| 2004年6月1日(火) |
| イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 |
| 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案外九案件の審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
今日は有事関連の法案の質問に入ります前に、これは通告していなかったんですけれども、イラクにおける2人のジャーナリストの方がお亡くなりになった襲撃事件についてですが、このお2人の方がお亡くなりになったということで、まず心から御冥福をお祈りしますとともに、御家族の方には、御遺族の方には心から哀悼の意を表したいと思います。
その上で、これは官房長官の記者発表で、まずは何よりも、小川功太郎さんは御遺体の確認ができたということですけれども、橋田さんの方はまだきちんと身元確認ができていないということで、一刻も早く政府としては身元を確認をしたいというふうなことが記者発表されているんですが、政府として、この襲撃がどのような状況で起こったのか、その犯人はだれなのか、また日本人と知ってねらわれたのかというような、この事件の背景というようなことを是非とももう全力を挙げて真相解明をしていくべきではないかと、そのことを官房長官お述べになっていらっしゃらないんですけれども、当然、余りにも当然だから述べていらっしゃらないのか、通告していなくて申し訳ないんですが、外務大臣、このことに関して、まず冒頭にお伺いしたいと思います。 |
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| 川口順子・外務大臣(以下、川口大臣) |
このお2人の方がお亡くなりになったことにつきましては、橋田さんの方につきましてはまだ御遺体が御家族によって確認をされるという状況にはなっておりませんけれども、このお2人が亡くなられたことにつきましては私も心から哀悼の意を表させていただきたいと思っております。
それで、その上で、状況について、事実関係、分かっていることもございます。これについてはかなり報道で出ておりますので既に委員もお聞きでいらっしゃるかと思いますけれども、必要でございましたら申し上げますし、時間がということであれば、これは省かせていただきたいと思いますが、いずれに…… |
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| 神本議員 |
| 簡潔に。 |
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| 川口大臣 |
簡潔に。はい。
それでは、5月の27日の現地時間の8時半ごろにイラク大使館にイラクの方がいらして、これについての情報提供がございました。それで、それによりますと、バグダッドの南方の約30キロのマフムーディーヤというところの近くで、日本人2名、イラク人運転手、イラク人通訳の乗る車両がバグダッドにむけて進行中に襲撃をされたということでございます。それで、爆発、炎上をしたということでございました。それで、イラク人の運転手及び日本人1名は脱出をした。残りの日本人1名、イラク人通訳は炎上した車の中に取り残された模様であるということでございまして、現実にそうであったということでございます。
それで、犯人がその脱出をした日本人1名を連れ去って、翌日の28日に現場から10キロ離れたユーセフィーヤにおいて遺体で発見をされた、これは小川さんでいらっしゃいますけれども、発見をされたということでございます。翌日に、28日の午後でございますね、イラクの大使館員が病院に赴いてその御遺体と対面をしたということでございます。それで、御遺体はその後、クウェートに搬送されたということでございます。
それで、日本政府といたしまして、委員がおっしゃられますように、今後、今なかなか、もう少し詳しく分かっておりますけれども、今ちょっと省きましたが、それについて分からないことも更にございます。現場の治安の関係でなかなか制約が、事実関係については制約があるということは確かでございますけれども、これはまず第一義的にイラク警察、CPAでございますが、CPA及びイラク警察がこれを担当しておりますので、こういったところと協力をしながら、制約はございますけれども、日本としてできるだけこの事情あるいは理由、犯人といいますか、その襲撃をした人間がどういう人間であった等々について確かめていきたいというふうに考えております。 |
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| 神本議員 |
それでは、今日、私は国民保護法案を中心に御質問をさせていただきたいと思います。
まず、井上大臣に、日本国憲法では、もう言うまでもなく平和主義、基本的人権の尊重、それから国民主権という大きな三つの柱を理念として持っているんですけれども、この国民保護法案を始めとする有事関連の法案、有事法制ですね、これと憲法とはどのような関係にあるのかということについて、まず、もう大枠のところで憲法とこの有事関連の法案についてのお考えをお示しいただきたいと思います。 |
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| 井上喜一・内閣府防災担当大臣(以下、井上大臣) |
申すまでもなく、憲法というのは日本のこれは国内法規としては最高の法規でありまして、すべてのルールが憲法の範囲内の中じゃないといけないということでありますし、条約におきましても、条約というのは両説ありますけれども、これまでの運用におきましては条約を実行するための国内法規を作らないと実行できないような、そういうことでありまして、正に名実ともに憲法というのは最高法規だと、そんなふうに考えております。したがいまして、このたびのこの国民保護法制等七法案ですね、いずれも憲法の規定に沿うもの、その範囲内にあるものというふうに理解しております。
特に問題になりますのは、自由でありますとか人権につきまして、この制約は正に公共の福祉に沿うような最小必要限度のものであるということでありまして、この点が今お触れになりました憲法との関係におきましては一番の問題になるところだろうと思いますけれども、これらにつきましても、私どもは憲法の範囲の中で最小必要限度の自由なり人権についての制約を設けたと、こういうことであります。 |
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| 神本議員 |
憲法の枠内であるというお話だったと思いますけれども、この有事法制は、これはもう本当にあってはならないことですけれども、万々が一我が国が武力攻撃を受けたときにこれに対応するということで今審議されているんですけれども、憲法前文の平和主義と、それから九条の戦争放棄の規定を持つ我が国としては、まず第一に、こういった武力攻撃を受けることがないように外交努力その他で環境整備をしていくということがこの日本国憲法の精神であるというふうに思います。
そこで、外務大臣にお伺いしたいんですが、憲法の前文ではそのことをはっきりと宣言しております。特に前文の後段の、2つ目のパラグラフですかね。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」。
正に、諸国民の公正と信義に信頼して、安全と生存を保持するということを決意したということから考えれば、この有事法案はもしかしたらどこかが攻めてくるかもしれないということを前提としたものでありますから、私はこの精神とは相入れない部分があるのではないか。あるいは、憲法の枠内と井上大臣はおっしゃいましたけれども、憲法のこの理念、精神を内側からどこかゆがめていく部分があるのではないかというようなことを、私はそういう疑念を持ちながら今日の質問に立っておりますが、この有事法制が特定の国によって武力攻撃が行われるということを念頭に置いたものではないというふうに政府はこれまでの審議の中で御説明なさっています。しかし、特に太平洋戦争において日本が侵略をした国々、アジア諸国を中心とする諸外国にそういうあらぬ誤解を与えぬようにする必要があるのではないかと思います。
そういった意味で、政府としてはどのようにそういったアジア諸国を中心とする諸外国への説明なり、日本は憲法前文でうたっている諸国民の公正と信義に信頼したこれまでと同じように外交をやっていくんだということについて、外務大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。 |
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| 川口大臣 |
国の独立と主権、そして国民の安全を守るということは、我が国にとって非常に重要なことであると考えております。そういう意味では、平素から備えあれば憂いなしということを言葉で申し上げておりますけれども、そういった考え方に立って、我が国が武力攻撃を、我が国に対する武力攻撃、これに対応をする、対処をする体制を作っておくということは国としての責務であると考えております。それで、それがもちろん我が国の憲法の下で行われるということは当然のことでございます。
外交ということですけれども、これは外交によって我が国の平和と安全、安定、これを守っていくということであります。したがいまして、外交を行うことによって我が国に対する武力攻撃を未然に防止をするということが重要であるというふうに考えております。
そういう意味で、我が国としては、もちろん近隣の諸国との二国間ベースでの友好関係ということをもって維持していくということが大事でありますし、また広く国際社会全体が平和であって安全で繁栄をしていくような、そういった努力をしていくということも重要である。これは外交の役目であると私は思っています。
そういったことに、考え方に基づいて外交というものに取り組んでおります、外交に取り組んでおりますけれども、このおっしゃった有事法制、これについて、おっしゃるように透明性を持った形で近隣の諸国に説明をしていくということは大変重要なことでございます。したがいまして、今までもそういった説明はしてまいってきております。理解をいただいていると考えております。今後ともそういった努力、説明をしていく努力、透明性を持って説明をしていく努力、これは引き続き継続をしていく所存でございます。 |
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| 神本議員 |
次に、具体的に条文に沿って質問をしていきたいと思いますけれども、まず基本的人権の尊重ということについてでございます。
これは第四条、「国民の協力等」というところの四条二項で、協力は国民の自発的な意思にゆだねられ、要請に当たり強制にわたることがあってはならないというふうになっております。第五条の「基本的人権の尊重」の二項では、国民の保護のための措置を実施する場合において、先ほど井上大臣おっしゃいましたが、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、制限は必要最小限のものに限られというふうにされております。しかし、この強制があってはならないというところと、四条のその規定と、五条の制限は必要最小限、強制があってはならないけれども必要最小限の制限はあるということですよね。これは矛盾しないのかなというふうに私は思うんですね。
それで、強制されないということをどのように担保していくのか。必要最小限というその基準はどこで決められるのか。公共の福祉に違反しない限りという、何かそことの関係があるんでしょうけれども。
それから、五条の二項のところに、二項の後段には、「思想及び良心の自由並びに表現の自由を侵すものであってはならない。」というふうにあります。そのことをどう担保するのかというようなことについて井上大臣にお伺いします。 |
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| 井上大臣 |
原則的な考え方は、基本的人権あるいは自由を尊重するということでありますけれども、しかし、国民を保護するためにどうしても最低限そういった人権なりあるいは自由を制限せざるを得ない場合があるわけでありまして、そういう点に照らしまして、正に客観的に必要と認められる最小必要限度にとどめるということでございます。
したがいまして、手続におきましても大変慎重な配慮をいたしておりまして、物資の収用、例えば医薬品が足りない、医薬品を調達しなきゃいけないというような場合に、医薬品を持っている人から買い上げる、そういう場合に、どうしても買上げのための措置を取らないといけないような場合がありまして、そういう場合には買上げを強制するというようなことがあるわけであります。その場合にも要請をいたしまして、その後、そのような措置を取るということでありますし、また土地等の収用につきましても、どうしてもその土地が必要だといいます場合にも、まず要請をいたしまして、それでもどうしてもこの話合いが成立しない場合にこの収用の手続を取るということでございます。
それから、医療ですね、お医者さんにお願いいたします場合も、これも要請をいたしまして、どうしてもそういうお医者さんの協力が得られない場合には、これは強制をするということではなしに指示をいたしまして、その協力を求めると、こういうことにしているわけでありますが、このお医者さんなんかの場合にはその罰則で担保をするということじゃないわけですね。あくまで最終的にお医者さんの協力が得られるかどうかはお医者さん自身の意思によるということになろうと思うんです。
そういった措置を取っているわけでございますし、さらにこの表現の自由なんかにつきましては、指定公共機関に放送ですね、機関を加えると。ひとつ協力をしていただきたいと考えておりますが、この場合にも必要なこと、つまり迅速に的確に一般の国民に知らせなくちゃいけないことがございます。
例えば、対外的な武力攻撃があって避難をしないといけないというような場合等々ですね。そういう場合にはその協力を求めることになるわけでありますけれども、指定公共機関が業務計画を作ります場合にも、それはもう正に自主性に基づいて業務計画を作っていただくと。政府がお願いする部分、例えば警報だとか避難等につきまして、その部分については迅速に的確に放送していただきたいということでありまして、それ以上の規制を加えるということは考えていないわけでございます。
恐らくは、その場合に必要な助言をすることがあります。指定公共機関、特に放送機関が業務計画を作ります場合に助言をすることがありますけれども、これは助言を行う、するということは中身を是正するということではなしに、いろんな情報の提起をするということでございまして、私どもとしましては、基本的にこの表現の自由につきまして、とかく規制をしていくという考えはございません。
そういうことで各、そういう人権とか自由に関連する部分につきましても最大限、この何といいますか、自由とか人権を尊重していくことでございまして、規制の部分についてはもう最小必要限度にとどめているというふうに考えております。 |
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| 神本議員 |
| 手続的に、その最初は要請をして、そしてそれでも拒否された、その要請に応じてもらえないときは、物資であれば、医薬品とかであれば押収するということもあるということですか。今の御説明でいくと必要最小限ではあるけれども、要請に応じない場合は強制的にそれを応じさせるという場合があるというお話だったというふうに私は受け止めたんですけれども、それでよろしいんですか。 |
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| 井上大臣 |
| 強制的に収用いたします場合も、今みたいに押収するというようなことじゃございませんで…… |
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| 神本議員 |
| 言葉違ったんですか。 |
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| 井上大臣 |
| 正常な対価をもってそれはもう支払うわけであります。ですから、医薬品であれば医薬品を売っていただく、それを強制をするということでありまして、必要な対価はお支払をするということであります。 |
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| 神本議員 |
それにしても、ここのところは二条、二条じゃない、ごめんなさい、四条で、国民の協力のところで、要請に当たり強制にわたることがあってはならないというふうになっているところは必ずしも全部が担保されるわけではないということですね。そういう、そこは一つ、私は疑念といいますか、四条と五条が矛盾するのではないかということを指摘しておきたいと思います。
それから次に、六条のところで「国民の権利利益の迅速な救済」ということで書かれておりますけれども、これに関しては民主党も衆議院で修正案の中で、の附帯決議として盛り込んでおりますけれども、実際に国民の保護のために措置が実施される事態を考えたときに、累次の行政機関に対する不服申立て、訴訟などが相当数同時に提起されることが想定されるのではないかというふうに思います。そういった場合に、解決に10年、20年というふうに掛かることも考えられて、それはとても迅速な救済とは言えないと思います。
このような事態に対応するために何か具体的な方策というものが検討されているんでしょうか。 |
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| 井上大臣 |
今お触れになりましたように、衆議院の審議におきましてこういう不服等の申立てなり訴訟につきまして、迅速に対応するということで審議が行われ、あのような附帯決議になったわけでございますけれども、私どもとしましては、どういうような状況が起こるか分かりませんけれども、いずれにしましても、その不服の審査方法なりあるいは行政事件の訴訟法に基づいて、事件といいますか、事案がスムースに解決できるように対処しなくちゃいけないと思っています。
したがいまして、いっときに非常に多くの事案が出てきた、出てくるような場合は、その事案を処理するような体制作りも必要だと思っておりまして、これらのことにつきましてはもう少し具体的に検討いたしまして、そういう対処の指針の中ではっきりさせていきたい、そんなふうに考えております。
衆議院におきます附帯決議につきましては、私ども十分よく承知をいたしておりまして、そこは審議の中で明らかにされましたことにつきまして的確に対応できるようにいたしたい、そんなふうに考えております。 |
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| 神本議員 |
戦争が起こると、最初の犠牲者は真実であるというような言葉を聞いたことがあります。正に思想、良心、表現の自由が真っ先に統制、弾圧の対象になるという、これは経験の中から出てきたのではないかと思います。
先ほど、四条、五条で書かれていること、本当に強制にわたることがない、思想、良心の自由といったようなものにも強制、そこまで制限することにはならないということをお伺い、ならないの、矛盾しないのかということでお伺いしましたが、本当にそのことが担保されるのかどうかということについては、先ほどの御説明では私はまだ今ひとつ納得しかねております。
今後、今の権利救済のこともですが、基本指針や計画や業務計画等で具体的にそこが明らかになっていくと思いますけれども、その基本指針や計画、あるいは業務計画を立てるときにも、この基本的人権の尊重ということが憲法で規定する侵すことのできない永久の権利としてきちっと担保される、保障されるようにということをしていかなければ、正に公共の名の福祉、公共の福祉の名の下にそのことが強制につながっていくようなことになれば、憲法の内実を崩していくことになる、その枠内であると言いながら、枠の中で憲法の内実が崩されていくということになるのではないかということを指摘をしておきたいと思います。
次に、保護の対象ということについてお伺いをしたいと思います。
政府は、この間の審議の中で、この国民というものについて、日本に居住し又は滞在する外国人の生命、身体及び財産についても武力攻撃から保護すべき対象というふうに御答弁をされていると思います。
そうしますと、この国民の保護のための措置を実施するに当たって、外国人も当然含まれるわけですから、その外国人に対してはどのような配慮を行われるのか。特に、この保護法案の中で、警報の発令、避難の誘導というようなことが行われるようになっておりますが、外国人の方については、長く日本に住んでいらっしゃる方はそうではないかもしれませんけれども、日本語がまだ十分でないというような方については言葉を始めとして様々な問題が生ずることが考えられますが、これについてはどのように対応されるお考えか。大臣と、それから実際、具体的には市町村なり自治体が対応するでしょうから、総務省の方からもお伺いしたいと思います。基本的な考え方と、総務省とですね。 |
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| 大石利雄・内閣官房内閣審議官(以下、大石審議官) |
お答えいたします。
国民保護法案におきましては、外国人もその保護の対象にいたしているわけでございます。武力攻撃事態等におきまして、いかに必要な情報を的確にこういった外国人の方に提供するか、その在り方につきましては、これから、法案成立後策定いたします基本指針の策定過程におきまして、関係省庁と十分相談しながら検討してまいりたいと考えておりますけれども、特に御指摘ございましたように、外国人の方に対する警報の伝達、それから避難誘導、これがスムーズに行われる必要があるわけでございまして、その際には、市町村が消防を中心として指揮を行いながら、警察と協力しながらきめ細かな配慮の下に円滑に行えるように十分基本指針策定過程で検討してまいりたいと考えております。 |
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| 清水達雄・参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会委員長 |
| 井上国務大臣。 |
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| 神本議員 |
次の質問と一緒に。
じゃ、今のことと、次に、一口に外国人と言ってもいろんな方がいらっしゃいますので、どこから、どこの国が攻めてくるか分からないんですが、その攻めてきた国のいわゆる敵性外国人というんですか、敵国民というんですかね、そういう方も当然出てくると思うんですね、そういう存在にならざるを得ないというか。そういった方についての対応については、この法制の整備の中で政府内で特に検討、どのような検討がなされたのかということをお伺いしたいと思います。大臣に。 |
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| 大石審議官 |
お答えいたします。
外国人につきましては、いわゆる敵国、敵性外国人と申したらいいんでしょうか、そういう方でございましても外国人としては同様に国民保護の対象にするという考え方でございます。 |
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| 井上大臣 |
| 日本の法律は、特別に日本国民だけを対象にした規定につきましては、もとより日本人だけに対象になるわけでございますが、一般的にはそれらの外国人にも適用されるわけでございまして、特別に外国人であろうと、あるいは敵性の外国人であろうと一般の日本国民と区別をして考えるということは全体としてはしておりません。 |
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| 神本議員 |
具体的には、先ほど総務省の方では、これから基本指針なり計画の中で詰めていくというお話ですが、基本的に区別をして取り扱うことはないと。
ただ、関東大震災のときに外国人に対して、御承知のように、検問とか排除とか虐殺などで多くの方を死に追いやったというような経験を持っていると思うんですね。そんなことが起きないように、本来ならば、国民とはだれかということを、今大臣おっしゃったようなことをきちっとこの法案の中に明示して、在日外国人や一時滞在者も含むすべての日本国内居住者であるというようなことを明記すべきであると思いますし、また、外国人に対する不当な差別を禁止するというような条文もどこかに明記すべきではなかったかなと。これから基本指針なり計画の中ででもそういったことを明記すべきではないかというふうに私は思っております。
それから次に、国民の協力ということについてお伺いしたいと思います。
国民の協力は、先ほどもちょっと読みましたように、第四条で任意的なものというふうに規定されていますけれども、第四十二条「訓練」、七十条「避難住民の誘導への協力」、それから八十条「救援への協力」、百十五条「消火、負傷者の搬送、被災者の救助等への協力」、百二十三条「保健衛生の確保への協力」というふうに、具体個別的な協力についての規定がありますよね。この個別の協力の規定が置かれている理由は何なのか。
百六十条の第一項では、四十二条の訓練を除いて、要請を受けて行った協力により生じた損害の補償について規定がされております。
政府の考え方としては、この国民の協力というのは限定的なものであって、その限定された、要請された協力について損害、損失が出た場合にはその補償をしますよというような、そういうふうな考え方なんでしょうか。これ以上の協力というのは考えていらっしゃらないのか、いかがでしょうか。 |
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| 井上大臣 |
| 国民を保護をするということのためには、単に国とか地方公共団体とかあるいは指定公共機関だけではなしに、広く国民の、何といいますか協力が必要だと思うんでありますけれども、ここで言っております協力は、特に国民保護のために必要なものというのに限定をいたしまして書いているわけでございまして、これ以外に全く国民の協力が必要ではないのかといったら、そういうことではございません。保護の中心を成すものにつきましてここに記述をして特別に国民の協力を求めていると、こういうことでございます。 |
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| 神本議員 |
ということは、そもそも協力の要請を受けた、限定された、そこについては損害の補償を受けるというふうになっているわけですよね。
そうすると、第四条の三項で、自主防災組織やボランティアにより行われる国民の保護のための措置に資するための活動に必要な援助を与えるというふうに書かれておりますけれども、この規定と併せて読みますと、片方は、要請された協力について損害が出たときには補償しますよと、自主防災組織やボランティアは自主的なものでありますからこれについては損害の補償がない、しかし、四条の三項では必要な援助を与えるというふうに書かれていますが、ここの関係はどうなっているんでしょうか。 |
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| 井上大臣 |
| この自主防災組織とかボランティアといいますのは、正に国民の皆さん方に協力をしていただきます場合にこれは中心になる組織といいますかグループだと思うんでありまして、そういうことで、こういったグループに対する支援の措置あるいは情報の提供等を書いているわけでございますが、こういった人たちに対しても特別なことをお願いいたしまして、また特別の損失が生じた場合は、それはもう当然、一般の方と同じようなそういう措置を考えるのはもう当然のことでございます。 |
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| 神本議員 |
| だから、自主防災組織やボランティアの方に要請、協力の要請が行われた場合はそういう損害補償がある、しかし、要請がなくても自らそういう、避難誘導とかそういうものに自主的にかかわって、その場合にけがをしたり不幸にして亡くなったりというようなことがあった場合には、それはどうなるんですか。 |
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| 井上大臣 |
| その辺のところはもう少し検討をさせていただいて、いろいろと問題が出る場合もあろうと思うんでありまして、その上で最終的な取扱いは決めたいと思うんでありますけれども、原則的には、私どもが自主防災組織とかあるいはボランティアの人に特定のことをお願いすることになると思いますので、そのときは、負傷等がありました場合は、それはもうしかるべき対応があるわけでございますが、今のお話のように自発的にやられた場合は、もう少しこれから検討を、これはいろんな状況があると思います、させていただきたいと、こんなふうに思います。 |
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| 神本議員 |
これはちょっともう時間がないので見送りまして。
次に、四十二条で訓練についても協力の要請が規定されていますけれども、訓練ということで、その訓練の必要性ということは分かりますが、その訓練をするということが国民に、もしも武力攻撃事態があればと、その事態にはいろんなことが想定されているようですけれども、そういったことを想定しながら避難訓練等を行うと思うんですが、そのことが国民の不安を必要以上にあおったり、それから事実上の訓練が強制されたり、様々なことの強制の契機にならないような歯止めを掛ける必要があると思いますけれども、その点はいかがでしょうか。 |
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| 井上大臣 |
ごもっともな御質問だと思います。
正に訓練は、国民保護のためにどういうような行動が必要なのか、その行動についての訓練でありまして、それ以上のものではございません。したがいまして、その必要以上に、何というか、不安をかき立てたり、あるいはまた他の目的を持って訓練をするということはありません。 |
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| 神本議員 |
また、その訓練についてですけれども、これについては、私は以前小学校の教員をしておりましたけれども、学校現場では今でも、何というんですか、もし火事が起きたときはということで避難訓練とか、地震が起きたときはという、そういう避難訓練とか、そういう防災訓練を学校行事としてやってきているんですが、例えば訓練については、指定行政機関の長等は、それぞれ国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画により、それぞれ又は他の指定行政機関の長などと共同して国民の保護のための措置の訓練を行うよう努めなければならないというふうに訓練の努力義務が規定されています。
例えば、文部科学省は、地方公共団体の長と共同して学校における訓練をどうするのかというようなことが、これから考えなければいけないと思いますけれども、文部科学省として、学校での訓練の在り方についてどのように考えていらっしゃるのかということについてお伺いをしたいと思います。 |
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| 高杉重夫・文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官(以下、高杉総括官) |
先生御指摘の学校での訓練、学校において、やはり児童生徒の生命、身体、その安全を守るということは極めて重要なことでございます。したがいまして、先生今御指摘のように、各学校においては、地震や火災などに備えた防災訓練でありますとか、それから学校への不審者、これが侵入した場合に対する防犯訓練、こういうものを多くの学校において定期的に実施をしております。
具体的に各学校においてどのような訓練を実施をするのかということにつきましては、それをどのような状況を想定をしてどのような訓練をやるのか、それはそれぞれのやはり学校それから設置者、そこが学校や地域の状況を踏まえて判断をして適宜実施されるものであると、こう思っております。
したがいまして、私ども、これから有事の際における対応につきましても、法案が成立した暁には、本法の趣旨を踏まえて、関係省庁と連携を取りつつ検討を進め、児童生徒がしっかりした安全意識を持つ、そして緊急時における安全確保が十分に図られるよう関係のところに指導してまいりたいと思っております。 |
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| 神本議員 |
| この学校での訓練ということについては、それぞれの学校なり自治体で判断をしてやっていくというような今御答弁だったと思いますけれども、これまでの防災訓練と違って、この有事事態の避難訓練というのは、どこかの国が攻めてきたときにはこう逃げるんですよというような、結局子供たちに何の訓練なのかというのをきちっと説明をして、そして、だからこういう避難をするんだというようなことを、もし学校でやるとすればそういう説明が必要なわけですよね。そういう訓練の在り方等はこれから協議をして決めていくというようなお話ですけれども、学校で行われるこの訓練も、国民、住民からは協力、訓練に協力をするということになっていますので、例えば教職員や児童生徒に対してそのことを強制するというようなことにはならないというふうに考えていいんでしょうか。 |
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| 高杉総括官 |
| どのような訓練を行うのかということ、それぞれの状況を想定をして、どのような訓練をいつどのような形で実施をする、また訓練をやるかどうかということについては設置者及び学校での判断ということになります。したがいまして、そこで学校行事として取り扱うということになれば、通常の学校行事と同じような取扱いがなされるものであると考えております。 |
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| 神本議員 |
どのような訓練を行うのか行わないのか、学校行事の中でどうするかということは学校で決めて、通常の学校行事と同じ扱いであるというふうに受け止めていいですね。はい。
ちょっとそれでは、次に国民の保護に関する基本指針などについてお伺いしたいと思いますけれども、この国の基本指針、指定行政機関や地方公共団体の計画、それから指定公共機関や地方公共機関の業務計画については、これは平時に策定されるものであるにもかかわらず、これは国会に報告するのみというふうになっておりますね。
三十二条でそういうふうに書かれていますけれども、今までの質問、何点かさせていただいたのでも、ほとんどが基本指針でそれは明らかにするとか、基本計画、計画の中でそこはこれから詰めていくというような御答弁が多かったように思うんですけれども、となると、実際の基本指針がどのようなものになるのかということがこの国民保護法案の具体的な中身になってくると思うんですけれども、少なくともそのイメージというか、アウトラインというか、私はこの法案二百条を超す条文を読ませていただきましたけれども、イメージが浮かんでこないんですね、わいてこないんです。なぜかなと思ったら、やっぱり具体的なものはその基本指針なり計画で明らかになっていくんだなということを思いましたが、となると、そのことを国会に報告するのではなくて、国会の場できちっと政府が説明をし、そこで議論すべきではないかというふうに私は思いますけれども、大臣、それについてはいかがでしょうか。 |
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| 井上大臣 |
この法律、なかなか大部なものでありまして、全体読んでいただくのも大変だと思うんでありますけれども、私の感じは、大部であるだけに非常に懇切丁寧にこれ書いてあるんです。規定しておりまして、眼光紙背に徹して読んでいただきますとおぼろげながらお分かりいただけるんじゃないかと私は思うんでありますが、したがいまして、この基本指針といいますのは、いわゆる法律の運用を書くわけですね。どういうように運用していくかということを指針の方で書くわけでございまして、これは通常、所管の行政官庁に任されていることだと思うんでありますけれども、事は国民の保護法制ということで、初めてのことでもありますし、いろんなことに関係しますので国会に報告をしたということでございます。もとより、国会の中でいろいろな御説明をしたり、あるいは御疑念の点についてはお答えをするということはあると思います。
これと同様の規定が災害基本法にも書いてあるわけでありますけれども、災害基本法の場合はただもう作るだけでありまして、報告もする、そういう義務も置いていないわけでございます。
私どもは、これはえらく粗末に、だからって、その基本指針を無責任に作って国会に知らせないなんてなことじゃなしに、これは法律の範囲の中で、しかも、運用につきまして割かし事細かく書こうと思っておりますので、報告をいたしますれば、もとよりも、そういう説明を求められれば説明をいたしますが、そこで十分御理解がいただけるものと考えている次第でございます。 |
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| 神本議員 |
じっくり読めばもしかしたらおぼろげながら何か浮かんでくるのかもしれませんけれども、私はそのじっくり読む時間もなく必死で読んだんですけれども、おぼろげにも浮かんでこなくて、むしろ、最初にも言いましたけれども、憲法の枠内とおっしゃるけれども強制にわたることがやっぱりあるのではないかというような疑念、それは、基本的人権の保障している憲法のその原理を、このおぼろげながら見える国民保護法制の中で何か変質させられていくのではないかというような懸念とか、それから、今日はちょっと質問する時間はなかったんですが、市民の知る権利やメディアの報道の自由といったようなものも侵害されるのではないかとか、そういったものがここではよく分からないんですね。
多分、基本指針で、その運用部分でもっと細かい具体的なことが示されてくると思うんですけれども、そういう問題がここの国会でやっぱり議論ができないということは、お聞きすればいいんでしょうけれども、逐条ずっと、今お聞きしただけでも幾つかしかないんですが、もう時間がこんなにたってしまいましたし、納得できるきちっとした説明に、説明といいますか応答になったというふうには私は思えませんでした。
それで、まずおぼろげであっても、だれがじゃ避難誘導するのか、どこへ誘導するのかというようなこともいまいちリアリティーがない、この法案は、そういう感じがしました。むしろ、この中で私に浮かび上がってきたのは、内閣総理大臣が頂点にいて、総理大臣が各指定公共機関なり指定行政機関を通じて縦に国民を統制していくような法案ではないかなというようなことが私におぼろげながら分かったところでございます。
今後また、残った質問についてはまた機会を見付けて質問させていただくということで、若林議員に交代したいと思います。
ありがとうございました。 |
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