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国会活動2004年
2004年3月3日(水)
共生社会に関する調査会
参考人質疑
■参考人(敬称略・順不同)
 中島 眞人 (内閣府副大臣)
 原田 義昭 (文部科学副大臣)
 谷畑  孝 (厚生労働副大臣)
 佐藤 泰三 (国土交通副大臣)
狩野安・共生社会に関する調査会会長(以下、狩野会長)
ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。共生社会に関する調査を議題といたします。

本日は、「共生社会の構築にむけて」のうち、障がい者の自立と社会参加に関する件について、内閣府、文部科学省、厚生労働省及び国土交通省から順次説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。なお、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていきたいと存じます。なお、説明、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。

まず、内閣府より説明を聴取いたします。中島内閣府副大臣。
中島眞人・内閣府副大臣
中島でございます。本調査会の案件となりました障がい者の自立と社会参加に関する件に関する内閣府の対応について、御説明を申し上げます。

内閣府においては、障がい者施策の総合的かつ計画的な推進を図る観点から、障がい者基本計画の策定、推進に関する事務のほか、内閣総理大臣を本部長とする障がい者施策推進本部の事務を担当しており、関係省庁との連携の下に障がい者施策の推進を図っているところであります。

政府としての取組は、「障がい者施策の動向」、資料行っておるでしょうか、1ページに書かれております。現在、我が国の障がい者施策は、平成14年12月に閣議決定された障がい者基本計画及びその数値目標等を定めた前期重点施策実施五か年計画に基づき進められているところでありますが、これらは、それぞれ障がい者対策に関する新長期計画及び障がい者プラン、ノーマライゼーション七か年戦略を引き継いだものとなっています。

障がい者基本計画、この計画においては、21世紀に我が国が目指すべき社会として、国民だれもが人格と個性を尊重して相互に支え合う共生社会を掲げており、障がいのある方が社会の対等な構成員として、自己選択と自己決定の下に社会の様々な活動に参加、参画し、自らの能力を最大限発揮できるよう支援していくとの考え方に立っております。

このような共生社会を実現していくためには、政府だけではなく、企業、NPOなどの社会構成員が価値観を共有し、それぞれの役割と責任を自覚して主体的に取り組んでいくことが必要であります。このため、障がい者基本計画では、政府が関係者の理解と協力の下に取り組むべき障がい者施策の基本的方向を定めております。

施策を推進する上での横断的な視点として、四つのものを掲げております。第一は社会のバリアフリー化の推進であります。第二は利用者本位の支援であり、第三は障がいの特性を踏まえた施策の展開でございます。第四は総合的かつ効果的な施策の推進等を掲げて、四つの柱になっております。

以上のこの横断的視点や重点課題を踏まえ、啓発・広報、生活支援、生活環境、教育・育成、雇用・就業、保健・医療、情報・コミュニケーション及び国際協力の八つの分野について、それぞれの施策の基本的方向を示しております。その具体的な内容につきましては、お配りした計画本体の冊子を後ほどごらんいただきたいと思います。

また、重点施策実施五か年計画でございますけれども、まず地域基盤の整備の項目にある福祉サービスの整備量、ホームヘルパー6万人確保等の目標のような施策自体の整備目標を示すもの、精神障がい者施設の項目にある、条件が整えば退院可能な7万2千人の入院患者の退院・社会復帰を目指すことのような施策の実施効果の目標を示すものなど、広範囲にわたり障がい者の社会参加のための支援目標を掲げております。

内閣府の所掌に関する啓発・広報につきましては、重点施策実施五か年計画においては、啓発・広報活動の結果として、共生社会の用語、考え方の周知度を障がい者基本計画の計画期間中に成人国民の50%以上とするという目標を掲げてございます。

資料6ページには内閣府の取組を掲げておりますが、内閣府では、都道府県、指定都市との共催による心の輪を広げる体験作文と、障がい者の日のポスターの募集を行い、12月9日の障がい者の日に開催する障がい者の日・記念の集いにおいて表彰を行うとともに、テレビ、新聞等のマスメディアを活用した啓発・広報にも積極的に取り組んでいるところでございます。バリアフリー化推進功労者の表彰もこの中で制度化しておるところでございます。

地方公共団体における取組でございますが、地方公共団体においても障がい者施策を総合的に推進するために障がい者計画を策定するよう努めることとされております。

資料8ページで、平成14年度末における計画の策定状況を見ますと、都道府県及び指定都市はすべて計画が策定済みとなっておりますが、指定都市を除く市区町村につきましては策定済みは91.4%であり、年々策定率が上昇しておりますが、人口規模の小さな町村を中心に計画未策定の市町村も1割弱ほど残っております。国として、計画未設定の市町村に対しては、計画策定についての専門家をアドバイザーとして派遣することなどを通じ、計画策定にむけた指導、支援を行っているところでございます。

以上で説明を終了させていただきますけれども、障がい者の共生社会等につきましては、努力をすればするほど多々問題点のあることに気付いておるところでございます。私の内閣府は各省庁の調整機能を持っているところでございますけれども、例えば、一例を申し上げますと、昭和22年に制定されました教育基本法等関連法案の学校教育法の中には依然として特殊教育という項目がございますし、盲、聾という言葉などもまだ使われていると、そういう実態がございまして、数年前に精神薄弱者を知的障がい者と組み替えたときに、精神薄弱者という言葉は消えましたけれども、依然として学校教育法の中の第六章に特殊教育という言葉がございます。文部省は、いち早く、数年前に特殊教育課という課がございまして、他省庁のことで、他府庁のことでございますけれども、特別支援教育課というふうに名前を変えてございますけれども、まだまだ私どもが取り組んでいかなければならない点が多々あることを申し上げて、内閣府の一つの方針を御説明をさせていただきました。以上です。
狩野会長
次に、原田文部科学副大臣。
原田義昭・文部科学副大臣(原田文科副大臣)
文部科学副大臣の原田義昭でございます。私から、文部科学省における障がいのある子どもたちの自立と社会参加にむけた教育について、御説明を申し上げたいと思います。

資料は2点配られているようでありますが、厚い方といいますか、片方は原田副大臣の説明メモになっておりますが、これはよそに置きまして、厚い資料で御説明申し上げたいと思います。

ただいま内閣府からも御説明があったところでありますが、「障がいのある子どもの自立と社会参加にむけた教育について」、1ページ目でございますけれども、何としてもこの子どもたちがしっかりと持てる能力を可能な限り伸ばしてやる、そして自立をして社会参画する力を養おう、培おう、こういう観点から私どもも全力で取り組んでいるところでございます。

実態から言いますと、盲・聾・養護学校や特殊学級等の幼児児童生徒数は約21万6千人と、全体の1.3%でございます。このうち、義務教育課程段階は17万2千人ということで、1.6%の比率でございます。

これに対する学校側の体制でございますけれども、盲・聾・養護学校は全国に995校設置されております。そして、特殊学級は全国の小中学校の56%に当たる学校に併設されておると、こういう状況でございます。

なお、障がいの種類、程度に関係なく教育の機会を確保するようにしているわけでありますけれども、どうしても重い場合が中心であります。障がいを理由に保護者からの要請に応じて就学猶予・免除を受けている子どもは義務教育段階の児童生徒数の0.001%、非常にパーセンテージとしては少のうございますが、130人と、こういうふうに報告されております。

近時、盲・聾・養護学校に在籍する児童生徒の障がいが重度・重複化してきておると。こういうことから、これらの児童生徒それぞれに対する適切な支援が必要となってきております。

(4)でありますけれども、また小中学校の通常の学級にも、学習障がい、注意欠陥多動性障がい、高機能自閉症のある児童生徒が在籍しているということも明らかになっております。これらの児童生徒への対応も重要であります。

なお、最近、このLD、ADHDという言葉が一般的に使われるようになりました。
御承知であると思いますけれども、LDはラーニング・ディスアビリティーの略でございまして、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、こういうような能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す、要するに、知的発達に遅れはないんですけれども、非常にその辺のバランスが崩れておるということではないかと思います。

また、ADHDは、アテンション・ディフィシット・ハイパーアクティビティー・ディスオーダー、注意欠陥多動性障がいと訳されております。注意力が持続しない、じっと座っていられない、衝動的に発言や行動をするといった行動面で著しい困難を示す状態で、知的発達の遅れは必ずしも伴わないと、こういうふうに説明されております。

高機能自閉症、これはハイファンクショニング・オーティズムという英語からの訳でございますけれども、他人との社会的関係の形成が難しい、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く、特定のものへのこだわりといった行動面で著しい困難を示す状態と。これも必ずしも知的発達の遅れは伴わないと、こういうことを、言うまでもありませんけれども、御説明しておきたいと思います。

こういうような実態を踏まえまして、2ページ目を開けていただきますと、「「特別支援教育」の推進体制の整備」と。文科省におきまして、これは障がいのある子どもたちの教育をめぐる検討をずっと進めておりまして、昨年の3月に今後の特別支援教育の在り方についての報告書を取りまとめました。この報告におきまして、障がいの程度等に応じ特別の場で指導を行う特殊教育から、それぞれ児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う特別支援教育への転換を図るという基本的な考えを出したところでございます。

これは、先ほど中島副大臣からもお話がありましたように、特殊教育という言葉から、概念から、特別支援教育という概念に切り替えていくと、こういうこともこの中に入っておるわけでございます。それぞれ学校における特別支援教育体制の整備、さらには教育委員会における体制の整備、そして特別支援教育に対する制度的な見直し、これは、盲・聾・養護学校制度の見直しとか、教員免許制度の見直しなどを含むものでございます。

文科省としては、この提言を受けまして、平成15年度から全都道府県の教育委員会にこの問題についてのモデル事業を委嘱して、いろいろ地域における検討をお願いをしておりますし、また、3ページ目でございますけれども、16年1月、今年の1月でございますが、小中学校におけるLD、ADHD、また高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドラインを策定し、すべての教育委員会、小中学校等に配布したところでございます。

さらに、先ほど冒頭で申し上げましたように、障がいのある児童生徒を取り巻く状況の変化につきまして、障がいの重度・重複化への対応と。このところ、いろいろな社会的な背景もございまして、盲・聾・養護学校に在籍、二つ以上の障がいを併せ持つ子どもたちが、割合が増えてきたと、こういうことでございまして、これに対して文科省としては、厚労省との連携の下、養護学校における関係者の連携、医療、福祉等関係機関、都道府県の関係部局、連携、これらの皆さん、医者、看護師、皆さんと連絡を取りながら実践的な検討を行う、養護学校における医療的ケア体制整備事業を行っておるところでございます。

さらに、障がいのある児童生徒、4ページでございますが、児童生徒に対する教育に関する研究、研修の充実、これはここに書いておりますように、ナショナルセンターとして実践的な研究や専門的な研修などを実施することによって、LD、ADHD、自閉症、こういうものに対する新たな課題への改編をしておる、こういうことでございます。

4ページの(3)といたしまして、「特別支援教育の改善充実のための条件整備」ということで、施設・設備の整備、これはハードウエアの改善でありますけれども、エレベーター、スロープなどの施設や学習機器の設備を整備する経費の一部を補助するというようなことをもって条件整備に努めております。

また、最新の情報技術の改善で、いろいろ障がい者の動きにくい部分をこういう情報機械によってカバーすると、こういうようなことも大分進んでいるところであります。

また、4ページの一番下でありますが、特殊教育就学奨励費と。保護者の負担を軽減し就学を奨励するため、必要な交通費、学校給食費、寄宿舎居住費等を保護者等に支給する経費も補助しておるところであります。

これらが、私どもが今取り組んでおる施策でございますが、私ども文科省におきまして、関係省庁、各自治体等とも連携、協力しながら、障がいのある子どもの自立や社会参加の力を培うための教育的支援を行うための取組を行っているところであります。
今後とも、障がいのある子ども一人一人のニーズに対応した教育の充実にむけて取り組んでまいりたいと思っております。
以上で、私どもの説明を終わらせていただきます。
狩野会長
次に、谷畑厚生労働副大臣。
谷畑孝・厚生労働副大臣
厚生労働副大臣の谷畑孝でございます。
お手元に配付をさせていただきました資料を用意をしていただきたいと思います。

厚生労働省では、障がいのある方も障がいのない方も、だれもが人格と個性を尊重して相互に支え合う共生社会の実現を目指して、特に保健・福祉と雇用・就業の両面から障がい者の自立と社会参加を支援しておるところでございます。

まず、資料の2ページを開けていただきたいと思います。
障がい者保健福祉施策についてですが、一番重要なキーワードといたしましては、地域生活支援が挙げられます。これは、障がいがあるからといって、障がい者を施設や病院に入所させるのではなく、何より本人の希望を尊重して、できる限り地域で生活することを支援をすることは重要であるという考えであります。これは自立と社会参加の基礎であると考えております。

今後、これを実現していくためには、施設や病院からの退所、退院される障がい者の受皿を整備するとともに、在宅サービスの充実が極めて重要であると考えております。

それと同時に、成人の障がい者にとっては、後で申し上げます雇用・就業と福祉が連携をして、授産施設など福祉的就労から企業の雇用など一般就労に移行することを進めていくことが重要であります。

この地域生活支援のための具体的な施策の柱が昨年4月に施行されました支援費制度であり、もう一つが精神障がい者の社会復帰対策の推進であります。

次に、3ページでございますけれども、支援費制度について。
支援費制度は、それまでの行政がサービスを決定する措置制度を改め、障がい者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービス提供を基本とするもので、介護保険と同様に利用者と事業者との契約によりサービスを利用する仕組みであります。身体障がい者、知的障がい者及び障がい児の福祉サービスを担っております。

その施行状況でありますが、地域差はありますが、ホームヘルプサービス、グループホームなどの在宅サービスの利用が伸びております。これは、ごらんのページの右上にありますように、多くの知的障がい者や障がい児の方々が支援費制度によって新たにサービスを、利用を始めていることによるものであり、制度の効果であると評価をしているところであります。

こうした中で、平成16年度の在宅サービスの予算案におきましては、特に利用の多いホームヘルプサービスとグループホームを中心に、厳しい財政状況の中、予算を大幅に伸ばしております。今後もサービスの利用が伸びていくと予想されますので、障がい者に安心して必要なサービスが御利用いただけるよう、制度をより安定的かつ効率的なものにしていくことが重要となっております。次のページは参考でありますので、また見ていただきたいと思います。

次に5ページでございます。
精神障がい者施策については、身体障がい者や知的障がい者と異なり、これまでは主に医療面を中心に対応が図られてきたところでございますが、今後は、入院医療中心から地域生活中心という観点に立ち、社会復帰対策を推進していく必要があります。

社会復帰対策を進める上で最も大切なのは、国民各層による精神障がい者への正しい理解です。精神疾患に対する偏見、差別は依然として残っておりますが、統合失調症の生涯発病率は1%、また15人に1人はうつ病の経験があるなど、精神疾患は生活習慣病と同じく国民だれもがなり得る病気であることはもっと知ってもらう必要があると思います。

次に、地域生活中心のためには、地域において多様な主体が障がい者のいろいろなニーズにこたえていくことが大切であり、その中でも住民に最も身近な存在である市町村の役割もますます重要となってきております。

厚生労働省の対策本部で昨年取りまとめられた中間報告におきましては、施策の見直しの方向性として、今申し上げてきましたように1から4までの柱を掲げておるところでございます。次のページは参考でございます。

次に7ページを見ていただきたいと思います。
障がい者雇用の現状につきましては、企業における実雇用率は前年度より0.01ポイント上伸をし、平成15年6月1日現在で1.48%と、5人以上規模の事業所に雇用されている障がい者は平成10年11月現在で51万6千人となっております。また、障がい者で職を求めている方は平成14年度末で15万5,180人、平成14年度の1年間で就職に結び付いた方は2万8,354人となっております。

さらに、障がい者に対する能力開発については、障がい者職業能力開発校や一般の職業能力開発校において約3千名を対象に訓練を実施しており、障がい者職業能力開発校による就職率は57.1%となっております。

こうした中で、障がい者の雇用施策の基本的な考え方は、障がい者基本計画等を踏まえ、障がい者の雇用の促進等に関する法律及び障がい者雇用対策基本方針に基づき、障がい者が能力を最大限に発揮し、働くことを通じて社会参加ができますことでございます。

具体的には、ここにも書かれてありますように、障がい者雇用率の達成指導の強化。そしてトライアル雇用の各種助成の活用等による事業主に対する援助、指導の充実。3、ジョブコーチの活用による重度障がい者の雇用の場の確保。職業リハビリテーションの的確な実施など、精神障がい者の雇用対策の推進。ITを活用した重度障がい者の職業自立の推進。障がい者職業能力開発校のほかに、一般の職業能力開発校や事業主、社会福祉法人等を活用した職業能力開発の実施等、各種施策を一体的に推進し、障がい者の雇用促進、職業の安定に努めてまいります。

さらに、これらの施策を通じて、障がい者雇用の目標については、平成19年度までにハローワークの年間就職件数を3万人にすること、平成20年度に雇用障がい者数を60万人にすることとしております。以上でございます。
狩野会長
次に、佐藤国土交通副大臣。
佐藤泰三・国土交通副大臣
佐藤でございます。障がい者の自立と社会参加に関しまして、国土交通省の取組状況などにつきまして説明させていただきます。お手元にお配りしました「バリアフリー社会の実現にむけた国土交通省の取組みについて」というタイトルの参考資料に沿って説明をさせていただきます。

まず、1ページをごらんください。
快適で暮らしやすい生活環境の整備は、障がい者の方を含むすべての人々が安心して自立した社会生活を送っていく上で重要であります。このため、国土交通省としまして、ユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、住宅・建築物、公共交通機関、歩行空間等につきまして段差の解消などのバリアフリー化を積極的に推進しているところであります。

これらの施設のバリアフリー化は、計画的に進めていくことが重要と考えられますが、昨年10月に閣議決定されました社会資本整備重点計画や障がい者基本計画に沿って重点施策を実施するための五か年計画であります障がい者プランなどにおきまして、施設ごとにいつまでにどの程度の施設についてバリアフリー化が達成するかというバリアフリー化率等に関する成果目標を明確に設定した上、補助制度、融資制度、税制、規制などの各種の施策を総合的に推進しております。

また、平成13年1月の省庁再編によりまして、建築物や歩行空間の分野を担当する建設省と公共交通機関等の分野を担当する運輸省等の四省庁が国土交通省として一つに統合されたことも踏まえ、単に施設ごとのバリアフリー化を個別に行うのではなく、自宅から交通機関あるいは町中までの連続したバリアフリー環境が整備されるよう、施策間の連携の強化を進めているところであります。

2ページをごらんください。
鉄道、バスなどの公共交通機関につきましては、平成12年に施行された高齢者、身体障がい者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆる交通バリアフリー法に基づき、鉄道駅等の旅客施設を新たに建設する場合やバス等の車両を新たに導入する場合にはバリアフリー化を義務付けるとともに、これらの施設のバリアフリー化につきまして、技術的なガイドラインの策定、周知などの推進をしております。これら施策の導入等によりまして、1日当たりの利用者が5千人以上の旅客施設のうち段差の解消がなされたものの割合は、交通バリアフリー法が施行されて平成12年度の29%から14年度末までに39%に上昇しており、また、平成19年度までに7割強、平成22年度までに100%とすることを目標として設定しておるところでございます。

また、バス車両のうちノンステップバスの占める割合は、平成12年度の2%から平成14年度末までに7%に上昇しております。平成17年末までに10%、平成22年までに20ないし25%とすることを目標として設定しておるところであります。

3ページをごらんください。
道路や駅前広場の歩行空間につきまして、障がい者の方が安心して歩けるように、平成14年度に設定した道路の移動円滑化整備ガイドライン等に基づき、市街地の駅、商店街、病院などの主要ルートを中心に、幅の広い歩道の整備、歩道の段差、傾斜、勾配の改善等を整備しております。

鉄道駅等周辺などの主な道路のバリアフリー化率は、平成14年度末17%となっておりますが、本年度末までには21%に上昇する見込みであります。また、平成19年度までには約50%、22年度までに100%とすることを目標と設定しております。

4ページをごらんください。
住宅につきましては、新設されるすべての公共賃貸住宅について段差の解消や手すりの設置などのバリアフリー化を標準仕様としておりますが、さらに、障がい者の特性やニーズに極めてきめ細かく対応するため、車いすでも利用しやすい流し台や腰掛けのある浴室など特段の配慮を行った仕様が有する障がい者むけの公共賃貸住宅の供給も推進しております。また、個人の持家につきましても、住宅金融公庫融資における優遇措置によるバリアフリー化を促進しております。

バリアフリー化された住宅ストックの割合は、平成10年度で約3%、平成19年度までに約10%、27年度までに20%とすることを目標としております。

5ページをごらんください。
建築物につきましては、高齢者、身体障がい者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律、いわゆるハートビル法に基づき、百貨店、劇場等不特定多数の者が利用する一定の建築物等の新築や増築などを行う場合にバリアフリー化を義務付けるとともに、建築物のバリアフリー化について技術的なガイドラインの設定、また周知等を推進しているところであります。

これらの建築物のバリアフリー化率は、平成14年度末までに約3割となっておりますが、平成19年末までに4割とすることを目標としております。

6ページをごらんいただきます。
これら各種の施設のバリアフリー化をより総合的に推進する観点から、鉄道駅等旅客施設を中心とした重点整備地区につきまして、交通バリアフリー法に基づき、市町村が、旅客施設のみならず駅前広場や周辺の主な道路等も含めたバリアフリー化を、一体化に推進していくための基本構想を作成し、その構想に基づき各種事業を重点的に実施することといたしております。

次に、7ページでございます。
基本構想の作成状況につきましては、現在、115市町村で作成済みで、その他65市町村で作成中、約400市町村で作成の予定となっております。国土交通省としましては、こうした市町村による基本構想の作成を関係省庁とも連携を取りながら一層促進していきたいと考えております。

8ページをお願いします。
バリアフリー社会の実現には、ハード面のバリアフリー化だけでなく、情報提供や普及啓発などのソフト面の施策を併せて実施することが必要であります。このため、インターネットを通じて駅構内のバリアフリー施設を、配置や乗換案内等バリアフリー情報を提供するシステムであるらくらくおでかけネットを整備したり、広く国民の皆さんが、身体障がい者等に対する介助体験、疑似体験等を通じましてバリアフリーについて理解を深めるとともに、ボランティアに関する意識を醸成するため交通バリアフリー教室を全国で開催しております。

次に、これらの施策を推進するため、国土交通省の平成16年度予算案におきましては、バリアフリー社会の実現のための経費を前年度比6%増の1,597億円計上しております。
今後とも、以上説明いたしましたハード面、ソフト面の両面から施策の推進により、障がい者を始めとするすべての人が生活の様々な場で快適に過ごすことができる生活環境の整備に努めてまいります。以上でございます。
〜 中略 〜
神本議員
今日はありがとうございました。
先ほどからお話に何度も出てきておりますが、特殊教育、教育に関してですけれども、特殊教育から特別支援教育へという、私はこれは大賛成でございます。

理由は、その特殊という言葉に対する非常な差別感。これは、私も以前、小学校の教員をしておりましたけれども、子どもたちがいじめたり差別したりするときに特殊特殊と言ったり、障がい児の害児という言葉だけ取って害児害児と言ったり、それから、普通、地域の学校の中に特殊学級のことをいろんな名前を付けて、ひまわり学級とかそういう名前を付けますが、その名前を使ってやっぱり差別をするというようなことに使われてきました。

ですから、用語的にもこの言葉が使われなくなるというのは歓迎しますけれども、用語だけではなくて、その特殊という言葉を使わなくても今度は支援という言葉が逆に差別になるかもしれないので、最も大切なことは何なのかということが今問われているんじゃないかと思います。

具体的に、じゃ、特殊教育から特別支援教育にということをどういうふうに、障がい児者に対する差別をなくして、ともに生きる共生社会を担う一人として障がいのある子もない子も一緒に育っていくための教育というのが今求められていると思うんですね。そういう意味で、具体的にこの前の参考人の方にお聞きしましたし、今の厚生労働省のお話を聞きますと、施設から地域へというふうにはっきりと打ち出していらっしゃいますよね。

それから、参考人の方たちは、具体的にそのことを実践しながら、私が一番印象に残ったのは、施設の職員の方が非常に差別的であると、障がいを持った方に対して、様々な障がいがあるんですが、特に知的障がい、精神障がいがある方に対して、本人の意向や意見を元々障がいがあるから言えないんだということで聞かずに、職員の方の、あるいは施設の基準に生活を合わせさせるというような問題点が指摘されておりました。それは本人活動という、障がい者の方たちが本人の意見を言って本人の意向で生活をしていくという活動を通して職員の在り方も、意識の在り方も変わってきているというようなことが御指摘があったんですが、これは学校教育でも同じようなことが言えると思うんですね。

そういう意味で、文部科学省の施策の中に、私は、基本的にやっぱり特別支援教育というのはすべての子どもが別学でなく地域の学校で学べる体制を作ることだというふうに思います。いきなりはいかないと思いますけれども、今のような盲・聾・養護学校と地域の学校に通う子と2通りあると思います。昨年の学校教育法施行令の、施行規則ですかね、改正で一部保護者の選択ができるようにはなりましたけれども、それはあくまで特例措置であって、本来、盲・聾・養護学校に行くのが本来だということが底流に流れていると思います。そこを私は変えるべきだと思いますが、そういう今後の方向としてそこは文部科学省は持っていらっしゃるのか。

そうであれば、そうあってほしいということが一つと、それから、具体的に学校の教職員の専門性というんですか、盲・聾S養護学校の先生も含めてですけれども、専門性というのが、先ほど施設の職員の方の例をちょっと出しましたけれども、障がいがある子は分からないんだからしてあげなくてはいけないというような意識で臨むのか、本人がどう生きたいのかということをまず最初に考えて対するのかで全然違うと思いますので、専門性ということをどういうふうに考えていらっしゃるのか。免許の在り方もこれから検討するというふうにおっしゃっていますので、それとも絡みますが。

あともう一つ、特別ニーズという言葉が何度も出てきます。その特別ニーズというのはだれが決めるのか。私は、目指す社会が障がいの有無にかかわらずともに生きる社会を目指すのであるとすれば、地域の中でともに生きていくというそのためのニーズをどう満たすかということが教育の中でなされるべきだと思いますので、その大きくは3つについて。

それから最後に、今、国連の方でも障がい者権利条約が、起草委員会が開かれて、作業部会ですかね、というふうに聞いていますけれども、それに対しての、文部科学省としてどのような態度で、教育に関してだけでいいんですけれども、臨んでいらっしゃるのかをお聞かせください。
金森越哉・文部科学大臣官房審議官
お答え申し上げます。
障がいのある子どもたちに対しましては、その多様な教育的ニーズに対応して、持っている可能性を最大限に伸ばし、また自立し、社会参加するために必要な力を培うということが大切だろうと思っております。これまで盲学校や聾学校、養護学校、また小学校や中学校の特殊学級などで様々なカリキュラムや指導方法によってそういった力を培うということを目指した教育が行われてきたわけでございます。また、小中学校などの子どもたちが障がいのある子どもたちに対する正しい理解と認識を推進するというために、学習指導要領に交流教育なども位置付けまして、障がいのある子どもたちと障がいのない子どもたちとの相互理解も推進しているところでございます。

児童生徒の就学すべき学校につきましては、やはりその障がいの状況を把握して、保護者や専門家の方々の御意見も聞きながら、その子どもにとって自立と社会参加するためにはどういう教育が一番適切なのかという観点から総合的に判断すべきものと考えておりまして、子どもたちのそういった自立や社会参加にむけた教育が進められますように、正しい理解、また認識、こういったものを教員の様々な研修の機会なども活用いたしまして充実に努めているところでございます。

それから、国連の条約の関係の御質問がございましたけれども、現在、国連におきましては、障がい者の権利条約に関しまして策定作業が進められているところでございます。今年1月には、ニューヨークで条約起草ワーキンググループの会合がございましたが、私どものポジションペーパーの策定に当たりましても教育の観点から積極的に協力をいたしましたし、また、この会合に担当官も派遣をいたしまして議論に貢献をしたところでございます。

文部科学省といたしましては、引き続き、外務省を中心といたしました関係省庁と連携を図りながら、障がい者の権利条約の策定にむけて積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
原田文科副大臣
今の御説明に加えまして、私なりに神本先生のお話を聞いていますと、一つは、ネーミングの問題もおっしゃるとおりで、いかに変えようと、結局心のバリアが取れない限り同じような話があろうかと思いますね。それは国民の意識がどんどん進んでくるに従ってあるいはだんだん低くなろうかと思いますけれども、そこのところはしっかり気を付けていかなきゃいけない、こう思っております。

また、ニーズをだれが把握するかということについては、これも大事なことでございまして、これはもう最終的には、私は、本人ないしはその保護者、また周りに本当にケアをする人が、その希望、ニーズがやっぱりしっかりと制度の中でかなえられるような、そういう制度にしなければならないと思っております。おっしゃるように、大分最近自由度を高めて、そしてできるだけ希望が満たされるような運営はしておるようでありますけれども、是非その辺、心してこれからやりたいと思っております。
神本議員
原田副大臣の方から今おっしゃっていただきまして、そのニーズを把握するのは、ニーズというかは、本人と保護者、それをやっぱりいかに条件的に支援していくかという、私はその基本が本当に大事だと思うんですが、文部科学省の施策はそうなっていないところが多々ございますので、そこを是非副大臣のお力でやっていただきたいなと思います。厚労省の方はそういうふうに移行しているなと思うんですが、少しギャップがありますんで、お話ししていただいても結構ですし、是非そういう方向に持っていただきたいと思います。

先ほど、中原議員の方からも特別支援学校というのはどういうものなのかという御質問がありましたが、その在り方にもはっきり表れていると思います。予算配分がそこになされないままで名前だけ変えても何にも変わらないと思いますので、是非副大臣、頑張っていただきたいと思います。
原田文科副大臣
よくお話を聞きましたし、また関係の担当者もよく聞いておりますので、是非そういう方向で検討させていただきたいと思います。
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