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国会活動2005年
2005年5月18日(水)
少子高齢社会に関する調査会
少子高齢社会に関する調査
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神本美恵子参議院議員
神本議員
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
昨年の10月の少子高齢社会に関する調査会、本調査会設置以来、鋭意調査を進めてまいりましたが、調査を通じまして感じた点について、私の方からは強調したい点にポイントを絞って述べさせていただきたいと思います。これは会派の皆さんの意見を集約したわけではございませんので、是非この後の意見交換で積極的に意見を述べていただきたいと思います。

まず、出生率低下の要因につきましては、未婚化、晩婚化あるいは女性の高学歴化による社会進出の進展、若年世代の雇用情勢の悪化等が指摘されていますけれども、私は、一番の問題は、固定的な性別役割分担意識というものが依然として根強く、育児を含む家庭責任というものが女性に重くのし掛かっているという点が一番大きな問題ではないかと感じております。そのために相変わらず女性のみが仕事か出産かという二者択一を迫られる、そういう現状にあるのではないか。若い世代が結婚や出産そのものを先延ばし、いわゆる未婚や晩婚、先延ばししたり、出産をためらったり、そういうふうに感じるのも無理はないと思います。女性の就業の有無にかかわらず家庭責任は女性が果たすものということを前提とした現在の男性の働かされ方といいますか働き方が変わらない限り、少子化解消は難しいのではないかというふうに私は感じております。

こうした中で、まずは、男女ともに長時間労働を強要されない、必要な休暇が取得しやすい、そういう職場環境、社会環境に変えていくことが必要であると思います。

具体的には、一つには、時間外勤務手当の法定割増し率を国際水準である50%までに引き上げ、企業が時間外労働を自粛する、そういった体制整備を進めること。
二点目には、勤務時間の短縮を制度化する。三点目は、多様な働き方をするためのワークシェアリングの検討。四点目は、育児休業については、これは我が党の多様なライフスタイルを選択できるというような男女共同参画施策の中にもあるんですが、パパクオータ制の導入、夫婦が一日4時間ずつ育児休業を取得するなどの分割取得の容認。五点目には、次世代育成支援にとりくむ企業に対する優遇策の検討。

こういったことを政治が率先して男女ともに仕事と子育ての両立を可能にする雇用環境の条件整備ということで進めることがまず最初の課題ではないかというふうに感じております。つまり、性別にかかわらず、結婚、出産、育児、介護、様々にライフステージの中で家族的責任が来るわけですけれども、その責任を果たすためにどのような働き方を選択しても不利益を被ることがない、そういう仕事と家庭の両立支援策を講じることが喫緊の課題ではないかと考えます。さらに、多様な働き方やライフスタイルを選択できるという観点からは、専業主婦世帯を前提とする現在の税制、社会保障制度を見直して個人単位の制度に変えていくことも必要ではないかと考えます。

次に、昨年12月には子ども・子育て応援プランが策定されましたけれども、残念ながら、政府としての取組に対する強い意思や姿勢が伝わってくるものではありませんでしたというのが正直な感想でございます。進行する少子化に真剣に対応するためには、子どもを基本に据えた政策に国を挙げてとりくんでいく姿勢が求められているのではないかと思います。

第一には、北欧、西欧、参考人の方からお話をお聞きしましたが、その例でも分かりますように、男性の働き方の見直しを含めた男女共同参画社会の推進が挙げられます。
固定的な性別役割分担意識の解消などにより女性の就労及び就労の継続を促進することは、少子社会の中で労働力人口減少への対応にもつながるのではないかと思います。また、選択的夫婦別氏制の導入、婚外子差別解消なども、多様な家族の在り方を認めるということでライフスタイルに中立的な社会をつくる上でも重要であり、安心して子どもを産み育てることができる社会につながると思います。

第二に、子育てや教育の心理的負担の軽減が挙げられます。
都市化や核家族化の進行により、地縁血縁のつながりが薄くなるなど子育てが孤立化し、子どもに何かあった場合には親の責任を追及するという社会的圧力が強まっています。そういったことが子育てや教育に対する心理的負担を一層強めているのではないかと思われます。

日本の保育施策は保育に欠ける子どもを預かる措置制度として位置付けられていますが、少子化時代の子どもの育ちの観点から考えますと、親以外の大人と接したり年齢の異なる友達と遊んだりする中で成長する場として保育所は重要な役割を担っていると言えます。

そこで、親の就労の有無にかかわらず、先ほど中原理事からもお話がございましたが、幼保一元化による就学前の、ゼロ歳児から就学前までの保育、教育といった観点からの再構築が必要ではないか、また、NPOや市町村、自治体の協力、協働によって、つどいの広場、地域子育て支援センター、また就学してからは学童保育など、地域における子育て支援の拠点を整備し、子どもは社会の宝だという考え方で、地域全体で子どもの健やかな育ちを見守るコミュニティーの形成が重要であるというふうに考えます。

第三に、子育ての経済的負担の軽減が挙げられます。
理想の子ども数を持つことができない最大の理由として、子育てや教育にお金が掛かり過ぎるという点が指摘されています。具体的には、児童手当について所得制限を外し支給対象年齢を義務教育終了まで引き上げるなどの拡充、また教育費の負担を軽減するために奨学金制度の拡充も必要です。

第四に、社会保障給付費の配分の見直しです。
我が国の社会保障給付費全体に占める高齢者関係給付費の割合が69.9%であるのに対し、児童・家庭関係給付費の割合はわずか3.8%にすぎません。本日新聞でも報道されていましたけれども、少子化問題を政府の最優先課題としてとりくんでいくのであれば、更に踏み込んだ議論を行い、十分な財源を児童・家庭関係の方に確保することは不可欠であると思います。

以上述べてきた点は、少子高齢化をめぐる課題の大きさから見てそのほんの一端にすぎません。だれも経験したことのない少子高齢社会、人口減少社会をこれから私たちは経験していくわけですけれども、それを担っていくのは子どもたちです。しかし、子どもたちは選挙権を持ちません。その意見は政治に反映されにくいという現状にあります。したがって、未来を担う子どもの健やかな成長とその支援策を考えるとき、常に当事者である子どもの意見が政策決定過程に反映されるように、私たち大人が配慮することも考えていかなくてはならないのではないかと思います。

最後に、税制、社会保障制度を始めとして、人口増加を前提としてつくられた社会のシステムを見直すことができれば、少子高齢社会、人口減少社会は成熟社会とも言えるわけですし、決して悲観すべき社会ではないのではないかということを申し上げまして、私の意見表明といたします。
終わります。
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