| それでは、現在、日本の自衛隊が行っている多国籍軍への協力支援活動というのはこの二つの活動への後方支援活動というふうに考えてよろしいんでしょうか。これ、官房長官。 |
 |
| 福田康夫・内閣官房長官(以下、福田官房長官) |
法案にあるとおりでございます。法案の冒頭に書いてあります趣旨、そのとおりでございまして、後方支援活動であります。
それで、一つ、先ほどの御発言についてちょっと申し上げますけれども、それは、アフガニスタンの国民に対する配慮、視点、それを忘れないでやってくれと、こういうようなことを言われましたね。あれね、私ども非常に重要だと思っているんですよ。
私、たまたま男女共同参画担当と、こういうことでございますので、アフガニスタンにおける女性、女性がどういう状況にあるのか、そして、その女性に対してどういうことをなすべきかということについて提言をまとめました。そして今、外務省の方で外交の具体的な、経済援助の分野ですけれども、援助の中にそういう視点を取り入れてやっておるんです。これはもう去年の春ですよ、提言をまとめまして、それを実行に移しているということでございます。これは、ひとつそういうことを政府はきちんとやっているんだということは御記憶願いたいと思っております。 |
 |
| 神本議員 |
触れませんでしたけれども、私も大変その女性の自立、それから女性への支援ということについては、もちろん女性議員団としてむこうに参りましたので、ほとんどの話題の中心はそのことでしたから、行く前に、内閣府の方でアフガン女性支援、自立支援のための研究会で報告書を出され、原座長の下に出されて、原ひろ子座長もその後アフガンに行かれたというようなことも御本人からもお聞きしましたし、大変そういった取組については日本は本当に継続的にやっていただきたいし、官房長官が自らおっしゃっていただいたんで、これからも協力してやっていけたらいいなというふうに思っております。
それで、その後方支援活動なんですけれども、これまでのこの委員会での、まあ衆議院もそうですけれども、質疑の中では、政府答弁としてはテロ特措法の総括として、インド洋上における船舶に対する無線照会であるとか、不審な船舶に対しての立入検査というようなことでその件数を列挙する形で成果が強調されてきたというふうに思っております。
しかし、アフガン、アフガニスタンの国内における空爆を含む地上掃討作戦の総括は全くと言っていいほどなされていないのではないかというふうに私が読んだ限りでは思っているんですけれども、この陸上基地から発進した爆撃機によって空爆に参加した、あるいはインド洋上に浮かぶ米国の空母から発進した爆撃機が空爆を行うというようなことは、これはもう事実として明らかであると思うんですけれども、ですから、直接、間接を問わず、日本もこの地上作戦に参加した、協力したということになると思います。
したがって、この今回の延長の妥当性を審議するに当たっては、アフガニスタンの今、国内状況がどうなっているのか、特に掃討作戦の実態を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。
私自身、冒頭申し上げましたように、外交や防衛ということについては、特にこの防衛ということに、防衛といいますか軍事作戦などには本当に素人ですので、そういう素人にも分かりやすい形で教えていただきたいというふうに思います。
これまでの中で、外務大臣にお伺いしたいんですけれども、このテロとの戦いの成果として3,000人に上るアルカイーダのメンバーを拘束した。それから、アルカイーダの幹部及びタリバーンの指導者が合わせて40人、殺害又は捕捉された。そして、アルカイーダの幹部については全体の約3分の2ということで、この成果は正に自衛隊が協力支援活動を行っている軍事行動も寄与しているというふうな御趣旨の答弁を何度かなさっているようですけれども、このことには間違いございませんか。 |
 |
| 川口大臣 |
先ほど不朽の自由作戦、これについては大きく二つの部分から成りますということは申し上げました。そして、現在行われている自衛隊による給油活動ですが、これは二つの、大きく分かれる二つのうち、海上阻止活動に対しての支援を行っているわけですね。
それで、これが一体どういう目的のものであるかということで申しますと、これは、テロリストやそれからテロ関連の物資ですね、それが海上を移動をするということを阻止をするということによりまして、テロの脅威が拡散をしていくということを防ぐということにあるわけです。それがその海上阻止活動の意味であるわけですけれども、実際に何をやっているかといいますと、無線で問い合わせる、何を積んでいるとかどこへ行くとか、そういうことを問い合わせるという無線照会、これをやります。それから、立入検査、これを必要であれば、その答えによっては行うということです。
それで、無線検査がこの5月までの時点で46,000件、立入りが合計1,000件ぐらい行っているわけですね。今も引き続き月2,000件ぐらいの無線の問い合わせをしております。それから、月30件ぐらいの立入りの検査をしています。
そういったことをやることによって、テロリストやテロ関連物資が海上を通る、そのルートを分断をするということが目的であって、その結果、テロ活動が封じ込められる、それが目的であるわけです。
そういうことをやっているわけですが、目的は、要するにテロ活動が封じ込める、封じ込められるということでして、先ほど委員がおっしゃった数字ですけれども、それは不朽の自由作戦、これを中心としてテロとの戦いをこれまでやってきているわけですけれども、それの成果として、アルカイダのメンバーを3,000人以上を拘束をしたということでありますし、それから幹部、アルカイダの幹部あるいはタリバーンの指導者、これを合わせて約40名殺害をする、あるいは拘束をするということです。
それで、アルカイダの幹部、拘束しあるいは殺害をした幹部ですが、これは全体の、アルカイダ幹部全体の3分の2ぐらいを拘束し殺害をしたと、そういうことがその成果であるということでございます。これは今の時点の数字としてそういうことでございます。 |
 |
| 神本議員 |
今おっしゃったのは私も議事録で、これまでの議論で読ませていただいていましたので、私は答弁された中のこの数字が間違いないかということをお聞きしたんで、簡単にお願いしたいと思います。
今おっしゃった不朽の自由作戦の中で、海上阻止作戦と地上での掃討作戦における成果がそれぞれどのようなものかということに、それぞれについてお伺いしたいと思います。簡単で結構ですけれども。 |
 |
| 川口大臣 |
| ですから、先ほど丁寧に申し上げたのは、不朽の自由作戦が二つの部分に分かれていますけれども、それを全体としてそれがその申し上げた数字であるということで申し上げたわけでございます。 |
 |
| 神本議員 |
| それぞれではどうなっていますか。 |
 |
| 川口大臣 |
| ですから、全体合わせての数字であって、それぞれの数字ということについては、これはいろいろ情報交換をしておりますけれども、これについては申し上げることはできないということも今まで何回か御答弁を申し上げてまいりました。 |
 |
| 神本議員 |
御説明いただけないということですけれども、この捕捉されたり、拘束され、殺害されたりしたメンバーは、100か国以上の場所で行われたというふうになっていますけれども、やはりどこの国でどのような行動作戦によってどのくらいの成果が上げたということが国民、私たち国会議員にも御説明がないので分からないわけですよね。そのような、この対テロ行動がどのような成果を上げているということの最低限の透明性や説明責任が確保されない、そういった軍事行動に日本が加担しているということについて、私はこのテロ特措法の延長に強い違和感を持っております。
次に、具体的に法案のことについてですけれども、この改正案の名称は、2001年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対してという大変長い名称ですけれども、で始まっております。ですから、ということは、今後の自衛隊の協力支援活動もこれまでと同じように、多国籍軍がアルカイダやアルカイダの引渡しを拒んだタリバンを攻撃目標とする、そういう軍事活動に対して協力支援活動を行うというふうに考えてよろしいんでしょうか。分かりますか。 |
 |
| 石破茂・防衛庁長官(以下、石破防衛庁長官) |
それは、現在私どもが行っております補給活動は、海を通じて逃亡するテロリストに対しまして船舶検査等々を行う船に対します補給活動ということになっております。先生からは先ほどからおっしゃっておられますように、航空母艦から飛行機が飛び立ってアフガニスタンを攻撃するというようなオペレーションは現在行われておるわけではございません。
したがいまして、法的にはどちらも可能でございますが、現在私どもが行っておりますのは、そういうような捜索、海上検査、そういうものに従事します船に対します補給活動を行っている。法的にはどちらもできるということには変わりはございません。 |
 |
| 神本議員 |
| 先ほど官房長官からお答えいただきましたけれども、その不朽の自由作戦、海上阻止行動と地上作戦と両方に対する後方支援活動を行っているわけですよね。ですから、今回の改正案もそのことに対する後方支援活動というふうに、引き続きそういうことだというふうに考えていいのかというふうにお聞きしたわけですけれども、それはどうなんですか。 |
 |
| 石破防衛庁長官 |
| それは、今回、鋭意今行っておりますものを継続するという基本計画の内容そのままでお願いをいたしておるところでございます。 |
 |
| 神本議員 |
それで、私は、この今回の延長のための法案、改正法案を読みまして、何が変わったのかというふうに読んでみましたところ、2年という期限をあと2年延長するというふうに、ところが変わっただけのように私は受け止めていますけれども、正直言って私は驚いているんですね。
といいますのは、私自身、冒頭に申し上げましたように、実際に行ったときに出会った方やそれからアフガニスタンの専門家、それから現地で活動しているNGOの方たちに様々な御意見も含んで現地情報を集めてまいりましたけれども、2年前にこの特措法が作られたときと2年後の今とではアフガニスタンをめぐる状況、国内状況も含めてですけれども、非常に大きく変わっているなというふうに、ですから、法律の前提が変わっているというふうに私はとらえています。
ここ半年にさかのぼって新聞記事等も集めて、今アフガニスタンの国内状況がどのようになっているのか、その軍事行動がどのように行われているのかということもたくさん資料を集めて読んでみたんですけれども、今ちょっともう時間がありませんので詳しくは言いませんが、ここで御指摘したいのは、最近またイラク戦争が始まって治安が悪化しているというふうなことも新聞で最近報道されているようですが、まだ激しい戦闘が続いているから日本も多国籍軍への協力支援活動を続けなければなりませんよというのではなくて、空爆を主たる手段としてタリバーンへの攻撃を続けている多国籍軍に対し日本の自衛隊が協力支援あるいは後方支援をすることが正当なのかということに、私は今その原点に立ち戻ったわけです。
そこで、外務大臣にお伺いしたいんですけれども、タリバーンは今も国際社会への脅威として多国籍軍の正当な攻撃目標になっているというふうに、正当な攻撃目標であるというふうにお考えでしょうか。また、タリバーンを攻撃する多国籍軍に対する協力支援活動を自衛隊が行うことに正当性があると、今ですね。これから2年延長して、そのことを引き続き行うことに正当性はあるというふうにお考えでしょうか。
|
 |
| 川口大臣 |
情勢がアフガニスタンでは2年前と変わったというふうにおっしゃられて、何をもって変わったとおっしゃられているのか私、ちょっとよく理解できませんけれども、時々テレビをごらんになられますと、例えばオサマ・ビンラーデンが引き続きその画面に現れてアメリカを攻撃すべきだということを言っている。オマル師もまだ捕まっていないわけです。ザワヒリ氏もそういうことを言っている。そういった形でテロの脅威、これはまだあるというふうに思うということが当然、自然であるというふうに私は思います。
確かに、アフガニスタンの中、治安が一部回復をしているところももちろんあります。ただ、政権はいまだ脆弱で、テロとの戦いは終わっていないというのが国際社会の認識であり、そして国際社会全体としてこれを支援しなければいけないと思うからこそ不朽の自由作戦に今引き続き70か国に上る国が支援、何らかの形での支援を行っているということであると思います。
したがって、お答えをすれば、タリバーンの指導者あるいはアフガニスタン、一部は拘束されましたけれども、活動は引き続き活発になっている。そして、この作戦を続けていくこと、したがってこの法律を引き続き延長すること、これは必要であると私は考えています。 |
 |
| 神本議員 |
何が変わったかちょっと分からないというふうにおっしゃいましたけれども、私は、ビンラーディンとかオマル師が捕捉されていないという意味でテロの脅威が除去されていないということは変わらないとおっしゃいましたけれども、そのことは私も共有できますが、何が変わったかということを認識しない、分析しないでこの延長法案が提出されているということは、私は非常に大変な答弁だというふうに受け取っていますが、私自身が収集した情報では、現在、軍事行動の対象はタリバーンだけではない、反米勢力といいますか、まあ軍閥を中心にしているでしょうけれども、タリバーンもどきと現地では言われているようですが、そういう人たちに対しても攻撃が行われている。それから、タリバーンが今現在ウサマ・ビンラーディンあるいはオマル師をかくまっているというような事実は、アフガンの国内の人たち、そういう専門家から見れば今明らかではないというような現状の中で、タリバーンに対して相変わらず攻撃が行われているというような今アフガニスタンの状況なわけですね。
ですから、そういった状況認識の中でタリバーンへの攻撃が今なお続けられているというこのことに対して正当なのかということを先ほどは申し上げたわけですけれども、そのことに対しては正当であるというふうにお答えになったというふうに私は受け止めました。
それで、今度は防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、これは軍事の専門家として、給油という後方支援と、先ほどから繰り返しになるかもしれませんけれども、全体の作戦の一体性を考えた場合、日本も多国籍軍による掃討作戦に参加しているというふうに考えてよろしいんでしょうか。 |
 |
| 石破防衛庁長官 |
何をもって参加というか、これは厳密に定義をしませんと集団的自衛権とか武力の行使とかそういう議論に発展をしかねませんので、その辺りの言葉遣いは注意をしなければいけないと思っていますが、これは協力を行っていることには違いがありません。何もその行動、私どもがやっておることがテロ撲滅のために資するものでなければ、これは税金の無駄遣いというものだと私は思っております。
したがいまして、テロ撲滅のために戦っております米英始め諸外国の行動というものに協力をしているという意味におきまして、それを参加という言葉かどうかは、適当かどうかは存じませんが、協力活動が有効にそのような活動に資しているということでなければならないものだと思っております。 |
 |
| 神本議員 |
私がその地上掃討作戦の中身、特に主たる攻撃目標がタリバーンであるという事実にこだわるのは次のような理由からです。
この法律案の正式名称には「国際連合憲章の目的達成のため」という文言が含まれて、安保理決議1267、1269、1333、1368が列挙されております。この四つの決議のうちで、1267は対タリバーン経済制裁等に関する決議、それから1333は対タリバーン制裁強化に関する決議として、タリバーンが決議1267を遵守していないのでタリバーンへの武器禁輸、軍事面の役務提供の禁止、タリバーン幹部の渡航制限及びウサマ・ビンラーディン及び同関係者の資産凍結等を求めるものというふうになっております。
この両決議は、タリバーンがウサマ・ビンラーディンをかくまっているということを前提にしたものだというふうに考えていいと思います。しかし、今現在、タリバーンがウサマ・ビンラーディンをかくまっている、保護しているというような事実は確たるものではないというふうに私は思います。したがって、自衛隊がインド洋において協力支援活動を行うことの正当性はもはや失われているのではないかというふうに思うわけです。簡単に申し上げれば、タリバーンは今や国際テロリズムの脅威ではない、単にアフガニスタン国内における一反政府勢力でしかないというふうに、私は現地にかかわっている専門家や現地にいる方々のお話を聞いて、そのことにはそういうふうに考えています。
したがって、今回のテロ特措法、これまでるる申し上げましたように、掃討作戦の攻撃目標がタリバーンあるいはタリバーンもどきと言われるような人に拡大して行われ続けていることについて、延長の正当性に大きな疑問を感じております。
また、このことがアフガン国内にどのような状況をもたらしているかということにも触れたいと思うんですけれども、米軍を中心とするこの多国籍軍の軍事行動が、特にアフガニスタンの南部、東部においては、パシュトゥン人社会の分断に、分断の原因になっているという現実を御指摘させていただきたいと思います。
昨年11月に民主党が主催しましたアフガン女性支援会議の中でも、お招きした3人の女性の方たちも口々におっしゃっていましたし、またその会議のときにパネリストとしてJVC、日本国際ボランティアセンターの谷山さんという、谷山博史さんという、この方は現在もアフガニスタンのジャララバードで活動を続けていらっしゃるんですけれども、その方にそのジャララバード周辺の御自身が見聞した情報に基づいた御意見をいただきました。その報告の中では、アメリカ軍は東部、南東部の国境地帯でアルカイーダ、タリバーン残党の掃討作戦を行っています、地方の軍閥の対立を利用する形で作戦を行っているために、地域の中では信頼醸成ではなくて不信と憎しみをあおる結果になっています、そして、パシュトゥーン人を始めとするアフガニスタン人自身のアメリカに対する反発の感情も出てきているというふうにおっしゃっていました。
つい先日も一時帰国を、またこの谷山さんがおっしゃったので、今のアフガニスタンの状況のお話をお伺いしたんですけれども、今引用しました御発言は1年前ですが、今回伺ったお話では、米軍を中心とする多国籍軍による軍事行動の、そういった信頼醸成ではなくて不信と憎しみを社会の中にあおるような、そういう悪影響が更に強くなっている、しかもそのことが反米感情といいますか、米軍に対する不信というようなふうになっているというお話をまた同じように聞かせていただきました。ですから、アフガニスタンが本当に安定的に平和復興していくためには、武装勢力の均衡の下の安定ではなくて、市民社会の発展が重要だというふうに思います。
ところが、現実に米軍は、米軍を中心とする多国籍軍の軍事行動は、アフガニスタン社会における各軍閥ですね、今でもある軍閥の各勢力の善しあしを米国に親米的であるか、あるいはそうではないかというような物差しで軍事行動が進められているということが、これは本当にカブールではない各地方、特にパシュトゥーン人が多く住んでいる南部や東部でそういう軍事行動が進められているというふうに聞いております。
先ほどから、私、タリバーン、タリバーンと言って、タリバーンの、何というか擁護をしているわけでは全然ありません。それこそ女性の視点で見れば、本当にとんでもないというふうに私は思っておりますし、非常に人権抑圧的な側面を持った政治勢力であるというふうに思います。しかし、現在行われているアフガニスタン市民社会構築というビジョンのない中で、タリバーン残存勢力、あるいはもう一つのヘクマティアル派の掃討というようなことにのみ力を注ぎ込んでいるような現状では、長期的な治安の回復が図れないだけではなく、米国に対する憎悪をより増幅させて、それを背景とするパシュトゥーン人社会に更に過激な宗教保守勢力の拡大をもたらすのではないか。こうしたアフガン国内の現状に対する認識や分析の下に、今後の展望を持って本改正案が出されているのかということについて私は大変危惧をするわけです。
次に、米軍を中心とした多国籍軍が行った、また現在も行っている空爆にまつわる諸問題について取り上げたいと思います。
この問題の重要性は、イラク戦争時における米英軍による空爆でも、またアフガニスタンと同様に誤爆の名の下に多くの一般市民が犠牲になった事実から明らかです。ちなみに、これはイラク戦争ですけれども、NGOによるとイラクではミニマムで7,000人、マックスで9,000人、約そのくらいの一般民間人の犠牲になったというような、ボディーカウントをやっているNGOのこれは昨日時点での数字ですけれども、そういったことが出されています。
西側諸国、特に米国は自国の兵隊から犠牲者を出さないということを戦争遂行上の最優先課題としております。情報革命の結果、自国の兵隊に犠牲者が出れば、直ちに世論に影響を及ぼし、政治的に戦争遂行を著しくするという構造が今現在存在するからです。ベトナム戦争のために米軍は、一瞬にして広い地域を焦土に化すナパーム弾を多用し、枯れ葉剤のように人体を含む生態系並びに環境を破壊する化学兵器、クラスター爆弾が大規模に使われるようになり、市民の間に多くの犠牲者を出しました。
このベトナム戦争に激しく行われた空爆の経験から、何とか無差別爆撃を禁止しようとの目的で1997年、ジュネーブ諸条約追加議定書が提案され、現在、多くの国々が参加しています。
そこで、外務大臣にお尋ねいたしますが、国際協調の中で、国際法理というのは今後一層重要になってくるというふうに思います。外務大臣は、このジュネーブ諸条約追加議定書の意義ということについてどのようにお考えでしょうか。 |
 |
| 川口大臣 |
おっしゃるように、1977年の追加議定書、これは1949年のジュネーブ条約、これを、これの後、武力紛争の種類が非常に多様化をしているということもあって、それに対応しまして、補完、拡充をするという性格のものであると思います。
具体的に言いますと、追加、第一追加議定書と第二とありますが、第一追加議定書は、保護の対象になる傷病者の範囲を拡大をする、そして例えば文民とか民用物と戦闘員、軍事施設とを区別をする、攻撃の対象を軍事目標に限定をするというような規定を、したがって戦闘の方法、手段の規制ということを含むということになっていますし、第二追加議定書というのは内乱等の非国際的な武力紛争に適用されるということであります。
そういう意味で、これは国際人道法上の重要な条約である49年のジュネーブ条約を補完するものであるというふうに位置付けられていると思います。 |
 |
| 神本議員 |
| この追加議定書については、現在、第一追加議定書に161か国、第二追加議定書には156か国が批准しているようですけれども、日本は批准しているのでしょうか。また、米国はこの批准に関してはどのようになっているんでしょうか。 |
 |
| 石川薫・外務省総合外交政策局国際社会協力部長 |
お答え申し上げます。
最新の締約国数につきましては、御指摘のとおり、第一追加議定書、161か国、第二追加議定書、156か国でございます。
アメリカ及び日本についてお尋ねでございますが、第一追加議定書、第二追加議定書、未締結が現状でございます。 |
 |
| 神本議員 |
ごめんなさい、批准していないんですよね。
これは大臣にお伺いしたいんですけれども、いまだに批准に至っていない理由は何なんでしょうか。大臣。 |
 |
| 川口大臣 |
批准をしていない理由でございますけれども、まず我が国としてはこの追加議定書についての国際社会の見方ということをも見てきたわけですけれども、今、議定書は、ジュネーブ諸条約と並んで、先ほど申しましたように、国際人道法上の主要な柱と位置付けられるように国際社会でもなったということでございます。
それで、そういった変化を踏まえまして、我が国としては、この締結をするための国内措置、これは、条約を締結するときにはそれを担保する国内措置があることが必要ですので、そういった国内措置、これを取らないと締結できません。今、事態対処法制が通りまして、それの国内の法制の整備を行っているわけですけれども、関係省庁間で国際人道法上の実施を確保した国内法制の整備にむけた検討作業が行われております。これを踏まえまして、できるだけ速やかに事態対処に関する諸法制全体の整備と時期を同じくして追加議定書を締結をする方向で現在詳細な検討を行っております。 |
 |
| 神本議員 |
是非、早急な批准にむけて御努力をいただきたいというふうに思います。
アフガニスタンの空爆の問題に移りたいと思うんですけれども、アメリカのニューハンプシャー大学のマルク・ヘロルド教授という方の調査によりますと、アフガニスタンにおいて空爆が最も激しかった時期、2001年の10月7日から2002年3月までの間に発生した犠牲者の数をまとめた統計によると、約半年のこの時期に3,000人から3,400人の一般市民が空爆の犠牲になったとのことでした。これは新聞を始めとする様々な報道機関によって発表された死亡者のみを重複計算を避けて集計されたということで、最低推計数というふうに考えていいんではないか。実際は、この数字をはるかに上回る民間一般市民の犠牲者があったのではないかというふうに考えられます。
1回の空爆で多くの犠牲者が出たケースとして、2001年12月1日の空爆が挙げられます。この日、ジャララバードから南約50キロメートルの距離にあるカマアド村がB52爆撃機による空爆を受け、30軒の住宅が破壊され、50名から200名の死者が発生したとされる、いわゆる誤爆による犠牲であります。専門家の分析によると、タリバン軍兵士が隠れていると確証もなしに、推測のみで空爆を行った結果であるというふうに言われております。
先ほど言いましたその追加議定書、第一追加議定書の第51条では、文民たる住民全体及び個々の文民は攻撃の対象としてはならないというふうに明記され、57条の攻撃の際の予防措置というところでは、攻撃の手段及び方法の選択に当たっては、巻き添えによる文民の死亡、文民の傷害及び民生物の損傷を防止し、少なくともこれらを最小限にとどめるために、実行可能なすべての予防措置を取らなければならないというふうになっております。
アメリカは、この議定書に批准しておりませんけれども、米国陸軍法務総監のための作戦行動法律手引書というものによれば、米国はこの51条並びに57条を、慣習的国際法として米国が法的に拘束されるもの、あるいは法的に拘束されていないが受け入れられる慣例とみなしているというふうにされています。したがって、アメリカのアフガニスタンにおけるこのずさんとも言える空爆は、自ら遵守することを課した第一追加議定書の規定を無視した形で行われたことは明白であるというふうに私は思います。
私は、実際にアフガニスタン・カブールに行った際に、空爆や、あるいは地雷、クラスター爆弾に触れたために手足をけがしたり、あるいは、男の子でしたけれども、性器を吹き飛ばされた、地雷のために、それは地雷ですけれども、というような子どもたちが多く入院している病院も訪ねました。あるいは、親や家族を空爆のために亡くしてストリートチルドレンになっている子どもたちの物ごいの姿も見ました。
そういうアフガニスタンで出会った子どもたちのことを思い出すと、この誤爆あるいは空爆によって3,000から3,400人というふうに先ほど推計数字を申し上げましたけれども、この一つ一つの数字の中にはそういう傷付いた、子どもに限りませんけれども、アフガニスタンの人たちがいるということで、この空爆に対しては本当に憤りに震えます。
日本も、インド洋上における給油という形で、先ほどもお聞きしました作戦の一体性ということから考えれば、この空爆に対してはある一定の責任があるというふうに思います。
そこで外務大臣にお伺いしますが、私の、素人かもしれませんけれども、私から見たら本当に粗雑な形で行われたこの空爆が一般市民に多くの犠牲者を出している、この状況をどのようにお考えでしょうか。 |
 |
| 川口大臣 |
委員がおっしゃるように、こういったことに際して罪のない市民の人たち、アフガニスタンの人たちが傷付き殺されということになっていることについては私も非常に残念で、特に今、委員がおっしゃられたようないろいろな例を具体的に頭に浮かべると大変にお気の毒で言葉を、どういう言葉を口から出したらいいのかよく分からないという気がいたします。
アメリカについては、これは私は、できるだけ市民に、罪なき市民が殺されないように、傷付かないように最大限の努力を払っているというふうに私は思っております。
それから、やはり重要なことは、もう一つ、テロに対する戦いが続いている、これを、きちんとこの戦いを進めなければ、これは拡大をしていって罪なき市民が別なところで大勢傷付くことになっていくということを認識することではないかというふうに思います。
それから、先ほども申しましたけれども、念のためにもう一度申し上げさせていただきたいと思いますけれども、現在行われている給油活動、これは海上阻止活動への支援ということでございます。
|
 |
| 神本議員 |
では、ちょっと話を変え、もう時間もなくなりましたけれども、今、アフガニスタンの軍事行動の一環だと思います、軍事行動ではなくて、だけではないと思いますが、今年の初めに地域復興チーム、いわゆるPRTという組織をアフガニスタンに設置して活動が行われているというふうに聞いているんですけれども、これも地域で活動しているNGOの方たちの情報が私は中心なんですが、このPRT活動というのは、治安維持、それからテロリスト掃討作戦、それと人道復興支援というものを、軍隊が人道復興支援も行うという形で行われているというふうに聞いております。
しかし、実際には治安に、治安維持を図るとともに、その中で情報収集をしたり、それから人道復興支援ということで学校に机やいすを配ったりというようなことをやっておられますけれども、これについては評価も今二つに分かれているようですが、軍隊が人道援助という分野に介入することに逆効果が生まれているというふうに聞いております。
そこで、もし、米国からPRTに日本も参加するように、これまでにそういう打診はあっていますでしょうか。 |
 |
| 川口大臣 |
お尋ねの打診の有無につきましては、これは日米間ではアフガニスタンの支援につきましては本当に様々な意見交換を行っておりますけれども、その一つ一つについて具体的に言及をするということは差し控えさせていただきたいと思います。
それから、PRTですけれども、これは委員のおっしゃるようなことをおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、これは我が国としては、アフガニスタン全体として、ISAFはカブールにいるということで、地方の治安についてまだまだ問題が残っているわけです。そして、地方の治安が良くならなければ、NGOの活動もかなり地方で行われていますし、地方で行うことがまた必要ですから、そういった意味で、NGOの方々の活動が十分に行うことができないという状況であると思います。
ということで、地方の治安の確保をどうやってやっていったらいいかということが長い間の国際社会の問題意識でございまして、ISAFの展開、地方展開がなかなか難しいということでPRTということが考えられたということであります。
したがって、地方の治安が良くなっていく、改善されるということは、正にアフガニスタンの人道支援、復興支援のために非常に重要なということが我々の認識でございます。 |
 |
| 神本議員 |
| これは法律として官房長官にお伺いした方がいいのかもしれませんけれども、今のこの法律、テロ特措法でもしPRTに参加をするというふうなことは、自衛隊が参加するというふうなことは可能なんですかね、アフガニスタンの国内に。 |
 |
| 福田官房長官 |
このPRTは、これはまだ緒に就いたばかりと、こういうことでございまして、この脅威の、この9・11テロにもたらされた脅威の除去に努める活動ということであるのかどうか、その辺がまだ判然としないということがございます。
いずれにしましても、その活動の内容とか、それから今後の活動の見通しなどを十分検討した上で判断をしていくと、こういう問題でございます。 |
 |
| 神本議員 |
まだ幾つかお伺いしたいことがあったんですけれども、もう時間が少なくなってまいりましたので、最後に今回のテロ特措法の改正案について私なりの所見を述べて終わりにしたいと思います。
2001年9月11日にアメリカにおいて同時多発テロが発生しました。このテロ行為に対しては断固たる対応を取らなければならないというふうに私も考えております。
しかし、テロ対策という名の下に、戦後、不断の努力の結果得た日本の外交の国際的な信頼を損なうような現実に私は強い危機感を感じております。テロ特措法についても、イラク人道復興支援法についても、テロ対策そして人道復興支援という美名を冠することによって、法律の実態をぼかしながら、自衛隊による米軍支援が際限なくなし崩し的に進められているというふうに思います。
小泉政権は、日米関係が重要である、そしてテロ対策は国際社会が日本に課した義務であるとして、人道復興支援を免罪符のように掲げ、盲目的な米国追従政策を推進しております。小泉総理を始めとする現政権の各大臣に、私は、日本は今歴史的な重要な岐路に立たされていることを御認識いただきたいと思います。
戦後、日本は、平和憲法の下、武力を紛争の解決手段としないという方針を貫いてまいりました。そのことに対する尊敬と信頼の言葉を、私はアフガニスタンに行った折にもアフガニスタンの市民の方々やイタリアやフランス、ドイツの外国NGOの方たちから幾度も聞きました。日本国憲法はすばらしい、戦争、武力行使をしないというそのことを世界に発信してほしいというふうに聞きました。世界における創造的な規範設定の先導者としての道を今後も歩み続けるのか、あるいは武力こそが正義だという誤った道を新たに進むことになるのか、その岐路に私たちは今立っていると思います。
テロ対策特措法は、国連安保理決議1368に基づく国際社会の対応の一環として自衛隊の活動を定めています。しかし、いま一度決議1368を読み返してみたいと思います。この決議は、対タリバン制裁強化に関する決議として、対米同時多発テロを受けて、同テロを国際の平和及び安全に対する脅威と認め、テロ行為を防止、抑止するための国際社会の努力を求めるものとなっています。
私には、諸外国の軍隊への協力支援活動がテロ行為の防止、抑止につながっているとは到底思えません。その反対に、テロ行為の温床となる憎悪の増幅をもたらしている状況は既に御説明したとおりであります。米軍を中心とするアフガニスタンへの軍事行動は、パシュトゥン人社会の過激化のみを生み、アフガニスタンの平和を逆に遠ざける効果を生んでいます。私たち日本人は、テロ行為を防止、抑止するために何をすべきか、もう一度考えるべきではないでしょうか。
私は、現地を訪問した際に、アフガニスタンの方々から、日本人はいつでもウエルカムだよ、日本はいつも本当にアフガニスタンのことを考えて思案し続けてくれたという言葉をいただきました。やはり日本は非軍事面における人道援助に全力を傾注する、そのことによってテロ行為の防止、抑止に寄与すべきではないでしょうか。
テロの防止、抑止の第一歩は、人々の心の中に平和を作る気持ちを宿すことだと思います。カブールの貧困地区を訪問したときに、現地NGOが運営する小学校を訪問しました。子どもたちのあの目の輝きは今でも忘れることができません。これまで多くのアフガニスタン市民を傷付けた宗教の原理主義者を含む過激勢力の原因は無知ということです。子どものときにしっかりした教育を受ければ、大人になっても暴力で自己の欲求を満たすようなことはしないと思います。幼いころから弱者や社会の少数派に対するいたわりの気持ちを持つような教育が求められているのです。
私がカブールを訪問した際にお会いし、そして日本にも来ていただいたシマ・サマル前女性大臣から先日いただいた連絡では、女性の権利を含む基本的人権が新しく起草される憲法に明記されるように各方面に働き掛けているとのことでした。また、教育省と協力しながら、人権教育を学校でのカリキュラムに取り入れるように準備を進めているということでした。
日本はやはりこうした人権教育を含む教育分野における支援をアフガニスタン支援の柱に打ち立てて、アフガニスタンにおける平和、文化の創造に長く、息長く貢献することが今求められているのではないかというふうに、彼女のメッセージを読みながら改めて考えたところです。
日米関係について、現在、米国が進めている民主主義を力ずくで押し付けることを正当化するネオコンと呼ばれる外交方針には先が見えていることを私たちは認識しなければなりません。
イラクにおける戦後の混乱が示すとおり、現在米国が進めている世界戦略は近いうちに終えんすることでしょう。
日米関係が本当に重要で、そしてお互いが真の友好国であるのならば、お互いの個性を認め合う形で二国間関係を築かなければいけないと思います。日本は日本国憲法の前文に掲げられた精神を大切にしながら、米国一国に傾注することのない国際協調路線を是非確立していただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。 |
 |