| 2003年5月12日(月) |
| 決算委員会 |
| 国会、会計検査院、総務省、財務省、文部科学省、国民生活金融公庫、公営企業金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行の2001年決算についての審査 |
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| 神本美恵子参議院議員(以下、神本議員) |
民主党の神本美恵子でございます。
私は、まず最初に文部科学省に初任者研修制度についてお伺いをしたいと思います。
この初任者研修制度といいますのは、1988年に教育公務員特例法の一部改正によって導入をされました。この制度の目的は、当時の議事録によりますと、趣旨説明によれば、「現下の教育課題を解決し、また教育の質的向上を図るため、教員には、従来にも増して教育者としての使命感、幼児、児童生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、そしてこれらを基盤とした実践的指導力などが求められております。」ということで、組織的、計画的、継続的な研修制度が導入されたわけですけれども、そのための予算として、これは年度によって採用人数が変化しますので一概にその予算額では比較できないと思うんですが、単純に計算しますと、初任者に対する研修を行うために指導教員とそれから後補充のための補充教員が配置されるわけですけれども、その人件費だけを計算してみますと、1人の初任者に対し大体、これ2001年度予算においては約164万5千円というふうに私の計算ではなりました。
これだけの予算を付けて実施されてきたわけですけれども、制度導入から15年がたって、この当初の制度の趣旨は生かされて、その効果がきちんと上がってきたのか、文部科学省の御見解、大臣の見解をまずお聞きしたいと思います。 |
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| 遠山敦子・文部科学大臣(以下、遠山大臣) |
今、委員御指摘のとおりに、初任者研修といいますものは、大学で教員の養成というのを受けてきた人が、実地に教壇に立つという場合の非常に大事な時期におきまして、自立して教育活動が行えるようにすると、その素地を作りますために採用後1年間にわたって研修をするというものでございます。その1年間の研修によりまして、実践的な指導力を身に付けたり、あるいは幅広い視野を持ったりというようなことができるわけでございます。
15年たちましてどうだという御質問でございますが、私どもも教育委員会からその成果につきまして常に情報を集めているわけでございますけれども、その多くの初任者自身も含めまして教育委員会から受けております初任者研修についての評価でございますが、いい面が幾つかあるわけでございます。
一つは、教員にとりまして使命感や自覚を教員として実地に教育する当初に持つことができたという点で大変良かったという点。それから、授業の展開の仕方、あるいは学級経営の在り方、それから子どもとの接し方、そういったものについて学ぶことができたという点。そして、校外研修なども入っているものでございますから、幅広い視野を養うことができたという点も挙げられております。それらを通じまして、教育委員会としても、やはり新任の教員たちがすべての事柄について意欲的、自主的に取り組む自信とそれから知識、技術を身に付けることができているというふうな評価を得ているわけでございまして、これらにつきましては所期の目的を達成しつつあるということでございますが、私どもとしましても初任者研修の重要性にかんがみまして、今後ともその成果がきちっと上がっていくように十分努力してまいりたいというふうに考えております。 |
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| 神本議員 |
私も元、小学校に勤めておりまして、私が入職したころはこの初任者研修制度というのはもちろんなくて、今おっしゃったような、例えば、学級経営の在り方とかそれから子どもの接し方、また幅広い視野。幅広い視野という点については、校外で研修もっと充実して、安心して学校を出て研修ができたらよかったなというような部分はありますけれども、その他の研修については校内で同僚等と一緒に学ぶというようなことがそれまでやられてきたわけですが、今回、この初任者研修制度がこの2003年度から運用の見直しが行われているというふうに聞いております。その一つとして、これまでは一つの学校に初任者が2、3人入ると1人の指導教員を配置されていた、それを拠点校方式という形で、初任者4人に1人の指導教員というふうに拠点校方式が導入されたということですね。
これは要するに、考えてみれば、単純に予算削減ではないかなと思います。先ほどの単純な計算でこれも計算してみますと、2001年度の分は164万円、2003年度、この拠点校方式が3分の1だけ導入されたということですけれども、それを単純に計算しますと141万で、初任者1人に対して23万円の予算が、コスト削減といいますか、できているというのか、されたわけですね。こういうふうにコストを見直すということは大変重要なことだとは思うんですけれども、そのことによって、じゃこの初任者研修制度の先ほど大臣おっしゃられたその意義が、今、意義や必要性がもう低くなったのかというと、そうではないというふうに思うんですね。
ですから、初任者研修のやっぱり質をきちっと、コスト削減しながらも質は確保するという取組が非常に重要だと思うんですけれども、単純に考えますと、指導教員がこれまでは1つの学校で2人ないし3人の初任者をきめ細かに教えていたのが4人に1人になりますから、幾つかの学校を掛け持ちをするというような場合も出てくると思います。そうしますと、きめ細かな指導がこれまでのようにできるのかというような質の低下が懸念されるわけですけれども、そういうところについてはどのようにお考えでしょうか。 |
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| 矢野重典・文部科学省初等中等教育局長(以下、矢野局長) |
委員御指摘のように、平成15年度から初任者研修の実施方法につきまして、これまでの、初任教員4人に対しまして1人の指導教員が指導する拠点校方式を導入する等の見直しを行ったところでございます。
この場合、従来の指導教員は授業を持ちながら初任者への指導を行っておりましたのに対しまして、今回の拠点校指導教員は授業を持たないで専ら初任者の指導を行うこととしているところでございます。また、その指導力を一定水準に保つために指導者用の研修を新たに行うことといたしているところでございます。さらに、拠点校指導教員の人選に当たりましては、学校任せにしないで、服務監督者たる各教育委員会で責任を持って力量ある教員を選んでもらうことといたしているところでございます。そして、拠点校指導員のほかに校内でも教務主任等が指導者となって、拠点校指導教員と連携をしながら、学校全体で初任者の指導に当たってもらうことといたしているところでございます。
このような、今私が申し上げたようなこのような見直しによりまして、委員御指摘の初任者研修の質という点につきまして、私どもといたしましては十分な確保がなされるものというふうに考えているところでございます。 |
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| 神本議員 |
質の確保ということで、専任の指導教員という形にしたというお話でした。
私は、この指導教員の在り方についてなんですけれども、幾つかの学校現場での実態をお聞きしますと、指導教員と初任者との1対1の研修を、研修時間、初任者の研修としてカウントして、それが今、学校全体でやっぱり初任者を受け入れて研修をみんなで考えていくということをおっしゃいましたけれども、私も全くそれは賛成なんですが、学校現場の運用においては、指導教員と1対1でやった研修だけが初任者研修、校内の週7時間というふうに決められているそのカウントされて、例えば初任者が自分の授業をみんなに見てもらうための指導案を書いたり教材研究したりという、それはもちろん同じ学年のほかの先生方と相談して一緒にやるということは大変有意義なことだと思うんですね。ところが、そういう同学年でやっていることとか、中学であれば教科部会で授業研究の準備をするというようなのは、指導教員がやっていないということでカウントしないというような運用がされていると。そのために変なひずみが出てきているというような事例も聞くんですね。
例えば、ある小学校ですけれども、新学期になりますと、子どもの登校、集団登校集団下校、安全のための登校班づくりがどの学校でもあるんですが、それはもう全校で一斉にやらないと、縦割り集団をつくりますのでやらないといけないんですが、登校班づくりの時間が設定されているその日に初任者研修がその学校では組まれていて、登校班づくりに初任者と指導教員は参加しないで初任者研修が行われているというような事例とか、同じ学校なんですが、2学期に運動会が予定されているけれども、諸行事の関係で運動会のための練習の時間が10日ほどしか取れないのに、そこにも初任者研修が一杯はめ込まれていて、本当に初任者が担任として子どもと一緒に運動会に参加きちっとできるのかという心配をしている同僚の声なんかも聞いたんですが、このような硬直したやり方ではなくて、それぞれの学校のやり方で、先ほどおっしゃられたその初任者に対する計画的な研修がそれぞれの学校や地域に応じてやられるということが私は本当に研修の質の確保充実につながると思うんですけれども、その運用の在り方についてはいかがでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
今、委員がお引きになりました例で申し上げますれば、例えば学校行事を含めた特別活動があるわけでございますが、こうした特別活動は重要な学校教育の一環でございまして、それぞれの都道府県の教育委員会におきましては、初任者の研修項目の一つに位置付けられているところでございます。実際、多くの都道府県や学校等におきましては、適切な年間指導計画を作成して、初任者が学校行事を通じた児童生徒の指導方法について学ぶことができるように配慮されているわけでございます。
そういう意味で、初任者研修の指導についての制度そのものにつきましては、特に補助授業の在り方につきましては、例えば、今御紹介になりましたように、これまででございますと週2日指導を受けるといったようなことがあるわけでございますけれども、そうした中に、今私が申し上げたようなケースを考えますれば、学校行事等への参加も研修として、当然、運用の問題として位置付けることは可能であると思っております。そういう意味での現場における弾力的な運用というのは可能であるというふうに考えております。
なお、申し上げますれば、この際申し上げますれば、従来は校内研修を週に2日以上と日で示してまいっておりましたが、今回の見直しによりまして週10時間以上と時間でお示しをいたしまして、各学校等の判断で週の中で研修時間をより自由に設定できるように改めたところでございます。このことによりまして、学校行事やあるいはその準備に必要な時間を避けて初任者研修の時間を確保することも容易になって、さらに各学校の実態に応じて、実態に応じて工夫をいただけることがより可能になろうかと考えております。 |
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| 神本議員 |
次に、今度は指導教員とは別に後補充として非常勤講師が確保されると思うんですけれども、これは各県によっては後補充としての非常勤講師の確保に大変苦労していると、教育委員会がですね、というようなお話も聞きます。
特に、今度のこの拠点校方式、方式が変わりまして、週1日7時間だけ後補充の非常勤講師が来るというふうになりますので、そうすると、その後補充に来る非常勤講師の条件として、週に1日しか働く場がないということにもなるわけですから、非常に働きにくいと。それから、子どもたちとのかかわりも週1日だけというようなことで、学校現場からは、もう少しこの非常勤の雇い方といいますか、使い方を弾力的に考えていけないだろうか、そういう雇用の仕方を各県で工夫するということを認めていただきたいというふうな要望も出ているんですけれども、後補充の時間の使い方については弾力的な運用はできるのでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
| 非常勤講師の確保方策についてのお尋ねでございますが、これまで都道府県等の初任者研修の担当者を集めて開催をいたしました協議会におきまして、そのための方策を例示するなどいたしまして、地域の実情に応じて、地域の実情に応じ工夫をしていただくように働き掛けてまいってきているところでございますが、その中で、市町村が既に任用している非常勤講師を初任者研修のための非常勤講師としても活用することなどの、そうした弾力的運用について一つの例示としてお示しをしているところでございまして、そうした工夫によりましてそれぞれの都道府県とも非常勤講師の確保について努力をいただきたいと考えているところでございまして、文部科学省といたしましてもそうした各都道府県の取組を支援してまいりたいと思っているところでございます。 |
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| 神本議員 |
| コスト削減が質の低下につながらないためには、今幾つかお聞きしましたような各学校現場や地域に応じた弾力的な運用によって、工夫によって本当に初任者研修の趣旨、目的が生かされるような在り方を、是非とも、今後ともそういうやり方を努力していただきたいと思いますが、そのためにはそういう各学校現場や教育委員会の声を十分に聞くと。今度、特に方式が変わりますので、変わったことによる様々な改善点や問題点などを調査していただきたいというふうに思いますが、それについてはいかがでしょうか。 |
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| 矢野局長 |
| 初任者研修の実施状況でございますとか、あるいは課題につきましては、これまでも毎年度調査を行っているところでございまして、本年度もこの秋には全国の実施状況を調査することといたしているところでございます。この調査結果につきましては、各都道府県、指定都市の初任者研修の担当者を集めて開催しております協議会、これは毎年行っているわけでございますが、その協議会におきましてその結果をフィードバックをいたしますとともに、工夫をされた事例の紹介でございますとか、あるいは課題や問題等について情報や意見交換をいたしまして、各都道府県等における初任者研修の取組の改善に資するようにいたしてまいりたいと思っているところでございます。 |
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| 神本議員 |
これは要望なんですけれども、私が生まれ育った小学校の事例なんですが、こう言えば学校名が分かってしまいますけれども、27学級の小学校で、職員が、教職員が30人いる学校だそうです。そのうち講師、定数内講師、非常勤講師、定数内講師だと思いますが、8人。30人のうち講師が8人だそうです。しかも、そのうちの5人が新規採用、新卒、大学卒業したばかりの方です。で、初任者というのは、これとは別にあと2人、その初任者がこの研修対象者なんですが、幸いこのお2人は講師経験を何年かされた方なので本当に救われていますと、その学校の先生からお聞きしました。
定数内講師が、結局講師ですから1年間という期限付だと思いますが、8人もいて、そのうち大学卒業したばかりの方が5人で学級担任をしているわけですね。その方たちは初任者研修の対象にはならないわけです、講師ですから。初任者は別に2人いて、きめ細かな指導を受けていると。
私は、学校現場を考えたときに、ちょっと何か矛盾を感じます。本当に学校を出たばかりで子どもの名簿の作り方も分からない、判この押し方も分からないところからやるわけですから、きめ細かな指導が本当に、周りからのサポートも大切だと思うんですが、それが必要な人に本当に行き届いているのかと。初任者にはきめ細かなのが行われているけれども、その人たちは既に、講師経験でそういうのは一定の経験を積んできている。
講師経験を何年かした人は、この初任者研修を一定免除するというか軽減して、その分、そういう大学卒業したばかりの新卒の人にその分の指導が行くといいなというようなことをちょっと感じておりますので、要望として御意見申し上げておきたいと思います。
次に、政策評価についてお伺いをしたいと思います。
2001年の1月の中央省庁改革に伴って政策評価制度が導入されてから2年が経過しております。総務省は昨年12月と今年4月に「各府省が実施した政策評価についての審査の状況」というのを公表していますけれども、2001年以降の政策評価の実施状況とその成果、また総務省の審査によって明らかになった問題点、今後の改善策について総務大臣のまず総括的な所見をお伺いします。 |
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| 片山虎之助・総務大臣(以下、片山大臣) |
今お話しのように、この政策評価はやり出してから2年なんですよ。法律が通りましてから、法律が施行してから1年なんです。やっぱりまだ1年や2年じゃ、ややトライアル的なんですけれども、そろそろやっぱり政策評価の本来の効用発揮をこれから考えにゃいかぬなと、こう思っておりまして、私どもの方は法律の所管であると同時に、ほかの省と並びの部分と、並びだけじゃなくて、専担組織と言うんだそうですが、難しく言うと評価専担組織、センは専門の専、タンは担当の担、組織、まあ役所というのはこれだけの分からぬ言葉を使うんですけれども。だから、並びの部分とまとめる部分と、こういうことをやるんです。
それで、そのまとめる部分は何をやるかというと、一つは、各省庁にまたがるものについては私どもの方でやると。例えばこれまで、地域輸入促進、容器包装のリサイクルの促進、リゾート地域の開発整備、障がい者の就業等に関して、これは各省にまたがりますから、こういうものをやりまして、これはこう直すべきだということを指摘しました。
特に、リゾート地域の開発整備はあのバブルのときにやれやれやれという話で、ほとんどうまくいっていないんですよ、簡単に言うと。だから、これは抜本的に見直すべきだと。それはそれぞれいろんな事情もありますから、それを踏まえながら改善策を是非考えろと、こういう指摘をしまして、これは新聞やテレビでも一部取り上げられました。それが一つなんですね。総合、各省にまたがるやつやると。
それから、各省がやったものの二次評価というんでしょうか、客観性担保のために一次評価したものをもう一遍我々の方で見せてもらうと、こういうことをやっておりまして、これはもう一杯あるものですから、こういうふうにした方がいいよということを各省には申し上げておりますが、ただ、必ずしも今までの政策評価は成果につながらないんですよ。一番大きいのはやっぱりこれ以降の予算編成に生かされるとか、これ以降の例えば組織や定数の査定に生かされるというようなことがなきゃ、まあ行政そのものを直すということはいいですよ。しかし、それだけじゃ私は不十分じゃなかろうかと。
そういう意味では、財務省その他関係のところと十分な連携を取って、政策評価の成果がもっともっと生きるようなことを考えていくことが必要ではなかろうかと。そういう意味で、各省も相当前よりは認識を改めてもらいまして、私は明るい展望があるなと、こういうふうに思っております。 |
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| 神本議員 |
私も、今の総務大臣のお話聞きながら、本当にせっかくすごい労力を使って、トライアル的なものとおっしゃいましたけれども、その段階だとはいえ、せっかくのこの政策評価が予算編成に是非生かされるべきだなというふうに、この機会に勉強させていただいて思っております。
そこで、財務大臣にお伺いしたいんですが、最近の経済財政諮問会議の議論においても、この政策評価を予算編成へ反映させることの重要性が指摘されております。3月10日のこの同会議では、民間議員から予算編成の在り方の改革について、財務省による事前統制が中心だったこれまでの編成方法を、政策評価を活用した事後評価重視の方向に変えるということが提言されておりますが、各府省の裁量性の拡大、厳格な事後評価といったこの提言に対する御所見、それから今後の予算編成の在り方について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 |
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| 塩川正十郎・財務大臣(以下、塩川大臣) |
これはもう私はかねてから非常に強く主張していることでございまして、今まで私も長いこと国会議員やっていますけれども、予算は予算、後はもう親方日の丸で付けっ放しというようなんでございましたけれども、これからはきちっと評価していきたい、それを生かしていきたいと思っております。
そこで、ついてはこの事後評価を、これをどういう具合に予算に編成、査定に結び付けていくかという、これは相当システマチックにやらないと、ただ主計局の判断だけでこれをやったらこれはもう大変なことでございますから、だから、それを政府の中でどういう具合に組み立ててやっていくかということは、これから研究していかなきゃならぬと思っております。今、理念が出てきたところでございまして、これから実のあることを付けて具体化していかなきゃならぬと思っております。 |
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| 神本議員 |
この経済財政諮問会議での提言を予算編成に生かすということでは、本当に現在の政策評価は基本的には各府省にゆだねられていて、私も新聞記事をちょっと見たんですが、「政策評価 お手盛りの域を出ていない」ということで、先ほど総務大臣おっしゃったリゾート地の、リゾート法の問題もここに出されているんですが、本当に、きっちりとした厳格な政策評価実施が本当に担保できるのかという点では、非常に私はこの制度は注目はするんですけれども、本当に実効性を担保できるのかということではもう少し工夫が必要なんではないかなというふうに思います。
それで、政策評価に関する法律、私、勉強したところによりますと、政策評価の在り方として、政策評価の客観的かつ厳格な実施の確保を図るためには当該政策の特性に応じた合理的な手法を用い、できるだけ定量的に行うことというふうにされています。したがって、この政策評価の目的である評価結果を政策に適切に反映させることや、あるいは効率かつ効果的な行政の推進に資するという評価を行う、当然そのことは予算編成にも反映されるべきであり、先ほど大臣、塩川大臣はシステマチックにどういうふうに反映させていくのかという研究が必要だというふうにおっしゃいましたけれども、この政策評価が国民にも分かりやすくて、そして予算編成にもこういうふうに反映をされた、されるというような政策評価にしていくためには、総務省としてはどのように今後なされていくのか、お伺いしたいと思います。 |
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| 田村政志・総務省行政評価局長 |
政策評価の質の向上といった問題は、評価の有効性を確保し、そして国民から信頼される評価となるために大変重要な課題だと認識をしております。
このため、行政機関が行う政策の評価に関する法律においては、各府省が政策評価を行うに当たって三点を定めてございます。
ただいま委員御指摘のように、政策の特性に応じた合理的な手法を用いて、できる限り定量的に政策効果を把握すべきこと、二番目に、政策の特性に応じて学識経験を有する者の知見の活用を図ること、三番目に、評価書の公表義務付けにより外部検証性を確保することといったような措置を定めてございます。また、政府全体として、評価手法の開発や評価に携わる職員の研修の充実に努めるといったようなことも規定されておりまして、その取組を進めておるところでございます。
さらに、総務省におきましては、この法律に基づきまして各府省が実施をいたしました政策評価につきまして、更に私どもの方としてその客観性の担保のための評価を行うということ、審査を行うということになっておりますので、その審査を通じまして政策評価の定着と評価の質の向上に資するよう、各府省に対していろいろな課題について連絡を申し上げ、改善を図るようにしていただくようにしております。
今後とも、このような取組を積極的に推進するとともに、政策評価の各府省の連絡会議の場などを活用しまして各府省と協力し、あるいは場合によっては私どもの方から強力に要請するなどして政策評価の質の向上に努めてまいりたいと思っております。 |
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| 神本議員 |
そこで、一つ具体的な事例で私、お伺いしながら考えてみたいと思うんですけれども、個別の政策評価ということで、先ほど大臣おっしゃっていただいた障がい者雇用就業の問題ですね。そういう府省横断的な問題については、特に政策評価が予算編成に反映する事例として考えやすいのではないかということもありまして、お伺いしたいんですけれども、4月15日に総務省から出された障がい者の就業等に関する政策評価書において、養護学校の高等部は現場実習をより積極的に実施することとの意見が付されています。盲・聾・養護学校の教育現場の教員にとっては、この現場実習というのは、重要性は分かるけれども大変に負担が大きいというふうに聞いております。
というのは、今、この多分不況の中でだと思いますが、障がいを持った子どもさんを企業の現場実習に受け入れる受入先が非常に限られて、ほとんど断られるというような現状があるそうです。その確保に走り回らなきゃいけないということと、それからいったん受け入れていただくと、そこに子どもさんによっては毎日あるいは週に1回というふうな巡回指導に行かなきゃいけない、さらにその実習先ができれば就業に結び付くような職場を開拓しなければいけないということで、そういう現状があるわけですけれども、この総務省が出された意見の中では、より積極的に実施することというふうにあります。それを実施するには、公共職業安定所とのより緊密な連携によって実習受入先の開拓を進めたり、あるいは学校現場もそういう進路指導なり現場実習を担当してくださる先生の人員確保というようなことを、増員も含めて検討しなければ、本当にこの障がい者の就業について充実したものにならないんではないかというふうに思いますけれども、この総務省からの意見を受けて、文科省としてはどのように改善を検討されるのかということをちょっとお聞きしたいと思います。 |
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| 遠山大臣 |
養護学校の高等部の生徒のような障がいを持つ子どもたちにとって、言わばきちんとした就職の機会が得られるということは大変大事でございまして、私どもとしましても、今回の評価の結果で二つあると思います。一つは、関係機関がよく連携をしろということでございますし、もう一つは現場の実習というものを充実しようと。これは誠に、先ほど申しましたような観点から見て、私どもも非常に大事なことだと思っております。
どうするかということでございますが、近年、我が省と厚生労働省、いろんな意味で協力連携を保っておりまして、例えば高校生の就学の問題、あるいは大学病院の改革等を含めた医療制度等の改革との関連等々、様々に連携を保っておりますが、こうした問題につきましても今後とも是非とも連携をしていきたいと思っております。
それで、更に我が省としまして、今おっしゃったような角度で事柄を進めますために、平成13年度に全国特殊学校長会に委嘱いたしまして、1人1人の生徒の就業にむけた個別の支援計画についての研究を行いました。そして、こうした成果を踏まえまして、更に平成14、15年度にわたりまして5つの都県に委嘱をいたしまして、養護学校とそれから公共職業安定所あるいは地域障がい者職業センターなどの関係機関、あるいは企業等が連携した継続的な就業支援の組織あるいは体制づくりなどについての実践的な研究を今行っております。
また、現場実習につきましては、これは非常に重要ということで、新たに今年度から実施されております高等部の学習指導要領におきましては、現場実習を含む就業体験を一層充実するようにということで明記をいたしておりました。また、今月末には全国の担当者を集めました会議を持とうと思っております。
これによりまして、今回の政策評価の指摘も十分踏まえながらいろんな討議を通じてモデルを示したりということで、その報告結果ができるだけ実践に移されるように努力をしていきたいというふうに対応いたしております。 |
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| 神本議員 |
普通の子どもさんでも、もう高校卒、大学卒業して就職が非常に困難な状況が今あるわけですけれども、その中で障がいを持っている子どもさんはもっと困難であるという意味で、今、文科と厚労が本当に連携して、そこの学校生活から職業生活への移行の部分をきっちり連携してやっていただこうとしているということは、大変私は重要なことだと思って期待をしております。
ただ、そのときにもう一つ、障がいを持っている子どもさんは、すべて養護学校ではなくて、普通の地域の中学校に行っている子どもさん、高校に行っている子どもさんもいらっしゃいますが、そこはどうしてもやっぱり学校だけの、あるいは保護者だけの、任せになっているというふうな実態も聞きますので、ある意味では死角になっているんではないかと思います。地域の中学校を卒業した障がいを持った子どもさんの職業生活への移行ということも是非ともその取組の中に入れていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
それから、今度は、卒業して、受入れ側の厚労省の取組としてジョブコーチ事業というのが創設されているというふうにお聞きしています。私は、このジョブコーチというのは大変すばらしい事業だなというふうに思っております。ところが、障がいを持った子どもさんが現場実習やあるいは企業に就職をして、そこにジョブコーチが付いて、仕事、技術を個人的に個別に教えたり、あるいは人間関係の間を理解を促進されるようにしたりしてくれるらしいんですけれども、一応このジョブコーチ事業では6か月という期間が決められているようですけれども、現実には1、2か月でジョブコーチは去っていってしまうというような現場の話を聞いております。
是非これは、6か月というか、もう本当に必要な、その子が定着するまできめ細かに本当に支援をしていただきたいし、離職した場合はまた再就職ができるように定着支援を是非行っていただきたいと思いますけれども、厚労省としては、この政策評価を受けて、緊密な連携とジョブコーチ事業の充実という点ではどのようにとりくまれるんでしょうか。 |
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| 三沢孝・厚生労働省職業安定局次長 |
委員御指摘のジョブコーチ事業でございますけれども、これは昭和、14年度、昨年度から実施している事業でございまして、障がいを持たれた方々の就職、あるいは就職後の職場への適応上のいろいろな問題、こういう問題に対処するために設けたものでございます。
その支援期間でございますけれども、ただいま先生から1、2か月というふうな御質問があったわけでございますけれども、私どもの制度では、この実施期間につきましては、個々の障がい者の状況に応じまして、障がいを持たれる方、いろいろ状況が違いますものですから、その状況を勘案しながら、障がい者御本人と事業主の同意を得た上で設定しているところでございまして、最長8か月、標準的には3、4か月、こういう状況でございます。
御指摘のような短期間の事例について、私ども必ずしも十分実態を把握しておりませんので今直ちにお答えを申し上げることはできませんけれども、一般論で申し上げますと、ジョブコーチ事業の実施に当たりましては、その内容につき、先ほど申しましたように、あらかじめ支援対象者あるいは事業主の方々に計画を御説明し、了解を得て実施しているということでございます。
したがいまして、私どもとしましても、この事業、行政評価の対象になっていることでございまして、効果的な実施が可能になるよう努めていきたい、こう思っておりますので、具体的に先生の方から具体事例をお教えいただければ、この制度の枠内で必要な対応を検討していきたいと思っております。 |
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| 神本議員 |
障がい者の雇用促進といいますか、就業確保の事業について、今度は財務省と総務省の両方にお伺いしたいんですけれども。
今、例に挙げたような問題については2つの省にまたがっての事業になると思うんですね。そこの緊密な連携が、本当にこの事業といいますか、政策の効果を上げるというふうに思うんですが、例えばジョブコーチをもっと増やしたいとか、養護学校や普通の学校における障がい児の進路を確保するための増員をしたいというような改善要求としてそういうものがそれぞれから出てきたときに、総務省としては、その改善要求にこたえるものとして総合的な支援をするためにはこれだけの予算が必要だとかいうのが出てきたときに、総務省は、政策評価を基に、財務省の次の予算査定のときに、そのことを是非生かしてやっていく必要があるのかどうかということを総務省として財務省にどのように意見が言えるのか、あるいは連携ができるのかということをお聞きしたいのと、それから、財務省はそういう場合にどういうふうにするか、両方の御意見をお聞きしたいと思います。 |
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| 片山大臣 |
| まあ、そこまでやるかやらぬか、ちょっと議論があるところですね。やっぱりどこまでどうやるか、個別の政策の実現は各省のこれは権限と責任ですから、我々は連携が不十分なら連携をしっかりやれと、あるいは進路指導もやってくれと、あるいは受入れについても、今、委員が言われるようなことも考えてくれと、それは各省なら各省の判断でいろいろ検討していただいて効果を私は出していただければいいんで、しかし、物によっては私どもの方も各省と一緒になって財務省にいろいろ要請するということはあると思いますけれども、しかし、基本的にはこういうことも、委員、一つは自立という観点が要るんですね。おんぶにだっこに肩車みたいのはいかぬものですから、どこまでどうやるか、それからどこまで自立でやってもらうか、それをどこまで行政は応援するか、この辺の限度は、これは大いに各省の判断で研究してもらいたいと、こう思っておりますから、物によると私は思います。 |
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| 塩川大臣 |
財務省としては、政策評価の問題を提案してやっておりますが、どうも国会で政策評価の問題になるとみんな陳情なんです。最後は、神本さん言うように、これをよろしく頼む、増やしてくれ、予算を増やせ、人を増やせ、結局陳情になっちゃうんですね。
私は、それはそれで必要だと思います。ですけれども、増えるばかりが評価じゃございませんで、増やすばかりが評価じゃございませんで、削るべきものも随分あるんです。ですから、そういうようなものを総合的にやらなきゃならぬ。それはやっぱりその担当所管の役所との間でいろいろ話合いをしていってやっていきたいと思っておりまして、真に、本当に社会的ニーズ、また政治的ニーズのものに重点的に評価してやっていくのは、これは当然でございまして、その代わり、一方においてはそれを評価して削減していくべきものは削減していく。それをやろうとするのならばやっぱり省庁と、所管しておる省庁との話になってくるということでございますので、さっきの陳情なんか、省庁の方でしっかりとやっておいていただけたら結構だと思います。 |
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| 神本議員 |
ちょっと何か受け止め方が違うような気がするんですけれども、私は、今具体的な事例を挙げました。
それで、もちろん、障がい者の自立に関して、おんぶにだっこに肩車は駄目だと、私もそれはもちろん分かった上で言っています。障がい者が自立と、それから社会参画していくのにどれだけ今困難かと。その困難さを克服するのに、学校と社会、福祉の部分とがいかに連携をして、連携すれば、進路指導とジョブコーチが力を合わせれば1人で済むかもしれないんです、それは。ジョブコーチが学校のことも十分に理解すれば、進路指導の先生が駆け回らなくていい、そうしたらもっと効率的にやれるかもしれないというようなことを、私はこの政策評価で府省横断的な政策を評価することによって、そういうことを考えていただきたいと。もし増やす必要があれば増やすし、要らなければ減らすと。
先ほどの初任者研修だって、必要のないところは単価を、コスト削減をするとか、そういうことだってあるわけですから、私は、何も陳情で増やせ増やせというばっかりを言ってきたつもりではもちろんございませんので、そこは是非、なぜ政策評価をやるのかということの意義をきちっと踏まえて、予算編成に反映をさせていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。
それから、もう時間がない、ちょっと時間が来ましたけれども、一つだけ、済みません。
DVの問題ですけれども、これはこの前本会議でもちょっと総務大臣お答えになりましたが、DV加害者が被害者の住民基本台帳の閲覧を禁止するという、各自治体に配慮をするようにというふうにおっしゃいましたけれども、それでは本当に、生き死ににかかわることですので、是非もう一歩進んだ、例えば各自治体が閲覧できないようにする取組をするようにという指導をするというようなことを是非検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 |
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| 畠中誠二郎・総務省自治行政局長 |
お答えいたします。
DV被害者の保護と住民票の閲覧の関係についての御質問でございますが、具体的に各市町村がどういう取組をしているか例を申し上げますと、例えば東京都のある区でございますが、住民基本台帳基本条例というのを定めまして、ストーカー被害者とともにドメスティック・バイオレンスによる被害者、DV被害者に対する保護を図っているところでございます。
具体的には、付きまとい等行為又は暴力行為による被害があった旨の申出がありますと、例えば警察署に確認するとか、支援センターに確認するとかいうことをいたしまして、その住民票の写しの閲覧とか写しの交付請求を拒否するという措置を講ずる旨を定めているものでございます。
総務省といたしましては、関係機関、それから地方公共団体の意見も聞きながら、必要によりしかるべく検討してまいる所存でございます。 |
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| 神本議員 |
| 終わります。ありがとうございました。 |
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