存じのようでございますが、廃止を前提に懸念をするというのも変な話でございまして、廃止をすることを積極的に考えて懸念をするというのは変な話でございまして、懸念をするというのは、今のこの特殊指定の果たしている役割というものをしっかり御理解をいただきたいという立場でまずあるわけでございますね。
ですから、スタンスはそういう形の中で、仮に、お決めになるのは公正取引委員会の方でございますので、そのような場合にどのような形でこれを、今まで築き上げられてきた秩序が引き続き維持されるのかについて、公正取引委員会としてのお考えを聞かせていただきながら、そこで私どもの懸念が払拭されるかどうかという議論でございますので、そのような形で私どもの懸念を払拭できるような御意見が得られれば、私どもとしてはその決定に従わなきゃならないという立場はあるわけでございます。
しかし、私どもとしては、今日まで、昭和31年に告示されて以来のこの長年にわたる運用でございますので、この禁止された事柄が一つの商習慣になって今後ともちゃんと守られるから大丈夫だというようなことがしっかりと私ども認識できればいいですが、そうでないならば、どのような形で公正確保が図られるのかという点について十分な議論をしてまいりたいと、このように考えております。 |
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| 神本議員 |
猪口大臣、名取局長、もう結構ですので、ありがとうございました、私の質問は終わっていますので。
それで、小坂大臣、確かにこれが廃止されたらどうなるかということに対して、やってみなきゃ分からないというところはあるのかもしれませんけれども、私は、今回公取委がなぜこれを廃止しようとするのか、もう制定された当時と状況は変わったというけれども、果たして変わったのかな、むしろもっと激しい過当競争が出版社同士で行われるのではないか、あるいは他社に対する誹謗中傷が行われるのではないか。それによって、今でもこの特殊指定があっても寡占化が非常に進んでいますし、それによって小さな出版社は見本本も配れない状況が出てきているというような今実態がございますよね。
そういう中で、これをだれのために廃止するのか。少なくとも子どものためではないということは私ははっきり言えるのではないかと。子どもにとって、この特殊指定が廃止されたら子どもたちが使う教科書の選択の幅が狭まるということはもう目に見えていますので、これにはもう懸念ではなくて断固反対ということ、これを堅持すべきだ、存続すべきだということを明確に打ち出して公取委と協議をしていただきたいと私は思うのですけれども、最後に大臣、一言お願いします。 |
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| 小坂大臣 |
委員のおっしゃりたいことは各方面でも議論されておると思っております。
そういった中で、教科書の見本の送付を始めとしたこの制限事項が廃止された場合にも、これまで同様にその制限を行うことができるのかどうか、こういった点について十分に協議をさせていただきまして、この採択の公正が損なわれることのないように、そこを一点に私どもはしっかりとらえてこの問題に対処してまいりたいと存じます。 |
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| 神本議員 |
是非、週刊誌などでは教科書も金次第なんてことが書かれておりますし、やはり子どもたちの手に渡る教科書はより良質なものでなければいけないし、多様な教科書の中からより良いものが選択されて、教科書そのものもその選択によってより良いものにまたなっていくという、そういう制度として機能してきたと思いますので、是非存続の方向で頑張っていただきたいと思います。
次に、強制連行犠牲者の遺骨問題に関する御質問をしたいと思います。厚生労働大臣もいらっしゃいますので、是非お聞きしたいと思います。
これは、この問題については一昨年の12月、日韓首脳会談で小泉総理が盧武鉉大統領に対して、強制連行をされた民間徴用の方々の遺骨収集を検討したいというふうに約束されて、日本政府としても今誠意を持ってそれにこたえた取組がなされているということについては、私もまず敬意を表したいと思います。
ところで、この問題について衆議院の予算委員会において我が党の松本龍議員からも質問があって、その際、厚労大臣は、一体でも多くその結果が出るように全力を挙げてまいりたいというふうに述べておられます。その決意は変わりはないのかということについて、まず御決意を伺いたいと思います。 |
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| 川崎二郎・厚生労働大臣(以下、川崎大臣) |
たしか衆議院の予算委員会の分科会で松本龍委員から御質問をいただきました。これは、今言われましたように、一昨年、日韓首脳会談が行われましたときに盧武鉉大統領から小泉総理に御要請があり、そして何ができるかということを考えたいということで総理が受け止められ、その後、厚生労働省、また外務省、それから内閣官房併せてその問題に当たるようにという御指示をいただいて、今懸命に取り組ませていただいているところでございます。
そのときに私は、こうした経過もあり、また我が国の正に日韓関係に懸ける誠意として一体でも多くお返しできるように努力をしたいと、こう申し上げたとおりで、正に予算委員会の場で申し上げたことでありますので、精一杯頑張りたいと思います。 |
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| 神本議員 |
本当に政府挙げて誠意を持って取り組みたいという大臣の御決意をいただきました。
それを踏まえて幾つかお伺いをしたいと思いますけれども、政府から地方自治体の方に遺骨の調査依頼が昨年6月20日付けで行われて、昨年の9月20日までの調査結果が韓国側に伝えられたというふうに聞いております。
これは新聞でも報道されていましたように、企業からの情報も合わせて868体の遺骨情報があり、韓国に伝えられたというふうに聞いておりますが、これはその母数が幾つなのかというのがはっきりしませんので、多いのか少ないのかという評価は難しいかもしれませんけれども、やはり民間の研究者によれば、60万人の方が日本に徴用されたというふうに言われております。必ずしも60万人が全部こちらで亡くなったわけではありませんので、無事に帰られた方もいらっしゃいますでしょうし、こちらに、その御家族の方と一緒にこちらに残って暮らしていらっしゃる方もいらっしゃいますでしょうし。しかし、その母数が分からないにしても、韓国が真相究明委員会で韓国におけるその被害者からの申請を受け付けたものが19万件、そのうち労働者として徴用された人が13万件、そのうち死亡、行方不明があるということで申請した遺家族の方が2万3千件あるということなんですね。その2万3千件という数から見ても、868体というのは余りにも少な過ぎるということで、韓国の方からもそういう不満の声が上がっているというのは聞いております。
政府から各自治体に調査依頼をされて返事が来たものがそれだけなんですが、幾つの自治体から返答があって、幾つからはなかったのか。回答がなかった自治体に対しては、今後改めてもう一度再調査を依頼するなり、そういうことを当然やられると思いますが、いかがでしょうか。 |
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| 鈴木直和・厚生労働省職業安定局長(以下、鈴木局長) |
今御指摘ありましたように、朝鮮半島出身の旧民間徴用者等の御遺骨につきましては、昨年の6月20日付けですべての地方公共団体と宗教法人に対して情報提供依頼を行いました。今御紹介ありましたように、現在、地方公共団体及び企業から寄せられた情報分として、868体の遺骨の所在に関する情報を韓国側に提供したところでございます。
この後も地方公共団体に対してはフォローアップをしていきたいと考えておりますし、それから、これからの宗教法人からの情報提供と合わせて、情報収集、これから進展するものと見込んでおります。 |
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| 神本議員 |
回答がなかった自治体にもフォローアップをしていきたいというふうに受け止めてよろしいですね。
それから、その次に、昨年5月の第一回日韓、これ実務者協議だと思いますが、韓国側からの要請で、調査は体系的かつ広範にということで、具体的に埋火葬認可証や徴用者の死亡報告の情報提供というものを厚労省が中心になって是非欲しいということが出されておりますけれども、これらの情報は死者を特定して遺骨がどこにあるのかということを突き止める重要な情報源であると思います。
これについて、すべての地方公共団体からこの埋火葬認可証、徴用者の死亡報告の情報提供というものについて取り組みをなさる、働き掛けるべきだと思いますけれども、これについてはいかがですか。 |
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| 鈴木局長 |
昨年の6月20日に情報依頼をしたときに、そういった遺骨に関する情報が所在する可能性がある部署ということでいろんな例示を挙げて情報提供の依頼をしております。
その中で、今御指摘のありました埋火葬認許証等につきましては、6月20日の段階でもそういったものを例示として挙げておりますが、韓国側から、そういった調査を徹底してほしい旨の要望がございましたので、今年の1月に、これについては注意を喚起するために、すべての地方公共団体に対して埋火葬許可証等に関する部分について再度調査を依頼したものでございます。 |
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| 神本議員 |
その調査依頼された文書は見せていただきましたので、あと、それがどのように各自治体で取り扱われるかということが重要だと思うんですね。本当に捜すのか。新聞報道などを見ますと、厚労省さんがせっかく出された文書がたらい回しになって、都道府県で総務課が受けて、総務課から市町村に行くと、どこの部署も対応するところがないということで、たらい回しになって、結局、うちにはないという返事でもうそれで終わりというふうなことも報道されておりますし、私、NGOの方からこの埋火葬認可証というものの写しを見せていただいたんですが、本当に、死亡者のところに、本籍地、これは韓国、朝鮮の住所が書かれておりますし、亡くなられた方のお名前、日本名になっている方もいらっしゃいますが、それから死亡場所、死因、それから埋葬地も書かれております。
本当にこれ、こういうのが見付かれば、遺族、家族の方はどんなに、何といいますか喜ばれるというか、60年たった今ですけれども、非常にこれは重要な書類だと思いますので、是非この発掘を各自治体に、すべての自治体が取り組むように働き掛けていただきたいんですが、いかがでしょうか。 |
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| 鈴木局長 |
昨年6月20日に依頼をして、その中に例示をして依頼をしておりました。また、今年の1月、依頼をしておりますので、そういった面で地方公共団体の方も誠実に取り組んでいただけるものと考えております。
今後、実地調査等の段階でも、そういった関係のところには協力をお願いしていきたいと考えております。 |
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| 神本議員 |
是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、そういう死亡情報ということでは、これもお借りしているんですが、戸籍への記載の元になる死亡情報を含む戸籍受付帳というものが福岡県山田市から、また同様のこういう資料が北海道の富良野町からも出てきたというふうにお聞きします。これも、こういう山田町の受付帳なんですが、この中に、同じように、本人の名前とそれから本籍地、それから死亡情報等も書かれております。
この戸籍受付帳ですね、こういうものもどの程度保管されているものなのか、市町村合併でこれから様々にこういうものも処理されたりするおそれもありますので、早急に保管状況を調べて、この中にそういう情報がないかということを把握していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 |
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| 鈴木局長 |
戸籍受付帳につきましては、昨年6月20日の段階でもそういった戸籍の担当部署にも確認してほしいというお願いをしております。
埋火葬認許証につきましては、その後、韓国側から要請がありましたので再度という形でやっておりますが、ただ、いずれにしても、地方公共団体、私どもがいろいろ例示をしてお願いをしておりますので、誠実に対応していただいたものと認識をしております。 |
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| 神本議員 |
今まで幾つかの死亡情報が含まれた名簿等のお話をしましたけれども、地方公共団体に厚労省としてお願いをされて、そしてそこから上がってきたのがどのぐらいなのか、私、担当の方とお話ししましたら、それは申し上げられませんと言われて、私は何とも評価のしようがなかったんですね。
その厚労省さんが出された文書を見ますと、関連の情報提供につき御協力お願いすることといたしました。なお、この情報提供依頼は地方公共団体の自発的な協力を仰ごうというものですが、上記の趣旨も踏まえて、是非とも御協力お願いしますと。あくまであなたたちの自発的な協力ですよという、こんなことわざわざ書かなくたって当り前でしょうという感じなんですね。それから、提供お願いしたい情報のところにも、以下のような情報がある場合には、判明している範囲で構いませんので、別添の回答表に記入の上この回答送付先までというふうな、何だか、本当にすべての自治体からなくなる前に、資料がなくなる前に何とか早く集めて韓国に誠意ある情報提供なり遺骨を探し出そうという、全然腰が引けて、見えないんですけれども、どうですか。 |
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| 鈴木局長 |
国と地方公共団体の関係、これは指揮命令関係にあるわけではございませんので、あくまでも情報提供依頼ということでお願いをしております。
ただ、その依頼に当たっては、そういった資料があるないにかかわらずいろいろ情報提供をお願いをしておりますし、電話等でもフォローをしておりますので、そういった点から地方公共団体の協力は十分得られるものと考えております。 |
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| 神本議員 |
こういう腰が引けた状態ではもう何年たっても出てこないでしょうし、もう出てきた分だけで、はい、終わりですということにしかならないと思いますので、それについてはまた後でちょっと触れたいと思いますが。
また、韓国側からは具体的に、例えば厚生年金名簿、供託金名簿などにも死亡者名や就労した企業名、死亡年月日などが記載されているので、そういうものも集めてください、情報提供くださいということが向こうから依頼をされていると思います。
私、福岡出身ですけれども、やはりこの問題にずっと取り組んでいらっしゃる市民団体、今、去年辺りネットワーク、全国ネットワークをつくって本当に精力的な取組をしていらっしゃるんですが、その方からお借りしたものは、変災、変わった災い、変災報告書綴というんですが、ある鉱業所の落盤事故の資料なんですね。そうしますと、これに、だれが亡くなったと、1人につき1枚ずつ亡くなった方の名前、韓国、朝鮮名の方がいらっしゃいます。そして、2枚目に落盤事故の図があって、これのどこでどのような格好で、状態で亡くなったかということまで1枚1枚企業が作っているものがあるわけですね。こういうものが保管されている、すべてとは言いませんけれども、保管されている可能性があるということを前提に、これもなくならないうちに是非もう総力を挙げて探し出していただきたいと思うんです。
こういうものを民間の手で探し出して、それが実際遺族の方とつながったときに、その遺族の方はこれを読みふけり、この図を見たり、こういったものを読みふけって、父はこのようにして亡くなったんですねと言って本当に泣き崩れられるというような新聞記事を見たりしたんですけれども、私もそれはよく分かります、その気持ちをですね。
そういうことを是非、これは厚労省だけではなくて、先ほど大臣おっしゃったように、内閣官房も外務省も一緒に協力してやっているわけですから、政府全体としてこういう気持ちを、何というんですか、気持ちを思いながら、思いをはせながらこの名簿探しをやっていただきたいというふうに思いますけれども、今日は厚労省しかおいでになっていただいておりませんので、厚労省、担当としてどうですか。 |
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| 鈴木局長 |
この朝鮮半島出身者の遺骨の問題、これは非常に重要な問題でございますので、厚生労働省としてもこの問題に対して体制を整えて現在取り組んでいるところでございます。
今後とも、厚生労働省としてできる限りの情報が集まりますように取り組んでまいりたいと考えております。 |
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| 神本議員 |
もう時間がなくなりそうなので、最後に、今日、厚労大臣、文科大臣もおいでになっていらっしゃいますし、副大臣もおいでのようですので、今の厚労省任せのような取組だけでは、先ほど言いましたような、本当に必要な死亡情報が集められて、それを基に遺骨に行き当たって、その遺骨をちゃんと返還できる、遺族の元にお返しするというところまでとても行かないうちに遺族の方がまず高齢化してお亡くなりになるというおそれもありますし、こちらが今、まだ今なら残っているかもしれない情報が消却されたり、もう処分されたりするというおそれもありますので、これは本当にスピード感を持って体制を整えてやるべきだと思います。
お聞きしましたら、厚労省には人道調査室というのが置かれまして、これはいいんですが、3人そこにいらっしゃるだけだというふうにお聞きしたんですね。予算は特に組まれていないので、庁費でそこで調査する予算は使われるというふうなことをお聞きしました。こういうことではなくて、政府と、それから自治体と企業と、それからNGO、それから仏教会、全日本仏教会も総力を挙げて協力するというようなことも聞いておりますので、是非この五者が緊密な連携の中で総合的な調査ができるように取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
それぞれの大臣の決意をお伺いしたいと思います。 |
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| 川崎大臣 |
一昨年来の経緯、また事務的に進んでいる状況を局長から御説明申し上げました。
今お話ございましたように、内閣官房が全体の調整を行う、官房長官がされます。また一方で、日韓の信頼関係の問題でありますから、外務省が韓国との関係、民間企業との関係をやる。また、小坂さんにも今横で話していたんですけれども、文科省は宗教団体との関係をやっていただく。また、地方自治体の動きが鈍いじゃないかという御指摘をいただいて、もうちょっと厚生労働省しっかり言えと、こういうお話をいただきました。これは、実際は総務省がしっかり物を言ってもらわなきゃならないと思っております。各役所がそれぞれ連携取りながら、そして正に韓国の大統領から言われて総理が引き取った話でありますから、小泉内閣としてもしっかりやらなきゃならないと、こういう認識をいたしております。
一方で、私どもは中で組織をつくらしていただいた、これは現地に出向きます、経費の問題いろいろありますけれども、現地に出向いて各地域を調査させたいと、この1年間やらせますので、また成果が上がった段階で御報告をさしていただくことになるだろうと思います。 |
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| 小坂大臣 |
| 神本委員、大変に熱心に勉強されての御質問でございますから、私ども確かに重要な問題だという認識を改めて深くしたところでございまして、今厚生労働大臣おっしゃったように、内閣官房を中心にいたしまして、外務省、厚生労働、そして総務省、さらに私ども文部科学省、宗教団体との連絡を担当しておりますから。そういった意味で、これはタイミングが非常に重要だという認識を持って、その御意思に、皆さんの気持ちに添えるような取組を厚生労働省としっかり連携を取ってまいりたいと存じます。 |
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| 神本議員 |
厚生労働大臣、文科大臣、前向きに政府として取り組むという姿勢を表していただきましたので、大変今日は質問してよかったなというふうに思っております。あと、これが具体的に本当に人的に、もう体制として大臣同士で話していただいて、体制を取って前へ進めていただきたいということを申し上げたいと思います。
仏教会のこと、曹洞宗のことを私ちょっと資料で読んで感動したんですけれども、ここはきちんと、自分たちも戦争に加担したという反省の下に、二度とこういうことを繰り返さないためにということで、その宗派の中に方針を立てて、6項目の基本原則を作って、それに基づいて自分たちのお金でダイレクトメールを送ったりして調査を進めていらっしゃる、もう自分たちの問題と自覚して主体的にやっていらっしゃるという、このことは学ぶべきだと思いますので、最後に蛇足ですけれども付け加えさせていただいて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。 |
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