| 2004年5月26日(水) |
| 法務委員会(衆議院)・答弁 |
| 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律案 |
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| 小宮山洋子・衆議院議員(以下、小宮山議員) |
民主党の小宮山洋子でございます。
私も、3年前つくったときには共生社会調査会のメンバーで、つくり上げた一人といたしまして、本日、3年後の見直し、このような形で質疑をすることができて、本当によかったと思っております。
この法務委員会は、司法制度改革など法案がたくさんございまして、参議院で上げていただいてからなかなか質疑ができないではらはらしていたんですが、本当にきょうを迎えられてよかったと思っておりますし、調査会の皆さん、特に見直しのPTでいろいろ御検討いただいた、きょうの発議者の皆さんに、心からお礼を申し上げたいと思います。
2001年の10月からことしの3月までに保護命令が3,824件も出されておりまして、このことだけでも、本当につくってよかった、役に立っている法律だと思っています。ただ、子供のことをどうするか、あるいは今も話題になった加害者更生プログラムなど、幾つかやり残した課題がございまして、ぜひ見直しをしなければということで、見直しPTをつくるところまで参議院におりましてこちらに来てしまいましたので、本当に当事者の皆さんや支援する方々の声も聞いていただいて、内閣府の方では中期的、長期的と言っていた課題まで盛り込んで改正の案をつくっていただいて、本当にありがとうございました。
まず、発議者の皆様に何点か伺っていきたいと思います。
第10条の保護命令に関してですけれども、元配偶者に保護命令が発せられるのは、元配偶者から引き続き受ける身体に対する暴力により生命または身体に重大な危害を受けるおそれが大きい場合とされていますが、こうなりますと、離婚後、身体に対する暴力を受けない期間があると命令が発せられないということにならないか。発せられないとすると、実際に命令が発せられるケースが限定されてしまうのではないかと思うんですが、その点を確認したいと思います。 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党の神本美恵子でございます。
ただいま小宮山議員から、参議院で小宮山議員が見直しプロジェクトチームに入っていらっしゃいましたが、その後を受けまして、チームの中で一員として皆さんと御一緒にこの改正、見直しをやってきたところでございます。
答弁に先立ちまして、一言。
きょう、たくさん傍聴にお見えになっておりますけれども、この見直しを1年余りやる中で、本当に、被害当事者の方々の声や、支援に携わっていらっしゃる弁護士さんや団体の方々から生々しい声をたくさん聞かせていただきました。その思いをPTメンバーのみんなで精いっぱい受けとめながら、この改正案の中に盛り込んだつもりでございます。不十分なところもあるかもしれませんけれども、そういった観点から、きょうこの衆議院の法務委員会で審議をしていただけるということを大変うれしく思っております。委員長を初め、皆さん方の御努力に心から敬意を表したいと思います。
そこで、今お尋ねの件ですけれども、元配偶者から引き続き受ける身体に対する暴力のところに対する御懸念でございますが、元配偶者に対して保護命令を発するかどうかは、婚姻中に受けた身体に対する暴力と離婚後に行われる配偶者であった者からの身体に対する暴力とが一連のものとして評価されるかどうかにより決せられるべきものであります。したがって、離婚後、身体に対する暴力を受けない期間がある程度存在する、つまり、暴力が中断しているというようなことをもって命令が発せられなくなるとは考えておりません。
以上です。 |
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| 小宮山議員 |
同じく第10条の第2項、先ほど申し上げた、やり残した一番大きな課題だと思っておりました子供の問題ですけれども、結局、つくったときには、暴力を受ける被害者の人権を救済する新しい法律ということで、子供に直接暴力が加われば虐待防止法で対応するけれどもということで、子供については手が届かなかったところが、今回、子供の保護命令が入ったことは大変よかったと思います。そのことに関して、2点伺いたいと思います。
まず、被害者の子への接近禁止命令を発する要件として、「配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるとき」ということになっておりますが、例示されている「幼年の子」というのはどの程度の年齢の子を想定しているのか。また、子が幼年でないと発せられないというのでは限定的過ぎると思われますけれども、子への接近禁止命令が発せられる「その他の事情」としてどのような事情が想定されるのか、伺いたいと思います。 |
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| 神本議員 |
まず、「幼年の子」については、保育園児、幼稚園児、または小学生に相当する程度の年齢を想定しております。
また、子への接近禁止命令が発せられる「その他の事情」については、例えば、配偶者が被害者の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っている場合において、被害者の子が幼年であるとは言えないものの、例えば病弱であったり障がいを持っているというような場合とか、また被害者みずからがその子の身上監護をすることを要すると認められるときでありますとか、配偶者が連れ戻した子に虐待を加えることがそれまでの子に対する態度等から予想されるというような場合は、必ずしも幼年でなくても接近禁止命令を発することがあり得ると思っております。 |
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| 小宮山議員 |
やはり子供のことによってせっかくのこの保護命令が機能しないということがないように、なるべく限定的でなく、実効性があるように使っていけるようにしていただきたいというふうに思っています。
やはり第10条第2項に関してですけれども、配偶者と別居中の場合など、家事審判などによって子への接近禁止命令が発せられるよりも前に配偶者に子供との面接交渉が認められていたり、または、子への接近禁止命令が発せられた後に子との面接交渉が認められるということがあると考えられますが、こうした面接交渉との関係はどのように整理されているんでしょうか。 |
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| 神本議員 |
お尋ねの点につきましては、さまざまな声の中で特に強い要望があった問題でございます。特に、学校や保育園の現場からは、例えば、父親なのだから子供に会わせろとか、住所を教えろとか、会わせないと養育費を払う必要がないというような、面接交渉権を振りかざして妻の住所を突きとめたり子供を連れ去ったりというような事例も届けられております。最終的には、配偶者によるこのような行為が正当な理由に基づくものとして、つきまとい、徘回に該当しないこととなるのかという形で問題になるものと思われます。
その点に関して、まず、家事審判等によって面接交渉が認められた後に子への接近禁止命令が発せられた場合については、一般的には、既に面接交渉が認められていることを前提としまして、その後の事情の変更等を考慮した上で子への接近禁止命令が発せられたものと考えられることから、例えば、配偶者がその認められた内容に従って面接交渉をしようとして子の住居の付近に近づいたとしても、そのことをもって直ちに当該行為が正当な理由に基づくものとされることにはならないと考えます。
他方、子への接近禁止命令が発せられた後に家事審判等によって面接交渉が認められた場合については、一般的には、既に子への接近禁止命令が発せられているということを前提として、その後の事情の変更等を考慮した上でその面接交渉が認められたものと考えられることから、例えば、配偶者がその認められた内容に従って面接交渉をして子の住居の付近に近づいた場合、それが通常の態様による限り、正当な理由に基づくものとして、子へのつきまとい、徘回には該当せず、保護命令違反に当たらないことになると考えられます。
なお、子への接近禁止命令は、あくまで被害者の生命または身体に危害が加えられることを防止することを目的としておりますので、子に近づくことを禁止するものであって、面接交渉について定めた家事審判等との間において、その効力や内容自体について互いに影響を及ぼし合うものではないというふうに考えております。 |
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| 小宮山議員 |
| 今福島さんが言われたように、本当にこれは参議院のよさを生かしてと衆議院に来た私が言うのも変ですけれども、参議院の超党派で人権の問題などに調査会の機能を使って生かしていくということで立法をして、ただ、そのときには、なかなか市民の皆さんの声を聞いても意見交換会までしてというふうにはいかなかったわけですけれども、つくった後、本当に綿密にいろいろな御意見を伺って、今回できて、議員立法だったものが市民立法になったという、本当にそのことはいい形のモデルとしてあるのではないかなというふうに思っています。
次の質問ですけれども、今回の改正では、第23条で「被害者の国籍、障がいの有無等を問わず」というように、外国人、障がい者等への対応に関して規定を設けていますけれども、その趣旨はどういうところにあるんでしょうか。 |
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| 神本議員 |
外国人、障がい者等いわゆるマイノリティーの女性の人権につきましては、昨年夏にも、国連の女子差別撤廃委員会の日本政府報告書に対する勧告の中にも言及されております。
DV防止法については、外国人である被害者、障がい者である被害者も当然その対象であり、現行法の23条第1項の規定により、職務関係者がこうした被害者の人権をも尊重しなければならないということは言うまでもないことであります。
しかし、現状では、例えば言葉の壁でありますとか文化の違いなどによって必要な保護が受けられなかったり、また、外国人登録証をたどって住所が知られるなどの問題も指摘されております。障がいがあることによって、例えばファクス対応や手話、点字などの対応の配慮も必要なことでありますけれども、それがなされていないというような、必ずしも十分に徹底されていないというようなことから、このことを踏まえまして、今回の改正においては、同項を改正いたしまして、職務関係者は被害者の国籍、障がいの有無等を問わずその人権を尊重しなければならないということを確認的に明記することとしたものであります。
この改正によって、外国人である被害者や障がい者である被害者に対しても、その人権に十分に配慮した対応がなされることが期待されるところであります。 |
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| 小林千代美・衆議院議員 |
民主党の小林千代美です。ラストバッターを務めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
まずは、参議院共生社会に関する調査会の皆様、この間、本当にお疲れさまでした。きょうのこのDV法の改正案がこの法務委員会でかかるということをきっと待っていた方々も大変多くいらっしゃるのではないかなというふうに思います。一日でも早く被害者の方々が救済をされる、そして自分のもとの生活に戻っていけるような法律になっていってほしいというふうに私も思っているところでございます。
質問もいろいろ出てまいりました。具体的な内容に入っていきたいと思います。
まずは接近禁止命令の範囲なんですけれども、今回、接近禁止命令が、子供が入ることになりました。これについては私も大変評価をしていることです。ところが、今回、実際に、親族、支援者への接近禁止命令は入らなかったわけなんですね。
例えば、子供を幼稚園や保育園から連れ出すぞ、拉致するぞみたいにおどしをかけるような場合も今まで事実としてございました。あるいは、被害者の方をかくまっている親族の方ですとか支援者の方々が加害者から被害を受ける、犠牲者になる、死亡事故まで起きてしまうというような事件も実際にありました。
こういうことを考えると、私は、子供だけではなくて、親族、支援者まで入った方がよかったのではないかなというふうに思うところでございますけれども、今回のこの接近禁止命令の範囲について御説明いただきたいと思います。 |
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| 神本議員 |
今、小林委員おっしゃったように、今回の議論の中では、今回拡大されましたのは元配偶者と子供への接近禁止命令ということですけれども、親族、支援者に対しても広げるべきではないかというようなことは確かに議論の俎上に上っております。
しかし、今回の改正では、元配偶者と子供への接近禁止命令を発令することができるようにしております。
そうしましたのは、配偶者が被害者の子へ接近することは、一般的には、被害者の生命または身体に危害が加えられるおそれを直接に生じさせる行為ではなくて、被害者への接近禁止命令が発せられていれば、被害者の生命または身体に危害が加えられることは防止されることになります。
しかし、例えば、配偶者が被害者の子をその通園先や通学先において連れ去り、委員も御指摘のように、そこで人質として子供をとるというような、そういうことがありますと、その子の身上を監護するために、被害者がみずから配偶者に、暴力を振るうことがわかっていながら、配偶者のところに面会を余儀なくされるというようなことが認められることになります。
そのような場合には、被害者への接近禁止命令が発せられていても、被害者と配偶者が物理的に接近せざるを得ない、そのことによって、被害者が配偶者からさらに身体に対する暴力を加えられる危険が高まり、その効果が減殺されてしまうということになります。実際にそのような事例が多いことも報告されておりますし、内閣府の暴力専門調査会報告でもこのことは指摘されております。
そこで、今回の法改正におきましては、このような形で被害者に認められている接近禁止命令の効果が減殺されることがないように、その防止のために、被害者への接近禁止命令とあわせて、被害者の子への接近禁止命令を発することができるというふうにしたものであります。 |
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