| 2004年5月25日(火) |
| 内閣委員会 |
| 消費者保護基本法の一部を改正する法律案の審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。本日はありがとうございます。
議題となっております消費者保護基本法でありますけれども、これは1968年に議員立法で制定され、今回は実に36年ぶりの改正だというふうにお聞きしております。
この35年間の経済社会環境の変化、また、近年におきましては企業不祥事が続発し、消費者のトラブルなども増加しているというふうに聞いております。民主党が先日ヒアリングを受けた消費者団体の調査によりますと、消費者からの相談件数は10年前の実に約5倍増、また平成15年度は50%増の130万件とも推計されております。国民生活審議会は、21世紀型消費者政策の在り方というのをまとめまして、この中でもこの基本法の見直しを提言しております。
民主党としては、消費者、生活者の立場に立って、その観点から是非ともこの基本法を見直すべきだという立場で、今日お見えいただいております我が党の原口一博議員を中心に、消費者団体や弁護士の方々から御意見を伺いながら党内論議を進めてまいりました。そして、4月9日に民主党の独自案もまとめたところでございますけれども、今回の改正は、与党側でまとめられました独自案を皆様の御努力で全会派一致ということで山本委員長の提案としてまとめられた、そのことにまず敬意を表するものでございます。
そこで、今回の改正の私は一番大きな特色といいますか、画期的なことだと思いますのは、消費者の権利をこの中にきっちりと位置付けられたということだと思います。そこで、この権利についてまずお伺いをしたいと思います。
この法律の名称そのものが消費者保護基本法から、今回、消費者基本法というふうに変えられていることからも明らかなように、消費者というのは保護の対象ではなくて権利の主体であるというとらえ方ではないかと思います。私は、権利というのは、行政からやだれかに与えられるものではなくて、本来的に消費者が持っているものだというふうに考えております。
そういう意味で、今回、2条1項に消費者の権利が明記されたことは大変有意義だと私は思いますけれども、一点目は、この権利を位置付けた意義、この法案に位置付けた意義についてまずお伺いをしたい。それから2点目は、この理念のところ、2条の中に、2条1項の後段に、消費者の権利の尊重とともにとして、消費者が自ら自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援するというふうにありますけれども、この権利と自立との関係についてもお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。 |
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| 原口一博・衆議院議員(以下、原口議員) |
おはようございます。御答弁をさせていただきます。
冒頭、各委員におかれましては、大変な御努力の中で消費者政策の憲法と言われるこの基本法の見直しについて真摯な御議論をいただきまして、そして全党派一致という中でここに至りましたことをお礼を申し上げたいと思います。また、神本議員におかれましては、民主党の総括副大臣として消費生活を引っ張っていただきましたことを併せてお礼を申し上げます。
さて、答弁でございますが、今回の消費者保護基本法の見直しの意義は、消費者を、今、神本議員がお話しになりましたように、権利の主体として位置付けたというところでございます。消費政策を、国際的に認められた消費者の権利を実効的に確保する見地から消費者政策を策定、実施する旨を規定することにあって、正に、今、神本議員がお話しになりましたように、消費者の権利というのは本来国民が持っている自然権的な権利というふうに認識されるべきものであって、また、消費者の権利は、権利なくして自立なしという考えの下で規定されるべきものであるというふうに考えております。
消費者の自立が規定されたことの反射的効果として消費者の云々というものが規定されるようなものではないということで、今回、法案の中で、消費者が安全で安心できる消費生活を送ることができるようにするためには、消費生活における基本的な需要が満たされ、健全な生活環境が確保される中で、安全の確保、選択の機会の確保、必要な情報の提供、教育の機会の確保、意見の反映、被害の救済がまずもって重要であり、今回の改正においてはこれらを消費者の権利として位置付けているものでございます。
また、このように消費者の権利を規定することによって、行政、事業者、消費者のそれぞれが消費者の利益の擁護及び増進のために取るべき行動の方向性がより明確になって、個別法令の整備や施策の充実を促進する上での指針となると、こういう意義もあるものと考えております。
また、後段の御質問の自立との関係でございますが、第2条1項では、今お話しのように、消費者の権利の尊重を消費者の自立の支援の前提として、かつ、これと一体のものとして消費政策の基本理念として規定をしております。消費者の権利を尊重すること、そのような権利の主体である消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動する、このことのために自立を支援することは相互に密接な関連を有し、一体のものであるということでこのような規定ぶりとなったものでございます。
また、第2条第1項の冒頭の規定ぶりについては、民主党の主張に各会派の御理解をいただいて、単に消費者政策の推進はとされていたものを、消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な施策の推進はとし、消費者の利益の擁護等のために施策を講ずるものであることを明らかにするという表現になったものでございますが、このような経緯からしても、この法案が消費者の権利ないし利益というものを一番中心に据えて作成されたものであるということを御理解いただけるものだと思っております。
以上でございます。
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| 神本議員 |
ありがとうございます。
権利と自立の関係につきまして明確に、権利なくして自立なし、自立のためのその前提として権利があるんだというような今御答弁をいただきまして、私も大変、これはこれからの消費者政策を進める上で非常に重要なことではないかというふうに思っております。
ヒアリングをいたしました消費者団体の方や日弁連の方々からも、この自立ということを前面に出すことによって自己責任というようなことが強調され過ぎると、本改正案の1条にも今回付け加えられました、消費者と事業者との間には情報の質及び量並びに交渉力等の格差があるということがきっちり置かれておりますので、そういう意味から、自立の前提として権利があるということを明確にお答えいただきまして、大変安心しております。
次に、この消費者の権利の内容についてお伺いしたいと思いますけれども、この法律がこれからの将来を見据えて、消費者の権利に関する国際的な動向も踏まえたものとして考えられたと思いますが、民主党案では、CI、国際消費者機構で示しております8つの権利を規定することが必要と考えたところでありますけれども、本改正案のこの権利に関する検討の経緯とその権利の内容についてお伺いをしたいと思います。 |
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| 原口議員 |
今先生が御指摘のとおり、民主党案と申しますか、民主党の主張に各会派の御理解をいただいて、今回のその権利の中には、CI、いわゆる国際消費者機構の8つの権利の内容を余すところなく位置付けることになりました。その8つの権利、特に国民の消費生活における基本的な需要が満たされる、これは発展途上国だけではなくて先進国についても、我が国のように大変消費生活の豊かな国においても大変重要な規定である、それは単に衣食住が足りるということではなくて、国民生活における基本的な需要、これは安全で安心なものをしっかりと消費者が手にすることができる、そういう権利であるというふうに思っております。
また、その健全な生活環境が確保される中でという、このCIの権利も明記をしております。健全な環境というのは一体何なのか。情報がシャワーのように浴びせられ、結果として消費者が、先ほど神本先生がお話しになりましたように、様々な契約の中で不利益を得る、選択を迷う、あるいはその中で被害を受けるといったことがあってはならない、消費政策全体をめぐる環境についてもきっちりとその権利を明記したいという、そういう立法者の意思をここに書き込んだものでございます。御理解をいただければ幸いでございます。
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| 神本議員 |
次にまた権利のことですけれども、権利のうちに、今お話しいただきました安全確保、選択の機会、健全な環境の中で消費生活を営むというような、こういった権利を確保するといいますか保障するためにも的確な情報が消費者に提供されなければいけないと思います。
消費者から見れば、情報を知る権利といいますか、その知る権利が消費者に保障されるために、例えば具体的に事業者が情報をきちっと公開する、行政は説明責任を果たすというようなことが求められると思いますけれども、この知る権利を保障するために具体的にどのような施策が行われるべきだというふうに立法者としてはお考えでしょうか。原口議員にお伺いします。 |
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| 原口議員 |
法案の第2条第1項には、消費者の権利として、消費者に対し必要な情報が提供されることを明確に規定をしております。このような権利の確保のために講ぜられる施策として、後段の法案第17条の方で、国が消費生活に関する知識の普及及び情報の提供等消費者に対する啓発活動を推進する旨を規定しているところでございます。また、商品についても、今お話しのとおり、表示などを通じて適切な情報提供が行われる、情報を提供される権利との関係で重要な事柄でございます。特に、食品等の身近な商品の安全性については消費者が理解できなきゃいけない。理解できて初めてそれを選択することができますので、理解できる形での情報提供が必要であり、このような意味で事業者の責務という形で規定をしています。事業者の責務として必要な情報を明確かつ平易に提供することを規定している、これは法案第5条の第1項第2号、この意義は大変大きいものと考えております。
これは基本法でございますから、これから個別法の整備や運用に当たっては、このような趣旨を十分に踏まえて検討が行われ、速やかに整備が行われるべきものであるということを添えておきたいと思います。 |
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| 神本議員 |
是非ともこの基本法に明記された権利の中身が個別法の中でもきっちり生かされるということを御期待したいと思います。
次に、第7条にかかわるところですけれども、今、事業者の責務ということをお話しになりましたが、この「事業者の責務等」の中に消費者の努力規定ということで、現行法では第5条「消費者の役割」というふうになっているものが、今回は「事業者の責務等」というくくりの中で、消費者の努力規定が7条に位置付けられております。
冒頭申し上げました情報の非対称性といいますか、事業者と消費者の間の情報量の、量や質の格差があるということから考えれば、これは厳しい規定ではないかな、責務等の中にくくられているということで、というふうに思いますが、その基本的な考え方について、続けて原口議員にお願いいたします。 |
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| 原口議員 |
第7条には、消費者が知識を修得し、情報を収集するなど自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならないことということにしています。環境の保全及び知的財産等の適正な保護に配慮するようにまた努めなければならないことを規定していて、これは、だれかが権利をこの法律で消費者に与えたから、その結果としてその反射的なものが生まれるということで書いておるものではございません。見出しは様々な議論がございまして、この中身をごらんいただければ、ここで今読みました、努めなければならないという条文で尽くされておるものでございまして、消費者にとって特段厳しい規定をここに入れたというふうに立法者は考えておりません。
また、法案の検討の過程では、この規定にどのような見出しを付けるのか、今日、二人の同士、隣にいらっしゃいますが、随分議論しました。消費者の役割と名付けるのか、あるいは責務と名付けるのかについては正直様々な議論がありました。確かに、条文の見出しというものは、当該条項の内容を簡潔に表現して、当該条項の内容理解と検索の便に供しようというものでございますが、具体的な法規範の内容自体は当該条項の規定そのものにあるということは言うまでもないことでございます。私たちは、与野党を含めた協議の過程でこのような基本的な考え方を共有するところに至ったわけでございまして、重要なのは、責務か役割かということではなくて、規定の内容それ自体であるというふうに御理解をいただきたいと思います。本条項は、その条文どおり、自ら進んで云々するように努めなければならないという努力規定を定めたものと理解をしております。
また、このような経緯を踏まえ、この法案全体が、事業者と消費者の間には今先生がお話しになりました情報の非対称性その他の格差が存在すると、こういう基本的な認識の下に作られていることを考えれば、第7条の規定が国、地方公共団体及び事業者の責務と同じような意味で置かれている規定ではないことは御理解いただけるというふうに思います。 |
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| 神本議員 |
私もこの民主党の案を考えるときに議論に参加しておりましたので、ここについては大変懸念をいたしておりましたが、与野党の努力の結果、こういう形でより厳しい規定にしたわけではないということで確認をさせていただきたいと思います。
同じこの7条の2項のところなんですが、「消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び」、その次、「知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。」とあります。この知的財産権等への適正な保護への配慮というのはどのようなものであるかということ、これは岸田議員にお伺いをしたいと思います。それから、この条項が消費者、逆に消費者の権利を何か縛ることになるのではないかというようなこともちょっと懸念されるわけですけれども、その点については原口議員にお伺いしたいと思います。 |
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| 岸田文雄・衆議院議員 |
まず冒頭に、この消費者保護基本法の改正案、本日御審議いただきますこと、私の方からも心から御礼を申し上げます。
その上で、ただいま御質問いただきましたこの第7条2項の問題でありますが、この第7条2項、消費者が知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない、こうした規定を置いているわけでありますが、これは、この条文が想定しておりますのは偽ブランド品ですとかあるいは違法コピー商品、こういったものを想定しているわけであります。
この偽ブランド商品あるいは違法コピー商品、こういったものを製造し販売するということ、これは間違いなく法律に触れるわけでありますし、この権利を害するわけでありますが、一方で、消費者がそういったものを購入することもこうした権利を害することを助長することになるんではないか、そういったことを考えたわけであります。そういったことがないように、配慮する旨を消費者の努力規定として置いた、これがその第2項の趣旨であります。
本法案、36年ぶりの改正ということでありますが、この36年間の日本の社会の変化を考えますときに、例えば環境問題ですとか高度情報社会ですとか様々な変化があるわけですが、その中の一つとしまして、特にここ数年、我が国におきまして知的財産権に対する配慮、大きな注目を集めているところであります。知的財産基本法ができたり知的財産推進本部ができたり知的財産推進計画ができたり、こうした知的財産に対する考え方、配慮によって、我が国の産業ですとか文化ですとか、あるいは芸術、さらには情報通信技術にまで大きな影響が及ぶ、こうした問題意識が芽生えているわけであります。
そういった中にあって、消費者の立場からも、努力規定としてそういったものを考え自らの行動を考える、こういったことが必要ではないか、これがこの第2項の趣旨でございます。 |
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| 原口議員 |
後段の御懸念に対してでございますが、我が国は知財立国を目指している。私たち民主党も知的財産の保護といったことに強い政策的なドライブを掛けているわけでございますが、この法律は、今、岸田議員がお話しになりましたように、消費者が偽ブランドや違法コピー商品を購入することを念頭に置いているものであって、一方、御懸念の、例えば遺伝子組換えの食品の安全性についてどうか、そういう情報について法律上保護されるべきものかどうかということはまだ明らかではありません。むしろ、こういう安全性については、消費者の方に、立場に立てば、積極的に開示をされ、そして必要な情報が提供される、こういうことが必要でありまして、このことを妨げるものでは全くないということを確認した上でこの条項を作っております。
政府その他の関係者には、このような立法者の意思を踏まえて、この規定を適切に運用していただきたいというふうに思います。
繰り返し申し上げますが、この規定によって様々な消費者が得るべき知る権利を阻害するものであっては決してならないということを重ねて申し上げておきます。 |
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| 神本議員 |
是非とも、実際の行政上の運用に当たりましては、今の立法者の趣旨をきちっと踏まえてやっていただきたいということを私からもお願いしたいと思います。
次に、第19条の苦情処理及び紛争解決の促進についてお伺いいたしますが、今日傍聴にもお見えいただいております団体の方々などからも、特に相談現場から、苦情処理相談件数の急増は私先ほど申し上げましたが、それから、その相談内容の多様化、複雑化、広域化の中で、相談員の配置数が増えずに極限に近い状況で対応しているというふうなお話もお聞きしました。相談員の身分は非常勤嘱託や日々雇用、パート、不安定雇用、低賃金というようなことで、大変その体制の充実や待遇改善ということについても聞かせていただいたんですが、これは内閣府にお伺いしたいんです。簡単な御答弁でいいですが、現状、この苦情処理相談等どういうふうな体制で行われているのか、短くお願いします。 |
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| 永谷安賢・内閣府国民生活局長(以下、永谷局長) |
地方公共団体が行います苦情処理のあっせんの実情がどうなっているかというお尋ねであります。
御案内のとおり、地方公共団体が設置しております消費生活センターは、平成15年4月現在で全国に479か所置かれております。そこで消費者からの苦情相談に対する助言あるいは事業者との間のあっせん等を行うということをやっております。
先ほど先生御指摘になりましたけれども、全国のその消費生活センターに寄せられる苦情相談件数でありますけれども、平成13年度の65万件から、14年度が87万件、それから15年度はこれまだ暫定値でありますけれども134万件ということで、非常に増加しているという実態にあります。
そうしたその苦情相談の多くは消費者に対する助言等によって対応しておりますけれども、消費生活センターが事業者と消費者との間に立ってあっせんを行い解決した件数というのは平成14年度で約5万9千件ぐらいあるというような実情になっております。 |
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| 神本議員 |
そこで、改正案の19条では、現行法の15条の規定にプラスして、都道府県は、市町村との連携を図りつつ、主として高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とする苦情の処理のあっせん等を行うものとするということが一つと、とともに、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応するように努めなければならないというふうに今回改正されております。
これは、今の相談の現状、現場の現状から考えて、市町村消費者センター、都道府県消費者センターがともに相談の第一次窓口であるというふうにとらえていいのかどうか、お伺いしたいと思います。原口議員。 |
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| 原口議員 |
正にこの第19条は、苦情の処理及び紛争の解決の規定を充実させたものでございまして、その改正の趣旨の一つは、都道府県とともに市町村が消費者からの相談窓口としての機能を果たすことを明らかにしたものです。つまり、地方自治法をそのままトレースしてしまうとオーバーラップする部分がなくなってしまう。消費者を守るということは、これはある意味では危機管理的な要素があります。地方自治法をそのままトレースしただけでは済まない、こういう趣旨からこの規定を充実させました。
さらに、民主党の主張に各会派の御理解をいただいて、19条第1項、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応する旨の規定が置かれることになりましたが、これは都道府県の第一次的な相談窓口としての役割を重視するという発想から出てきたものでございまして、あくまで、1回侵害をされてしまうともう回復不能なぐらいこの契約をめぐる様々な消費者のトラブル、多うございまして、それに柔軟に対応できる、現場の声を踏まえたものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。 |
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| 神本議員 |
先ほどの内閣府の御答弁と、それから今の立法の立場からの御答弁で、是非ともこの相談窓口といいますか、その現場の体制充実を図って、消費者の様々な複雑化した、多様化した相談にきちっと対応でき、苦情処理ができ、そして紛争解決が促進できますように、これは行政の方に是非ともお願いをしたいと思います。
次に、第20条、「高度情報通信社会の進展への的確な対応」ということで、その中に、国は、消費者の年齢その他の特性に配慮しつつ、必要な施策を講ずるというふうに文言が書かれております。これは非常に私は、高齢化社会にもなりますし、そういう意味で、年齢その他の特性に配慮するというのは重要なことだというふうに思います。
これを実効あるものにするには、特に高齢者の方々、今インターネット社会ですから、そういうインターネットの情報を本当に理解ができるか、あるいはその操作ができるかということも含めて、消費者の側のメディアリテラシーというものが非常に重要ではないかというふうに思います。その確保のためにどのようなことを考えていらっしゃるのか、原口議員にお伺いしたいと思います。 |
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| 原口議員 |
正に御指摘のとおり、高度情報通信社会においては、情報を収集して、そして情報を読み解く力が必要となります。
ただ、じゃ高度情報通信社会といって、物すごい量の情報があるわけです。人間が一遍に物事をぱっと出されて認識できる数は7プラスマイナス2と言われています。そういう中で、もう処理不能なぐらいの情報がたくさん浴びせられたり、あるいはそこに錯誤が起こるようなことも小さく書かれている、こんなことがあっては消費者の権利を守ることはできません。特に高齢者、若年者等についてはそのための配慮が必要ということで、この問題意識を法文に規定をしております。
具体的には、教育及び啓発について規定した第17条に基づいて消費者教育等を適切に行っていくことが考えられます。また、事業者には消費者に対して必要な情報を明確かつ平易に、分かってもらって初めてそこに、そのさっきお話しになった情報のギャップの差が少しでも埋まるわけでございますので、事業者には消費者に対して必要な情報を明確かつ平易に提供する責務が課されているところも重要でございます。事業者には高齢者、若年者等にも理解しやすいような形で情報提供が求められていると考えております。 |
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| 神本議員 |
ありがとうございます。
是非、年齢やそれからその他様々な障がいがある方、障がいの種類にもよりますけれども、そういう方々に対しても配慮しつつ、その情報がきっちり理解されるようなメディアリテラシーに配慮してやっていく、その確保のための施策をお願いしたいと思います。
次に、消費者政策会議についてでございますが、これは27条以降に規定されております。
これにつきましては、現行法では消費者保護会議ですが、名称が変わっておりまして、その中身も随分充実する方向にされているというふうに思います。しかし、民主党の提案ではこれを8条委員会ということにしまして、これよりも、この改正案よりももっと一歩進んだものとして勧告権をそこに付与しよう、さらに消費者政策にかかわる政省令の制定改廃についてもこの委員会に諮問をし、この委員会から関係行政機関の長は意見を聴かなければいけないというような、そういう委員会にするべきではないかということを考えていたものでありますけれども、これはもうとにかくこの基本法が単なるお飾りではなくて実効のある、実効性のあるものにしようというための提案でございました。しかし、今回の提案では消費者政策会議というような御提案になっておりますけれども、この消費者政策の実施状況を、済みません、27条の2項の2の中に消費者政策の実施状況を検証、評価、監視することというふうになっております。
この点について、これは内閣府と原口議員にお伺いしたいのですけれども、内閣府としては、こういった観点を考えた上で会議の実際の運営はどのように現在と変わるのかという点です。現在は、お聞きしますと年に1回、これ内閣総理大臣を長とする会議だそうですけれども、年に1回行われるだけという、まあ言わせていただければ形骸化していると言ってもいいんじゃないかというような会議ですけれども、そうではなくて、先ほどからの議論でありますように、本当にこの基本法をベースにした政策が取られるような会議となることが求められると思いますので、その点について内閣府から、それから、とりわけ冒頭から言っております消費者の権利を確保するための会議はどのような在り方が必要かということについて、これも原口議員の方から、特に検証、評価、監視、これは民主党の案で入れられたというふうにお聞きしておりますので、その点について双方にお伺いをしたいと思います。 |
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| 原口議員 |
| まず私に対する御質問でございますが、先生お話しのように、民主党案では8条委員会として勧告権を付与する、つまり、今まで生産の現場での政策というのはありました、それが労働者であったり経営者の側であったりするものの。しかし、消費者、生活の現場での政策を一体的に戦略的に、この勧告権、8条委員会という強いものを与えて政府に対して強くこの消費政策を進めていこうというのが私たちの案でございましたが、今回この法案に置かれる消費者政策会議において新たに規定された内容としては、消費者基本計画の案の作成を行うことのほか、今御指摘にありました消費者政策の実施状況を検証、評価、そして監視するということが挙げられたわけでございまして、この検証、評価は、民主党の主張に各会派の御理解をいただいて、そして明示することになった部分でございまして、提案者としては、消費者政策会議がこの検証、評価などの役割を着実に果たして多岐にわたる諸政策を一体的に、しかも戦略的に推進する、そして説明責任をきっちり国民に対して果たす、こういうことを期待してこの法文を置いたものでございまして、繰り返しますが、消費者の側、これは国民と言い換えてもいいと思います、国民の生活の現場に沿った政策をより強く推進していきたいという立法者の意思の表れだというふうに御理解をいただきたいと思います。 |
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| 永谷局長 |
今回の改正案でありますけれども、3条で国の責務が規定されております。消費者の権利の尊重及びその自立の支援等の基本理念にのっとり消費者政策を推進する責務を有するというふうにされております。こうした考え方に基づきながらその政策を推進していくということが非常に重要であるというのがまず大前提であります。
それから、そういう中で、今、原口先生の御説明にもございましたけれども、9条で、消費者基本計画を策定する、その計画の案自体は消費者政策会議において作成されるというふうにされている、しかも、それに加えて、消費者政策の実効性を確保するために消費者政策会議は消費者政策の実施状況の検証、評価、監視ということまでやるようになっているということであります。
したがいまして、私ども内閣府としましては、こうした消費者政策会議における基本計画の策定、実施、検証を通じて、とりわけ情報提供でありますとかあるいは教育の機会の提供でありますとか、そういうものをてこに、その権利を確保するための消費者政策を強力に推進していきたいというふうに思っております。
神本先生の御指摘で年に1回云々というお話がございましたけれども、よく形骸化しているんじゃないかというふうに言われてきておりますので、いやしくも、今回のこの大改正を機に、そういうことが言われないような形での運営というものを考えていきたいというふうに思っております。 |
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| 神本議員 |
| 最後になりますが、附則の第2項に「検討」として、施行後5年を目途として検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるというふうになっておりますけれども、基本法ですのでそう度々改正するものではない、それにしても36年ぶりというのは余りにも置き過ぎというような感がするんですけれども、この施行後5年という期間をもって今回見直し規定として検討を加えられることが書かれておりますけれども、この趣旨について、何らか意図があると思いますので、お尋ねをしたいと思います。 |
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| 原口議員 |
正にありがとうございますという質問で、日進月歩の社会の中で、国民や消費生活を、これを取り巻く環境は急速に変化しています。例えば、数年前だと分からなかった化学物質、もうはんらんしています。あるいはダイオキシンに対する食品の安全というのも新しい問題提起がされています。こういう中で、消費者政策についてもこうした変化に的確に対応する必要がある、適切な政策が講ぜられる必要があるわけで、近年におけるIT化や国際化、あるいは科学技術の進歩、あるいは消費者をめぐる環境の変化、こういった状況にかんがみ、5年を目途とする検討規定を置いたところで、確かに基本法としては大変珍しいものでございますが、それだけ消費者を守る施策の枠組みといったものをよりビビッドに、より的確に変えていくべきだという立法者の意思をここに表したものでございます。
以上でございます。 |
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| 神本議員 |
御質問させていただきましたけれども、今回の法案、改正案は、本当に大きな、ある意味では大転換をした法律ではないかというふうに思います。
といいますのは、冒頭からこだわっております保護の対象から権利の主体へ、消費者は保護される、いろんなことを援助されて保護される立場ではなくて、本来持っている消費者の権利というものをここできっちり明記して、それを国、地方公共団体、それから事業者はサポートし、その権利を保障する責務があるということが明記されたという点で私は非常にこれは大きな改正だと思いますので、そのことを具体的にどうするかは、先ほど内閣府も御答弁ありました消費者政策会議というところできっちりと基本計画大綱を作りながらその施策を実施していくということが何よりもこの法を、基本法を絵にかいたもちにしない重要なことではないかというふうに思いますので、そのことを御期待しまして、立法者の方々に感謝を申し上げながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。 |
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