| 2003年5月22日(木) |
| 文教科学委員会 |
| 著作権法の一部を改正する法律案の審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
私は、法律案に入る前に、一点だけお伺いしたいと思います。外国人学校卒業者の大学入学資格の問題についてお伺いをします。
これについては、3月に一応、当初は欧米系の学校だけ入学資格を認めるというような対応案から、様々なパブリックコメントが寄せられて、アジア系の学校にも同時に認めるべきではないかという御意見がたくさんありまして、文科省としては更に拡充する方法をどうやって考えたらいいかということで更に検討を進めるという結論を出されたことはもう皆さんも御承知だと思いますが、そのときに、たしか事務次官が7月ごろまでに何とか考えていきたいというふうなことをおっしゃったというふうにも聞いております。
それで、その後の検討状況をお伺いしたいと思います。どうなっていますでしょうか。 |
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| 遠藤純一郎・文部科学省高等教育局長(以下、遠藤局長) |
今、先生が御指摘のように、外国人学校卒業者の大学入学資格の問題につきましては、国際的な実績が認められる評価団体により評価を受けている外国人学校の卒業者について入学資格を認めるという対応案を3月に公表いたしましたけれども、この対応案につきまして、各方面から結果的に対象とならなくなるアジア系等の外国人学校についても何らかの対処をすべきといったような意見が多く寄せられ、またパブリックコメントにおきましても同様の意見が多く見られたということがございました。
これらの意見を踏まえまして、当初の対応案に加えまして、アジア系等の外国人学校の取扱いについてもどのような対応が可能かと、検討する必要があるということで、現在この問題につきまして引き続き検討をしているという状況でございます。
今、7月ごろ、夏ごろまでにというような発言があったのではないかと、こういう御指摘がございました。夏ごろといいますのは、仮に次の入学時期でございます16年度の入学者を念頭に置いた場合の目安ということでございますけれども、今、先ほど申しましたように検討中でございまして、結論をいつ出すかという時期をも含めまして検討しているというような状況でございます。 |
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| 神本議員 |
| ということは、来年の入試に間に合わせるか間に合わせないかということも含めての検討だということでしょうか。 |
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| 遠藤局長 |
| 具体的な結論の時期を決めて検討しているということではございませんで、今どのような対応が可能か検討しているということでございます。 |
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| 神本議員 |
この件につきましては、私の方にも、大変な、やっぱり大検を受けてしか国立大学の試験が受けられないということで、当事者の生徒さんたちは大変な精神的な負担も得ているし、物理的にも大検の入試の勉強とそれから本番の入試の勉強と両方しなければいけないということで、もうかなり早くから非常な負担を覚えているわけですね。それから、大検の勉強のためにもう部活もやめてその二つの勉強に取り掛からなければいけないというような生徒さん自身の負担もありますし、こういった状況をいつまで続けるのか。
やっと、せっかく入学資格が認められるというところまでこの3月、期待を膨らませていたのに、それがちょっと先送りされたと。でも、切り離してアジア系だけ認めないという結論よりはよかったというふうに私も思って大変期待をして待っているわけですね。
現実その当事者の方たちから私の方にも何度も御要望が来ているんですけれども、是非とも来春の例えば入試に間に合わせるとすれば、いつごろまでに結論を出せばいいのか、ルーティンワークとしてですね。センター試験というのがありますから、それに間に合わせるには大体いつごろまでに結論を出せばいいと。これは、この問題で結論をそれまでに出しますということではなくていいんですけれども、大体どういうふうになりますでしょうか。 |
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| 遠藤局長 |
| 先ほど申しましたように、夏から秋ぐらいにかけてというのがそういう意味での時期かなと。あるいは、ぎりぎりということになりますとまたいろんな対応の仕方があるかとは思いますけれども、いずれにしましても、具体的なその結論の時期を決めて検討しているということではございませんで、どういう対応が可能か、そういうことも含めまして今一生懸命検討しているという段階でございます。 |
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| 神本議員 |
| やっぱり、いつごろということを是非とも決めて検討していただきたい。何がそんなに大変なのかなと。物理的といいますか、実際に一定の教育水準を確保できているかどうかを認定するのが難しいというふうにそれは実務的には思うんですけれども、それは、例えば専修学校などで行われているような水準の認定の仕方ということも応用できるのではないかというふうに素人は考えるんですが、どうもほかの作用も働いているのではないかというように私は勘ぐってしまいますが、是非とも来年の入試に間に合うように結論を出していただきたい。そして、何がその検討の阻害要因になっているのかということも私は今日聞かせていただきたいんですけれども、ちょっと今日、本題ではございませんので要望としてそれは申し上げておきたいと思いますが、大臣、副大臣どちらでも結構ですが、この問題については国民的な関心も非常に高いと思いますので、一言お願いします。 |
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| 遠山敦子・文部科学大臣(以下、遠山大臣) |
今、局長が答えましたように、この問題につきましては、一定水準の教育というものをどのように担保するかという問題点を整理しながら検討をし、その努力をしていくという状況にございます。そういう角度で取り組んでいるところでございます。
今の御要望の趣は私どももよく分かっているところでございまして、そういうことももちろん勘案しながら、制度のことでございますので、これは今申し上げましたような角度から検討を続けるということでございます。 |
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| 神本議員 |
例えば、外国の日本人学校に通っている子どもたちはそこで上の学校に行くことは認められているわけですよね。もしも外国でそういうことが認められないということであれば、やっぱりそれは日本の、日本人としておかしいというふうに怒りを持つと思いますので、是非とも来年の入試に間に合うような方向で鋭意もう本当に検討していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
さて、著作権法の改正案についての質問に移りたいと思いますが、先ほどの後藤委員の御質問の中で、大体今回の改正の趣旨は御質問で明らかになったと思いますけれども、私は、改正案の中の映画の著作物、映画やアニメ、ビデオの著作物の保護期間が20年延長されて、現状公表後50年というのが公表後70年に延長されたということで、これは大変いいことだというふうに思います。
ただ、諸外国の例を見ますと、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの国では、映画制作に関与した著作者のうち最終に死亡した著作者の死後70年というふうになっているんですね。同じ70年でも、日本の場合は今回公表後70年、ヨーロッパの場合は死後70年となっているので、生存期間中の分、日本の方は短くなると思うんですね、実質的に。
やはり、特に日本の映画、アニメなんか非常に強い競争力を持っていますので、そういったものを保護するという観点から言えば諸外国と同程度にすべきではないかというふうに、ちょっと、日本の場合、今回改正されたけれども諸外国より短いという点についていかがですか、同程度にすべきだと思いますが。 |
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| 銭谷眞美・文化庁次長(以下、銭谷次長) |
ただいま先生がお話しされましたように、今回の改正によりまして映画の保護期間を公表後70年に延長するわけでございます。これに対しまして、欧米諸国におきましては、映画の保護期間は、例えばEU諸国では死後70年、あるいはアメリカでは発行後95年といったようなことで、映画の保護期間の原則についてはまだ差異がございまして、今回の改正によりましても映画の保護期間が欧米諸国と全く同じになるというわけではございませんけれども、これまでの公表後50年というものに比べますとかなりの改善が図られたというふうに考えております。
その背景には、我が国の場合、著作物の保護期間が映画以外のものにつきましては著作者の生存期間プラス死後50年ということで、大体70年から80年ぐらい実質的に保護されるという状況にあるのに対しまして、欧米諸国におきましては著作物の保護期間が著作者の生存期間プラス死後70年ということで、一般の著作物の保護期間自体が欧米の方が日本に比べて長いということがございます。
それで、日本の場合は、その上に映画の著作物が一般の著作物に比べて保護期間が短いということがございましたので、今回その点は解消されるわけでございますけれども、一般の著作物の保護期間自体がまだ欧米に比べて短いという問題がありますので、この保護期間の原則そのものを今後どうするのかということが課題だと私ども認識しております。
ただ、このことにつきましては、関係者の間に様々な御意見がございまして、文化審議会の著作権分科会におきましても今後の検討課題として引き続き検討していくということにいたしております。 |
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| 神本議員 |
国際競争力の強いこういった映画などのコンテンツ産業の保護という観点から、是非諸外国と同じようなことを検討していただきたいと思います。
次に、損害額算定制度というものが、この制度のインターネット配信に関しても権利者による損害額の立証負担を軽減するためということで導入されております。この114条1項にそのことが今度新設されているんですけれども、このインターネット等によって送信された著作物等についても保護を図るということはいいと思うんですが、インターネットで一度送信されたならば瞬時にそれは全国に行き渡るわけで、またそれを受け取った人がまた更に配信するというようなことも想定されますので、新設された侵害者の譲渡等の数量というものを把握するのが非常に困難ではないかというふうに思います。そうすると、せっかく新設されても実効性に乏しいのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。 |
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| 銭谷次長 |
先生ただいま御指摘の部分の改正は、訴訟における損害額の立証につきまして、権利者自身が正規品の販売を行っている場合、海賊版の販売がなければ同じ数だけ正規品が売れたはずだという前提に立ちまして、損害額として海賊版の販売数量に権利者正規品の単位当たり利益を乗じたものを損害額として請求できるようにしようとする、その部分についてのお尋ねでございます。
この新しい制度は、侵害者が著作物を無断で店頭で販売するような場合だけではなくて、ただいまお話がございましたように音楽のネット配信、こういうものを違法に行った場合にも適用されるわけでございます。この場合は、違法にネット配信されたものが受信者のパソコンに取り込まれた、つまりダウンロードされたその回数、これが海賊版の販売数量ということになりまして、それをベースに損害額を算定をするということになります。
御指摘のように、ネット配信によりましてダウンロードされた数量の把握ということは、店頭で販売されるものの数量に比べますと確かに難しいという面はあろうかと思います。ただ、ホームページを管理をするプロバイダーなどからの情報を得ることによりまして、ある程度の把握が可能であるというふうにも考えられております。
今回の改正によってもあらゆる侵害について立証が簡単にできるようになるわけではございませんけれども、訴訟において権利者ができる限り容易に権利の実効性を確保できるよう、今後とも司法救済制度の充実に私どもも努めてまいりたいと思っております。 |
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| 神本議員 |
次に、著作権教育についてお伺いしようと思ったんですが、先ほど後藤委員がもうほとんど中心的に御質問されたんで、私もこの著作権教育というのは非常にこれから特に重要になってくると思いますので、是非とも研究を進めて推進していただきたいということを御要望しておきたいと思います。
次に、いわゆる拡大教科書について幾つかお伺いしたいと思います。
これにつきましては昨年の通常国会において、衆議院を始めこの委員会でも取り上げられて、そのとき大臣も、最近になってこの問題の所在について認識をした、それで、できるだけ早く良い方向を見付け出したいというふうに御答弁されておりましたし、また初中局長も、一番望ましい形を考えていきたいということで、昨年の4月以降、文化庁の方に初中局長名で著作権改正の要望についてという通知を出され、そして今回の改正案に入れられたということで、私は大変良かったなというふうに本当に思っております。今回のこの法改正は、この点だけでも大変国民は皆さん喜ばれると思いますので、文科省からの要請を受けて文化庁が今回入れられたことに対しては、私は心から感謝申し上げたいと思います。
ただ、文科省の方では、昨年の4月のこの委員会での議論以降、教科書制度の見直しも含めて文部科学省としてどのような検討が行われてきたのか、今回の改正に至るまでの検討の経緯をちょっとお伺いしたいと思います。 |
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| 矢野重典・文部科学省初等中等教育局長(以下、矢野局長) |
ボランティア等が拡大教科書を作成する場合、一番大きな問題は、著作権についての許諾の問題があるわけでございまして、これにつきまして、すべての著作権者を探し出し許諾を得るということは極めて大きな負担となっておりますことから、文部科学省といたしましては、まず、その許諾手続を簡便にするためにボランティア団体と著作者の団体との間における包括的な契約をあらかじめ締結することができないかと、そういうことで検討をずっとしてまいったわけでございます。
しかし、すべてのボランティアを組織化することが困難でございますし、また、すべての著作権者が著作権関係団体によって網羅されているわけではないわけでございますので、そうした事情から今申し上げたようなシステムを構築することが極めて困難であるという私どもとしての結論に至ったわけでございまして、それを受けて昨年の10月に、この拡大教科書の作成、利用に係る著作権法の一部改正の検討を、教科書を担当する局として文化庁にお願いを申し上げたところでございます。 |
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| 神本議員 |
検討の最初がやっぱりボランティアが作成する場合というふうに、前提としてボランティアの方たちが現状作成していらっしゃるので、それをしやすくするにはどうするかという検討がされたということで、これについては後で意見を私も述べたいと思うんですが、実質的にこの弱視の子どもさんたちに対する教科書給付、いわゆる拡大教科書というものが盲学校や特殊学級においては検定教科書に代えていわゆる107条教科書として無償給付をされております。
今日、お手元に資料をお配りさせておりますけれども、今、「視覚障がい児の教科書の実態」ということで、これは弱視者問題研究会の方が作られたものなんですけれども、点字教科書はこういうふうに文科省が発行して無償、それから拡大教科書の中にも小学校、中学校で一部発行されているものについて無償となっています。それから、弱視学級の分と一般校の通常学級に通っている子どもさんたちの分については発行がされていないわけです。ここの分をボランティアの方たちが一人一人の子どものニーズに合わせて作られているわけですけれども、この通常学級に在籍している子どもさんが文科省の推定では約千人ほどいらっしゃるというふうに聞いているんですけれども、昨年の学校教育法施行令の一部改正で、特別の場合という言葉が付いていますけれども、弱視児でも条件が整えば通常の学級に就学することが法的に可能となっていますので、今後も増えていくと思うんですね。
ところが、この通常学級に通っている弱視の子どもさんたちについては無償給付の対象にならないわけですね。ですから、この通常学級に通う子どもさんたちの拡大教科書も無償給付すべきであるというふうに私は思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
現状は、委員御指摘のとおり、小中学校の通常の学級におきましては検定教科書を主たる教材として授業が展開されておるところでございまして、視覚に障がいのある児童生徒が在籍している場合でありましても、他の児童生徒同様に検定教科書を無償しているわけでございます。
そういう意味で拡大教科書は無償給付はされていないわけでございますけれども、御指摘の問題につきましては、通常の学級と特殊学級の関係などに深くかかわる問題でございます。今後、特別支援教育の在り方を検討していく中でこの問題につきましても検討してまいりたいと考えております。 |
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| 神本議員 |
検定教科書はもちろん通常学級に行っている弱視の子どもさんにも配られているけれども、それでは学習できないということで、本当に、今日、私はボランティアの方たちが作られたいわゆる拡大写本といいますか、拡大教科書というものをお借りしてきたんですけれども、ちょっと回させて、回していいですかね。皆さんにも是非見ていただきたいと思います。
本当にこういうふうにして手書きで作られているわけですね。一人一人の子どもさんの視力に合わせて大きさを変え、大変な御苦労の中で作られているわけです。ですから、この1冊作るのに1万5千円から2万円というようなお金、人件費ではなく掛かっているわけです。こういった現状、ボランティアに頼っている現状を何とかするためには、私は、やっぱり本来教科書というものは無償である、それから義務教育は無償であるという憲法の規定から考えると、非常におかしなことであるというふうに思うわけですね。
今回の改正に合わせて是非ともそこまでいっていただきたかったんですけれども、そういっていないので、それは要望としておきますけれども、この普通学級に行っている子どもさんたちの拡大教科書、こういった教科書は教科書として認められていないので、実際には保護者負担になっているわけです。先ほど言いましたように、1万5千円から2万円というふうな膨大な費用が保護者に負担となっているんですけれども、この購入費について国が何らかの支援をするということは考えられますでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
| それは普通学級の話ということでございますね。それにつきましては、先ほど申し上げましたように、無償給付の問題についてのお尋ねがございまして、先ほども申し上げましたとおり、私ども特別支援教育の在り方を検討していく中で検討してまいりたいと思ってございますので、そういうことで御理解をいただきたく思います。 |
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| 神本議員 |
これもまた先ほどと同じですが、いつまでこんな状態を続けていくのかと。当事者の子どもさんや保護者の方たちは、本当にこの同じ日本の国に生まれてきて、そして同じ子どもが一方では無償給付で6年間義務教育として受けられると、一方では使えない教科書を無償でくれて、そして本当に欲しい教科書は膨大な保護者負担のままに置かれているということは、こういう状況は決してよくないと思いますので、早急に検討して、特別支援教育と名前変わりましたけれども、その在り方の中で早急に結論を出していただきたいと思います。
次に、でも、とはいえ、具体的に今実際ボランティアの方たちに頼っているわけですから、そのボランティアに対する財政的な支援についてお伺いしたいと思います。
今回の改正案では、拡大教科書の作成に当たっては、ボランティア等の非営利、無料譲渡の場合には著作権者への補償金は不要というふうにされていますので、これは本当にいい措置だなというふうに思っています。しかし、先ほど言いましたように1万5千円から2万円も掛かるという、しかも一人の子どもさんの、例えば高校でいえば、3年間考えると10何万かな、具体的な数字もお聞きしたんですけれども、13万幾ら掛かるんですね、教科書代だけで。しかも、それを一年にならすと4万幾らというふうに掛かるわけですけれども、もう一歩踏み込んで、このボランティアの皆さんに対する拡大教科書の作成費、作成費用等への支援ということで、何とかこの単価を下げるとか作成がしやすいようにというような支援も必要であると考えますけれども、いかがでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
弱視の児童生徒につきましては、視力が同じでも見え方が様々でありまして、児童生徒一人一人の見え方に対応した適切な指導方法、それから教材ということが工夫されることが必要であるわけでございます。
学校現場におきましては、教材の一部が保護者や先ほどお話がございましたボランティアの御協力によって作成され、実際に使用されているところでございまして、文部科学省といたしましてもこうした活動をできるだけ支援してまいりたいと考えているところでございます。
このことにつきましては、従来より、ボランティアの作成する拡大教材につきましても特殊教育就学奨励費によります教材購入費の補助の対象となっているわけでございます。また、今回の法改正におきましては、先ほどお話がございましたように、著作権の手続が簡略化され、拡大教科書を作成する上での負担が大幅に軽減されるということになると考えておるわけでございますし、さらに、盲学校におきましては拡大教材制作のための設備等の充実が図られてまいっております。
今後、盲学校とボランティアの相互連携を充実するために、弱視の児童生徒のための教育の充実に資する、そういうネットワークの構築について、現在、全国盲学校長会と連携を密にしながら検討を進めてまいっていると、そういう状況にあるわけでございます。 |
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| 神本議員 |
今、就学奨励費として出ていて、それが実質的にはボランティアの方たちへの支援になっているのではないかというふうにおっしゃいましたけれども、それはそれでいいんですが、文科省の方にお聞きしますと、この就学奨励費の中の学用品購入費という中に入っているらしいんですが、それは盲学校の子どもさんに対しては年間1万円、それから特殊学級の子どもさんには年間5千円というふうな金額になっていますので、とても到底これだけでは足りないと思いますから、是非とも、今おっしゃったように、ボランティア団体の方たちと緊密な連携を取りながら、その御要望を聞いていただいて、ボランティアに対する財政的支援、今後とも検討していただきたいということをお願いしたいと思います。
それから、今度は作成に当たっての具体的な制度的な支援なんですけれども、この教科書を作成しているボランティア団体の方々からお聞きしたところ、実際、作るのに必要な原本が入手できるのが非常に遅くなると作るのに大変な手間が掛かるということで、原本入手を是非とも早期にできるように取り計らっていただきたいということと、それから、例えばこれはスイスの例なんですけれども、スイスでは一つの教科書に対して音声データがこういうふうに付いていまして、それから拡大のデータもこれデジタルデータとして付けられて、それから点字データというふうに、こういったものがデジタルデータとして教科書会社から教科書を発行するときに同時に出されているというふうなこともお聞きしています。こういうものがあれば、一つ一つ手書きでするとか、あるいは拡大をコピーして張り付けてというようなことをしなくても済むようになるわけですね。
ですから、そういうボランティアが作成しやすいような制度的な支援といいますか、具体的な支援を是非とも当面のこととしてしていただきたいと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
御指摘の点につきましては、私どもといたしましても、それぞれの教科書発行者がそれぞれの事業に支障のない、支障の生じない範囲でボランティア団体等の拡大教科書の作成に協力していただきたいと考えているところでございます。
ただ、具体的にどのような協力を行うかにつきましては、教科書発行者も、これは民間の企業でありますから、あくまでも教科書発行者の自主的な判断に基づいてなされるべきものでありますが、私どもといたしましては、ボランティア団体の果たす役割の重要性にかんがみまして、従来から各教科書会社に、教科書発行者に協力をお願いしているところでございます。
その中では、例えば、検定決定後、見本本ができた段階で速やかに見本本の提供を行うこと、また見本本の無料提供の可否についても検討していただきたいということ、それから、先ほど御指摘がございましたけれども、デジタルデータの提供の可能性についても検討していただきたいといったようなこと等々につきまして、教科書発行者に私どもとしてもお願いをし働き掛けているところでございますが、今後とも引き続き教科書見本本の早期提供など可能な範囲で協力を行うように私どもとしても働き掛けてまいりたいと思います。 |
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| 神本議員 |
本来、やっぱり私は、これは、この拡大教科書も検定教科書として認められればこんな問題は全部一挙に解決すると思うんですね。検定教科書として認められない理由がよく私には分からないんですけれども、例えば点字教科書は107条本として認められているということですので、聞くところによりますと、拡大教科書だとレイアウトが変わるということで、編集の、何といいますか、検定された教科書と違うものになってしまうということで認められないというふうに聞きます。
確かに、レイアウトが変わると、検定の中では、文字のポイントとかレイアウトも含めて検定されるということは私もよく承知しているんですが、この拡大教科書の場合は、そういう別の意図があるのではなくて、何といいますか、本当に必要な子どもさんたちの視力に合わせた教科書ということで作られる教科書ですので、是非とも107条本として認めて、そして無償給付ができるように早急にやっていくことが憲法が要請する義務教育の無償、それから教育基本法の教育の機会均等という観点からも必要だと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
これは、もちろん107条本には当然、各学校が採択すれば、各教育委員会あるいは各学校が採択すれば107条本になるわけでございますが、それが直ちに検定教科書にはならないわけでございまして、そのことにつきましては、今、委員が少しお触れになりましたけれども、内容的にかなり変わるわけでございます。その証拠に、私ども、拡大教科書を作る場合、単純に言わば検定教科書を翻訳するといったようなことでは内容的には十分きちんとしたものができないわけでございます。そのために、私ども、例えば国立特殊教育総合研究所で拡大教科書の在り方はどうあるべきかということをかなり専門的に研究しないと拡大教科書の内容として定まらないわけでございます。
そういう難しい面もあるわけでございますので、そういう意味で直ちに、検定を経ないで直ちに、検定教科書と同様に扱うというのは、これはなかなか難しいということについては御理解をいただきたいと思います。 |
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| 神本議員 |
いや、もう現状は、いかにボランティアの方たちが御苦労なさっているか、そしてまた弱視の子どもさんを持っている親御さんの保護者負担がいかに大きいかという現状については私もるる申し上げましたのでお分かりいただいたと思います。
非常に硬直した検定の在り方というふうに私は受け止めたんですけれども、やっぱりそこは、是非とも早急にこの問題を解決していただきたい。今回の著作権法の改正では本当にちょっとだけといいますか、一歩前進だというふうには私も思います。でも、これでは決して問題は解決していないし、相変わらずボランティアの方たちが御苦労なさってやらなければいけないという、その現状を是非とも文科省としては認識をしていただきたいというふうに思います。
最後に、大臣、この件について御決意をお願いいたします。 |
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| 遠山大臣 |
この問題は、昨年の委員会、衆参におきまして御議論いただきまして、私も大変大事な問題だと考えております。そして、今回の著作権法の法改正は、この問題に取り組んでいる方々にとって一つの大きな福音であることは確かでございます。しかし、それを更に学校教育の現場において、現に弱視である子どもたちが例外なく拡大教科書が使えるようにしていくというのは、私は行政の責任だと思っております。その角度から、子どもたちにとって最もいい方法でこの問題を解決をしていく必要があると私は思っております。
初中局長は、言葉を選びながら、いろいろ検討していくと。あれだけ言っているということは、相当検討するということだと私も思っておりまして、この法律が施行日を迎えるのが来年の1月1日でございます。1月1日が施行日でございまして、このことを考えますと、施行日ないし来年度にむけまして、できるだけのことをしていきたいと私は考えております。
そのことが日本の大事な子どもたち、弱視であっても、私は、十分世の中で活躍してもらうことができるわけでして、そういう子どもたちにとって本当の意味の福音になるようにしていきたいと思いますが、その方法論につきましては若干お時間をいただきたいと思います。
しかしながら、その御指摘の点については、私は十分この問題についての大事なポイントであるというふうに承っております。 |
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| 神本議員 |
大臣の今、弱視の子どもたちが例外なくこういった教科書が行き渡って学べるような環境を作りたいという言葉、それから文科省として局長が検討する検討するとおっしゃっていただいたので、それは本当に前むきな検討だというふうに大臣からもおっしゃっていただきましたので、是非その方向でやっていただきたいと思います。
ありがとうございました。よろしくお願いします。 |
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